(クイズ) 一つの種しか診れない獣医をなんというか? 
Wednesday, November 25, 2015, 11:40 PM
今晩のNHK教育のTEDではUCLAの心臓医が動物園でも診療をしたときの感想を「動物の医者が知っていて、人間の医者が知らないこと」というタイトルで話しています。

動物も人間もかかる病気は同じと言うこと

精神病も同じ(自傷行為)、産後鬱での馬の育児放棄の解決策はホルモン投与が効くのに、人間では治療がなく、産後のうつについてはノーケア(ほったらかし)の状況です。

つまり

獣医師と人間の医学は交流がない



まったく別の職業とされていて、PhD(フィジカルドクター)は歯医者、臨床医や薬剤師を見下し、さらには獣医師を見下しています。

医療にヒエラルキーがあり、人間の専門医はその頂点にあると、人間の医者は思い上がっているのだと言います。

そのとおりでしょう。

人間も動物(哺乳類以外も含め)同じ病気を抱えるのに、人間だけ診る医者と獣医は知識交換・交流がないのか不思議だというプレゼンテーション(presentation)でした。

さあ、このTEDの感想を私がこれから述べます。

法律においては、ペットや家畜は物(object)です。これが過失で殺されようが、喰われようが、すべては器物損壊罪というあくまでも他人の所有物を壊してしまったという<金銭に換算された>罪状になります。

方や、人間は過失でも故意でも殺してしまえば、殺人罪という重い罪で刑務所に入ることになります。(行き過ぎれば絞首刑)

器物損壊罪は、損失額はすべてお金に換算されて、損害額がそのまま罪の重さとなります。

人間の値段はないのか?

いえいえ、損害保険では、冷酷に人間の値付けがなされます。

引き籠もりと医学部生だったら、方や穀潰しだからせいぜい数千万、方やウン億と10倍20倍50倍とものすごい差となります。

引き籠もりが医学や法律に興味を持っていたとか言ったところで、医者弁護士になれるわけではないので、はい、余命が40年として最低時給で働いたとして、これだけしかお支払いしませんと保険会社から言われるだけです。

なぜか『命は大切教』の人々はこういう矛盾はけっして指摘しないのです(笑)

命は等しく尊いのであれば、支払われる保険金も一緒だろうよ。

んなこたぁねえ。保険金が支払われる段になれば、人間の残価を早見表などで、60歳過ぎれば30代の40%と事務的に告げられるだけです。
あと何年平均で生きて、収入はだいたいいくらなので、その分を埋め合わせしますというだけのこと。

命は動物と同じく金ですぐに換算されるにすぎないもの



これは法律に詳しい人にでも聞いてみましょう。というか法律では命=金銭というトレードで構わないのです。
命=命であれば、ハムラビ法典になっちゃいますから。

以上まとめると、同じ物(object)を扱っている商売なのに人間医と獣医は大きな隔たりがあるように扱われていることが、とてもおかしいと言うこと。

石黒忠悳(いしぐろただなお)という明治初期の東京帝国大医学部のボスがいました。
森鴎外(林太郎)の上司です。

このクソ野郎は西南戦争では馬医者で戦役に就いています。もともとは東北出身の獣医なのに、西郷軍の弾に当たる兵士の治療もやったのです。
そしたら、どさくさで人間の医者になっちゃって、軍医の頂点にちゃっかり就いてしまったのです。

この無能な馬医者の石黒忠悳のおかげで、陸軍の兵士の3割以上が、弾に当たるよりも脚気で死にました。
まったくあきれた話です。

馬なみに兵士を扱えば、こんなにも脚気で死なすことはなかったのに(笑)

私は医学という職業自体をあんまり信頼してません。
医者も保険業界も、人間は「ブツ(object)」に過ぎませんから。同じブツ扱いなら、動物やペットも同じです。

あんまり人間の医療だけを聖域扱いにする風潮に断固反対します。

病院のバックヤードを覗けばわかりますが、病院と葬儀屋は二人三脚なんですよ。
広くみれば病院も葬儀屋も同じ業界なのです。

ほんと平和で能天気な業界だ



本当の医療というのは「トリアージ」という優先順序がなされてしまう。
どうせ死ぬか治らないのはほったらかしです。
ベトナム戦争の遺体洗いのアルバイトを厚木でしたという叔父がそんなことを話してましたっけ。運び込まれても助かる見込みがなければ、泥だらけのままなんだとか。

過去ログ:森鴎外の上司は馬の獣医師だった!?
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夫婦同姓の原則で将来、名字数は激減するでしょう 
Wednesday, November 25, 2015, 11:19 AM
11/25 雨 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

12月16日に最高裁で夫婦同姓は違憲かどうかの判断が下される予定です。
私としてはそれほど興味ない話です。個人に対する記号かラベルに過ぎませんから。

遡れば明治31年(1898年)に制定された明治憲法において、「戸主及び家族はその家の氏を称す」という規定が定められ、戦後の日本国憲法(昭和23年)の民法で「家制度」が廃止となり、結婚した夫婦には新しい戸籍を独立してつくることとなりました。

その際に氏の決め方も議論されたようですが、たいした議論にもならずに、夫婦どちらかの氏を選択するという慣例で承認されたのです。

日本人の名字のほとんどは明治でつくられたものばかり



平民苗字必称義務令(へいみんみょうじひっしょうぎむれい)という明治8年(1875年)の法律で、平民にも名字をつけるようになったのです。

それまでは名字とは殿様から有力者(豪族、商家)へ授ける形です。イギリスで言うところのサーという称号みたいなものかな。

名字は税金を課される正式な「Citizen」の証明


でもあったそうです。映画「市民ケーン」の「市民」と同じこと。

それじゃあ市民(Citizen)以外は、なんであったのかというと、耕すための労働力です。殿様の所有物。

NHK大河「花燃ゆ」の梶取素彦(かとりもとひこ)も旧藩主毛利元徳から授けられて改名させられました。5回目となるとさすがに固辞したようですが、元徳が押しつけたのです。迷惑な話。

平民は明治8年となると、戸籍をつくるために名字を付けさせられます。
一例では源氏の系統である「藤」を使った名前が好まれたのだとか。
もとを辿ればみんな水飲み百姓です。

ほとんどの家名なんてたかだか140年の歴史です



お家(いえ)の存亡!なんてのはそれこそ日本史に出てくるような家系でもなければ、関係ない話です。
くだらねえ。

どのみち、少子化・人口減少で出生率は2を切っているのですから、一人っ子同士の結婚ではどちらかの家系は消えてしまう可能性が高くなります。

ですから、頭数の多い名字、鈴木さん、伊藤さん、佐藤さん、山田さんといったありふれた名字ばかりになっていくでしょう。

だから、夫婦別姓に反対する理由として「家系が断ち切られる」とか「親族との共同体意識が薄れる」といったことは、全く真逆の結果になるということ。

夫婦同姓でどちらかの名字に統一すれば、一方が消えてしまうので、名家とよばれた家系もやがて消えるかもしれません。

私の「六城」という珍しい名字も、あと一、二代もすれば無くなるでしょう。子孫が残せる男子は親戚全体で二人しかいないもの(笑)

それに由緒はないです。
従兄弟によると、ご先祖は伊達藩三人扶持の足軽で、名字は明治八年に登録されたようです。それまでは石川村のナニガシと名乗っていたとかなんだとか。

だから石川さんも、はるか遠い親戚と勝手に思ってます(笑)
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奨学金制度は独立した社会人への第一歩なのです 
Tuesday, November 24, 2015, 02:15 PM
11/24 晴 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

私のところには都や区の中小企業関連の会報や冊子がよく送られてきます。新設された助成金などがあるのでさっと目を通しています。

適合する内容があれば、ぜひ応募したいと思っているのですが、なかなか都合の良い助成金や融資はないですね。

すべて自己資金で賄えれば、それはそれで良いのですが、投資の回収が長期にわたる場合はなるべく借入れたほうがメリットが多いのです。

できるだけ低金利(これが重要)で長期に借りるというのは戦略的には合理的です。
無借金経営がすべてにおいていいということはないのです。

金融機関への信用も高まります。

このように見ているので、奨学金制度というのは全然悪くない制度だと思っています。
羨ましいことに無担保ですし、20年以上の返済期間ですし。

未成年に借金を背負わせるのはおかしいという議論が湧き起こりますが、私から言わせれば借金ではなく本人が背負った自分への投資なのです。

奨学金が返済できないということが社会問題化しています。

返済できない理由や反論はいろいろあるのでしょうが、一番の原因は返済計画が甘いとしか言いようがありません。

そして滞納に対する社会的罰則を軽視しているきらいがあるように思えます。

クレジットカードがつくれない、ローンが組めないなど信用機関のブラックリストに一度乗ったら不利益なことばかりです。

厳しいことを言いますが、これが社会の現実です。

あともう一つ挙げれば、大学の授業料が高すぎるということ。

早稲田大学の初年度授業料は130〜180万円です。二年以降でも120〜160万円程度です。4年で500〜600万円ほどかかります。
国公立は年間54万円ですから、4年で220万円です。

ずいぶん上がったねえというのが私の感想。デフレで25年前の物価水準に戻っているのならば、国公立は年間30万円程度でしょう。
私立文系では60万円程度がいいところです。

ぼやいても仕方がないので、私学の学費を奨学金で賄ったとして、20年で返済するとなると、毎年40万円ほどの返済となります。月に3万円ちょっととなります。

経営的な見方からすると、決して悪い条件ではないのです。インフレになってくれば、なおさら万々歳です。

お金を借りるのは「若さ」というのも最大の武器です。働ける期間が長期ですから。

ひるがえって、50歳、60歳と年齢があがると短期借入れとなって、10年、5年と返済期間が短くなってしまいます。

審査に通るのであれば、最低15年や20年(金利だけ払って)借りっぱなしにしておきたいと、普通は思います。
これが普通の経営感覚です。

日本の奨学金制度がうまく機能していない、支払い不能者が増えているというのであれば、これは選んだ教育機関が間違いなのか、そもそも収入には一銭にもならない(ハクさえつかない)教育機関であったということです。

私がもし18歳に戻れるならば、就くであろう業種をよく調べて、全額借入れで学生になるでしょう。

というのも、ある資格が必要で、その専門学校の担当と電話で話をしたのですが、結局は費用対コストについてずいぶん詳しい話をされたので感心しました。

授業料にたいしてこれだけの収入増の見通しが立てられるという具体的な話を電話でするとは思いませんでした。コストが上回るならば外注で問題はないのです。
こういう業界の内情の話は理解できるので、がぜん面白くなってきます。

なんか話の内容がに既視感(デジャヴ)があるので、なんだろうと思っていたら

福沢諭吉・小幡篤次郎著のベストセラー「学問のススメ」です



最初から最後まで一貫した内容は「学問に投資すれば、官吏や技術者でこれだけの年収があるのだぞ」だから慶應義塾の授業料は投資なのだという、まさに学問のススメなのです。

だからこそ、親も子供も読んだのです。べつに冒頭の「天は人の上に人を造らず」に感銘を受けたからではない。
数年で回収できるお金をなぜ投資できないのだという福沢と小幡の問いかけ問答がそのまま印刷されたのです。

このような視点を親もその子供も共有できないから、返済が難しくなるのでしょう。

と偉そうな講釈垂れましたが、4年間遊びほうけるつもりで学校へ通ったので、あまり偉そうなことは言えません。自分でセミナー代や研修費を出す段になって、はたと気付いたのです。お父ちゃんお母ちゃん目論見外れて回収できなくて(笑)ゴメンよ。
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浜田宏一出てこーい!クルーグマンに梯子をはずされた大恥豚野郎め! 
Monday, November 23, 2015, 05:42 PM
11/23 曇 10時 浅草での空間線量は16ベクレル/立法メートル

安倍内閣が大馬鹿過ぎて、あきれかえるようなお話です。

クルーグマンが異次元緩和は大失敗でしたと平身低頭



クルーグマン論文「流動性の罠」を推進政策とした浜田宏一は許さざるべき張本人です。

浜田宏一という人物は安倍内閣官房参与という肩書きで、丸々ノーベル賞経済学者クルーグマンの”ジャブジャブマネー論”を経済政策の方針として実行した人物です。

こんな奴のために、日本経済は安倍内閣となってから一向に好転していません。二期連続のGDPマイナス成長というのは、不況の定義ですから、日本は完全に不況入りしました。

クルーグマンの流動性の罠とは、「金利がゼロとなっても、デフレ下では時間の経過と共に物価が下がるので、市場にお金が回らず、みんな現金を貯め込んでしまう。だからデフレが続いてしまう。」
ということです。

中央銀行としては、公定歩合で金利を操作する以外はできませんから、企業投資や個人消費が増えることを祈って金利をゼロまで下げました。
しかしこれではデフレは脱却できないということ。金利はマイナスにすることができないから。

これに対して

それじゃあ、物価をあげてやれば、実質マイナス金利だ



というのがクルーグマンの主張です。これを実直に行ったのがアホノミクスの安倍晋三と浜田宏一です。「異次元の緩和」を実行するために、日銀には黒田東彦と岩田規久男が送り込まれました。

金利がゼロでも将来物価が2%上がるのであれば、今のうちにお金を使っておこう。(お金の価値が2%減ってしまう)ことですから。

日本円の価値を下げるために20〜30兆円米国債を買い続けた!



その結果(2年前から)円安、物価高が急速に進みました。そして連続マイナス二期の経済成長となりました。

そして今になってクルーグマンが

いやぁ〜俺のデフレ解決策は失敗しちゃった、てへへ、メンゴ



という完全に白旗を揚げた投稿をしています。

浜田宏一と黒田東彦は間抜けなピエロをいつまで演じるのでしょうか



アメリカFRBは来月には金利をあげて金融緩和政策を一旦止めます。

さあ日銀は金利をゼロに押さえつけるための異次元緩和策(日本国債買い)をこのまま続けられるでしょうか?

私はできないと思います。

アメリカの公定歩合と日本の公定歩合は一定のスプレッドをもって連動しているからです。
アメリカのマネーが日本に逆流することは絶対に許さないということ。

だからといって、日本がゼロ金利を維持していると、そのままアメリカに円が加速ながら流れていくことになります。

だから無理です。

もし来月のアメリカ金利引き上げで日銀は金融緩和維持としたら、それこそ亡国の主犯は日銀であるのです。

大阪の府知事・市長ダブル選挙は大阪維新の圧勝でした。

来年の参議院選挙は、自民党安倍政権ではもう勝てないでしょう。ちゅうかそろそろ経済政策失敗で首を刈られるのではないかな。

私は一刻も早く、安倍内閣の大失敗!経済政策「アホノミクス」関係者が罷免になることを祈っております。

友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
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【良質な経営・ビジネス・IT・経済・金融・知識の提供を目標に】
     2015年11月22日: Vol. 340

<Vol.340:ついに白旗を上げたクルーグマン(1)>

    テーマ:リフレ政策の失敗が明らかになった
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
     HP: http://www.cool-knowledge.com/
(過去の有料版からも抜粋し載せています)
無料版の登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000048497.html
有料版の登録/解除: http://www.mag2.com/m/P0000018.html
     感想/連絡:yoshida@cool-knowledge.com
           Systems Research Ltd.  吉田繁治
   42995部
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おはようございます。三連休、いかがお過ごしでしたか。しばらく、
送信が途絶えていたことをお詫びします。言い訳にすぎませんが、
約2か月間は、本を書くことに注力していました。1週間ほど前に最
終校正を終えたので、12月初旬には、書店やアマゾンに出るでしょ
う。そのときは、またご案内します。

内閣府が11月16日に公表した、2015年7-9月期の実質GDPは、年率換
算で0.8%のマイナスでした。4-6月期も0.8%のマイナスでしたか
ら、2期連続です。

IMFの定義では、GDPのマイナスが2期続いた場合、景気の停滞では
なくリセッション(不況)とされます。日銀は、相変わらず、「穏
やかな回復」としていますが、このGDPのマイナスがなぜ回復なの
か。

リーマン危機以降の、わが国の実質GDPを示します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2007年  +2.2%  福田内閣(07.6〜08.9)
2008年  -1.0%  麻生内閣(08.9〜09.9)
2009年  -5.5%  鳩山内閣(09.9〜10.6)
2010年  +4.7%  管内閣(10.6〜11.9)
2011年  -0.5%  野田内閣(11.9〜12.12)
2012年  +1.7%  野田内閣(〜12.12)
2013年  +1.6%  安倍内閣(12.12〜現在)
2014年  -0.1%  安倍内閣(12.12〜現在)
2015年  -0.8%(半期) 安倍内閣
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
民主党時代の単純平均成長率 0.27%/年
安倍内閣での実質GDP成長率  0.23%/年
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2008年9月に米国発のリーマン危機で、輸出が急減し、わが国の
GDPも、-5.5%という準恐慌的な減速を見ています。それを入れた、
民主党時代の約3年は、単純平均で見た成長率が0.27%でした。

日本を再生させるという鳴り物入りで登場した安倍政権3年間での
成長率は0.23%と、リーマン危機があった民主党の時期より低い。
一体、どういうことかと思うのです。(注)世帯所得の増加がない
ため、14年4月からの消費税の、3%増税が効いています。

日銀が国債を買ってマネーを増発する異次元緩和を開始して2年6か
月が経ちました。2013年4月には、「2-2-2」と言い、2年で、マネ
タリーリー・ベース(つまり通貨発行量)を2倍に増やし、2%のイ
ンフレにして、経済を成長させるとされていました。

そのリフレ策では、米国のノーベル賞経済学者、ポール・クルーグ
マン(元NY大学教授)が1998年に書いた『流動性の罠(わな)』が
元になっています。リフレ策とは、中央銀行が通貨を増発すること
によって、デフレをインフレにもって行く金融策です。

インターネットで公開されていたLiquidity Trap(流動性の罠)
の論文を見て、メール・マガジンでも紹介し、「日本は今後、通貨
の増発策をとるだろう」を書いて送ったことを記憶しています。

(注)現在は、山形浩生氏が01年に翻訳したものが公開されていま
す。http://cruel.org/krugman/krugback.pdf

内閣官房参与の浜田宏一氏が、クルーグマン論文を安倍首相に説明
し、安倍内閣のもっとも大きな経済政策として、採用されています。

人々を驚かす金額の「異次元の緩和」を実行するために、日銀には、
黒田東彦総裁と岩田規久男副総裁が送り込まれました。

クルーグマンの流動性の罠論は、ほぼそのまま、安倍内閣と日銀の
政策になったのです。

量的緩和は、円安を実現するための、20から30兆円の「ドル国債買
い」という介入も伴っていたため、浜田氏は、後の日本を破産させ
る亡国のエコノミストになるかも知れないと書いて送信したことも
憶えています。(注)ゆうちょ銀行、かんぽそして公的年金基金を
運用するGPIFなどによるドル債買いです。

安倍政権と黒田日銀は、わが国の財政の破産を早期化させたとして、
歴史に名を残すかも知れません。平成の高橋是清の失敗です。

(注)財政破産とは、政府の義務的な支払いができなくなることで
す。国債の利払い(10兆円)と償還(120兆円)、公務員の人件費
(35兆円)、年金の支払い(40兆円)、医療費・介護費の支払い
(40兆円)、その他の政策的支出を、削減してしか支払えないこと
です。

財政破産は、国債を発行するとき、その金利が2.5%から3%に上が
るときから始まります。

異次元緩和の金融政策を考えたクルーグマンは、最近のNYタイムズ
紙のコラムで、10月20日と11月2日の2回、異次元緩和は、目的とし
た狙い(2%のインフレ)を果たせず、失敗に終わったという主旨
の論考を、NYタイムズ紙に載せています。

(『Rethinking Japan(日本経済の再考)』15.10.20 :『Liquidity
Traps, Temporary and Permanent(日本の流動性の罠の一次性と永
久性)』11.02)
http://krugman.blogs.nytimes.com/2015/10/20/rethinking-japan/

http://krugman.blogs.nytimes.com/2015/11/02/liquidity-traps-temporary-and-permanent

いずれも、日本の3年の政府政策にかかわる重要なものです。なぜ
か日本の経済メディアでは、これについて、一言も書きません。不
思議です。当方で紹介する理由がこれです。

クルーグマンのコラムには、経済学の重要な概念が多く含まれるの
で、解説をしながら進めます。

少し長い『Rethinking Japan(日本経済の再考)』15.10.20は、先々
週の有料版で取り上げました。

ここでは、多少短い『Liquidity Traps, Temporary and
Permanent(一時的ではなかった日本の流動性の罠)』11.02)を、
紹介し、解説風なコメントを書き入れます。

クルーグマンの英語はなかなか難しい。私の翻訳(意訳)に間違い
があるといけないので、原文も載せます。翻訳や解釈に間違いがあ
れば、ご一報ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<Vol.340:ついに、白旗を上げたクルーグマン(1)>
     2015年11月22日:無料版

【目次】

1.流動性の罠論で書いたリフレ政策は、間違いだった
2.間違えた理由
3.マネー・サプライを増やすことができれば、物価も上がる
4.日本の自然成長力(潜在成長率)はマイナスだった

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.流動性の罠で書いたリフレ政策は、間違いだった

Liquidity Traps, Temporary and Permanent(2015.11.02)

Larry Summers reacts to an offhand post of mine, seeking to
draw a distinction between our views. I actually don’t
think our views differ significantly now, but he’s right
that what he has been saying differs from the approach I
took way back in 1998. And I’ve both acknowledged that and
admitted that the approach I took then seems inadequate now
(1)

<一時的ではなかった日本の流動性の罠:
(元財務長官・ハーバード大学総長の)ラリー・サマーズ氏は、私
と見解が違うということを強調するため、私の率直な記事に反論し
ている。私には、意味ある違いとは思ない。しかし、遡れば1998年
に私が書いた『流動性の罠』と、現在の自分の見解は違うというの
は、彼が言う通り、事実だ。
日本に対する見方では、現在の考えは違うこと、そして、当時の私
の見解(流動性の罠)が不適当であったことを、ここで認める。翻
訳(1)>

クルーグマンは、1998年に書いた『流動性の罠(わな)』は、日本
に適用するのが不適当だったと、素直に誤りを認めています。

「流動性の罠」論とは、どんなものだったか。

【金利0%でも、物価が下がるときは、実質金利は高くなる】
物価が下がってゆくデフレ経済の中で、人々が抱く将来物価の上昇
率が例えば2%のマイナスであるときは、本当の負担である実質金
利は以下になります

実質金利=名目金利(0%)─期待物価上昇率(−2%)=2%

名目金利は、0%以下になりえません(ゼロ金利制約と言う)。

例えば銀行の預金金利をマイナス1%に下げれば、皆が、必要な金
額以上の預金は引き出して、現金で保管するからです。銀行は取付
けが起こったときのように、資金不足で破産するでしょう。

1998年の日本のように、中央銀行が金利をゼロにしても、人々の期
待物価上昇がマイナスのときは、現金を好む傾向(流動性選好と言
う)が生じて、借り入れでの投資は増えず、買い物も急がれること
はない。このときは0%以下がない金利政策は、無効になります。

方法はないのか。「いや、ある」と論証したのがクルーグマンの
『流動性の罠論』(1998年)でした。

【期待物価上昇率が上がれば、実質金利はマイナスになり得る】
政府と日銀が、物価目標を掲げて、物価を絶対に上げると言いなが
ら、通貨を大きく増発すればいい。これによって、人々が予想する
期待物価上昇率が例えば2%に上がれば、実質金利はマイナス2%に
下がる。

〔実質金利=名目金利(0%)─期待物価上昇率(+2%)=─2%〕

例えば、住宅ローンの金利は、変動なら0.7%程度です。ここで、
住宅価格が、将来、2%/年で上がると期待されるようになると、
実質金利は[名目金利0.7%−住宅価格の期待上昇率2%=−1.3%
〕に下がります。4000万円の住宅なら、0.7%の金利を払っても毎
年1.3%(52万円)値上がり益が期待できます。こうなると、住宅
需要は増えるでしょう。

企業も、商品物価が2%上がると予想できるなら、0%に近い金利で
借り入れをして、メーカーは生産設備を、小売業は店舗を増やすた
めの設備投資を行うでしょう。

世帯も、預金ゼロで預けたままではなくなります。来年は1000円の
ものが1020円に上がるとなれば、消費税が上がったときのような、
早期の買い物が起こるでしょう。

名目金利はゼロ以下にできなくても、期待物価上昇率を2%に上げ
ることができれば、実質金利がマイナスになって、現金が好まれる
流動性の罠から脱却できる。これが、クル─グマンの『流動性の
罠』論でした。

【日本政府の政策になった】
浜田宏一氏から説明を受けて納得した安倍首相は、クルーグマンの
リフレ策を全面的に採用し、2013年4月からは、日銀が、「2年をメ
ドに物価上昇が2%になるように、円を増発する」政策を実行した
のです。

浜田氏は「これが欧米の標準の経済学」と言っていました。日銀の
白川芳明前総裁は、リフレ策の有効性に抗議して、任期の少し前に
辞任しています。

【2013年はうまく行った】
初期は、円安で株価が上がり、高額品消費が上向いて、輸入物価が
上がり、2%のインフレ目標は達成できるかのような印象もありま
した。この時期、安倍首相は得意の絶頂の発言をしていたのです。

(注)この景気は、10兆円(GDPの2%)の補正予算によってもたら
されたものです。リフレの金融政策の効果ではなかったことが明ら
かになっています。

【消費税増税後、おかしくなった】
ところが、消費税の3%増税後の、消費と設備投資(両方が需要)
の落ち込みは、予想外に大きなものでした。

その理由は、
・世帯の所得の増加がマイナス0.7%(2014年:総務省)であり、
・消費税と輸入物価上昇で上がった物価(2.7%:総務省)をカ
バーできなかったからです。

(注)このあたりの事情も、なぜか、マスコミは報じませんね。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/
http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm

【物価は上がらない】
消費が増えなければ、物価は上がりません。2015年6月の、消費者
物価の上昇は0.4%、7月 0.2%、8月 0.2%、9月 0.0%です(全品
目)。(注)食品と、下がったエネルギーを除いても、0.9%の上
昇でしかない。

【クルーグマンの白旗】
以上の事実を受けて、クルーマンは以下のように言って、白旗を上
げたのです(2015年10月20日が最初:NYタイムズ紙)。

And I’ve both acknowledged that and admitted that the
approach I took then seems inadequate now(日本に対する見方
では、現在の考えは違うということ、そして、当時の見解(流動性
の罠)が不適当であったことを認める)

日本の異次元緩和は失敗したということです。異次元緩和を発案し
た当人が、誤りを認めてしまいました。

【表情が暗くなった黒田総裁】
ところが、日銀の黒田総裁は、毎月の記者会見で、「景気は、穏や
かな回復基調にある。異次元緩和は、初期の目的を果たしている」
と言い続けています。

安倍首相は、国会で質問を受けるのがいやなのか、体調も悪く見え、
必要に思える臨時国会を開かず、外遊します。外遊は、仕事の時間
を短くできるので、実は、治療かもしれません。

日銀は、今月も、年間で80兆円買い増すペースで、国債を買い続け
ていて、マネタリー・ベースを増やしています。11月12日には、現
金の発行は92兆円ですが、銀行が日銀内にもつ当座預金には、244
兆円もが貯まっているのです。2年半で増発した円は、180兆円です。
https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2015/ac151110.htm/

一体これからさきどうなるのか。日銀は、どこまでも、2%のイン
フレ目標を果たさないままに、国債を買い続けるのか・・・と思え
るのです。

■2.間違えた理由

Back in 1998, when I tried to think through the logic of
the liquidity trap, I used a strategic simplification: I
envisaged an economy in which the current level of the
Wicksellian natural rate of interest was negative, but that
rate would return to a normal, positive level at some
future date. (2)

<1998年にさかのぼると、流動性の罠の論理を元に考えようとして、
意図的に単純化していたことを告白せねばならない。日本の、実質
GDPの当時の自然成長率をマイナスと見て、自然金利もマイナスと
見ていた。しかし日本の自然金利は、しばらく後に正常になり、プ
ラスに戻るだろうと見ていたのだ。翻訳(2)>

最初に、マネーという少ない要素で考えすぎたのが、間違いの原因
だったと言っています。「strategic simplification(意図的に単
純化してしまった)」というのがクルーグマン流の、言い訳でしょ
う。

クルーグマンが犯した間違いはどこにあったか? 
ここです。
 ↓
「日本の自然金利は、しばらく後には正常になり、プラスに戻るだ
ろうと見ていたのです」

自然金利とは、潜在成長力が100%発揮され、インフレにも、デフ
レにもならない金利率という意味です。

たとえば日本のGDPの潜在成長率が1%の場合、自然金利も1%です。
潜在成長力がマイナス2%なら、自然金利もマイナス2%です。この
ため、0%ではデフレを生む金利になります。

クルーグマンは、
・1998年の日本では自然成長率(=潜在成長率)、自然金利の両方
がマイナスだが、
・それは、しばらく後にはプラスになると見ていたと言います。

自然成長率2%のプラスになれば、自然金利も2%になります。ここ
で物価を上がるようになり、実質金利をマイナス2%にすれば、自
然金利と4%の差が出ます。これは、具体的にはどういうことを生
むのか?

実質GDPは2%成長し、物価も2%上昇する(名目GDPは4%上昇)。
この中で、日銀の政策で名目金利は0%であり、物価の期待上昇率
(2%)を引いた実質金利は、マイ0ナス2%である。これは何を意
味するか? 

借り入れが増え、企業の設備投資、世帯の住宅購入、世帯の耐久財
購入、そして、世帯の、食品を含む消費財の買い物が増えることで
ある。これによって、日本のGDPは、名目で4%以上成長するように
なるだろう。

ところが、クルーグマンの見立てと違い、日本は、生産年齢の人口
の減少(年率0.6%)から、GDPの潜在成長力が0%以下の「長期停
滞(Secular Stagnation)」の状態にあり、それが長期に続いてい
る。(・・・とクルーグマンは言っています)

日本の自然成長率(=潜在成長率)がプラスに戻ると見たのが、自
分の誤りだった。実際は、潜在成長率がマイナスのままだったから、
異次元緩和でマネーを増発しても、それが借り入れ需要の増加を生
んで、設備投資や消費を増やすことはなかった。

設備投資や消費が増えないから、日本の物価は、インフレ目標のよ
うには、上がらなかった。

■3.マネー・サプライを増やすことができれば、物価も上がる

This assumption provided a neat way to deal with the
intuition that increasing the money supply must eventually
raise prices by the same proportional amount; it was easy
to show that this proposition applied only if the money
increase was perceived as permanent, so that the liquidity
trap became an expectations problem.(3)

<以上の考えは、マネー・サプライを増加させれば、結局、その増
加率と同じ割合物価が上昇するに違いなという直観を活かすうまい
方法と思えた。この案は、通貨の増加が永久に続くと受け取られる
ときのみ効果があることを示すのは、容易だった。通貨が増加し続
けると人々から予想されれば、日本が1998年当時に陥っていた流動
性の罠から、脱出できると思えたからだ。翻訳(3)>

日本経済の自然成長率がプラスなら、マネー・サプライ(M3)を増
やせば、マネーが増えた分、物価が上昇します。マネー・サプライ
の90%以上は、世帯と企業の預金です。この世帯と企業の預金の合
計は、銀行から借り入れをすることによって増えます。

(注1)わが国では、マネー・サプライを2004年からマネー・スト
ック(郵貯を含むM3)と呼んでいます。2015年10月のマネーストッ
ク(M3)は1232兆円です。前年比で2.9%しか増えていません。
わが国では、マネー・ストックの増加が4%以下のときは、物価は
マイナスになる傾向があり、4%でほぼゼロ、7%増加でほぼ2%の
物価上昇とされています。
異次元緩和後2年半経っても、マネー・ストック(M3)は2.9%しか
増えていないため、デフレ傾向が続くでしょう。
https://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms1510.pdf

(注2)物価と、マネー・ストックの関係は以下とされています。
マネー・ストック増加率(M)×マネー・ストックが使われる
回転率(V)=P(物価上昇率)×実質GDP増加率(T)
わが国では、マネー・ストックが使われる回転率は4%くらい低下
する傾向があります。つまり、マネー・ストック増加率(M)が4%
のとき、物価上昇はゼロです。このマネー・ストックが7%(約80
兆円)くらい増えると、物価上昇は2%になる可能性があります。
しかし、2015年10月現在の増加は2.9%(36兆円)に過ぎない。こ
れは、異次元緩和がまるで効果を生んでいないことを意味していま
す。

クルーグマンは、
・日本のGDPの潜在成長力はプラスに戻るだろうから、
・日銀は永久に異次元緩和を続けるだろうと国民が思うようになれ
ば、期待物価は上がると考えていたと言っています。

(注)期待物価とは、人々が予想する物価上昇率です。

■4.日本の自然成長力(潜在成長率)はマイナスだった

But what is this future period of Wicksellian normality of
which we speak?
Japan now looks like an economy in which a negative natural
rate is a more or less permanent condition. So,
increasingly, does Europe. And the US may be in the same
boat, if only because persistent weakness abroad will lead
to a strong dollar, and we will end up importing demand
weakness.(4)

<しかし、現在、問題にしている「GDPの自然成長率のマイナス」
が今後も続いた場合どうなるのか。現在の日本は、マイナスの自然
金利が、多かれ少なかれ、永続的なった経済に見える。

海外経済の弱さが長引いてドル高を招き、それが需要不足の輸入に
なれば、欧州も米国も、次第に日本と同じ船に乗ることになるかも
しれない。翻訳(4)>

クルーグマンの1998年の見立てとは違い、日本のGDPの自然成長率
(潜在成長率)は、マイナスだった。このため、異次元緩和は、マ
ネー・ストックを、物価を上げる6%や7%増やすことができなかっ
た。つまり、異次元緩和は失敗してしまった。今後は、欧州も、米
国も、自然成長率(潜在成長率)のマイナスに向かうだろう。

以上が、クルーグマンが2015年10月と11月に上げた、敗北の白旗で
す。

クルーグマンは、「いやぁ、間違いでした。済みません。」と白旗
を上げるだけで済むでしょう。シナリオを書いた人が、手を上げた
のです。

間違えた政策を首相に吹きこんだ浜田宏一参与、そして政策を指揮
した安倍首相、実行した黒田総裁と岩田副総裁は、ピエロになって
しまいました。

失敗した異次元緩和を、今日も、今後も続ける日本はどうなるのか。
日銀は、国債を買い増す異次元緩和を、止めることはできません。

日銀が異次元緩和での国債買いを止めると言った瞬間に、国債価格
が暴落し、金利は高騰するからです。金利の2.5%から3%への高騰
は、国家財政の破産を意味します。

健康問題が深刻とも言われている安倍首相の辞任があれば、異次元
緩和はどうなるか?

われわれは、自分では左右できない、マクロの日本経済の中を生き
ています。政策の失敗は、われわれの今後の経済環境とわれわれに
降りかかってくるのです。対策は、まずどうなるかを見通すこと、
その上でどうするか、でしょう、

以下、次号で書きます。

【後記】
改めて感じるのは、経済学は、主に、米国の学者が言ったこと、書
いたことを翻訳するだけの、輸入の学であることです。

日本人による、日本経済の分析ができていない。
これが、クルーグマンの間違った説を鵜呑みにし、実行した理由で
しょう。

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<787号:通貨の信用の、根底にあるものは何か(1)>
        2015年9月2日
【目次】

1.中国の人民元発行の仕組み
2.ドルを原資産に人民元が発行されている理由
3.税収が根拠でない通貨は、通貨信用がなく、インフレを起こす
4.外貨準備にしてきたドル国債を売るようになった中国

【後記:ドル国債の問題】

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<788号:通貨の信用の、根底にあるものは何か(2)>
       2015年9月9日

【目次】
1.時事:中国の輸出と外貨準備の減少
2.2014年ころまでの米国新規債の買い受け
3.中国の外貨準備の減少の実態(可能性1)
4.可能性2:米国FRBの、秘密の米国債の買い
5.米国債の消化の問題
6.通貨と何か?
7.1971年以降の通貨は国債本位制
8.通貨は国債が、金利のない短期証券に変換されたもの

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食事制限で用いられるカロリー(Cal)ってなんだ!?とんでもない単位だった 
Sunday, November 22, 2015, 12:51 PM
11/22 曇 10時 浅草での空間線量は17ベクレル/立法メートル

炭水化物が人類を滅ぼす 夏井睦 光文社新書

2年前に出版された本書を読んでいます。私が購入したのは昨年の9刷りです。まだまだ売れ続けているのでしょう。

寝ながら読むために積み上げていたのを最近手にとって、もういちど読み返しました。

夏井睦が「カロリー」という概念を説明した章があります。(p156〜)

ここに三大栄養素、炭水化物(糖質)、蛋白質、脂質のカロリー数として炭水化物と蛋白質が1グラム当たり4キロカロリー、脂質が9キロカロリーであるとなっています。

だから肥満にはまず油の摂りすぎに注意を払うように指導されます。倍以上のカロリーですから。

しかしその油脂が悪者にされる根拠は非常に頭を傾げるようなことなのです。

カロリーの定義は17世紀の酸素の発見と燃焼というメカニズムから



17世紀、400年前の科学者達が熱は燃焼によりもたらされることを突き止めたことに始まります。
それを食物にあてはめたのが、カロリーのアイデアです。

食物の熱量=燃やして発生した熱量−排泄物を燃やして発生した熱量

実際に乾燥させた食物と酸素を入れた容器の温度上昇を計った<物理的>単位なのです。

そういえば中学校あたりで、ピーナッツを燃やしてビーカーの水を温めるという実験でカロリー数を調べるという実験をやったことがあったなあ。

食べ物を燃やすこと=体内の消化

はたしてこれでいいんだろうか?

実際のカロリーという単位は、燃やした熱量に消化吸収率(炭水化物97%、蛋白質95%、脂質97%)をかけた値が上記の4キロカロリーと9キロカロリーという数値なのです。

その後は腸内の分解効率も考慮した修正アトウォーター係数というものが用いられて、アルコールや甘味料への数値が算出されていったようです。

食物は体内で燃えているのではない



もし燃えているのであれば、食事をしたらあっというまに体温が上がって、自ら黒こげになっちまいます。

細胞のエネルギー代謝と空気中の燃焼はまったく別の反応です。

もし「食物の燃焼=カロリー」説が正しいというのであれば、竹だけ喰っているパンダや、肉食の猛獣は栄養失調で餓死してしまいます。

炭水化物ゼロの食事でカロリー不足になるという指摘は、まったく生物学的な根拠がないということ。
132年前の実際に食物を燃やした物理化学実験の値でしかないということ。

生命の維持や活動に必要なエネルギーは糖新生(とうしんせい)という蛋白質からの糖生成プロセスがあるために、本来は炭水化物(糖質)は体内に多く溜めておく必要もないし、日常的に摂取する必要もないというのが夏井氏の主張です。

カロリー制限を医者や栄養士に指導されて、脂質を徹底的に減らし、塩分を減らし、そして炭水化物(白米や玄米)を中心とした食事をしている老人や肥満の人がいるでしょう。

カロリーベースの食事制限は命を削ります!



これは私も強く主張します。

脂質は体内のビタミン(多くは溶油性)の欠乏を、塩分の欠乏は体内酵素の減少を引き起こします。
酵素は消化や細胞のエネルギー発生メカニズム、あと重要なことは免疫力に直接関わります。

だから過激な塩分を除いた食事や油分を極力取り除いた食事を続けると、あっというまに老けます。
髪の毛は白髪でパサパサ、肌は色黒く皺だらけ、血色も悪く、みるからに年寄風情になります。

ええ、昔展示会で自然食を販売している減塩・玄米食の団体を見学したのですが、服は木綿に草木染めの自家染色、稗(ひえ)や粟(あわ)と玄米中心の食事で健康的な生活を一生懸命アピールしていたのですが、どうみても俺たちひょうきん族での明石家さんまの「妖怪しっとるケババア」にしか見えません。
しかも同い年(当時30代)と知って二度びっくり。50代後半かと思っていましたから。

カロリーベースで炭水化物中心の食事は良いこと何もない



痴呆(アルツハイマー)、鬱病(統合失調症)、老醜は過剰な炭水化物(糖質)の摂取によるものかもしれないのです。

熱水鉱床に住むチューブワームというのは、熱水の噴き出す海底でのみ生息する原始生物です。
本来なら劇毒致死性の硫化水素(カロリーゼロ!)を餌としています。これは体内のバクテリアが栄養に変換するからです。

腸内細菌に脚光があてられているのも、このようなメカニズムが人間を含めた生物にはあるということが、やっとわかってきたからです。

イチローは肉しか食べないことはよく知られています。野菜もお米も食べない生活をずっと続けていますが、はたして病気や怪我で悩んでいるでしょうか。

またカロリーベースではとても説明できないほどの少食で過ごしている人もいます。(ジャパネットタカタの高田会長)
五木寛之氏は、執筆中はずっとピンクの岩塩を舐めているそうです。それで頭は黒々フサフサ、姿勢もしっかりしていてとても83歳には見えません。

栄養管理士による食事指導は、ひょっとしたら命を縮めているのかもしれませんよ。
私ははなから聞く耳はありません。

過去ログ:咳・微熱があるときには食べてはならない (若返りのためにも節食が有効です)
うつ病者のいる仕事場は「正直マジ勘弁」です
筆誅(ひっちゅう)という言葉こそふさわしい山崎豊子の情熱
海の生物から進化した人類だから「古細菌」を体内に取込むのです
なぜこんなに引き籠もり精神病者が多いのか?ソフトドラッグ化する食品
花粉症の原因は三度三度の飽食である(私の経験)
現代の亡国病はアルツハイマー(認知症)でしょう
レバーの簡単おいしい料理を公開します(電子レンジでチン!)
カロリー摂取量は減っているのに糖尿病が右肩上がり(Mg欠乏原因説)
リウマチに治療法はあるのか(関節リウマチ原因物質特定)
ウクライナは米露の原発建設重要地点となった。そしてアルゴアが登場
美肌のキーワードは美容液よりもまず「抗糖化」 〜老けて見えないために〜
一日一食か断糖主義か? めんどくさいからどっちもやってみよう!
「断糖のすすめ」(炭水化物を減らすと身体は激変する)
「健康的でありたいための常識」こそ余生を劣悪にする
アメリカの肥満・がんの原因は糖分だと告発するジェイミーオリバー
石田純一(60歳)・・・パスタを4皿も食ってりゃ(笑)
ラーメンの鬼 63歳で死亡 炭水化物は人類を滅ぼすを地で行く
圧力鍋はたしかに便利な調理道具である
これからは「摂らない」という治療が主流になるだろう
ジャパネットたかたの高田明社長(64)は一食半
南雲吉則医師のアンチエージング法は西式健康法とほぼ同じでした
6/4 11時 浅草での空間線量は40Bq/m^3
美味しくて腸内細菌もよろこぶ数百円の便秘薬
2/7 12時 浅草での空間線量は9Bq/m^3
「咀嚼のススメ」色白・ほっそり美人は冷え性である。
10/10 10時 浅草での空間線量は21Bq/m^3
未曾有の大変動時代の生き方を語る五木寛之
五木寛之「風の王国」は日本版リバタリアンの小説である。
片岡鉄哉氏も千島学説を読んでいた
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世界が一神教から仏教思想の時代へならへんもんかな? 待ち望む「無」の逆襲 
Saturday, November 21, 2015, 05:42 PM
中世からの西洋思想ばかりを追っかけると、嫌ってほどキリスト教の背景を調べることになります。それが幕末から日本に流入したという事実があります。
これがいいか悪いか、というよりもその当時の世界的な潮流だったのですから、仕方がないことです。

それじゃあ明治の土着思想はなんだったんだよ



洋食ばっかり喰っていると、タクアンが無性に食べたくなるのと、似た感覚かな。

新聞の切り抜きを漁っていると、宮沢賢治(1896-1933)の評伝が出てきました。

宮沢賢治は熱心な浄土真宗信徒でした。だから作品のすべてには仏教的な思想が流れているとされています。

私は宮沢賢治が大好きです。(浅草では女遊びでやだらしない生活だったようですけども)

仏教的なものは何かなと考えていたら、記事中にありました。

<ぜんたい幸せにならないうちは個人の幸福はありえない>

銀河鉄道の夜のジョパンニの最後の台詞

<僕もうあんな大きな闇(やみ)のなかだってこはくない。
きっとみんなほんとうのさいはいをさがしに行く。
どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行かう>


キリスト教とも社会主義とも違う臭いがしている気がします。なぜならば、仏教の根底は「無」だからです。
キリスト教のような「この先に神がいる」という考えではないから。

生き物すべて消えて無くなるという「無」が行き着く先なのだから、結局は現世での対立は釈迦の手のひらで踊らされているだけ。
そう考えると、すべてが許容できるという発想に行き着くの・・・かな。

あの世なんかない!という考えをもっと世界に



明石家さんまの言葉「いきてるだけで丸儲け」は良い言葉です。これってよく考えれば仏教思想そのものです。同郷同年代のつんく♂氏も熱心な仏教徒ですね。

仏教と儒教が組み合わさると、最悪ですけどね。

過去ログ:柳田国男「遠野物語」と夏目漱石「私の個人主義」
岩手温泉旅行(その1) 宮沢賢治が愛した大沢温泉
8/2910時 浅草での空間線量は170Bq/m^3
宮沢賢治イーハトーブのモデルは浅草であった!

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ブログは恥を書くための文書修業のツールです 
Saturday, November 21, 2015, 04:54 PM
11/21 晴 10時 浅草での空間線量は13ベクレル/立法メートル

暖かい陽射しの一日です。しかしどこも行かずに、閉じ籠っています。なんとか今月中に論文一本を提出しようと格闘しています。

このブログは私のメモでもあるので、ここからコピペして貼り合わせたりもしますが、文脈がつながるようにするのも結構な脳力を使いますね。

そして自分のアホな間違いや誤字も発見することがしばしば。
ブログは推敲しませんから、商業文章には本来ならないレベルです。

それにしても「伝える」ということは本当に難しい。わかりやすい文章を書くには、まわりの人に読んでもらって、率直に感想を聞くしかないのですが、ブログのコメント欄は現在閉鎖しています。

勘違いや思い違い、薄い知識、思い上がりなどなど、読み返すと気づくこともあります。

よくブログが続きますねと声をかけられますが、実は書くネタはそれほど困りません。新聞記事や読書から拾えばよいだけですから。

それを自分なりに解釈して、アウトプットする結果が、脳力の違い(人間的な厚み)なんでしょう。

背伸びして書いている文章は、自分でもノラないので、それはよくわかる。
高校時代に書いた夏目漱石の「こころ」の読書感想文をいまでもおぼろげに憶えてますが、まったく「先生」に対して同情はないのです。すべてなんでなんでの疑問ばかり。アウトプットがない感想文なので5段階評価の2ぐらいしかもらえなかったと思います。

いまでは、文学というものが少しわかりつつあるという実感があります。
そうだよな、そうだよな、と噛みしめるように読むことができる年齢に達したことを、すこしだけ誇りにも感じます。

NHK教育 ETV特集「ドナルド・キーン特集」が昨晩と今晩放映されます。
先日総合テレビで放映されたのは、ダイジェスト版だったようで、内容は同じです。

文章を読むことは、訓練である程度は脳力が身につくと思います。訓練とは感想文を自分なりにまとめることです。

しかし書くと言うことは、さらに次元が違うような気がしています。どうしても独りよがりになってしまう。自分の意図が伝わらない、すぱっと切れ味の良い言葉が見つからないもの。

ETV特集「ドナルド・キーン特集」を観ていると、文章を介在した作家とジャーナリストであるドナルドキーン氏の真剣な対話が、ひしひしと感じます。

人参やピーマンが嫌いな子供が大人で好きになるように、昔は活字が大嫌いだったのになあ。

やっぱりブログで駄文を書き散らかす習慣がそうさせたのでしょう。

原稿は一回、回覧してもらって批評してもらうことにします。
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資本主義(近代経済)社会は階級社会であり、それは拡大する一方である 
Thursday, November 19, 2015, 05:30 PM
近所のBookoffへ不要な本をえっちら持っていきました。160円・・・
そしてちらちら古本を漁ってきました。

経済書の棚に
『いま生きる「階級論」』佐藤優 新潮社 2015
が並んでいました。

これの前作『いま生きる「資本論」』(佐藤優 新潮社 2014)は副島隆彦先生が解説されていたので、だいたいわかっているので、おもわず手に取りました。

1400円の本が1080円ってちっともお得感がない。だから立ち読みで、ちゃんと丸善あたりで買います。
そのうちちゃんと買って読みますけども、ざっと立ち読みだけで、感想を書いてしまいます(笑)

この本では日本のマルクス経済学を東大で教えた宇野弘蔵(うのこうぞう1897-1977年)の『経済学方法論』を取り上げています。

講義の前にいろいろ必読図書が挙げられ、冒頭では「闇金ウシジマ君」「闇金の帝王」だったかな?は「資本主義下では、人間も金に換算された存在にすぎないということがわかるので観ておくよう」にと書かれています。

マルクスは資本家と労働者という単純化した階層ですが、『経済学方法論』では資本家、地主、労働者、そして国家(官僚)という4つの階層が対立しているのが、近代経済であるとしています。

ヒエラルキーからは逃げられない社会構造



イスラム国(IS)がベルギー、フランスといった先進国でも支持者がいたということは、頂点の国家(官僚)への怒りでもあります。

国家(官僚)が頂点よりも、カリフ(イスラム指導者)の方がましだ



そう考える若者達がいたっておかしくない。事実ヨーロッパでもアメリカでもイスラムへ改宗する人は多くなっています。

イスラム経済はザカートという恵まれない人には施しを与えることを基にした、シャリーア(イスラムの法律)に沿った独特の商習慣があるようです。

私なりに解釈すれば、イスラムでの企業活動はNPO(Non-Profit)となり、自動的に資本家の膨張に制約を設けていることだと思います。江戸時代の自給経済が似たようなものでしょうか。

佐藤優氏の母の故郷、沖縄の久米島では島民の物々交換で日々の暮らしでお金はあまり使わないので、本土の3/4に満たない所得であっても、子供たちを県外で学ばせるくらいの財力がどの家庭でもあるそうです。労働=食料だから、それのやりとりで過ごせてしまう。貨幣は島外で有効な交換手段です。

ところが都会の労働階層では生活には労働の対価を一旦貨幣に変えねばならず、その貨幣の多寡で暮らしが左右されます。(あたりまえ)
その賃金を決めるのは、自分ではなく、雇用者であることもあたりまえ。
自動的に日々の労働を貨幣に変換している時点で、交換する側という労働者の立場にあるということ。

TPPといったグローバル経済は、資本主義(人の価値まですべて金で換算する考え)の行き着く先であって、人の価値(階層)が固定化された世界であるということ。

だからそこからはみ出た人はイスラム教にでも感化されないと、絶望で生きてられない。
国家という存在は何もしてくれません。搾取するのみです。もちろん命もそうで、戦ってこいとなれば、拒否はできない。

アメリカでは帰還兵のほとんどが自国を憎む存在となる



イラクやアフガニスタンに派兵されてまず気づくのは「俺たちは消耗品(supplies)なんだ」ということ。
弾丸や爆弾と同じく、現地で消費されてしまう存在に過ぎないことを実感して、「騙された」と弾丸が耳元で飛び交う中思うのだとか。(副島隆彦談)

国の仕組みは、冷酷なもので、厳格な階級があることに兵隊になってやっと気づく。
だから、帰国してもほとんど働くことも学ぶことも放棄してしまうということが、社会問題になっています。

わかるなあ、その虚無感。

佐藤優氏の『今をいきる「階級論」』をさっと目を通すと、そういう思いが湧いてきます。

やっぱり、マルクスを語らせたら、この人の右に出る人はいないでしょう。『資本論』と『階級論』は必読書です。

希望的なことを言ったら、現在の資本主義の正体をしっかり理解した人が増えてくれば、少しは子育てや弱者に優しい社会になれるのではないかということです。

過去ログ:社会主義が持続しない理由 (「資本論」では労働者も資本の一部である)
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政治メッセージのリズムは4拍子から裏拍子ラップ調へ 
Thursday, November 19, 2015, 10:50 AM
11/19 晴 10時 浅草での空間線量は10ベクレル/立法メートル

たしかに若者の政治運動スタイルで目につくのは、かつてのヘルメットに手拭い、サングラスから、普段着となり、ハンドマイクの呼びかけに、同じ言葉で返すスタイルから、休符を挟むラップ調の言い回しになっていることです。

コール・アンド・レスポンスという定番の手法も取り入れられて、デモ全体がライブコンサートの雰囲気を出しています。

昔の学生運動の名残か、太鼓を打ちながら念仏行進している共産や労組系などを今でもたまに見かけますが、デンデンと鳴り物を先頭にぞろぞろ歩くスタイルはダサイなあと眺めてます。

Sealsのようなラップ調でコール・アンド・レスポンスが続くデモ集会は、若者には新鮮に感じるのでしょう。

人気バンドミスターチルドレンの桜井和寿が、自曲の解説をしていた番組を見たことがあります。

ヒット曲の秘訣は裏拍子に歌詞を合わせること



裏拍子(ドンとドンの間)に言葉の音をいれることで、強烈に聴衆者の脳みそに残る歌となるのだそうです。メッセージ性を高めるには有効な手段だと語っていました。

そうやってミスチルの曲を聴くと、裏拍子がよく使われていることがわかります。ヒットの重要な要因なのだそうです。
CDがある方は「タガタメ」や「挙」「HANABI」を聞いてみてください。

たいがいカラオケで歌いにくい曲は裏拍です。

民謡調4拍子(ドン・タ・ドン・タ)から聞き慣れた8拍子(ドンド・タ・ドンド・タ)であることも、若者が身近に感じる要因でしょう。ノレないリズムはイケてないことなのだということ。

政治メッセージを含むラップは、アメリカでは一分野となっています。ゴスペルもずいぶん裏拍子なラップ的なものが流行っているようです。

デモは音楽要素が重要である



過去ログ:sekai no owari (世界の終り)とは「最後の審判」です

これに気づいて音楽で仕掛けている人たちがいるのだなあと驚いたのが、下の記事です。

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人類の最終兵器(ultimate weapon)は殉教精神(martyrdom)であることを知る 
Wednesday, November 18, 2015, 04:17 PM
11/18 晴 10時 浅草での空間線量は12ベクレル/立法メートル

私は仏教もキリスト教でもイスラム教も新興宗教でもとくに偏見はないほうだと思っています。
というのも、宗教は教祖がいて信者がいるという構成はどれでも一緒だからです。
そして、その信仰という行為の恐ろしさも感じています。

一方で、企業という利益組織も疑似宗教のようなものだとも思っています。

人気ドラマ「下町ロケット」の帝国重工も絶対的なトップの意向をそのまま受け継いで、佃製作所の特許技術を獲ろうとします。対する佃製作所も社長以下団結して、嫌がらせに対抗していきます。
大なり小なり、社会とはカリスマや指導者、リーダーがいて、人が集まっているのですから、どれも宗教的な片鱗はあるのです。

顕著なのはネットワークビジネスとよばれるネズミ講の集まりや、自己啓発系セミナー、そしてワタミに代表されるような洗脳を施す企業です。とくに保険会社の内部は新興宗教とかわらないです。

またその営業マンらがこぞって参加するような自己開発セミナーでも大声で目標を連呼させたり、売上優秀者を壇上で派手に称賛して、高揚感を湧かせるクサイ演出。裏にいるのはヤクザ顔な面々なんですがね。

「和算の誕生」平山諦(ひらやま あきら)恒星社厚生閣 1993年

この本は、鳴海風氏の初期の作品「算聖伝 関孝和の生涯」(新人物往来社 2000年)の元ネタ本です。

過去ログ: 幕臣開国派にも幕府解体を目指す派閥と幕府存続で近代化を目指す派閥がいた

明和8年(1622)に禁教令で処刑されたカルロ・スピノラ(Carlo Spinola 1564-1622)、そして弟子のジュゼッペ・キアラ(Giuseppe Chiara:遠藤周作『沈黙』のモデル)という宣教師がヨーロッパ数学を日本に伝えたという平山諦氏の考察を元にした小説が「算聖伝 関孝和の生涯」(鳴海風)です。

スピノラというイタリアの数学者(天文学者)でもあるイエズス会宣教師は、1604〜1611年までは京都天主堂で数学の講義をしています。しかし禁教令で明和8年(1622年)に長崎で処刑されます。

一方スピノラの弟子であるキアラは江戸小石川に切支丹屋敷に幽閉されます。やがて苦悩の後に棄教して日本人名となります。
そこで関孝和に数学を教え、和算の大家となります。
出版物は多く残しても、出生や墓も不明なことが多いことからも、孝和は隠れ切支丹であったのでしょう。

この本を読んで感じることは、信仰という信念の強さです。
海を越えて、過酷な一生を終えたのですが、その宣教者達が残した知識が江戸時代から日本にもしっかりと根付いていったということ。

いきなり突然日本にも天才が現れたわけではないのです。

その背後にはかならずなんらかへの信仰が潜んでいるということ。

「クアトロ・ラガッツィ」若桑みどり 集英社文庫
「みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記」星野博美 文藝春秋



どちらも信長の時代の天正遣欧使節を題材とした本です。ちょうど鎖国へ向う時代で、帰国した伊東マンショらに秀吉は過酷な人生を与えます。
同じく国内キリスト教徒にも棄教をすすめ、信仰を止めない者へは弾圧を加えていきます。

へぇ信仰で命を落とすことがある時代だったんだねと、日本人はのほほ〜んと構えていますが

現在でも信仰を貫いた結果、死ぬのはしかたないという感覚が世界の認識

このことを肝に銘じておかないと、グローバリズムだ海外雄飛だと、外国にいったところでこてんぱんにやっつけられるでしょう。

フランスのテロは、フランス人が信仰する「過激リベラル主義」とイスラム的「秩序主義」の衝突の結果です。
一国内で相対する思想が並立したら、どちらかが殲滅されるまで対立は続くでしょう。中庸なんて結末は絶対無い。

フランス人は表現の自由を楯にいつまでも、イスラム主義を皮肉るでしょう。
それで爆弾を仕掛けられて、殺されても、

それは犠牲ではなく「殉教」なのですから



中東の難民が流入すれば、ヨーロッパ内で民衆の対立が起きるのは必然とも言えます。

宗教のPower(戦力)は、精密誘導ミサイルといった最新兵器の有無では計り知れないものだと思えます。
最後には数が多い奴が勝つのですから。

私は、神道、そして変質した(インドとは全く違う)仏教といった日本独自の宗教があることが、良かったと思っています。
もちろん江戸時代以前は仏教といっても僧兵を抱えた好戦的集団だったのですけども。

イスラム過激派(IS)のテロ活動に対するニュースを眺めて思うのですが、どの放送局もなぜベルギーやフランスといった先進国の若者がイスラムの考えに染まってしまうのかをわからないようです。

覆面でナイフをかざすジハーディー・ジョンという英国人の存在も、なぜ過激派になったのかはわかりません。
貧しい若者とかアラブ系の若者だからと、判然としない解説に終始しています。

弱者救済を掲げるキリスト教はほんとうは弱者救済などしない!



こういうことをずばりと指摘する人はいません。
私はいくらでも言いますよ。

キリスト教会は大衆を騙しているとニーチェは主張した



キリスト教は世間に蔓延する社会的弱者の負のエネルギー、すなわちルサンチマン(強者への恨みつらみ)と同情の力を勢力と支配拡大に利用したとニーチェは指摘しました。

だから、いくらキリスト教にすがっても、その先には絶望しかありません。となるとその受け皿として、イスラム過激思想がはびこることになるのです。

人間はそれほど弱い者であり、逆に新たな信仰を手に入れた者は、これほど手強いものはいないということです。

過去ログ:ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 適菜収著
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本日は酉の市でした 
Tuesday, November 17, 2015, 04:02 PM

今年は11月5日、17日、29日とあります。本日は二の酉です。
熊手を裏手で売っています。暗くなってからが本番ですが、混み合うのが嫌いな人は朝から行きます。
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なぜオレオレ詐欺(振り込め詐欺)はなくならないのか? 
Tuesday, November 17, 2015, 01:06 PM
11/17 晴 10時 浅草での空間線量は16ベクレル/立法メートル

先週から70代、80代の年寄に関わってしまって、ああ認知症とはこういうものかという経験をしました。

10年ぶりに仕事で会ったあるご老人(80代後半)、私の顔をみて「ロクさん、ひさしぶりだなあ」ロクサン、ロクサン・・・

ところがいつのまにか、「ちょっとクロさん、こっち手伝って!」
誰のことを言っているのか、最初は気づきませんでした。

ところが奥さんにも「クロさんが手伝いに来てくれた」と話しています。
取引先にも「黒田」と紹介してました。いつのまにか黒田となっていました。
夕方帰宅するまで、クロさん、黒田さんと言い続けてました。

面倒なので何も言わなかったですが、いったい私を誰と思っていたのでしょう。
お子さん大きくなったよね〜と話しかけてきましたし。

肉親なら暖かく見守らねばと思うでしょうが、ああ、こういう日常生活は普通に過ごしているように見える老人がいるから、振り込め詐欺が無くならないのだなあと思います。

軽い痴呆がはいると金払いがよい

ということ。

これはいいことでもあるのですが、たとえば誰かに立替えてもらったりしても、きれいに忘れてしまいます。

この年寄もクルマの注油で細かいのがないから、ちょっと出しといてと言われて立替えても、翌日には他人が支払ったことをきれいに忘れています。これぐらいになったら、運転も仕事もやめた方がいいのでしょう。

一昨年預けてあるものを、昨年取りに行ったら、受け取ってないし、倉庫にも見あたらないと強情に主張して、難儀しました。周囲の人も、本人が預かってないと言っているから、私(六城)の間違いだろうと相手にしてくれません。

偶然見つかったからよかったものの、親しい間柄で痴呆が始まると、たいていボケてる方は信じ込んでいるので、どうしようもない。

ある会合で呑み屋でずいぶん気前よく払っているのですが、数日後尋ねると、個人でずいぶん払っていることを憶えてない。
ご相伴した相手は得したでしょう。(本人はワリカンだと思ってます)

振り込め詐欺はこういう痴呆ぎみを狙ってくるのだなと思います。

実際に弟が入院したから、入院の初払い分をすぐに振り込んでくれという電話ですぐに15万円を振り込んだそうです。
その弟はべつに入院していないので詐欺にかかったと(そのときは)思ったそうですが、

自分が痴呆と認めたくないから、誰にも言わない



警察にも届けず、諦めるのです。

なんで私が知ったのかというと、ニュースで詐欺にかかった老人の話が流れていて、「実はおれもさ・・・」とぽろっと口に出たから私が知っただけです。

とりあえず請求書が回ってきたら、払うという条件反射になっちゃうのですね。
そしてすかっと忘れる。運良く肉親が気づけばいいのですが、こうやって埋もれた詐欺が横行しているのではないかと思わずにはいられません。

(追記)今思えば、お二人とも共通点があります。それは不要品を捨てられないこと。
90近いご年配者は、とにかく手の届く自分の周りに荷物を置いて、結局身動きできなくなっていること。ちゃんと片付ければ広い作業部屋なんですが、そこらじゅうに空き段ボールや空容器が転がっているので奥に進めません。
もう一人の方は、とにかく捨てることにことごとく反対します。穴の開いたザルや欠けた包丁などがあるので、処分しようとしたら、真っ赤になって使っていると強情に反対しています。持ち主がそういっているからいつまでも片づきません。

不要品が捨てられなくなったら認知症を疑え!


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宇宙の始りは「無」だったのか?今でも「無」を問い続ける科学 
Monday, November 16, 2015, 11:16 AM
11/16 晴 10時 浅草での空間線量は17ベクレル/立法メートル



ノーベル物理学賞の梶田隆章氏の所属する研究施設の「スーパーカミオカンデ」がある岐阜県神岡鉱山にはKAGURAが完成しました。

建設費は155億円とされています。

重力波の検出で155億円は安いもんだ



つくったが動いてない高速増殖炉「もんじゅ」の年間維持費もそれぐらいじゃないかな。
こんな金食い虫のガラクタ造って血税を垂れ流しているよりは、よほど有意義な使い方です。

長周期の重力の揺らぎ(水素原子一個分のずれ)を検出することを目指しています。

これで空間の伸縮が計測されれば、宇宙の始りが一点の爆発から始まったという仮説が立証されることになります。

ただし宇宙の始りの前の段階はわからない。何もない空間とはなんだという400年前の科学者達が問い続けていることでまたぶつかってしまいます。

ここからは私の推測です。

ビッグバン前の状態(すなわちゼロ)を数学的には「特異点」(とくいてん)と言いますけども、時間軸を直線で考えれば、両端にある究極のゼロと無限を考えねばなりません。

工学ではどう考えるか?というと、無視します(笑)
そんな無駄なことは考えない。授業で質問するのもタブーです。

アインシュタインの着眼点は時間と空間は伸縮するというアイデアを持ち込んだこと。
だから新たな次元軸を持ち込めば、宇宙の始りと終りは始りと終りではなく、単に通過点となってしまうでしょう。

高校あたりまでは、方眼紙にグラフを描いたり、x軸、y軸といった座標に数式を書いてイメージする訓練をやります。

ところが二乗してマイナス1になる虚数(imaginary number)という概念を使うと、なんでも円になってしまいます。三角関数は波模様のですが、x軸、y軸に投影してみると、行ったり来たりするだけのフラフラする点にすぎなくなるとも同じ事。

虚数では特異点(ゼロや無限)が無くなっちゃうんです。
我々の住む世界の運動が、ぜんぶ球体の表面の動きになっちゃうのです。

飛行機がなぜ飛ぶのかというと、虚数の方程式で表わすと、「渦」となるからです。
虚数の世界ではぐるぐる渦巻きは力なので、これを計算すれば最適な翼の形状が得られるのです。

このように数学の発展を知れば、

宇宙空間に始りも終りもネーよ


と考えます。

大げさに宇宙の始り、その前はどうであったか?など捉えていますが、案外虚数のような新たな概念が発明されれば、数式ではどうってことはない遷移状態だと思うのです。

虚数では、ゼロも無限も、球体の極点(地球で言えば北極・南極)という点です。

だから宇宙に一生があるとしても、くるっと回って行くだけなんじゃないかなあ。

飛行機に乗って日本からヨーロッパへ向うときに、北極点付近を飛行しますが、ずっと北向きに飛んでいたら、いつのまにか南に向っていたというだけのこと。

宇宙の始りはない、ずっと連続した状態である


というのが、私の宇宙観です。

だから私はアインシュタインに対しては少々批判的です。
たとえば、4乗でマイナス1になる数といった新たな概念を誰かが考えついて、特殊な世界に投影したら、表も裏もなく、前触れもなく全部変わってしまうような世界です。(たぶん似たような考えを数学者はしているでしょう)

トランプのカードをめくるように、もしくはコインを転がしてパタッと倒れて、全部座標軸から時間軸まで一変する世界。俺はそんな気がしてます。

創造の神なんかいねーよ。すべて連続して繰り返されるだけだ


という私の宗教観があるからでしょう。
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医療保険制度は歯科医の技能向上を妨げている 
Sunday, November 15, 2015, 03:15 PM
東大医学部でさえ美容整形が脳外科や心臓外科よりも大人気なコースなんだとか。歯科は不人気です。(とはいえ国公立は授業料が安いから難関に違いはありませんけど。私学の歯科や薬学科に行ってもペイしません。)
理由は簡単、稼ぎが極端に良い/悪いからです。
そして医療過誤で訴えられることが低いからです。何よりも、医療保険点数よりも技術料として稼げるからです。

美容整形はどこの大学医学部卒かよりも、術例がすべてです。腕がよいかどうかだけの実力です。
大工となんらかわりません。

歯医者だって本来はそういう職業だろうと思います。
削る、埋めるといった指先の器用さが求められる点では、歯科技工士と同じです。

つうか歯科技工士と歯医者の違いって何だ?
麻酔注射ができるかどうかぐらいの違いしかないんじゃないの。

歯科医が「職人技」が正当に評価されない医療保険制度の弊害と、それゆえに保険外診療を医者自身も勧める原因です。

開業歯科医は将来性のない業種とも言われています。

しかし、海外では歯科医は美容整形の範疇になっているそうです。歯並びの矯正で男も女もやってます。歯並びの良さはステータスなので、ある程度の収入や地位になったら歯並びを整えるのだとか。

J.F.ケネディーも大統領出馬を見据えて歯を矯正していましたね。

ちょっと古い話ですが、アメリカでは近眼治療、歯、美容整形の治療先として、メキシコが大人気だそうです。メキシコで近眼のレーシック治療は片目が数万円、両眼でも6万円程度で受けられるということで、円高時にはメキシコへの美容整形パックツアーがあったそうです。いまでもあるのかな。

医療と一括りにせず、技能分野は、それで評価する仕組みにすべきだと私は思うのです。

「技術立国」の看板を掲げながら医療分野は相変わらず「技能軽視」です。


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100%国産、新型パワー&スリムベルト(ラジウムベルト)はご期待下さい! 
Sunday, November 15, 2015, 01:47 PM
11/15 曇 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

現在、新型の腰ベルトの試作を繰り返しております。
そしてだいたい完成に近づいたので、少しだけ公開します。

色が上着から透けないことで、白に変更されています。それよりも、その素材がメッシュでありながら、収縮性がある柔らかい特殊素材を全面で採用しました。
これは大手のサポートメーカーでしか入手できないものです。

素材が特殊なら、加工も難しい。ミシンも専用の治具を製作しました。

ここ下町はまだ職人さんがいる(しかし超高齢)



職人さん(おばあさん、おじいさん)達が苦労して仕上げてくれたのが、これです。
旧製品とくらべて、収縮素材が全面となったのでフィット感アップ!そして立体的な縫製となっているので、運動しても腰ベルトが棟側へずれることがありません。

何よりも薄くて軽い



通気性も抜群ですから、夏でも快適です。
女性でも男性でもお勧めできます。


旧型と比較してみます。基本的にサイズは同じですし、ラジウムラバーの形状も同じです。

全体に収縮性があるので、中締めの幅広ゴムは無くなっております。

これが素材も日本製、縫製も国内で作られたのです。包装・パッケージはまだこれからですが、なるべく現行よりも低価格を目指すために、簡易包装を予定します。

来年、桜が咲くまでには・・・

ご期待下さい。
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義務教育の多様化は賛成だが、そもそも義務教育制度はいらない 
Friday, November 13, 2015, 02:31 PM
11/13 曇 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

私は日本の義務教育制度に対して、ネガティブな感情があります。自分が学校嫌いあったからか、危惧も抱いています。半世紀近く生きた経験から言うと

大部分は大人になってもバカはバカ(笑)


その集合に私も含まれているから、みなさまお怒りにならないで下さいね。

感情や雰囲気(いわゆる空気ってやつ)でつき動くちっとも知的とは思えない大衆。
そして三つ子の魂百までと申します通り、年の功をちっとも感じさせない、エスプリ感ゼロの年寄ばかりが長生きして困った状況です。

パレードの法則(二八の法則)どおり、国益にも芸術・学術にも寄与しているのは全国民の20%であとは無駄飯食い。
でも、これは仕方がない。自然の法則(Natural Rule)ですから。

私が不満に思っていることは

有能な20%を優遇し、もっと育成せよ


ということ。その20%からさらに精錬して世界に通用する数人の天才が出ればそれでいいと思っています。

ある建設現場で黒板の前に数人が頭を捻っていました。破壊試験の「壊」が書けないと言うのです。みんなでこんな字ではとか、言い合って、結局は携帯でそれらしい字を探して、書き順めちゃめちゃで書き殴ってました。大手ゼネコンの社員ですよ。中学生でもこれぐらいの漢字は書ける。

領収書をもらう場合でも、私の名前の「じょう」は「お城」です。江戸城、大阪城、姫路城の「しろ」です、と自己紹介しているのに、う〜んわからないから書いてとボールペンを手渡されることもよくあります。

義務教育でほんとに中学まで出ているのだろうかと不思議でなりません。それでもメシを喰っているのだから何も問題ないです。小数計算ができなくてもレジを打てば税込みで表示してくれますしね。

テクノロジーは頭と身体が弱い人のためにある



きつく危険な労働や、高度な知能を要求されないまでに文明が発達したのだから、あとは機械のオペレーターで指示通り動かせれば、それで十分です。見渡せば頭を使うよりも身体を使う仕事の方がはるかに多いです。

六城ラヂウムもやっていることはAmazonと何も変わりません。

私自身も愚人と思っているので、私が他人に教えるとか、指導するなどという立場になるということも考えられません。
また学校で教えられるということも大嫌いです。

自分の頭で考えた結論だけが、自分の財産です。思考は他人にとやかく言われる物ではないからです。

その反面、天才級の人には敬服します。たとえそれが高校も中退していようが満足に義務教育も終えてない人でも。
たとえば囲碁将棋、絵画、音楽、スポーツなどなどでいますね。

天才は悪く言えば社会不適合者ですからね。群れませんし、周囲と同調しませんし、協調性などありません。
そういう人を育てる指導者や師匠も、はっきりいっちゃあどっかネジが飛んでいる人です。

あっ副島隆彦先生と小室直樹博士を思い浮かべてしまった。
副島先生、すいません、けっしてこれは本心<です>。

私は「広く浅く薄く」をモットーとする公教育には大して期待していませんし、ますます不要に感じています。

勉強したい奴だけ通わせて、暴れて授業妨害をする子供はさっさと追い出した方が、全体のレベルが上がります。

事実、東京や神奈川の公立学校は全く人気がない。
東京の都立高校なんざ、渋谷や新宿の盛り場で悪さをしないためにかっこっておくだけの場所だからと、東京都の職員までが言いはなっている状況です。知能は十二歳ぐらいで分数の計算ができない高校生なんてフツーです。

それでも身体はってりゃ生きていけるのですから良いのです。

その身体さえも動かせないのならば、戸塚ヨットスクールのようなフリースクールで鍛えればいいのです。ちなみに私は戸塚ヨットスクールの戸塚宏氏は先見があり有能な教育者だと思っています。お会いしたことがありますし、ヨット合宿所にも訪れたことがあります。

問題児(引き籠もり・家庭内暴力)は脳の障害であって、治すには本能を司る「脳幹」を鍛えれば自然と治癒するという論法を実践した人です。名古屋大学ヨット部の戸塚は一目置かれていたと、他大学のOBセーラーが話してくれました。Wikipediaを読むと、1975年(昭和50年)沖縄海洋博・太平洋横断レースの優勝者でもあるのですね。

義務教育は「生きる(live)」「生きのびる(survive)」算段を教えれば十分だ



あとは親の考えです。
才能がある者にはどんどん依怙贔屓して、貧乏人の倅は国や企業がスポンサーとなればいい。
キリスト教圏では「才能は神の贈り物」ですから支援は当然ですし、妬むようなことはしません。

かたや日本は80%の愚民が20%の足を引っ張るという「ねたみ・そねみ・ひがみ」文化です。

平等を連呼する教育者による教育制度ほど非効率な仕組みはない



国力をそぐ、国家全体の不幸を自ら招いているとしか、私は思えません。

異才を育てる育成制度は幕末・明治には充実していました。
江戸時代より新進的な藩主や豪商達、そして幕府による知識層(インテリ)の育成土壌があちゃんとあったのです。藩校に蛮書調所(開成所)、あと緒方洪庵の適塾といった私学です。そこに本当の日本を担う人材が育てられていったのです。

悪しき「平等主義」で教育自体が崩壊している



「学校外で義務教育」18年にも新制度 自民慎重派容認
小野甲太郎、石井潤一郎2015年11月13日05時01分

 不登校の子どもたちがフリースクールなど小中学校以外で教育を受けた場合でも、義務教育の修了を認める議員立法を自民党の議員連盟がまとめた。野党も大筋で同意しており、超党派で来年の通常国会に提出する。法案が通常国会で成立すれば、2018年4月にも新制度がスタートする。

義務教育の場、選択肢拡大 フリースクール法制化
 法案名は「義務教育の段階に相当する普通教育の機会の確保に関する法律案」。全国に約12万人いるとされる不登校の児童・生徒のうち、いじめなどで学校に通えない子どもの学習を支援するのが目的だ。法案が成立すれば、義務教育の場を学校に限った1941年の国民学校令以来、教育制度の大転換となる。

 法案では、不登校の子どもについて、保護者が市町村の教育委員会に対し、「一定期間、学校に在籍したまま学校に出席させないことができる」よう申請。教委が認めた場合、原則では籍を置いた小中学校での卒業をめざしつつ、フリースクールや、学校復帰のために教育委員会が設置する教育支援センター、家庭学習など学校外での教育も認める。

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居酒屋「和民」とマクドナルドは潰れろ、クロネコヤマトは支持する 
Thursday, November 12, 2015, 01:43 PM
11/12 曇 10時 浅草での空間線量は25ベクレル/立法メートル

NHK教育でよく見る100分de名著は「サルトル」を解説していました。それを眺めながら別のことを書きます。

街中でよく見かける「和民」とマクドナルドが大赤字になっているという記事を読みました。

居酒屋「和民」は渡邉美樹という強欲カリスマ経営者を頭に拡大してきました。20年近く前、週刊ダイヤモンドの連載ではじめてしりました。居酒屋チェーン養老の滝から始めて、飲食ビジネスで成功を治めてきた経緯で、それは単行本となり、自己啓発書として結構読まれていたと思います。

今読めば、とても気持ち悪い本です。
自己啓発がブームで、「自分が願い、それに邁進すれば、成功を収められるのだ!」

当時はOLも含め誰もがMBAだ、新たなビジネススキームだ、やれ海外留学だ、社会人入学だと自分の新たな「自分探し」に熱心でした。

70年前第二次大戦後に流行った思想で「実存主義」というものがあります。ジャンポール・サルトルが唱えた、「実存は本質に先立つ」(自分で今の状況を選び取らねばならない。人間はそのように造られている)という提唱です。

なんで反響を呼んだのかというと、自分を決めるのは環境でも、親でも、ましてやキリスト教の神でもなく、自分であるという、なんか当たり前な話です。

しかしこれは無神論(atheistism)の一派だからです。無神論者とはほぼテロリストや破壊主義者と同意です。
だから「嘔吐」(1938年)という小説で有名な作家でもあったサルトルの演説は、聴衆の度肝を抜いたのです。

この破壊主義的(リベラル的)思想が、なぜか90年代から2000年あたりにかけて、ビジネス書で流行るのです。
リストラクチャリング(restructureling)が流行語となり、それが定着するにつけ不安につけ込んだのが、サルトルにつながる「望む自分になれる」というオカルトめいた思想です。

私もコンピュータ相手の仕事をしていましたから、「今の状況はおまえが(無意識に)選択しているのだ」と言われているようで、「自由な存在でありながら身を堕としている」(だからこそ向上すべき)と言われているようでした。

薄っぺらなビジネス書、自己啓蒙書、代表格は青春出版社「Big Tommorow」やプレジデント社「President」だろうなあ。
日経新聞のテレビCMも同じ流れですね。

私から言わせると、日経新聞ほど生きて行くのに不要な新聞はございません(笑)。あんな紙を読んでいる平社員を私は憐れみますよ。ビジネス雑誌も同様で、どこの企業が売上高何兆円だとか知っても何の役にも立ちません。今思えば

明治文学の古典をしっかり読む方が一兆倍ましです



私が日本の思想は、流行ったときにはすでに時代遅れだと言っている理由です。

過去ログ:悲壮なことに日本人が「進歩的」と思っていることは既に時代遅れである
http://www.rokujo-radium.com/blog/index.php?entry=entry151107-121736

哲学をしっかり知っておけば、ワタミの渡邉美樹、ホリエモンこと堀江貴文、IT業界のいかがわしい面々・・・が破壊主義者であることがわかるはずです。

そして破壊主義者たちはまた新たな破壊主義者(もしくは自分自身)に滅ぼされる運命にあります。

サルトルとボーヴォワールが実行する、結婚しない男女関係、性別関係ない(ホモレズ)恋愛といった他者に束縛されない生き方は、戦後の新しい生き方としてフランスで反響をよび、いまでもその思想が続いているようです。

・・・反吐が出る世界 まさにサルトルの「嘔吐」です。

アルバイト社員に自己啓発的な洗脳を施して、自分意志で企業目標に邁進させる手法の代表格として叩かれているのが、ワタミとマクドナルドと言えます。

もっともこの手法は、80年代に急伸したリクルートが先鞭なんですけども。

そして元を辿れば、大戦後に広まったサルトルの過激破壊主義:リベラル思想を逆手にとったことが理解できるでしょう。

破壊主義は自己崩壊していく運命にある



子供を持たない女性が子育て女性をバッシングするように、神格化した経営者に忠誠させてロボットのような人材育成をする企業をニートたちが叩くように、我々の本能がこれらの状況にNOを突きつけ始めているのです。

そして内部から崩壊していく。
ワタミとマクドナルドを眺めていると、レベルの低い人材しか残らず、客層も悪くなり悪循環はこれからも続くでしょうね。いい気味だ。

あと本日の朝日新聞に、クロネコヤマト(ヤマト運輸)の社長名で意見広告が掲載されています。

日本郵便の株式上場で、正式に民営化されてしまったわけですが、いまだ郵政省時代の「郵便業務」法律が残り、日本郵便は事業所税や固定資産税の減免といった優遇措置を持ち続けているのです。

そして日本郵便は「郵便業務」と「宅配便貨物」の区分けをあいまいのままにして、宅配便貨物業への拡大を図っています。
信書を運べるのは、日本郵便のみとした、旧態依然の法律を楯に、クロネコヤマトや佐川急便といったメール便も扱う業者を排斥してきたことに強く懸念を示しています。

なにせ「信書」の定義が総務省の窓口でも即答できないし、文面で区別するという恣意的な欠陥法律が幅を効かせている状況に危惧を抱かれています。

私も、クロネコヤマトの利用者として、(遅配といった問題はあったが)メール便の廃止は残念に思っています。

旧郵政省時代の法律を維持させて、税の投入もありながら、自己都合よく解釈している日本郵政には私も憤ります。

翌日配達の全国網を完成させたクロネコヤマト(ヤマト運輸)が創造者であり、その領域を明治から続く特定郵便局と多数の郵便配達夫を抱え、金融業も行う日本郵便グループが浸蝕する行為こそ、破壊活動だと思います。

この先、競争激化で質が落ちていくのではないのかと、私はすこし危惧しています。というのも昔と比べて郵便配達のレベルが落ちてきたように感じているからです。ノルマを背負わされて余裕がないので、ポストに突っ込まれていたり、ひどく濡れていたりするのをみて、ああ、日本郵便もこのレベルになったかと思うことがたびたびあるからです。

公平・公正な競争ができない企業に未来はない


官僚主義で内部も公平公正な競争がないから、結局は自壊していく運命なのです。

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社会主義が持続しない理由 (「資本論」では労働者も資本の一部である) 
Wednesday, November 11, 2015, 03:00 PM
11/11 晴 10時 浅草での空間線量は26ベクレル/立法メートル

『いま生きる資本論』(佐藤優 新潮社 2014/7)は昨年出版された本で、佐藤優氏の講義をまとめたものです。
それを副島隆彦先生が解説されています。
http://www.snsi.jp/

「1565」 佐藤優(さとうまさる)著『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014年)を基にして、カール・マルクスの『資本論』について語る(2) 2015年11月7日
「1564」 佐藤優(さとうまさる)著『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014年)を基にして、カール・マルクスの『資本論』について語る(1) 2015年10月30日


カール・マルクス『資本論(Das Kapital)』は1867年に第一巻が刊行されています。ちょうど明治維新(1868年)の一年前です。
これほど有名な本ですが、日本人でも特に左翼リベラルの人たちも読んでいない。経済学部でもあまり扱わないのではないのでしょうか。
マルクス「資本論」は社会主義者のバイブルのように崇められているにもかかわらずです。

私も読んだことはありません。

それを佐藤優氏と副島隆彦先生の解説を読むと、全然想像とは違います。佐藤優氏の言葉を使えば、資本家になる人が読むための本だということ。そして資本の動きに巻き込まれていく雇用者(会社員)、労働者は将来どうなるのかという未来を予想した書物なのです。

物質的に満たされれば人類は争うことなく幸福になれる by マルクス



この内容に触発されて社会主義(Socializm)運動が拡がり、1917年(大正6年)に貧乏人(労働者)により良い暮らしができるようにと、更に過激な共産主義(Communism)を掲げたソビエトがレーニンとトロツキーの革命により実現したことになっています。

ところがソビエトの理想主義はすぐ数年後には崩壊して、レーニンの粛清による監獄国家となります。つまり革命の理想はすぐに頓挫しています。

資本家(企業経営者)とその下で働く労働者では圧倒的多数が労働者ですから、数で競えば資本家が負けるに決まっています。
ところが、中小零細も合わせた経営者たちが、そこで雇用されている社員やパート、アルバイトを喰わせています。

ここで思い出されるのが、先日書いた「パレードの法則(二八の法則)」というやつです。
過去ログ:パレードの法則はVWグループでも現れていた

労働人口の20%が国民総生産の80%を稼ぎ出している

と仮定すると、20%の国民が自分以外の80%を喰わせていると言い換えてもいいかもしれません。20%が資本家とか経営者とか上級の会社員です。

それでは、資本家階層を追い出して、100%労働者層にしたらどうなったか?というのが共産主義という壮大な実験です。
それには搾取する資本家を追い出して労働者自身で生産すればよいではないかという無邪気な考え方です。

さて、工場や農場といった生産現場では労働者層が100人集まっても、結局は働く20人と何もしない80人に別れてしまいました。
ロシア人形マショトリーシカのように、いつまでも28の法則は追いかけてきて、結局はいつまでも生産高が上がらないという状況に陥ってしまったのです。

きれい事をいくら言って、働き蟻だけ集めても、全体の利益を生み出すのはたった1/5の働き蟻です。
こうして結局は資本家の勝利に終わるのです。

マルクスは資本(お金)が利益を生むシステムを解説しただけ



資本家の存在が良いか悪いかなどとは言ってはいないわけで、「資本論」では経営者は資本(お金)を設備や原料、そして雇用した労働者に変態(Metamorphosis)させていく過程を解説しただけなのです。

だから社会主義政権となって、労働者を助けろ、守れといったところで、助けるための生産性(つまり稼ぐ手段)がないわけです。

みんな俺は弱者だ、社会福祉を充実せよと口々に叫んだところで、それじゃあ稼ぐのは誰?と矛盾がすぐに吹き出てきます。

お金はたんまり経営者の懐にあるだろ!と労働者たちは言うでしょう。

副島先生は価値(value)には三つあると文中で解説されています。
1)販売価値(sale-value):店頭で売られている商品の値札のこと
2)使用価値(use-value):所有することや使用することで生まれる価値(例:女性の持つダイヤモンドやブランド品、仕事のトラックなど)
3)交換価値(exchange-value):仕入れて加工したり、小売することで生まれる価値(例:八百屋の野菜や料理店)

私が付け加えるならば、お金にも二種類あるということ。
1)消費価値:使ったら二度と自分の所には巡ってこないお金
2)再生産価値(原資):巡り巡って自分に戻ってくるお金

この2つの言葉は私がいま造った言葉ですが、ひょっとしたらすでに経済用語かもしれません。

つまり労働者が持つお金は消費価値しか持たないということ。
ところが資本家が持つお金は、巡り巡って戻ってくる性質のお金です。運が良ければ何倍にも何十倍何百倍になって帰ってくる。これをたぶん経済用語では「将来価格(価値)」と呼んでいると思います。

資本(Capital)とは鮭や鮎のようなお金のこと



これは経営者や私のような零細業者なら、肌身に感じるでしょう。
労働者階層というのは、一生このような感覚とは無縁です。

結局、物質的に満たされて労働者が生涯幸せに暮らせる未来は、資本家のお金を食い潰したことで来なくなってしまいました。というのがロシア革命の顛末です。

マルクスの資本論を正しく読んでいれば、そんな失敗には陥らなかったのになあと佐藤優氏と副島隆彦先生の解説を読んで感じます。

昨晩のNHKクローズアップ現代では、非正規職員(パート)を追っていました。

10年間品質管理?かなんかに携わっても解雇された、栄養管理士の資格があるが3年以上の雇用期間の壁があり勤務を続けられないという不安感などなど・・・つまらないので消しました。

雇用者の40%が正社員ではない世の中ですから、こんな事例は山のようにあるでしょう。

なんで自分で仕事を創り出そうとしないのか?というのが私の漠然とした思いなのです。専門技術があるのならば、自分で看板出して独立すればよいのにと思います。

これはサラリーマン時代からづっと感じていたことで、他人の指示の仕事は面白い面白くないという感情論ではなく、自分から行う仕事の方がずっと効率的で高付加価値であるということです。

働き蟻でも実際に働いて喰わせてくれるのが20%しかいません。80%は蟻の巣の女王蜂のまわりにうろうろいるだけなんだとか。

自分が20%の蟻だという自覚があるのならば、なんで(賃上げや雇用条件の)交渉をしないのだろうなあ・・・。
考えを伝えること(口で言うこと)はタダなのにさ。

私はサラリーマン時代に、上司と人事部相手に一人で給与の交渉をしたことがあります。
4年勤めてベアゼロ、新入社員の方が基本給が高かったのです。こんな馬鹿な話があるかと。

赤提灯に飲みに連れてかれて、丸め込まれそうになりました。このとき労働組合のない企業はダメだと思いました。もちろん人生の無駄ですから長居は無用です。

労働者は資本家にとっては資本の一部にすぎない



マルクスの資本論では、労働者も資本の変態(Metamorphosis)なのです。
それで、労働者から搾り取った(exploitation)労働から価値が生まれ、お金を得るのは資本家、経営者たちなのだとしています。

しかし、副島隆彦先生は、マルクスの『搾取(exploitation)』は合法であるということ、そしてこれは社会規範でもあることを日本では知られていないと言います。

そりゃコンビニ店長に時給1500円くれと言っても、いや1200円しか出せないと言われれば、それで働くしかない。(20代の私のように)
雇用者と被雇用者との合意が成立しているからです。
嫌々ながら安月給でも働きますというのが、人間社会の枠組みでは認められていることなのだと。

150年前から、雇用者と労働者の関係は変わらず、ずっとこのままであるということ。
それを搾取(exploitation)というのはおかしいのです。

本当の「搾取(exploitation)」とは国家による収奪(税)のことである


マルクスの偉いところは、企業家と労働者が搾取されるという関係ではなく、本当の搾取する悪は宗教であ、その筆頭のキリスト教団(イエズス会)を糾弾したことにあります。

公家か坊主のような集団により支配されている地域が国としてそびえ立っていることを、搾取の仕組みとして烈しく反対したのです。

過去ログ:文化の日だから哲学者を格付けしてみた
ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 適菜収著
変質したリベラリズムとパノプティコン化する国家

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坂本龍馬の話題二題 
Tuesday, November 10, 2015, 12:20 PM
11/10 雨 10時 浅草での空間線量は26ベクレル/立法メートル

東京に住んでいても品川に桂浜と同じ銅像があることを知らない人は多いでしょう。
京急立会川駅そばに小さな公園があり、そこに銅像があります。この側を通る狭い道が旧東海道で、小さな商店が並んでいます。そこに大砲が据えられたという地元ニュースです。
超下町っく天国な場所です。
龍馬が暗殺されても、妻のお龍さんは東海道の宿場の仲居さんとしてしばらく働いていたということです。つまりこの界隈は龍馬とお龍が生前に行き来していたということ。


いままで存在は知られていましたが行方不明となっていた千葉道場の薙刀の免状が出てきたというニュース。国へ帰る龍馬に千葉周作が持たせたという説があり、娘・佐那の婚約者のために形だけ揃えたという説もあります。剣術の達人と言われていますが、いまでは信憑性はありません。


過去ログ:坂本龍馬が北進一刀流の免許皆伝者なんて嘘っぱち
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鬼・怒鳴門さんのコレクション 
Monday, November 9, 2015, 04:12 PM
昨日、雨宿りで立ち寄ったところが、東京都北区中央図書館です。

おそらく明治時代の煉瓦の建物(兵舎だと思う)を残した、モダンな図書館です。

併設されているレストランの食事は誉めた物ではありませんが、公園内にあり、なかなか落ち着ける良い図書館でした。

入って初めて知ったのですが、ドナルドキーンの蔵書が常設展示されています。
当然、全著作も揃っています。

ドナルド・キーン氏が北区に住んでいたとは知りませんでした。
鬼怒鳴門とは日本での帰化名です。とても怒鳴るイメージはありませんけどね。

あと楽しみなのは、いまでも一角には遺品や原稿の展示はありますが、荒川区の日暮里図書館に吉村昭記念室ができることです。



過去ログ:ドナルド・キーン「百代の過客」は中学生のときに新聞で読みました
室町時代が日本のルネッサンスであった(ドラッガー・コレクション)
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