フォビアクラシー(phobiacracy、恐怖政治)に対する佐藤優の回答 
Saturday, July 10, 2021, 03:22 PM
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66006

作家・佐藤優が読み解く、菅首相がじんわりと怖いのはなぜか


緊急事態宣言とオリンピック開催が両立する菅首相の頭の中の論理
2021.7.9(金)長野 光


「民主主義の消費期限はもう切れているのかもしれない」と話すのは作家で元外務省主任分析官の佐藤優(さとう・まさる)氏だ。コロナの封じ込めに成功した中国を見て、非常事態への対応には非民主な体制の方が強いのではないかと多くの人が不安を抱いた。民主主義が崩壊し、独裁のような形に変わっていくほど、私たちの社会や経済は追い詰められた状況にあるのだろうか。

ウラジーミル・プーチン、習近平、ドナルド・トランプ、金正恩など11人の独裁者を解説する『悪の処世術』(宝島社新書)を上梓した佐藤氏に話を聞いた。(聞き手:長野光 シード・プランニング研究員)

(以下略)


全文を転載するわけにはいかないのでぜひURLで原文をお読みください。

菅首相は究極の現実主義者であり、だからこそ非情に身内でも斬り捨てることができる。
これは周囲の官僚や政治家にとってはもっとも手強い相手である。
コロナ禍に対する国民の混乱への怖れは、やもすれば独裁を是認する方向にむかっている。

富の再分配が機能する社会であれば国内は安定する



共産主義は宗教的な要素があるが、今後の共産主義も宗教色を強めるのは必然。
一番親和性が良いのはローマカトリックと創価学会であると指摘しています。

一方、アメリカの民主党は折角のトランプが敷いた中国融和とは真逆ばかりをしている。

中国が発展している以上はリバータリアン(草の根自由主義)的なモノではなく、中国を見習った国家主義へと徐々に移行してゆくと佐藤勝氏はみています。

これからの国家政策は自由民主主義と国家社会主義が互いに折り合っていくようになるということ。それは人と人との信頼でしかないと結んでいます。

つまり日本が強くなるには強い宗教ネットワークが必要だ



安倍晋三ら反共産主義を掲げる与党統一教会系議員たちへの強いメッセージだと自分は受取りました。

共産主義を持ち上げ、公明党を持ち上げ、菅内閣(そしてそのバックの二階派)も肯定的な態度をとる佐藤勝氏は策士、日本のラスプーチンと言われるだけある。

菅内閣との対立軸がはっきりしない野党が無党派層に支持されていないか、少しは理解できたのではないでしょうか。

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まさに小室直樹が指摘していた通りに日本の企業は瓦解中 
Thursday, July 8, 2021, 12:09 PM
ヤフーニュースで小室直樹「資本論言論」が取り上げらるなんて夢にも思いませんでした。
このライター藤岡雅氏の言うとおりです。

日本の経営者にはびこる「無責任の体系」、日本の未熟な資本主義の末路を予言していた小室直樹氏


(サンデー毎日×エコノミスト 7/8(木) 11:06)
https://news.yahoo.co.jp/articles/36e1829da434f9f0b71005a847589641c72fdca7

 地面師事件、クーデターを経て株主総総会でのプロキシファイト(委任状争奪戦)に発展した積水ハウスは、ガバナンスを軽視する日本の企業不祥事を絵にかいたような例だった。その顛末を筆者は『保身 積水ハウス、クーデターの深層』にまとめたが、昨今の東芝騒動も、まさにガバナンス意識を欠いた経営者たちの失態だった。
 なぜ日本では企業不祥事が絶えないのか。
前編は「経営者はなぜ「隠ぺい」が好きなのか?経営トップの不祥事を封じる手立てがない日本で起きたオリンパス事件、積水ハウス地面師事件、東芝問題

◇日本の末路を予見していた『小室直樹の資本主義原論』
 実は、こうした事態を予見していたかのような「教科書」が存在した。学際的社会科学研究者として名高い小室直樹博士(1932〜2010年)の著書『小室直樹の資本主義原論』(東洋経済新報社・1997年)である。
 日本人の未熟な資本主義観は、やがて行き詰まり、大きな摩擦を生じさせる。そうした危機感に溢れる同著は24年も前に書かれたものだが、積水ハウスや東芝問題をはじめとする日本の数々の企業不祥事を予言していたかのような内容だった。
 筆者が注目したのは、小室博士が指摘する、日本人の資本主義観と欧米人のそれとの大きな隔たりである。


◇会社を支配するのは誰か?
 その隔たりとは「株式会社は誰のものか」という資本主義の根幹に関わるものである。
 日本では頻繁に「会社は誰のものか」という議論が行われ、従業員も含む社会のものだという主張が大勢を占めてきた。
 会社の公益性という観点からすると、そうした主張にも意味がある。しかし、法律の上での権利と義務とを伴って会社を「所有し、支配しているのは誰か」ということについては、筆者も含む日本人の間では明確に意識づけられてこなかった。
 株式会社の場合、会社は当然「株主」のものである。

◇「資本主義的所有は“絶対”である」
 その上で小室博士は、同著で「資本主義的所有は、『絶対』である」と説く。
所有の絶対性は、商品を取引するのと同時に商品の所有権が明確かつ一義的に移転されることで生産力を飛躍的に拡大してきた資本主義の資源配分機能を支える根幹である。だからこそ、所有の絶対性は日本の民法でも明確に定められている。
 民法206条に「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」とあるのがそれだ。
 小室博士は、この民法の規定を「言わば、資本主義宣言」であるとし、欧米資本主義諸国においては、当たり前すぎることであると説いた。
 ところが、「日本などの資本主義未熟国においては、法律上はそのように決められてはいるが、実効性に乏しい」と小室博士は指摘した。なぜなら、日本人の考え方において「所有」は、伝統的に、実効的な「支配」と密接に結びついているからだ。

◇山本七平の「所有の概念」に着目した小室博士
 小室博士は、日本人の所有の概念について、評論家の山本七平(1921〜1991年)の著書『日本的革命の哲学─ ─日本人を動かす原理』(PHP研究所・1982年)に着目した。
 山本は、鎌倉幕府の第3代執権である北条泰時(1183〜1242年)が定めた武家の成文法典『貞永式目』(『御成敗式目』とも呼ばれる)を典拠として、鎌倉時代の「所有」の概念は「その財産を『抽象的ではなく具体的に保持し、かつ経営し機能させている者』に所有権ありとするものだった」と述べている。
 例えば、幕府から所領や知行を授かって、それを「『占有しかつ機能させている』、あるいは『現実に支配している』と解釈するべき」ものが、所領地や知行地の所有者なのである。
 これが昨今にも色濃く残る日本社会における「所有」の概念なのだという。
 これを、小室博士は「資本主義とは対蹠(筆者注・正反対の意)的である。向かい合わせた足の蹠(筆者注・裏の意味)程にも正反対なのである」と書いている。
 日本人の「所有」の概念と資本主義的所有の概念との間には、これほど巨大なギャップがあるというのだ。

◇「会社の所有者は経営者」と捉える日本人
 つまり日本人は、心のどこかで、会社の所有者は経営者だと捉えている。経営者も会社を我が物と捉える考えを持っている。
 こうした日本的伝統は資本主義とはほとんど相いれないものであり、経営者が、「自分が会社を所有し支配している」などと思い上がれば、会社の私物化は鮮明となり、当然、会社の真の所有者である株主との対立は激しくなる。

◇「株主はカネだけ出せばいい」
 また「経営者が会社を支配している」という資本主義の原則から完全に外れた壮大な勘違いは、経営者が従業員たちを絶対的に支配することを現実のものとする。
 また資本主義において会社を本来所有している株主を会社経営から遠ざけようという意識につながっている。「物言う株主」という言葉は、株主が経営者に対して物言うことは異常事態であり、株主はカネだけ出して経営者に黙って従っているのが当然だという思考を反映しているからだ。
 そうした経営者の資本主義の原則に反する欺瞞を、資本主義において会社の真の所有者である株主が放置すれば、経営者は誰にも責任を持たない「無責任の体系」がはびこり、経営者による身勝手な隠蔽が横行することになる。
 そうした経営者にとって、ガバナンスを機能させないほうが「保身の役に立つ」という打算に繋がっていくことは、至極当然のことだろう。

◇コーポレート・ガバナンスとは立憲主義である
 小室博士は、資本主義を採用していながら日本的所有感覚で資本主義を運用することが、如何に危険極まりないか、警鐘を鳴らし続けた。経営者も株主も日本的所有感覚で資本主義を実行すれば、必然的に、齟齬や矛盾が資本主義のあちこちに噴出するからだ。
 実際、小室博士が指摘した通り、過去10年間にオリンパス、東芝、関西電力、日本郵政、そして積水ハウスで、ガバナンス不全による深刻な不祥事が相次いでいる。
 コーポレート・ガバナンスとは、会社に出資している株主の「一株一票」制に基づく株主民主制を担保して、経営者を監督することである。資本主義において、それでしかありえない。

◇経営者による従業員の監視こそガバナンス」という恐るべき誤解
 ところが、日本では、会社が従業員を監督することがコーポレート・ガバナンスだと完全に誤解されている。
 それと並行して国家の運営においても、「公文書」の改竄を平然と行い恥じるところがない政治家が統治機構を私物化しているが、それに対する国民の怒りの声は限定的である。近年の憲法改正議論でも、為政者を統制するという憲法の本質がゆがめられ、憲法改正を政府による国民監視の強化に利用しようとする政治家の台頭を許している。

◇立憲主義すら理解できない日本人
 そもそも立憲主義すらまともに理解できない日本にコーポレート・ガバナンスは浸透するのだろうか。
 このままでは、為政者と経営者の「保身の体系」だけが増殖していくことになりかねない。 (藤岡雅・ライター)


小室直樹は山本七平が指摘した鎌倉幕府から綿々と続く所有の概念が、今の日本にも蔓延(はびこ)っているという論説に着目したのです。

会社の所有者は誰であるのかということを曖昧のまま社会は放置し、建前は株主であっても、実質の所有は社長ら経営者側であるように(意図的に)錯覚させられてきました。
その傲慢さには歯止めがなく、従業員を子分か奴隷かのように扱い、株主には責任を負うこともなく、黙って金だけ出せばよいと無自覚にも思いこんでいるのです。

こうした結果、日本企業は物言う株主に戦々恐々としているというのが現状です。

ですが、藤岡雅氏が指摘するように、立憲民主主義を理解できない者(つまり日本土人)に企業内ガバナンス(統治)なんぞできるわけがありません。

そしてそれは安倍晋三や麻生太郎、菅義偉ら政治家トップたちにも当てはまります。

日本には民主主義も資本主義も一〇〇万年早いんですわ。

検索キーワード:小室直樹:

数学的な証明は俳句の世界に通ずることを知る
法律とは弱者側が連合して制定するべきものである。国際法であっても
江戸時代中期から降って湧いたような皇国史観は朱舜水の受け売りであった
美しい言葉、知的に感じる文章とはなんだろうか
自動運転車よりも兵器ロボの方が簡単だ
梅原猛の「法隆寺=聖徳太子一族への鎮魂の寺」という説
「評伝 小室直樹」村上篤直氏が読売で紹介されている
龍馬がよりどころとした「万国公法」は今では全くのフィクションである
クルド人とスペイン・カタルーニャの独立への気運
浅草の空間線量に変化はありません

検索キーワード:立憲主義:

立憲君主制派(伊藤博文・大久保利通)と議院内閣制派(福沢諭吉・大隈重信)
社会主義国家では大多数が幸せになれません
選択肢のない選挙戦では与党有利か
東大の教授であっても歴史観ってこんな浅いのか
『フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした』読書感想の掲載
立憲主義の「立憲」とは民主主義とどういう関係なのか?
大日本帝國憲法(明治憲法)はキリスト教概念をとりいれた憲法であった
憲法改正の論議さえ反対することは民主主義に反する行為
小室直樹「新戦争論」を今こそ読む(2) 言葉を翻弄したことで文明史を曇らせた
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「情報」という教科で、その教科自体が無価値になるという皮肉 
Tuesday, July 6, 2021, 12:44 PM
これからは情報に強い人を育てるとか、情報化社会を担う人材だとか、なんでもかんでもじょーほーじょーほーとこれほど濫用されている言葉を見たことがない。

それじゃあ情報ってなんなのよ

元々は外国語のinfomationやinteligenceであり、明治初期では敵に関する報告だったそうです。
情報を受ける側は送り出す側よりも、立場は上です。

それが郵便や電話網の普及にともない、言葉の意味がお知らせ(便り)へと転化していった。

情報とはそれ自体、金と人を投じて得られる対価であったし、その時点では価値あるもの。

ただしそれからはどんどん適用先が拡大し、あたりまえに使われていくと、なんだかよくわからなくなっちゃった。

これが今の情報という言葉の立ち位置だと感じています。

大量に効率よく伝達できるインターネット網の構築に尽力した村井純氏が、9月に発足するデジタル庁と、それに伴うデジタル改革関連法(5月成立)に識者として関わっていたとのこと。

デジタル改革関連法とは何かというと、簡単に言えば省庁や自治体の仕切りをなくして、データを一元管理しますとのこと。ペーパーレス化の促進と、マイナンバーの普及を強制する法案です。

いまさら感はありますが、まあいいや。

みずほ銀行の例を引き合いに出さなくても、すでにあるコンピュータシステムと連携、一元化は口で言うほど簡単じゃない。
竹に木を接いだようなシステムになって大量に人間が消耗消費されてゆくんだろうな。

いつまでも終わらないサクラダ・ファミリアのようなものが出来上がると確信してます。
賽の河原で石を積むような作業が永遠に続くだろうね。

そして情報を握っている特権階層と被支配層に二分されるのが、情報社会の真の姿です。

まあねえ、政府の広報官がわりとしてご活躍する村井純氏の記事はたいした内容ではないです。

今の10代20代は生まれたときからインターネットがあったので、無邪気と思えるほど依存し恩恵は享受してます。

これからの世代は黙っていても、自然に問題解決でインターネットの活用先を見出すでしょう。

それを古びた教師が学校で教えてやるといっているのが噴飯もの。

カリキュラムもせいぜいパソコンの前に座らせて操作させる程度のことをやるようです。

ガキどもにとっちゃあ、<飴玉のしゃぶり方>をわざわざ習うようなことでしょう。

じょうほーじょうほーと掛け声かけて、さあ授業で習いましょうとしたところで、

情報とは、知るもの知らざるものが居てこそ価値が生まれるものですから、それを公にした時点で価値を失ってしまう。

各自スマホでYoutubeを眺めて自分で学びなさい



そう言った時点で、情報の先生なんてもういらないし、カビが生えたような先公なんかいらねえよという子供だって現れるでしょう。俺が親ならそんな授業時間があれば本を読めというだろうな。

究極に問題なのは

コンテンツを作り出す教育者が日本では現れてないことなのだ



ネット上で教育に使える日本語のコンテンツが少ないということが、最大の問題です。

パソコンやスマホの使い方を知ったところで、それで表示されるコンテンツのほとんどが誰が書いたかわからない信用に値しないものばかり。

ほとんどが便所の落書きに過ぎないネット世界を子供たちにどう活用せよというのでしょうか。

『誰がカモかわからなければ、あなたがカモなのだ』



ウォーレン・バフェットの名言です。

ネットを活用していると自慢している人こそカモであることに無自覚すぎます。

村井純という旧世代の年寄りが内閣官房にいる時点で、政治官僚は2巡3巡も遅れているんだなあと感じます。

これ以上、自分の意見を持たない”顔なしクン”を増やしてどうするんだと直接訊いてみたいもんです。



過去ログ:
さすが一流選手は頭がよいと感心(菊池雄星)
「生と死を分ける数学」、”率”に騙されてはいけない
Googleのみが支配するスマホ市場(iOSとAndoroidは同じものだった)
偽文書・椿井文書を日本学術会議はぜったいに取り上げませんよ

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イベルメクチンは最高のコロナ予防薬である 
Sunday, July 4, 2021, 06:46 PM
イベルメクチンというクスリの名はネットのどこかで見かけたような気がする程度です。

今日、現役のお医者さんが教えてくれました。

イベルメクチンとは・・・ごくり・・・

イベルメクチンはギョウ虫やフィラリア用の知られたお薬



フィラリア!?ってことは・・・そうです動物薬なんだとか。お犬さま用のね。

なんと、このイベルメクチンの錠剤を飲めばコロナウィルスでも完治してしまうのだとか。

さらに予防薬として服用していてもすごい効果なのだそうです。

インドでの爆発的感染はイベルメクチンで急速に終息した



こそっと教えてくれました。

インドがコロナ感染者があふれて酸素吸入器やエクモが足らん足らんというニュースが流れてたけど

あれ、いまはそんなに騒がれてないでしょ?と

じつはインドの医療機関が緊急対策として、イベルメクチンを患者に投与したからなんだとか。

そもそもインドは特許切れの薬を製造する会社が多く、そこでイベルメクチンを作っているから輸入することもなく、自国内で大量に確保できるという利点もあった。

それに衛生環境が悪いインドでは、ギョウ虫や寄生虫の疾病での需要もある。

だからインドではジェネリックが大量生産されており備蓄されていたとのこと。

それを緊急事態として医療機関へ大放出したらあっというまに鎮静した



というのがインドの現状なんだとか。

イベルメクチンのすごい効果は医者の間ではよく知られていて、ここだけのハナシ、医者はこっそり人間用、犬用問わずイベルメクチンを争って入手したんだよとのこと。

だから闇の価格がずいぶん値上がったんだとのこと。

でも、<イベルメクチンが抜群に効いて、100%予防できる>ことを発表しようとした大学病院の研究者たちは・・・

私「そのお医者さんたちは・・・ごくり」

ファイザーやアストラゼネカの接待攻勢とヤミ献金(つまり賄賂)で次々に黙らされているらしいよ(笑)

噂では東大の医学部には今年だけで一社から200億円の献金があったらしい。

国内医学部は札束が降ってくるように感じてるんじゃないの(笑)

俺はもちろんイベルメクチンを飲んでるよ、毎日3錠(笑)

医者だからワクチン接種をしているけども、ワクチンよりもイベルメクチンだよ、こっちがずっと確かさ。

(以上実話です)
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「男爵いも」は川田男爵のじゃがいも、では『博覧男爵』とは? 
Sunday, July 4, 2021, 12:12 PM


 大河ドラマ、渋沢栄一の物語は、幕臣となり、これから戊辰戦争のさなか慶喜の弟・昭武(あきたけ)による1967年訪欧使節団に随行します。パリ博覧会で渋沢は影響を強く受けたというお話になるでしょう。

上野公園の動物園と博物館、美術館は、かつては寛永寺の敷地でありました。

このような近代施設を整えたのは誰だったのだろう。明治政府でしょ・・・違う。

西洋に倣い博覧施設を造ったのは元幕臣であった



へぇ、知らなかった。

その方のお名前は田中芳男男爵

へええ知らなかった。

信州飯田城下の医者の三男坊は、草花や石、昆虫を集めるのが大好きで、やがてその蒐集(しゅうしゅう)で培われた眼力を買われて幕府の研究機関、蕃書調所(ばんしょしらべしょ)の手伝いを幕府から命じられます。

この方が江戸から明治初期の日本のアカデミズム(academism)を率いた知識人の一人なんだなあ。

wikipediaを読んでいると、この田中芳男も渋沢栄一とともに訪欧使節団に加わっています。

維新後も活躍して、殖産(農業)分野で大いに貢献した人物とあります。
日本の博物館(博物学)の父とも言える人。渋沢栄一とともにすごい人なんだ。

このような本(「博覧男爵」志川節子著 祥伝社)が世に出てなければ、ますます歴史から忘れ去られていくでしょう。

私の周りにもひたすら骨董品やマニアなモノを集めるのが好きな人が居ます。
でもほとんどの人って集めるだけ集めても、仲間に自慢するぐらいか、秘蔵して自分自身で愉しむだけ。

美術工芸品以外は、たいてい他人からみればつまらないものばかり。

でもほんの一部のコレクターはちゃんと分類して子細な記録とともにwebや紙上で公開すれば、学術的な価値を生み出します。

前者は蒐集癖という精神病者であり、後者は資料の保存という熱意がある人という大きな違いだと思っています。

なんとかマニアと呼ばれる人はたいていちょっと変な気質があると自分は思ってます。

この志川節子という作家の方は良い題材を手に入れたなあ。ぜひ読みたいと思います。
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円周率はなんで終わりがないの?(チコちゃんに叱られる) 
Saturday, July 3, 2021, 02:54 PM
大人が答えに窮する質問に答える人気番組を横目で訊いていました。

なんで円周率はきりがないの?

答えは「直径に対する円周の比率はいつまでたっても正確に決定しないから」

その根拠として、ピタゴラスが考案した円に外接する多角形と内接する多角形の周を計算すれば、正しい円周は、そのどちらかの間にあるという計算技法を紹介していました。

これ、たしか東大の入試問題でもあったと思います。
円周率の小数点2桁までが3.14であることを証明せよというたったこれだけの問題文。

ぎくっと受験生は思ったでしょうね。

だって中学生あたりの教科書に円周率の説明とともに、その計算例は載ってますから。
必死に思い出そうとしたはず。

小学生あたりまでは、おそらく紐を円筒に巻いて、実際に定規で測るぐらいです。

高校生あたりの教科書では、級数という概念の紹介で円周率と自然数についての計算例が出てくると思います。

ふ〜ん

で終わった凡庸な頭の人(つまり自分)はそこで終わり。

この無理数(分数で表記できず、小数点以下が永遠に続く数)をなんとか身近にできないものかと考えられる人がちゃんとした学校のまともな大学生になれるんだろうなあ。

たしか東大の入試問題の答えもシンプルで、番組と同じように外接と内接する正n角形を定義して、内接の周<3.14<外接の周とすれば証明終了でした。

もちろんもっと難しく代数的な証明の方法もあるでしょう。過去数学者が円周率の近似計算をいくつも発表しています。
たとえばインド人天才数学者ラマヌジャンの公式などです。
円周率π(3.14・・・)の計算公式を知っていますか? (その2)
円周率π(3.14・・・)の計算公式を知っていますか?(その1)


でも東大の入試問題でもこんなにシンプルでかっこいいのかと感心しました。
(挟み込みというよくしられた証明方法です)

テレビ番組を観ていて、そして次の疑問が出てくるのではないでしょうか。

つまり、円周率ってのはそんな<はっきりしない>数なのに知っておかねばならないの?とね。

でも円周率っていうのは長さを求めるためだけではなく、普通の教育でも回転する速度や角度も現し、振動でも日常で使われていることを学びます。

実世界は円周率でがんじがらめで、無関係に生きることはできない



実社会で円周率や二次方程式など知らなくても差し障らないと豪語していた教育審議会会長でもある三浦朱門と曾野綾子というご夫妻がいらっしゃいました。

そりゃ企業会計のような算盤ぱちぱちできる数しか触っていれば、小数点という概念はいつまでも身につきません。
1/3を小数形式、0.33333・・・と表示することは意味がないと言っていることと同じこと。

やがて気付くのです

永遠にきりのない数字の方が本尊なんじゃね!?



そう、切りの良い数字や整数ってほうが、ずーっと特殊な数なんだということ。

たとえばコンピュータ技術者やプログラマーにとって、500や1000という数がとても気持ち悪く感じるようなこと。

512とか1024のほうがすごく気持ちいい数なんです。フォトショップやイラストレーターと使っているデザイナーも同様でしょう。

若い頃航海士の勉強を少し囓ったことがありますが、そこで使われるのは海図と60進数。
東に毎時何ノットで進んでいると、3時間後の緯度経度を何時何分何秒で答えるような設問がありました。慣れないとめんどくさいんだァ。(今は関数電卓で一発です)

数の世界は終わりのない数の方が圧倒的に多いし、それは宇宙の姿でもあるのです。

チコちゃんに質問した女の子は、すでに物理学の入口に立っているということ。


検索キーワード:円周率:

12月1日 NHK教育 「先人たちの底力 知恵泉」天才数学者・関孝和
「数学版 これを英語で言えますか?」でひとりあそびに興じる
曖昧な及第点「可」でも学んでいた方がいいと思うのだがね
私が漫画を読まなくなったのは軽薄な”神さま”ばかりだから
数学は<発見>されたのか?<発明>されたのか?問題
πの歴史は人類史である(夏休みの課題図書)
存在の証明により新たな扉が開いたということ
自動運転にはどういう技術が必要なのか(それは数学の応用能力です)
3.1+5.9=? 小学3年生の算数問題の騒ぎ(いまだ算数脳の教育を嘆く)
白内障がEQBO200で治った(ただし犬です)
日本には明治維新まで大砲が無かった理由
物理学・数学は1600年代に急激に発展したというグラフ
私の夏休み課題図書を公開します
技術屋さん(engineer)の悪い癖は自分だけが知っていると思いこむこと
天文学とは数学のことであり、それはπの追求のこと

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針小棒大に騒ぎ、囃し、水面下で静かに行動する(選挙も戦争も味方の数次第) 
Friday, July 2, 2021, 12:15 PM
ショック・ドクトリンという言葉をご存じでしょうか。

 カナダ人のジャーナリストの ナオミ・クライン女史が書いた本(2012)の書名"The Shock Doctrine"です。

大災害や危機を大げさに騒ぎ立て、人々の関心をそちらにそむけておいて、支配側へ関心が向かないうちに一般国民に不利な重要政策を推し進めること。

コロナ蔓延を防止することを口実にした国民監視システムの導入なんかはわかりやすい。

さらに五輪実施の是非ばかりに関心が行っている間に、火事場泥棒みたいに予算を取り合ってます。

明後日は東京都議会選挙なので連日選挙カーがうろうろ走り回ってます。

東京オリンピックを中止しろとか無観客でやれだの、接種会場を拡げますとかなんだとか拡声器で喋り続けてます。

バカらしい、ほんと選挙って。

選挙は公示された瞬間で当確は決定している



 香川照之主演でテレビドラマにもなった真山仁「当確師」を読めば選挙とはこういうものだと言うことがよくわかります。

出馬するかどうかも定かでない時期から綿密に票を計算し、集票組織を固め、対立相手は貶める。

晴れて当選の確率が読めたら出馬宣言となるわけ。

ここ台東区は2名で自民公明と都民ファーストがとるでしょうね。自民が勝てるとも思えません。

都議会選挙は開票前にすでに終わっているのです。菅首相と小池都知事のひどい対応に相応するだけでしょう。

どちらの政党も嫌いな人は、雨だから投票率は上がらない。

ああくだらない。最悪の都政だよ小池百合子さん。

そして選挙の結果はどうであれ、最悪な都政は今後もずっと続くのです。

こぞって軍事共同演習が実施されていることを報じないメディア



わたしが注目したのは、国際政治の解説のサイト《櫻井ジャーナル》の記事


COVID-19騒動に人びとが気をとられている隙に米国は軍事的な緊張を高めている

2021.07.02
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202107020000/



 航空自衛隊はフィリピン空軍と「HA/DR(人道支援/災害救援)」を目的とする訓練を7月5日から8日にかけてクラーク空軍基地で実施​するという。ロドリゴ・ドゥテルテが大統領に就任して以来、フィリピンはアメリカから自立する動きを見せてきた。そこでフィリピンを引き寄せるために日本を使うということなのだろう。アメリカと日本は2020年の終わり頃から中国との戦争を想定した作戦を練り始めたとも言われている。

 アメリカは1991年にスービック海軍基地やクラーク空軍基地から追い出されたが、それほどフィリピン国内の反アメリカ感情が高まっていたということだ。アメリカの手先としてフィリピンに君臨していたフェルディナンド・マルコスも1980年代に自立の道を探り始めた。

 それを懸念したアメリカの私的権力は1986年2月、マルコスを国外へ連れ出し、コラソン・アキノを大統領に据えた。この計画を指揮したのはネオコンのポール・ウォルフォィッツだと言われている。コラソンの息子、ベニグノ・アキノ3世もアメリカの手先として2010年6月から16年6月まで大統領を務め、​2012年からスービック海軍基地やクラーク空軍基地をアメリカ軍に再び使わせている​。そうした流れをドゥテルテは止めた。アメリカは1998年にフィリピンへVFA(訪問軍協定)を押しつけたが、​この協定を破棄するとドゥテルテ大統領は2020年2月に通告した。

 アメリカへヨーロッパから移住してきた人びとは「インディアン」から土地を奪い、虐殺する。それが一段落すると傭兵を使ってニカラグアなど中央アメリカを侵略、さらに南アメリカを軍事的に制圧する。その当時、そこはスペインやポルトガルの植民地だった。そうした侵略戦争を推進するためのプロパガンダを繰り広げたのが新聞界に君臨していたウィリアム・ハーストやジョセフ・ピュリッツァーである。

 そうした中、1898年にキューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインが爆沈する。艦長は石炭庫で火災が発生し、それが原因で爆発したと推測していたのだが、ハーストが発行するメディアはスペインが爆破したと宣伝し、政府による調査が行われる前に議会は戦争に向かう。そこで戦争に消極的だったウイリアム・マッキンリー大統領も宣戦布告せざるをえなくなった。その背後では海軍次官補のシオドア・ルーズベルトが戦争熱を高めていた。(James Bradley, “The Imperial Cruise,” Little, Brown and Company, 2009)

 スペインとの戦争に勝利したアメリカはプエルトリコ、グアム、そしてフィリピンへ矛先を向ける。フィリピンは中国へ乗り込む橋頭堡としての役割を果たすことになるが、フィリピン侵略の際にアメリカ軍は住民を虐殺している。1900年にマッキンリーは再選され、1901年3月にルーズベルトは副大統領に就任、その年の9月にマッキンリー大統領は暗殺され、ルーズベルトが大統領に昇格、「棍棒外交」、つまり侵略政策を推進する。

 このテディ・ルーズベルトと親しかったのが金子堅太郎。ハーバード大学で金子はルーズベルトの2年先輩にあたる。なお、金子と一緒に同大学で法律を学んでいたのが小村寿太郎だ。

 アメリカの支配層にはアジア侵略を目論む集団が存在した。テディはそのひとりだが、明治維新の直後に日本へ公使として来ていたチャールズ・デロング、あるいは厦門の領事だったチャールズ・ルジャンドルも同類だ。台湾から帰国する途中、日本に立ち寄ったルジャンドルは、デロングから日本政府に台湾を侵略するようにけしかけているという説明を受けている。そのために日本政府は琉球を併合、そして江華島へ軍艦を派遣して朝鮮を挑発し、日清戦争、日露戦争へとつながる。

 日露戦争の最中、金子は政府の使節としてアメリカへ渡り、ハーバード大学でアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦っていると演説、同じことをシカゴやニューヨークでも語っている。戦争後、テディは日本が自分たちのために戦ったと書いた。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)

 日本列島から琉球諸島、そして台湾へ至る島々、そしてフィリピンはこの当時から現在にいたるまでアングロ・サクソンにとって大陸を侵略するための拠点だ。そして今、日本はアメリカの手先として中国と戦う準備を進めている。6月23日には台湾の呉〈抒袷蠅眞羚颪叛鐐茲垢觸猗をする必要があると語った。オーストラリアでは同国軍とアメリカ軍、1万7000名が合同軍事演習を行っている。

 人びとがCOVID-19(新型コロナウイルス)騒動に気をとられている間にアメリカは世界規模で軍事的な緊張を高めている。ロシアや中国に対する脅しが通じなかったため、後へ引けなくなっているとも言えるだろう。



この見方は正しいと思います。

対中露への軍事的緊張をコロナ騒動(日本はさらに五輪狂騒も加わる)の間に高めているということ。

アメリカがやっていることは、選挙活動と同じく、事前の根回しと軍事力の仲間づくりです。

フィリピンは中国押さえ込みの重要拠点であり、反米ドゥテルテ大統領に代わり自衛隊がフィリピン軍と共同演習を始めたと言うこと。

もちろんペンタゴンの指令なのでしょう。

ただ、自分は米中が軍事衝突することはないとみています。

元自衛隊の方曰わく、軍隊(同盟国の軍隊含む)というのは敵対国を牽制するためにあり、双方の抑止力であるとのこと。

つまり軍事的な緊張がある状態が戦争がない期間となるということ。

選挙も同じで公示までにどれだけ味方(票)を組織できるか次第です。

検索キーワード:ショック・ドクトリン:

2年前に副島隆彦が予測したことはどうなったか
レント・シーカー(Rent seekers)が巣くう「美しい国」
なんで俺が!と悪態つかれても困ります


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森田真生氏は有望な若き哲学者なのである 
Sunday, June 27, 2021, 12:09 PM


新聞の書評欄は日曜日のいちばん楽しみです。

をっ、今日は森田真生の新刊が紹介されているなあ。

はずかしながら、森田真生氏をずっと(もりた まお)と発音していました。

自分の周りの若いやつが「まお」「まお」と言っていたので、ずっと「もりたまお」と疑いもしませんでした。

森田真生(読み:もりたまさお)さんなんですね・・・

ちゃんと目立つようにふりがなを振っておいてほしいわと自分の名を棚にあげて思いました。

さてこの真生(まさお)さんの本『計算する生命』は『数学する身体』に続く第二弾のようです。

計算という手段を得た人類史のようでもあり、それは思考の昇華を意味しています。

未知なる概念を生み出す創造的な行為として数学が生み出されたことに異論は誰もないでしょう。

しかし森田真生氏は人が機械と異なることは、計算の結果に対して応答し、現実を新たに編みなおし続けているのだと定義しています。

だからはじき出された計算結果には立ち向かわなければならないのだということなのでしょう。

発表された数字で思考が止まっている今の現状への警告



のようにも思えます。

まおさんは在野の数学者なのですが、本質は哲学者なんだとよくわかります。

偏執(パラノイア)的に物事の本質を追及し続ける人が研究者(professional/Doctor)であると自分は捉えています。さらにそれを俯瞰して体系的に説明できる人が哲学者(Philosopher)なのです。

哲学は明治に西周(にしあまね)に造られた言葉ですが、本来は智恵を愛する学問、すなわち愛知学とそれまでは呼ばれていました。

愛知学のほうがぴったり来るんですけどね。

過去ログ:
数学は<発見>されたのか?<発明>されたのか?問題
岡潔(おかきよし)をご存じでしょうか
理系とか理工学部とか理学と工学をいっしょくたにする愚かさ
統計屋が数学界では蔑視される理由
数学者は哲学者でもあることを知る
数学者とどう接したらいいのかわかりません

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数学的な証明は俳句の世界に通ずることを知る 
Sunday, June 27, 2021, 11:06 AM
『数学にとって証明とは何か』(瀬山士郎 講談社ブルーバックス 2019)

薄い本なのですが、読了してもなかなか頭にすとんと落ちません。
中学生のころ、合同、相似といった図形の技巧で二等辺三角形や角度の証明をしたことを思い起こさせます。
図示されれば当たり前すぎて、誰でもわかるのでペラペラと読み進めることができます。

ところが文章におこすと一気に難解になる



これが数学が嫌いになる第一歩。
「〜だから〜となる」という単純な因果関係でも数学的な表現をすれば
「〜ならば〜である」となります。

たいして文言は違わないのですが、数学では時間も空間も関係がない

雨が降る→地面が固まる
猿が木に登る→猿が落ちる
犬が歩く→犬が棒に当たる

普通の感覚では時間に沿った因果関係を脳内に導きます。前提と結論の関係です。

でも数学では「→(ならば)」では前提と結論との影響は希薄です。

雨が降る→地面が固まるは
=雨が降らないか、地面が固まる(のどちらかの状況になる)

猿が木に登る→猿が落ちるは
=猿が木に登らないか、猿が木から落ちる(かのどっちかの行動をする)

犬が歩く→犬が棒に当たる
=犬が歩かないか、犬が棒に当たる(かのどちらかの状況になる)

たとえば最初の『雨降れば地固まる』のことわざですが、空(前提)と地面(結果)はまったく別の世界です。

数学では「雨が降るならば、地固まる」と言い換えられ、脳内変換されると

「雨が降っていない」と「ぬかるんだ地面が固まる」はともに一事象に過ぎず、因果関係がない

つぎのことわざ『猿も木から落ちる』は

「木の登っていない猿がいる」「木から落ちた猿もいた」となります。

同様に「犬が歩く”ならば”棒に当たる」は

「歩かない犬がいた」一方では「棒に当たる犬がいた」となります。

このような説明を読んでいて、はたと気づきました。

数学の証明(論理)は俳句の世界とよく似ている



柿喰えば鐘がなるなり法隆寺 (正岡子規 1895)

柿を喰わなくても、法隆寺の鐘は鳴ります(笑)

だから、「法隆寺の鐘は鳴る」という事象が証明されたというのが数学的論理となるのです。

他にも一例として

『親孝行したいときに親はなし』

を言い換えると

『親孝行したくないとき、親はいる』

これは演繹的(本質を定義すること)な言いかえの証明が成り立つ例です。

「数学嫌いな人のための数学」(小室直樹 東洋経済新報社 2001)と「数学にとって証明とは何か」(瀬山士郎)はどちらも数学論理の説明で良く似ています。


もう少しじっくり腑に落ちるまでこの両方を読み込む必要があります。

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脱炭素社会の着地点は「小型原子炉による電力供給系の最適化」でしょう 
Tuesday, June 22, 2021, 09:58 AM


 日本で真摯に原子力の利用を研究しようとしても、なぜか専門家でもない人たちがイデオロギーだけで横やりやチャチャを入れたがる。

古くは六ヶ所村の原子力船むつから、原発再稼働に反対する人たちで、論理的な判断をするだろうと思われていた裁判官までも情緒的な判決をするようなアンチ原子力イデオロギーが日本には充ち満ちています。

どんなプラントであれ、一度動かせば本来は止めてはいけない。それが一番安定した状態であり危険が少ない。

牛乳瓶だったかラムネ瓶を作っている町工場をテレビで観たことがあります。
24時間ずーっと瓶がコロコロと出てくる。
でもそれを出荷するワケじゃなく、また原料として砕いて炉に放り込んでました。

なぜそんな無駄なことをするのかというと、夜間でも炉や成型器を一定温度に保たねばならないから。
一度火を落とすと、ふたたび良質なガラス瓶がつくれるまで、あちこちを調整しなければならないから。
またガラスが工程の途中で固まるとやっかいだからです。
そんな危険を冒すぐらいなら、無駄であっても夜間に稼動させる方が得なのです。

蒸気機関車(SL)も運行が終わって車庫に戻ってきても、ボイラーはずっと石炭を燃やし続けてある。冷えると鉄は縮んでしまいボイラーの圧力がかからなくなるから、車庫でも温めておく。

燃料が石炭から石油の時代になっても、とくに重油を燃料とする船や機械設備は止めることが出来ないんです。
粘度が高いから冷えると固まってしまうし、水分が凝縮すれば不具合を生じる。
大型トラックがエンジンを止めないのも再始動が大変だからですね。

安全性と廃棄物処理はテクノロジーで解決すべきこと



80年代あたりでは原子力工学という学科がありました。いまでもあるのかな。
原子炉の構造自体は単純ですからね。熱源が違うだけで一般のボイラーの熱力学と同じ。

具体的な学問の中身は何かというと、フェールセーフ(fail safe)つまり事故を起さないための研究です。
もしちゃんとこの学問が日本で根付いていれば、福島のような事故は起きなかったし、京都大学の熊取原子炉におかしな研究者を抱えずにすんだのにと思います。

原子炉の安全を追求する使命の人が原子炉止めろと言うのは、そもそもじゃあ何をいままでやってたんだ?と思わずにはいられません。

むしろ安全な原子炉にすべく研究する私たちの敗北ですと宣言して切腹するぐらいの気概はないんかい。

安全で経済的な原子炉の開発競争はすでに進んでいる



読売新聞の2面に欧米、英国、カナダで小型原子炉開発に国家主導で進んでいるという記事がでました。

軍事・宇宙探査で進んでいるアメリカやロシアは当然として、先進国は次世代原子炉の研究に巨費を投じているのが実状。

日本企業は米国の研究にちょこっと金を出して研究成果をもらっているのが実状。

日立がGEと一緒に、三菱重工が研究室レベルでやっているぐらい。

国家主導でやらねば成らぬ研究なんでしょうが、なんたって日本には原子力工学の学科はないもんね。

くだらないイデオロギーで専門の技術者の養成を怠ってきたツケです。

検索キーワード:原子炉:

10年も経てば普通の工事現場だぜ・・・
脱炭素をめざすなら新型原発こそが切り札だ
要旨がはっきりした文章の見本例
アメリカでは既にメルトダウンしない新型原子炉が実用化寸前です
サッチャリズムへの怨嗟が今の英国BREXIT運動なのにサ
どうしたら放射性物質アメシウムを入手できるのか?簡単でした。
地球で生命はどこから生まれたのか?
日立の英国原発撤退は妥当な判断でしょう
小型原発をいまさら作りますって遅すぎるぜ
昔も今も原子力は斜陽(日陰)産業なんでした



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物言う株主にはのらりくらりと開き直る東証の大家 
Saturday, June 19, 2021, 03:20 PM
日本においては株式市場というものは昔っから信用ならぬものというのが通説です。
鵜の目鷹の目の鉄火場、抜け駆け出し抜き当たり前、騙す騙されるの駆け引きの場というのが自分のイメージ。

それがコンピュータ化されて近代的設備となったとしても、やっぱり手前味噌な体質と事なかれ主義は変わってませんね。
基準に達しない上場企業を野放し、ガバナンスについても大甘な裁定ばかり。

東京証券取引所は自分にも甘い



新聞記事で知りましたが、証券取引所は賃貸なんですね。
所有者は平和不動産という、これまた陳腐な名前の企業ですが東証一部企業であり、日経平均の構成銘柄。

戦前の統制経済の中心的役割を担った日本証券取引所がGHQの命令で解散させられて、残った土地建物を基に設立された特殊な成り立ちをもつ不動産会社です。本社は渋沢栄一の邸宅跡で東証の株式も保有しています。

だから当然のように東証の天下り先として存在しているようです。

この現状に「東証ビルの賃貸料が不当に安い」「不動産専門家でない社長・役員の反対」「JPX株の売却」を投資ファンドが株主提案をしています。

株主の権利保護と企業統治(コーポレートガバナンス)の旗を振っている東証自体が、まさか平和不動産に株主提案をされているということで注目されているという記事。

あ〜あ、日本的だねえ。

何遍も言いますが、株式資本主義ってのは日本では全く機能してない。
上場企業は株主利益を最大にすることであって、それは企業価値であり、具体的には配当であり、株価でしょう。

ところがこの平和不動産は海外ファンド側から見れば、株主軽視と見られている。

東芝なんかも株主がうっとうしいのならば非上場にすべきなんだろうなあと思います。
なあなあの関係のまま、紙を渡して金だけ得るとは虫が良すぎる。

日本にプロフェッショナルな経営者が育たないのは、このような土壌があるからなんだろうな。



過去ログ
日本では自社株をただ同然で譲渡することは合法なのか
東芝を上場廃止にしなかった驚きの言い訳
安倍と麻生という疫病神を取り除かないと景気はよくなりません
闇勢力に蚕食(さんしょく)された株式市場自体が既にゾンビなのだ
円高になるときが株価下落のはじまりなんだろうなあ
正月の日経新聞ほど親米ポチ丸出しな記事はない
東証にまで及ぶ企業統治の欠如、経営のチェックが働かない日本企業の構造問題「自壊する「日本型」 株式会社 オリンパス症候群(シンドローム)」(チームFACTA著 平凡社)を読む
ジャーナリズム(Journalism)の教本として読む「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(山口義正著 講談社)
6/6 11時 浅草での空間線量は62Bq/m^3

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大牟田から島原へ 
Monday, June 14, 2021, 09:57 PM
九州中部ってそれほど知名度がある場所ではないし、もちろん自分も関心がある場所ではないです。なんとなく五木寛之「青春の門」で読んだ炭鉱ってのが一番近い自分のイメージかもしれない。

そんでもって、80〜120年前ぐらいの炭鉱の痕跡ってのが、けっこう残っているんですねえ。

ちょっと市内を走れば、すぐにこんな産業遺産が大牟田では見られます。
もっとも鉄道の陸橋の橋脚も煉瓦だし、橋なども明治末期から昭和初期のものです。

石炭輸送で使われていた歴代の電気機関車が展示されていました。明治大正昭和各時代のもの。一番新しいのでも昭和10年頃のもの。そんな80年以上前の機関車なんて動いてないだろ。

戦前の機械ってなんか味がありますねえ。こうやって保存されてるのってノスタルジーです。

と思ったら、80年前の機関車でもまだ現役で使われているのです。石炭を運んでいたようですが、今は石油製品を牽引しているそうです。九州侮りがたし。

フェリーで有明海をわたって島原まで行ってみました。30年前は普賢岳の噴火で立入禁止だったので、どうしても行ってみたかった場所。

島原城周辺を散策して帰りました。天草四郎が立て篭もった原城も行ってみたかったのですが、車じゃないといけません。

帰りの電車を待っていたら島原鉄道で使われていた機関車がありました。こいつも50年前では走っていたんです。鉄道マニアには九州は楽しい場所ではないでしょうか。
ちなみに島原は映画「まぼろしの邪馬台国」のロケ地だったそうです。

過去ログ:
纏向(まきむく)遺跡は卑弥呼の住居なのか!?行ってみた。
映画『まぼろしの邪馬台国』はお勧め映画です
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熊本城だけではもったいない 
Sunday, June 6, 2021, 10:41 PM
加藤清正が築いた名城・熊本城は1632年(寛永9年)に細川忠利(1586-1641)に引き継がれました。
細川忠利は忠興とガラシャ(玉)の三男です。

4年前(2016年)の熊本地震で石垣や屏などが大きく崩れ、城も損傷しました。
補修は少しずつ進んでいるようですが、損壊したままで手つかずの所も多いです。そりゃそうだな。

城の脇の公園には谷干城(たにたてき)の銅像、そして横井小楠の銅像が建っていました。

谷干城は西南戦争で熊本城に立て篭もる西郷軍を敗遁させた指揮官、横井小楠は幕末の思想家で熊本藩出身です。
をを、横井小楠はそういえばここだったんだ。

ガイドマップには小楠の生家跡もあるとのこと。
夏目漱石が住んだという家は修理中で見えませんでした。その裏手の高校あたりが小楠の生家があったそうです。

井戸しか在りませんでした。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が住んでいた家もありました。

車があれば、西南戦争の激戦地となった田原坂、宮本武蔵が五輪書を印したという霊巌洞、横井小楠の家塾「四時軒」まで行ってみたかったのですが、へろへろに歩き疲れたので、熊本の名物を堪能して帰りました。

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文字採集をしながら読む「陰翳礼讃」(谷崎潤一郎 1933) 
Sunday, June 6, 2021, 06:52 PM
 三浦しをん「舟を編む」の次に何を読もうかと逡巡しながら書店の棚を眺めて、よし、谷崎潤一郎の名随筆を読んでみようと思い立ちました。

たぶん買わなくても青空文庫(ネットの無料電子書籍)でも読めるはずです。

この随筆、「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)は昭和8年(1933)、春琴抄の後に発表した谷崎が47歳の作品です。この年に婦人と別居しています。根津松子と翌年同棲をはじめてます。

タイトルにあるように日本の美意識は元来漆や木目を基準とした陰に映える美にあり、ぼんやりとした灯(明かり)でこそのものという持論が幾重にも展開されています。

書いた時代は昭和初期なので和風建築は珍しくもないのに、臆面もなく堂々と発表したことが谷崎の偉いところですね。当時は大正のハイカラブーム(舶来主義)が根付き、巷の高所得者層にも西洋的なモダンファッションが都市で流行していた頃です。

90年前の随筆を開くと、語彙の豊富さにまず驚きます。

たとえば日本間や離れに設えた便所の形態などなどを讃える言葉を注目して読んでみました。
随筆ですから結論は特になく、テーマは日本の美は奥まったところの陰にあるということだけですから。

いまでは死語であったり、知らない語彙を赤ペンで丸を付けてみました。

例えば
恩沢、煖房、団欒、臀(しり)、逢着、肌理(きめ)、玻璃(はり)、臥ながら、恐毛(おそげ)、減殺、慥かに、食慾、宏壮(こうそう)な、堆(うずたか)く、畢竟(ひっきょう)、忽焉(こつえん)、蠱惑(こわく)、訝しみ、俤(おもかげ)、黝(くろ)ずむ、白皙人種、翳り、狭霧、上瓠≒蚤亜∈⇒茵⇒Ρ邁進・・・

いまじゃほぼ使われていない言葉のオンパレード

何で消えてしまったのだろうと、想い抱きながら読みすすめました。
きっと「舟を編む」でも主人公や辞書編纂者はこんな想いで活字を読んでいたのではないでしょうか。

谷崎は陰(他にも影、蔭という表記あり)への拘り(こだわり)を能の世界にも展開しています。
でも、それよりも自分はそれを表記するために言葉を選り分けている作家の性(さが)に興味があります。

美を意識しない生き方は不毛な生き方なんですなあ。

この続きで読むなら、白洲正子や民藝運動をした、えーっと柳宗悦らに行き着くんだろうなあ。
茶の湯の世界観かもしれない。しらんけど

ところで、ずーーーーっと疑問なんですが、谷崎潤一郎はなんでタイトルを「陰翳礼讃」としたのでしょう?

文字の「礼」がすごく気持ち悪い

せっかく重厚な漢字を揃えたのだから、礼も旧字にすべきではないでしょうか。

「陰翳禮讃」なら一層”闇”が引き立つのになあ



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すでに現実化している『R帝国』の戦慄 
Friday, June 4, 2021, 07:37 PM
『R帝国』(中村文則 2017中央公論新社)を読みました。2018年のベストセラーです。


もちろん架空の物語(フィクション)ですが、いやいやこれは現実だと読み進めるほど震撼しました。

R帝国の実態は国家党(通称”党”)の独裁体制であるが、民主主義を謳うためたった3名の傀儡野党・人権@ほのぼの党なども議会に加えている。
国教はR教で国家党はR教団とも深いつながりをもつ。
国民は人工知能搭載型携帯電話・ヒューマンフォン(通称HP)で便利な生活を送っているが、思想や趣向、反政府的な行動はすべて党が監視している。
もちろん政府中枢からメディア関係者すべてHPにより反動的人物は抹殺される。

”愛国心”で洗脳し、反抗できなくする


反体制の気運が盛り上がらないよう、移民への罵詈雑言(ヘイトスピーチ)のデモも裏で煽動し、自作自演でR国民の愛国心を盛り立てている。
すこしでも批判をする者にはネット工作部隊とメディアが非国民、異常者として社会的な抹殺をする。
こうして大部分の国民は隷属するしかない強固な体制となっている。

このような国家であるから他国からの侵略も自作自演であり、世界のテロ部隊も国家間の重要なアクターにすぎない。残忍なテロ集団により自国民が殺戮されたことにして国民の総意で開戦へと導くことができてしまう。
戦争といっても無人攻撃機であり、テレビに映し出される映像に国民は熱狂する。
R教の教義は野党党首にまで及んでおり、これも党のアクターであった。

滑稽な陰謀論と信じ込ませるしたたかさもある


こんな八方ふさがりの状況で。レジスタンスLはどうする?どうなる?
Lの乾坤一擲(けんこんいってき)の国民を犠牲にした裏取引の暴露で国民は目覚めるのか!

R帝国はすでに現実であり、このフィクションになりつつある



なんとも言えない恐怖をぜひ味わって下さい。
とくにスマホ中毒のあなた!いますぐ

過去ログ
検索キーワード:スマホ脳:

スマホはヘロイン並の依存症を引き起こす
SNSで社会は思っている以上に病んでいるんだな
なぜUberは常に強気(高飛車)なのか?それはね
プログラミングとは文学であり、文学は思想のプログラミングなのである
浅草ではそろそろ夏祭りのシーズンとなります
千葉がチバニアンなら平成時代の我々はヘラニアンだw
進化論で統計という学問は優生学として急速に発展した
マインドフルネスは瞑想や座禅とはどうちがうのか?

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2012年本屋大賞「舟を編む」(三浦しをん) 
Tuesday, June 1, 2021, 08:53 PM
 テレビもない、ラジオも聞こえないという所にいたら貴方ならどうします?
ショッピングセンターに併設されている小さな書店で文庫本を買い漁りました。
丸善や八重洲ブックセンターと比べれば、脱力するほど、立ち読みする気もない本ばかりです。

同級生が読んで心に留まったという「舟を編む」を手にしてみました。
6年前に話題になった小説ですが、いまでも文庫本の棚にポップをつけて平置きされてます。

辞書編纂というテーマからして、ぜったい俺向きだという自信はあったのです。
本屋大賞はけっこう読んでいるのですが、エキセントリック(偏愛的)な世界観は自分も十分理解しているつもりだったので。

結論は面白い。三浦しをんさんの本は初めて読みましたが、文章が丁寧で読みやすい。
辞書編纂をする人の話なので、どこをとっても言葉遣いが憎い。

ボロ下宿屋に済む初心な出版社勤務の主人公と下宿屋オーナーの孫娘が一つ屋根で暮らすというシチュエーションは高校生の時にキュンキュンした高橋留美子「めぞん一刻」を再沸させます。

この小説は女性誌クラッシーで連載されていたそうで、恋愛指南書の役目もある。
だからか、男女の情愛の描写はほとんどない。とてもさらっとやりすごされている。
次の章ではすでに結婚後の話になっちゃってます。

ライトノベルってこういう感じなのかァと関心しました。

高校生や大学生向けといえばそうですが、自分の世代では赤川次郎の系統なんだろうな。

言葉に耽溺し、その拘り(こだわり)の描写には、そうかそうかと読者にも共感と発見をもたらします。

エンターテイメント性では素晴しい作品です。

主人公の馬締光也(まじめみつや)の生き方にすがすがしさを感じますし、辞書編纂部の面々もすばらしい情熱をもってます。

二日で読んでしまいましたが、このような生き方ができればいいなと思う、読了感でした。

たぶんこの本の主人公はほんとうは、15年もの編纂をしてやっと陽の目を見るときがきた『大渡海(だいとかい)』です。
辞書一冊ができあがるまで、長い年月と大勢の人と情念が加わっているということだけでも惹きつけられます。

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エネルギーはなぜ質量×光速の二乗なのか 
Saturday, May 29, 2021, 10:34 PM
『E=mc^2のからくり』(山田克哉著 講談社ブルーバックス)を読みました。
暇つぶしに小さな本屋に入ったら目について早速読んでみました。
買ったのは9刷版です。毎年増刷されているんです。

この著者は難しいことを易しく解説する人気サイエンスライターとも言えます。元大学教授です。
この本はわかりやすく順序立ててあるのでほんとによくわかった。

光の速さ(光速=30万/秒)がなぜエネルギーに関係しているのかを中学生、高校生でも十分理解できます。
もっとも高校時代の物理の復習として大人が読む方が一層面白いのではないかな。
自分も読み進めるうちに、そうかそうかと昔の知識が思い起こされ、このように繋がっていくのかと改めてニュートンからアインシュタインへの道程を理解できました。

素粒子理論における放射線とはなにかも深く理解できます


素粒子の働きで、物質(質量)がエネルギーに変換されたものが放射線なのです。

E=mc^2は古典物理が発展した結果にすぎない


自分が中学、高校時代に習った物理といっても出てくる概念はたったの三つ
力(Force)、質量(mass)、加速度(acceraration)だけ
あとNewtonが発見した万有引力ですね。これが天文学を決定づけた。

物質同士が引き合う(逆に反発もある)力は他にも磁力と電気力があります。

引力も磁力も電気力も速さは有限



光に速さがある(30万km/秒)ことは誰もが習ったことでしょう。でも磁力や電波、はたまた引力にさえ伝わる速度の上限があることを知ってましたか?

引力も磁力も電気力も、直に触れていないのに引っ張ったり押したりできます。
その間には空間があっても、なんで力は伝わるのでしょうか。
紐で引っ張ったり、棒で押したりするワケじゃないのに。

だから100年ほど前なら宇宙にはエーテルという触れることも知ることもできない謎の物質で満たされていると考えられていました。

光や熱、力が伝わるためには媒体が必要だからです。湖面に浮かぶ木の葉を揺らすには、水面に波紋を起せばよいことと同じです。

でも真空状態を人類が自在に創り出せるようになると、引力のみならず光も磁力も真空を通しても伝わることがはっきりとわかった。

そこで登場したのが”場(field)”という概念と”ポテンシャル(エネルギー)”という概念。
そして光も電磁波の一種ということもわかってきました。つまり電波のこと。

”場”とは力(作用)が影響する範囲のこと。”ポテンシャル”は何もない(真空)の一点のおける持ち得るエネルギーのこと。

たとえば宇宙空間にぽつんと一人浮いていたとしましょう。でもその身体には太陽や地球からの引力が作用していて、浮いている(静止)しているように見えても、実際は引力の影響が及んでいる。
なんらかの切っ掛けで動き出すことだってあり得ます。

このように宙に在っても動き出すエネルギーを電磁力や引力が存在する空間ではポテンシャルと言います。電気工学や流体力学(古典物理)では必須の概念です。

高校あたりでは作用反作用の法則や運動エネルギー保存則ぐらいの、物理の基本のキで終わってしまいます。
だから大学では”場”や”ポテンシャル”という概念が突然現れて、たいていは頓挫していくんですね。

三次元空間(縦横高さのある空間)における加速度とは、質量とは、与えた力とはと、大学生ならば十二分に理解しているものとして、大学の授業は進められているのです。とくに理系学部ではね。

頭の良い人は以下の流れが無自覚でも分かっているのです
ニュートン(天文学上の大発見)

ラグランジェ(物理学の開祖)

アインシュタイン(宇宙から素粒子世界への展開)


でも、高等数学や高等物理、天文学の基本は高校あたりで習う概念を拡張しているだけなので、いちいち説明しなくても丁寧に説明されればわかる筈なんです。でも大部分は落ちこぼれる(自分もその一人です)

”場”という概念は素粒子力学では大変重要で、原子核を形作る素粒子の推定には欠かせません。

素粒子間で働く力も光速が基準ですし、質量とトレードオフ(反比例)の関係です。(質量が重いと光の速さには達することができない)

このように光速を基準にすると宇宙の始まりから素粒子の姿まで理論的に説明することができるようになるのだということがスイスイわかりました。

大学で突然でてくる波動方程式、マックスウェルの電磁方程式でつまづき悩む学生さんや向学心ある方にはお勧めできる良本です。

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日本では自社株をただ同然で譲渡することは合法なのか 
Friday, May 21, 2021, 07:47 PM
ハゲタカを読んで、以下のような経済記事を読むと、理解が深まります。

お気に入りのメルマガ「10秒で読む日経」をそのまま転送しておきます。

大阪船場の繊維会社三共生興が、TOB(敵対的買収)の防御策として、自社の金庫株(発行株式の3%:時価9億円)を三共生興社長が設立した環境保護団体に一株1円(総額180万円)で譲渡すると発表しました。

建前は環境保護団体ですが、実態は経営陣による買収対策であると言われています。

決算短信を見る限りは売上に対する利益率は11%と悪くはない。また衣料品だけではなく不動産業も堅実です。

配当性向はだいたい3%で高くはないが、財団は配当として毎年5000万円程度を受取ることができます。

三共生興が存続するかぎり、この財団(実態は三共生興の経営陣)も大株主として存続します。

三共生興にとっては寄付金扱い、そして財団としても寄付として受領というスキーム。
自社株買いをして、都度寄付扱いに財団に渡せば、合法的に市場から株を回収することができるし、利益も圧縮することができる。

しかし、これは経営者の私物化にすぎません。9億円分の資産を180万円で自分たちのものにしたのですから。これからもずっと続けるでしょう。

既存株主は配当や償却によって得られる利益を損し、また投資信託として販売する機関投資家は購入者にどのように説明するのでしょうか。
もしこのスキームが日本で合法とされたら、日本企業は株式会社という仕組みをないがしろにする国家だと世界は見るでしょう。

買収されるのが嫌なら上場なぞするな



安定した業績と隠れた資産(土地)を持つ企業は割安だと見られているのでしょう。

しかし日本は法律も税制でも劣り、自分には東証市場に魅力を感じません。

一般株主をこれほどバカにした行為はないです。(株価も上がらず、配当も寄越さない)

このスキームが認められたら、海外投資家は日本の株式市場を見放すのではないでしょうか。
そうなれば東京市場は崩壊します。

(以下「10秒で読む日経」から転載)

        2021/5/20 No.4415
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  10秒で読む日経!
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   今日のNews
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●社会貢献活動のための財団を設立し、自社株を割り当てる企業が増えている。
株の配当を財団の活動資金に充てるためだが、1株あたり1円など、足元の株価より
低い価格で譲る企業が目立つ。「物言う株主」などに対抗するための新たな安定
株主作りとの見方も浮上。投資家は企業統治改革に逆行しかねないと、懸念を
持ち始めている。
 日本経済新聞 2021年5月19日
●東京証券取引所の株式分布状況調査では、企業が保有する自社株の比率は
2019年度末には4.04%だった。前の年度から0.43ポイント上がり、集計を始めた
1999年度以降で最高水準だ。資本効率重視の流れが強まり自社株買いが増えている。
 日本経済新聞 2020年7月9日 
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   佐々木の視点・考え方
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★日本企業の経営者が再び怪しい動きをし始めています。

経営者の役割は、株主から出資した資金を、社会のためになる有益かつ有利に運用し
得た利益を株主に全額返すことです。取締役とは、経営者がこうした行動をとって
いるかを取り締まる仕事をする人の事です。

金庫株(=自社株)とは、その会社が事業で得た利益で、株式市場に出回る自社株を
時価で購入した株の事です。他の株とは異なり、配当を貰う権利や、株主総会とかで
議決を行使する権利が無くなります。

金庫株が出来る行為である自社株買いは、企業の利益を税金を支払って配当を貰う
よりも、税金負担が無いし、市場流通株数が減るので一株利益が増えるので、
より株主の利益が得られるという理由で、投資家は好んできました。

そして、金庫株は消却(発行済み株から除外する)という手続きがされる
という暗黙の前提があります。

しかし、消却される前段階の金庫株には、端株の整理をしたり、役員報酬として
現金の代わりに株で支払ったり、株式支払いのM&Aをしたときに被買収企業の
株主に買収代金として支払うという役目も果たせるため、金庫株状態でそのままに
しておくことも慣習として認められています。

記事のように、金庫株をタダ同然で財団に譲渡することは、企業の利益を特定の
ごく一部の相手に偏って支払う行為です。

配当を支払う代わりに、その資金を千円で株を買い、その株を1円で1人の人に
譲渡することを正しいと思う人はいないでしょう。

国税庁が、こうした行為に譲渡税を課さないのは職務怠慢です。

殆どの上場企業が自社株買いをしており、金庫株が多く発生している米国では、
消却する株数が多く、日本とは異なります。そして、金庫株の多くは、個人投資家が
株を定期的に購入する定期買い付けシステムや、配当での自動株再投資プログラムで
継続的に時価で購入するときに提供する株式として使われています。



        2021/5/21 No.4416
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  10秒で読む日経!
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   今日のNews
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●東証1部上場のアパレル会社、三共生興の6月総会が市場の注目を集めている。
同社は14日、環境保護に取り組む財団を新設し、自社株180万株を割り当てる議案を
提出すると発表した。対価は1株あたり1円。財団側は19日終値換算で9億円弱相当の
株式を、180万円で購入できることになる。
財団の代表理事は三共興社長が兼務し、株割り当て後は財団が3%の株主となる。
このため一部の投資家からアクティビストに対抗するための安定株主作りでは
ないかとの懸念がある。三共興は19日、日本経済新聞に「財団の議決権は評議員や
理事の意見を集約して行使するため、恣意的な行使が避けられる」と説明。
 日本経済新聞 2021年5月20日 
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   佐々木の視点・考え方
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★昨日のニュースはやはり、税務上の問題がありそうです。
今日採りあげたのは、昨日のニュースの具体的な行動内容です。

一株約500円で買った金庫株180万株を一株1円で社長と同じ人が代表の財団に
売却します。会社は9億円で買った株を180万円で売りますから9億円の損失です。

この場合、売った会社と買った財団はどんな税務処理をするでしょうか。

昨日のメルマガを書いた後、国税庁に電話質問しました。

答えは2つです。

株を売った会社は、時価より遥かに安価で株式を売ったのだから、
売却は寄付行為になります。寄付金控除額を超える差額については、
損金・経費とはなりません。会社の財産は減って、税金は減りません。

株を買った財団は、多額の利益を得たことになるので、9億円の受贈益を
得たことになります。この受贈益がどう課税されるかは、財団がこの株式を
どのように活用するかで変わります。

つまり、税務上の視点では、この会社は株主の財産である株式を、
特定の相手に寄付し、他の既存株主に多大な損失を与えたことになります。
英語で株式はエクイティと言い、平等という意味です。

今後、同社の株主、特に多数株保有の機関投資家株主は大きな責任を持ちます。

来る株主総会での特別決議で賛成することは、プルルーデントマンルール
(投資家として運用関係者が遵守すべき行動基準、行動規範)違反になりますから、
年金契約者や投信購入者の利益となる運用をしなかったと咎められます。



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政府が政策として民間企業に介入する真の目的 
Thursday, May 20, 2021, 10:24 PM
続けて「ハゲタカ供廖平浸蛙痢2007 講談社)を読みました。
債務超過に陥った化粧品事業も手がける老舗繊維企業「鈴紡」と通信とコンピューターの雄である老舗電器企業「曙電機」の再建に奔走する投資ファンドと銀行出身の再建屋の奮闘の話です。

その出資者として登場するアメリカの投資ファンドと、資金を融通するアメリカ投資銀行

さらに政府系金融機関をバックにする産業再生機構と業界再編で我田引水を目論む経済トップの連合体

誰も正しいことを疑わない同床異夢の物語



もちろん小説ですから、主人公が最後に奇策で逆転する。

でも日本企業がアメリカ資本に蹂躙されるというプロパガンダで、政府系金融をバックにした事業再生案が政治家たちの”民意”によって救済という結着になることも現実はあるでしょう。

無敵な国際金融に対抗して、国民は溜飲を下げ内閣支持率もあがる。
日本産業を支えた老舗企業、大企業はそれだけ中枢とも密接につながり、持ちつ持たれつの関係があり、資本の論理では片づかないのです。

この小説では銀行、老舗企業、政治家というトライアングルが描かれていましたが、政府系ファンドは企業買収に水を差す存在として顔を出すのみです。

政府系ファンドは何のためにあるの?それは省庁利益のためです



別に買収に勝っても負けても、元手は我々の税金であり天下り先の確保が第一でしかない。

政府系ファンドの名目は重要産業の買収防衛ですが、ほんとうの目的は省庁権益と天下り先の確保です。

だから小説でも雑魚キャラ(脇役)なんです。そもそも破綻しかけた企業を立ち直らせようという目的はない。

『ハゲタカ』という希有な小説は、経済新聞や経済ニュースの読み方を教えてくれるようなものです。


写真は福岡県大牟田の化学工場です。
渋沢栄一が官営の炭鉱を払い下げてもらった三井三池炭鉱が発祥です。

ここら一帯には明治の煉瓦造りの建物が点在しており、いたるところに歴史遺産として登録されています。
自分には重厚長大こそ国是としていた”遺産”としか見えません。

愛読するメールマガジン「10秒で読む日経」には政府の経済支援の本質をずばり指摘しています。

(貼付けはじめ)
        2021/5/19 No.4414
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  10秒で読む日経!
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   今日のNews
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●政府が6月にも決定する成長戦略の骨子案が分かった。先端的な半導体や蓄電池の
国内生産拡大に向けて集中投資を促す方針を明記した。「経済安全保障の確保」
を掲げ、製造技術の開発支援に充てる予算を積み増し、企業の工場新設を後押しする。
米国の有力メーカーを誘致し、日米連合でサプライチェーンの強化をめざす。
 日本経済新聞 2021年5月19日 
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   佐々木の視点・考え方
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★このニュースに対するWEB版記事コメントには「スピード感と投資額ともに
日本は腰が引けている。」というのがありました。同感です。

私はこの政府の政策は失敗すると考えています。

日本の産業支援は特徴があります。
資金支援を、個別企業にはしないことです。

税金を私企業に渡すと、えこひいきや利益誘導と批判されるので、多くはいくつかの
企業が集まる共同体を設立させ、その共同体に対して資金が支払われます。

省庁のタテマエは、えこひいきをせず、公平にするための共同体支払いですが、
本音は、天下り先を確保することです。

受け皿の共同体では、利害の異なる各業界社が違った思惑を主張するため、
音頭を取る人物が必要です。それで監督官庁から天下りした人に長をさせます。

監督官庁も天下り人も、事業の事は分かりませんので、各社の思惑を統一して
困難に向かわせることは出来ません。
結論が出るまでにかなり時間がかかります。

結局、産業への支援金はどぶに捨てたと同じ事になります。
経産省をはじめ、各官庁の産業支援の歴史を顧みると失敗ばかりです。

いいえ、各省にとっては失敗ではなく、成功の歴史です。

省にとって最も大切なのは天下り先を増やすことであり、
これを達成した人が偉くなれるのです。

こうした役所の掟を知ると、なぜコロナ禍が収まらないかが分かります。

(貼付け終り)


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いまさら『ハゲタカ』(真山仁著)を読んで感じたこと 
Tuesday, May 18, 2021, 07:07 PM
 15年前に評判となり、NHKでドラマ化もされた『ハゲタカ』を読みました。
選挙参謀の痛快な暗躍を描いた『当確士』がとても面白かったから、この作者の作品をもっと読んでみたいと思ったからです。

破綻した企業の再生の舞台裏の話で、アメリカの投資ファンド、アメリカの投資銀行、邦銀、経営者らの話です。

読了した感想は

全く内容が古びていない・・・



いまでも金余りで投資先を求める巨額マネーで同様の抗争が続いていると実感します。

バブル時(30年以上前!)で財テクやゴルフ場経営といった門外漢の事業に手を出して瀕死の企業や拡大路線で首が回らなくなった企業たちを次々に買い上げて再生に獅子奮迅する人らの話。

と一言で片付けたら対して魅力的ではないのですが、この小説の魅力はとても具体的で実感があることです。

たとえば買収工作でも主人公の鷲津政彦は、ハゲタカと唾棄されるほどのイメージを世論に与えないために、チームには必ずPR会社を入れています。

新聞やTVニュースへリリースを出したり、ライバルや反対勢力への牽制でゴシップを流すといった戦略をとります。

また消費者に近い産業では企業イメージやブランドを毀損しないために細心の注意を払います。

財テクによる巨額損失を「とばし」で隠匿する経営陣らとの攻防はジャーナリズム大賞輝いた山口義正著「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(2012 講談社)が詳しい
野村證券ごときでは”飛ばし”きれなかったので、急遽生け贄とされたのがマイケル・ウッドフォードというお雇い外国人。姑息な手段で地位に固執する経営者たちをあぶり出したのは語り継がれるでしょう。

銀行内部での国会議員がらみでの不良融資はご存じ金字塔となった「半沢直樹」シリーズでしょう。

そして大きくブランドイメージを毀損したといえるのは、大塚家具の創業者と実娘との間で勃発した議決権の取合い(プロキシーファイト)によるTOBでしょう。

特に大塚家具は今はどうなったのか。ヤマダ電機に吸収され大塚久美子氏は放逐されました。
「ハゲタカ」を読んだ後では、これは当然の成り行きだと感じます。

企業買収は”世論”を味方に付けなければ失敗に終わる



資本の過多で優劣を付けるのが資本主義の本質ですが、日本においてはそこに経営者のしがらみや政府(議員)の意向、大蔵省や経産省の思惑など複雑に絡み合い、入札や株主総会で決まることはありません。

たとえ勝者となっても、いくらでも足元を掬われるし、法の抜け道が日本では存在します。

そして一番難敵なのは、国民(国家)の敵というレッテルを貼られると企業買収は必ず失敗する。

そのためにも創業家や乱脈経営者を放逐することができないもどかしさなどなど、真山仁の小説にはちりばめられています。

日経新聞は裏読みをしなければならない



新聞の裏側は、ニュースリリースという発信者側からの情報と敵対勢力や政治家勢力による印象工作が混在していると言うことが、ハゲタカを読んで実感します。

なんで経済記者があんなに尊大な態度をとるのか、ちょっと理解できます。

実業界とはヤクザな世界です。
ハゲタカ兇鯀畭読んでいます。

過去ログ:
「のれん代」はダイナマイトにつながった導火線である
闇勢力に蚕食(さんしょく)された株式市場自体が既にゾンビなのだ
「儲かってまっせ」「さっぱりですわ」 経営者とは真逆を言うもの
東証にまで及ぶ企業統治の欠如、経営のチェックが働かない日本企業の構造問題「自壊する「日本型」 株式会社 オリンパス症候群(シンドローム)」(チームFACTA著 平凡社)を読む
ジャーナリズム(Journalism)の教本として読む「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(山口義正著 講談社)
自壊する「日本型」株式会社・・・今だ癒えないバブルの傷
5/25 10時 浅草での空間線量は28Bq/m^3
オリンパスを追い詰めた一匹の男<山口義正>
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