森田真生氏は有望な若き哲学者なのである 
Sunday, June 27, 2021, 12:09 PM


新聞の書評欄は日曜日のいちばん楽しみです。

をっ、今日は森田真生の新刊が紹介されているなあ。

はずかしながら、森田真生氏をずっと(もりた まお)と発音していました。

自分の周りの若いやつが「まお」「まお」と言っていたので、ずっと「もりたまお」と疑いもしませんでした。

森田真生(読み:もりたまさお)さんなんですね・・・

ちゃんと目立つようにふりがなを振っておいてほしいわと自分の名を棚にあげて思いました。

さてこの真生(まさお)さんの本『計算する生命』は『数学する身体』に続く第二弾のようです。

計算という手段を得た人類史のようでもあり、それは思考の昇華を意味しています。

未知なる概念を生み出す創造的な行為として数学が生み出されたことに異論は誰もないでしょう。

しかし森田真生氏は人が機械と異なることは、計算の結果に対して応答し、現実を新たに編みなおし続けているのだと定義しています。

だからはじき出された計算結果には立ち向かわなければならないのだということなのでしょう。

発表された数字で思考が止まっている今の現状への警告



のようにも思えます。

まおさんは在野の数学者なのですが、本質は哲学者なんだとよくわかります。

偏執(パラノイア)的に物事の本質を追及し続ける人が研究者(professional/Doctor)であると自分は捉えています。さらにそれを俯瞰して体系的に説明できる人が哲学者(Philosopher)なのです。

哲学は明治に西周(にしあまね)に造られた言葉ですが、本来は智恵を愛する学問、すなわち愛知学とそれまでは呼ばれていました。

愛知学のほうがぴったり来るんですけどね。

過去ログ:
数学は<発見>されたのか?<発明>されたのか?問題
岡潔(おかきよし)をご存じでしょうか
理系とか理工学部とか理学と工学をいっしょくたにする愚かさ
統計屋が数学界では蔑視される理由
数学者は哲学者でもあることを知る
数学者とどう接したらいいのかわかりません

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数学的な証明は俳句の世界に通ずることを知る 
Sunday, June 27, 2021, 11:06 AM
『数学にとって証明とは何か』(瀬山士郎 講談社ブルーバックス 2019)

薄い本なのですが、読了してもなかなか頭にすとんと落ちません。
中学生のころ、合同、相似といった図形の技巧で二等辺三角形や角度の証明をしたことを思い起こさせます。
図示されれば当たり前すぎて、誰でもわかるのでペラペラと読み進めることができます。

ところが文章におこすと一気に難解になる



これが数学が嫌いになる第一歩。
「〜だから〜となる」という単純な因果関係でも数学的な表現をすれば
「〜ならば〜である」となります。

たいして文言は違わないのですが、数学では時間も空間も関係がない

雨が降る→地面が固まる
猿が木に登る→猿が落ちる
犬が歩く→犬が棒に当たる

普通の感覚では時間に沿った因果関係を脳内に導きます。前提と結論の関係です。

でも数学では「→(ならば)」では前提と結論との影響は希薄です。

雨が降る→地面が固まるは
=雨が降らないか、地面が固まる(のどちらかの状況になる)

猿が木に登る→猿が落ちるは
=猿が木に登らないか、猿が木から落ちる(かのどっちかの行動をする)

犬が歩く→犬が棒に当たる
=犬が歩かないか、犬が棒に当たる(かのどちらかの状況になる)

たとえば最初の『雨降れば地固まる』のことわざですが、空(前提)と地面(結果)はまったく別の世界です。

数学では「雨が降るならば、地固まる」と言い換えられ、脳内変換されると

「雨が降っていない」と「ぬかるんだ地面が固まる」はともに一事象に過ぎず、因果関係がない

つぎのことわざ『猿も木から落ちる』は

「木の登っていない猿がいる」「木から落ちた猿もいた」となります。

同様に「犬が歩く”ならば”棒に当たる」は

「歩かない犬がいた」一方では「棒に当たる犬がいた」となります。

このような説明を読んでいて、はたと気づきました。

数学の証明(論理)は俳句の世界とよく似ている



柿喰えば鐘がなるなり法隆寺 (正岡子規 1895)

柿を喰わなくても、法隆寺の鐘は鳴ります(笑)

だから、「法隆寺の鐘は鳴る」という事象が証明されたというのが数学的論理となるのです。

他にも一例として

『親孝行したいときに親はなし』

を言い換えると

『親孝行したくないとき、親はいる』

これは演繹的(本質を定義すること)な言いかえの証明が成り立つ例です。

「数学嫌いな人のための数学」(小室直樹 東洋経済新報社 2001)と「数学にとって証明とは何か」(瀬山士郎)はどちらも数学論理の説明で良く似ています。


もう少しじっくり腑に落ちるまでこの両方を読み込む必要があります。

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脱炭素社会の着地点は「小型原子炉による電力供給系の最適化」でしょう 
Tuesday, June 22, 2021, 09:58 AM


 日本で真摯に原子力の利用を研究しようとしても、なぜか専門家でもない人たちがイデオロギーだけで横やりやチャチャを入れたがる。

古くは六ヶ所村の原子力船むつから、原発再稼働に反対する人たちで、論理的な判断をするだろうと思われていた裁判官までも情緒的な判決をするようなアンチ原子力イデオロギーが日本には充ち満ちています。

どんなプラントであれ、一度動かせば本来は止めてはいけない。それが一番安定した状態であり危険が少ない。

牛乳瓶だったかラムネ瓶を作っている町工場をテレビで観たことがあります。
24時間ずーっと瓶がコロコロと出てくる。
でもそれを出荷するワケじゃなく、また原料として砕いて炉に放り込んでました。

なぜそんな無駄なことをするのかというと、夜間でも炉や成型器を一定温度に保たねばならないから。
一度火を落とすと、ふたたび良質なガラス瓶がつくれるまで、あちこちを調整しなければならないから。
またガラスが工程の途中で固まるとやっかいだからです。
そんな危険を冒すぐらいなら、無駄であっても夜間に稼動させる方が得なのです。

蒸気機関車(SL)も運行が終わって車庫に戻ってきても、ボイラーはずっと石炭を燃やし続けてある。冷えると鉄は縮んでしまいボイラーの圧力がかからなくなるから、車庫でも温めておく。

燃料が石炭から石油の時代になっても、とくに重油を燃料とする船や機械設備は止めることが出来ないんです。
粘度が高いから冷えると固まってしまうし、水分が凝縮すれば不具合を生じる。
大型トラックがエンジンを止めないのも再始動が大変だからですね。

安全性と廃棄物処理はテクノロジーで解決すべきこと



80年代あたりでは原子力工学という学科がありました。いまでもあるのかな。
原子炉の構造自体は単純ですからね。熱源が違うだけで一般のボイラーの熱力学と同じ。

具体的な学問の中身は何かというと、フェールセーフ(fail safe)つまり事故を起さないための研究です。
もしちゃんとこの学問が日本で根付いていれば、福島のような事故は起きなかったし、京都大学の熊取原子炉におかしな研究者を抱えずにすんだのにと思います。

原子炉の安全を追求する使命の人が原子炉止めろと言うのは、そもそもじゃあ何をいままでやってたんだ?と思わずにはいられません。

むしろ安全な原子炉にすべく研究する私たちの敗北ですと宣言して切腹するぐらいの気概はないんかい。

安全で経済的な原子炉の開発競争はすでに進んでいる



読売新聞の2面に欧米、英国、カナダで小型原子炉開発に国家主導で進んでいるという記事がでました。

軍事・宇宙探査で進んでいるアメリカやロシアは当然として、先進国は次世代原子炉の研究に巨費を投じているのが実状。

日本企業は米国の研究にちょこっと金を出して研究成果をもらっているのが実状。

日立がGEと一緒に、三菱重工が研究室レベルでやっているぐらい。

国家主導でやらねば成らぬ研究なんでしょうが、なんたって日本には原子力工学の学科はないもんね。

くだらないイデオロギーで専門の技術者の養成を怠ってきたツケです。

検索キーワード:原子炉:

10年も経てば普通の工事現場だぜ・・・
脱炭素をめざすなら新型原発こそが切り札だ
要旨がはっきりした文章の見本例
アメリカでは既にメルトダウンしない新型原子炉が実用化寸前です
サッチャリズムへの怨嗟が今の英国BREXIT運動なのにサ
どうしたら放射性物質アメシウムを入手できるのか?簡単でした。
地球で生命はどこから生まれたのか?
日立の英国原発撤退は妥当な判断でしょう
小型原発をいまさら作りますって遅すぎるぜ
昔も今も原子力は斜陽(日陰)産業なんでした



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物言う株主にはのらりくらりと開き直る東証の大家 
Saturday, June 19, 2021, 03:20 PM
日本においては株式市場というものは昔っから信用ならぬものというのが通説です。
鵜の目鷹の目の鉄火場、抜け駆け出し抜き当たり前、騙す騙されるの駆け引きの場というのが自分のイメージ。

それがコンピュータ化されて近代的設備となったとしても、やっぱり手前味噌な体質と事なかれ主義は変わってませんね。
基準に達しない上場企業を野放し、ガバナンスについても大甘な裁定ばかり。

東京証券取引所は自分にも甘い



新聞記事で知りましたが、証券取引所は賃貸なんですね。
所有者は平和不動産という、これまた陳腐な名前の企業ですが東証一部企業であり、日経平均の構成銘柄。

戦前の統制経済の中心的役割を担った日本証券取引所がGHQの命令で解散させられて、残った土地建物を基に設立された特殊な成り立ちをもつ不動産会社です。本社は渋沢栄一の邸宅跡で東証の株式も保有しています。

だから当然のように東証の天下り先として存在しているようです。

この現状に「東証ビルの賃貸料が不当に安い」「不動産専門家でない社長・役員の反対」「JPX株の売却」を投資ファンドが株主提案をしています。

株主の権利保護と企業統治(コーポレートガバナンス)の旗を振っている東証自体が、まさか平和不動産に株主提案をされているということで注目されているという記事。

あ〜あ、日本的だねえ。

何遍も言いますが、株式資本主義ってのは日本では全く機能してない。
上場企業は株主利益を最大にすることであって、それは企業価値であり、具体的には配当であり、株価でしょう。

ところがこの平和不動産は海外ファンド側から見れば、株主軽視と見られている。

東芝なんかも株主がうっとうしいのならば非上場にすべきなんだろうなあと思います。
なあなあの関係のまま、紙を渡して金だけ得るとは虫が良すぎる。

日本にプロフェッショナルな経営者が育たないのは、このような土壌があるからなんだろうな。



過去ログ
日本では自社株をただ同然で譲渡することは合法なのか
東芝を上場廃止にしなかった驚きの言い訳
安倍と麻生という疫病神を取り除かないと景気はよくなりません
闇勢力に蚕食(さんしょく)された株式市場自体が既にゾンビなのだ
円高になるときが株価下落のはじまりなんだろうなあ
正月の日経新聞ほど親米ポチ丸出しな記事はない
東証にまで及ぶ企業統治の欠如、経営のチェックが働かない日本企業の構造問題「自壊する「日本型」 株式会社 オリンパス症候群(シンドローム)」(チームFACTA著 平凡社)を読む
ジャーナリズム(Journalism)の教本として読む「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(山口義正著 講談社)
6/6 11時 浅草での空間線量は62Bq/m^3

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大牟田から島原へ 
Monday, June 14, 2021, 09:57 PM
九州中部ってそれほど知名度がある場所ではないし、もちろん自分も関心がある場所ではないです。なんとなく五木寛之「青春の門」で読んだ炭鉱ってのが一番近い自分のイメージかもしれない。

そんでもって、80〜120年前ぐらいの炭鉱の痕跡ってのが、けっこう残っているんですねえ。

ちょっと市内を走れば、すぐにこんな産業遺産が大牟田では見られます。
もっとも鉄道の陸橋の橋脚も煉瓦だし、橋なども明治末期から昭和初期のものです。

石炭輸送で使われていた歴代の電気機関車が展示されていました。明治大正昭和各時代のもの。一番新しいのでも昭和10年頃のもの。そんな80年以上前の機関車なんて動いてないだろ。

戦前の機械ってなんか味がありますねえ。こうやって保存されてるのってノスタルジーです。

と思ったら、80年前の機関車でもまだ現役で使われているのです。石炭を運んでいたようですが、今は石油製品を牽引しているそうです。九州侮りがたし。

フェリーで有明海をわたって島原まで行ってみました。30年前は普賢岳の噴火で立入禁止だったので、どうしても行ってみたかった場所。

島原城周辺を散策して帰りました。天草四郎が立て篭もった原城も行ってみたかったのですが、車じゃないといけません。

帰りの電車を待っていたら島原鉄道で使われていた機関車がありました。こいつも50年前では走っていたんです。鉄道マニアには九州は楽しい場所ではないでしょうか。
ちなみに島原は映画「まぼろしの邪馬台国」のロケ地だったそうです。

過去ログ:
纏向(まきむく)遺跡は卑弥呼の住居なのか!?行ってみた。
映画『まぼろしの邪馬台国』はお勧め映画です
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熊本城だけではもったいない 
Sunday, June 6, 2021, 10:41 PM
加藤清正が築いた名城・熊本城は1632年(寛永9年)に細川忠利(1586-1641)に引き継がれました。
細川忠利は忠興とガラシャ(玉)の三男です。

4年前(2016年)の熊本地震で石垣や屏などが大きく崩れ、城も損傷しました。
補修は少しずつ進んでいるようですが、損壊したままで手つかずの所も多いです。そりゃそうだな。

城の脇の公園には谷干城(たにたてき)の銅像、そして横井小楠の銅像が建っていました。

谷干城は西南戦争で熊本城に立て篭もる西郷軍を敗遁させた指揮官、横井小楠は幕末の思想家で熊本藩出身です。
をを、横井小楠はそういえばここだったんだ。

ガイドマップには小楠の生家跡もあるとのこと。
夏目漱石が住んだという家は修理中で見えませんでした。その裏手の高校あたりが小楠の生家があったそうです。

井戸しか在りませんでした。

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が住んでいた家もありました。

車があれば、西南戦争の激戦地となった田原坂、宮本武蔵が五輪書を印したという霊巌洞、横井小楠の家塾「四時軒」まで行ってみたかったのですが、へろへろに歩き疲れたので、熊本の名物を堪能して帰りました。

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文字採集をしながら読む「陰翳礼讃」(谷崎潤一郎 1933) 
Sunday, June 6, 2021, 06:52 PM
 三浦しをん「舟を編む」の次に何を読もうかと逡巡しながら書店の棚を眺めて、よし、谷崎潤一郎の名随筆を読んでみようと思い立ちました。

たぶん買わなくても青空文庫(ネットの無料電子書籍)でも読めるはずです。

この随筆、「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)は昭和8年(1933)、春琴抄の後に発表した谷崎が47歳の作品です。この年に婦人と別居しています。根津松子と翌年同棲をはじめてます。

タイトルにあるように日本の美意識は元来漆や木目を基準とした陰に映える美にあり、ぼんやりとした灯(明かり)でこそのものという持論が幾重にも展開されています。

書いた時代は昭和初期なので和風建築は珍しくもないのに、臆面もなく堂々と発表したことが谷崎の偉いところですね。当時は大正のハイカラブーム(舶来主義)が根付き、巷の高所得者層にも西洋的なモダンファッションが都市で流行していた頃です。

90年前の随筆を開くと、語彙の豊富さにまず驚きます。

たとえば日本間や離れに設えた便所の形態などなどを讃える言葉を注目して読んでみました。
随筆ですから結論は特になく、テーマは日本の美は奥まったところの陰にあるということだけですから。

いまでは死語であったり、知らない語彙を赤ペンで丸を付けてみました。

例えば
恩沢、煖房、団欒、臀(しり)、逢着、肌理(きめ)、玻璃(はり)、臥ながら、恐毛(おそげ)、減殺、慥かに、食慾、宏壮(こうそう)な、堆(うずたか)く、畢竟(ひっきょう)、忽焉(こつえん)、蠱惑(こわく)、訝しみ、俤(おもかげ)、黝(くろ)ずむ、白皙人種、翳り、狭霧、上瓠≒蚤亜∈⇒茵⇒Ρ邁進・・・

いまじゃほぼ使われていない言葉のオンパレード

何で消えてしまったのだろうと、想い抱きながら読みすすめました。
きっと「舟を編む」でも主人公や辞書編纂者はこんな想いで活字を読んでいたのではないでしょうか。

谷崎は陰(他にも影、蔭という表記あり)への拘り(こだわり)を能の世界にも展開しています。
でも、それよりも自分はそれを表記するために言葉を選り分けている作家の性(さが)に興味があります。

美を意識しない生き方は不毛な生き方なんですなあ。

この続きで読むなら、白洲正子や民藝運動をした、えーっと柳宗悦らに行き着くんだろうなあ。
茶の湯の世界観かもしれない。しらんけど

ところで、ずーーーーっと疑問なんですが、谷崎潤一郎はなんでタイトルを「陰翳礼讃」としたのでしょう?

文字の「礼」がすごく気持ち悪い

せっかく重厚な漢字を揃えたのだから、礼も旧字にすべきではないでしょうか。

「陰翳禮讃」なら一層”闇”が引き立つのになあ



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すでに現実化している『R帝国』の戦慄 
Friday, June 4, 2021, 07:37 PM
『R帝国』(中村文則 2017中央公論新社)を読みました。2018年のベストセラーです。


もちろん架空の物語(フィクション)ですが、いやいやこれは現実だと読み進めるほど震撼しました。

R帝国の実態は国家党(通称”党”)の独裁体制であるが、民主主義を謳うためたった3名の傀儡野党・人権@ほのぼの党なども議会に加えている。
国教はR教で国家党はR教団とも深いつながりをもつ。
国民は人工知能搭載型携帯電話・ヒューマンフォン(通称HP)で便利な生活を送っているが、思想や趣向、反政府的な行動はすべて党が監視している。
もちろん政府中枢からメディア関係者すべてHPにより反動的人物は抹殺される。

”愛国心”で洗脳し、反抗できなくする


反体制の気運が盛り上がらないよう、移民への罵詈雑言(ヘイトスピーチ)のデモも裏で煽動し、自作自演でR国民の愛国心を盛り立てている。
すこしでも批判をする者にはネット工作部隊とメディアが非国民、異常者として社会的な抹殺をする。
こうして大部分の国民は隷属するしかない強固な体制となっている。

このような国家であるから他国からの侵略も自作自演であり、世界のテロ部隊も国家間の重要なアクターにすぎない。残忍なテロ集団により自国民が殺戮されたことにして国民の総意で開戦へと導くことができてしまう。
戦争といっても無人攻撃機であり、テレビに映し出される映像に国民は熱狂する。
R教の教義は野党党首にまで及んでおり、これも党のアクターであった。

滑稽な陰謀論と信じ込ませるしたたかさもある


こんな八方ふさがりの状況で。レジスタンスLはどうする?どうなる?
Lの乾坤一擲(けんこんいってき)の国民を犠牲にした裏取引の暴露で国民は目覚めるのか!

R帝国はすでに現実であり、このフィクションになりつつある



なんとも言えない恐怖をぜひ味わって下さい。
とくにスマホ中毒のあなた!いますぐ

過去ログ
検索キーワード:スマホ脳:

スマホはヘロイン並の依存症を引き起こす
SNSで社会は思っている以上に病んでいるんだな
なぜUberは常に強気(高飛車)なのか?それはね
プログラミングとは文学であり、文学は思想のプログラミングなのである
浅草ではそろそろ夏祭りのシーズンとなります
千葉がチバニアンなら平成時代の我々はヘラニアンだw
進化論で統計という学問は優生学として急速に発展した
マインドフルネスは瞑想や座禅とはどうちがうのか?

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2012年本屋大賞「舟を編む」(三浦しをん) 
Tuesday, June 1, 2021, 08:53 PM
 テレビもない、ラジオも聞こえないという所にいたら貴方ならどうします?
ショッピングセンターに併設されている小さな書店で文庫本を買い漁りました。
丸善や八重洲ブックセンターと比べれば、脱力するほど、立ち読みする気もない本ばかりです。

同級生が読んで心に留まったという「舟を編む」を手にしてみました。
6年前に話題になった小説ですが、いまでも文庫本の棚にポップをつけて平置きされてます。

辞書編纂というテーマからして、ぜったい俺向きだという自信はあったのです。
本屋大賞はけっこう読んでいるのですが、エキセントリック(偏愛的)な世界観は自分も十分理解しているつもりだったので。

結論は面白い。三浦しをんさんの本は初めて読みましたが、文章が丁寧で読みやすい。
辞書編纂をする人の話なので、どこをとっても言葉遣いが憎い。

ボロ下宿屋に済む初心な出版社勤務の主人公と下宿屋オーナーの孫娘が一つ屋根で暮らすというシチュエーションは高校生の時にキュンキュンした高橋留美子「めぞん一刻」を再沸させます。

この小説は女性誌クラッシーで連載されていたそうで、恋愛指南書の役目もある。
だからか、男女の情愛の描写はほとんどない。とてもさらっとやりすごされている。
次の章ではすでに結婚後の話になっちゃってます。

ライトノベルってこういう感じなのかァと関心しました。

高校生や大学生向けといえばそうですが、自分の世代では赤川次郎の系統なんだろうな。

言葉に耽溺し、その拘り(こだわり)の描写には、そうかそうかと読者にも共感と発見をもたらします。

エンターテイメント性では素晴しい作品です。

主人公の馬締光也(まじめみつや)の生き方にすがすがしさを感じますし、辞書編纂部の面々もすばらしい情熱をもってます。

二日で読んでしまいましたが、このような生き方ができればいいなと思う、読了感でした。

たぶんこの本の主人公はほんとうは、15年もの編纂をしてやっと陽の目を見るときがきた『大渡海(だいとかい)』です。
辞書一冊ができあがるまで、長い年月と大勢の人と情念が加わっているということだけでも惹きつけられます。

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エネルギーはなぜ質量×光速の二乗なのか 
Saturday, May 29, 2021, 10:34 PM
『E=mc^2のからくり』(山田克哉著 講談社ブルーバックス)を読みました。
暇つぶしに小さな本屋に入ったら目について早速読んでみました。
買ったのは9刷版です。毎年増刷されているんです。

この著者は難しいことを易しく解説する人気サイエンスライターとも言えます。元大学教授です。
この本はわかりやすく順序立ててあるのでほんとによくわかった。

光の速さ(光速=30万/秒)がなぜエネルギーに関係しているのかを中学生、高校生でも十分理解できます。
もっとも高校時代の物理の復習として大人が読む方が一層面白いのではないかな。
自分も読み進めるうちに、そうかそうかと昔の知識が思い起こされ、このように繋がっていくのかと改めてニュートンからアインシュタインへの道程を理解できました。

素粒子理論における放射線とはなにかも深く理解できます


素粒子の働きで、物質(質量)がエネルギーに変換されたものが放射線なのです。

E=mc^2は古典物理が発展した結果にすぎない


自分が中学、高校時代に習った物理といっても出てくる概念はたったの三つ
力(Force)、質量(mass)、加速度(acceraration)だけ
あとNewtonが発見した万有引力ですね。これが天文学を決定づけた。

物質同士が引き合う(逆に反発もある)力は他にも磁力と電気力があります。

引力も磁力も電気力も速さは有限



光に速さがある(30万km/秒)ことは誰もが習ったことでしょう。でも磁力や電波、はたまた引力にさえ伝わる速度の上限があることを知ってましたか?

引力も磁力も電気力も、直に触れていないのに引っ張ったり押したりできます。
その間には空間があっても、なんで力は伝わるのでしょうか。
紐で引っ張ったり、棒で押したりするワケじゃないのに。

だから100年ほど前なら宇宙にはエーテルという触れることも知ることもできない謎の物質で満たされていると考えられていました。

光や熱、力が伝わるためには媒体が必要だからです。湖面に浮かぶ木の葉を揺らすには、水面に波紋を起せばよいことと同じです。

でも真空状態を人類が自在に創り出せるようになると、引力のみならず光も磁力も真空を通しても伝わることがはっきりとわかった。

そこで登場したのが”場(field)”という概念と”ポテンシャル(エネルギー)”という概念。
そして光も電磁波の一種ということもわかってきました。つまり電波のこと。

”場”とは力(作用)が影響する範囲のこと。”ポテンシャル”は何もない(真空)の一点のおける持ち得るエネルギーのこと。

たとえば宇宙空間にぽつんと一人浮いていたとしましょう。でもその身体には太陽や地球からの引力が作用していて、浮いている(静止)しているように見えても、実際は引力の影響が及んでいる。
なんらかの切っ掛けで動き出すことだってあり得ます。

このように宙に在っても動き出すエネルギーを電磁力や引力が存在する空間ではポテンシャルと言います。電気工学や流体力学(古典物理)では必須の概念です。

高校あたりでは作用反作用の法則や運動エネルギー保存則ぐらいの、物理の基本のキで終わってしまいます。
だから大学では”場”や”ポテンシャル”という概念が突然現れて、たいていは頓挫していくんですね。

三次元空間(縦横高さのある空間)における加速度とは、質量とは、与えた力とはと、大学生ならば十二分に理解しているものとして、大学の授業は進められているのです。とくに理系学部ではね。

頭の良い人は以下の流れが無自覚でも分かっているのです
ニュートン(天文学上の大発見)

ラグランジェ(物理学の開祖)

アインシュタイン(宇宙から素粒子世界への展開)


でも、高等数学や高等物理、天文学の基本は高校あたりで習う概念を拡張しているだけなので、いちいち説明しなくても丁寧に説明されればわかる筈なんです。でも大部分は落ちこぼれる(自分もその一人です)

”場”という概念は素粒子力学では大変重要で、原子核を形作る素粒子の推定には欠かせません。

素粒子間で働く力も光速が基準ですし、質量とトレードオフ(反比例)の関係です。(質量が重いと光の速さには達することができない)

このように光速を基準にすると宇宙の始まりから素粒子の姿まで理論的に説明することができるようになるのだということがスイスイわかりました。

大学で突然でてくる波動方程式、マックスウェルの電磁方程式でつまづき悩む学生さんや向学心ある方にはお勧めできる良本です。

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日本では自社株をただ同然で譲渡することは合法なのか 
Friday, May 21, 2021, 07:47 PM
ハゲタカを読んで、以下のような経済記事を読むと、理解が深まります。

お気に入りのメルマガ「10秒で読む日経」をそのまま転送しておきます。

大阪船場の繊維会社三共生興が、TOB(敵対的買収)の防御策として、自社の金庫株(発行株式の3%:時価9億円)を三共生興社長が設立した環境保護団体に一株1円(総額180万円)で譲渡すると発表しました。

建前は環境保護団体ですが、実態は経営陣による買収対策であると言われています。

決算短信を見る限りは売上に対する利益率は11%と悪くはない。また衣料品だけではなく不動産業も堅実です。

配当性向はだいたい3%で高くはないが、財団は配当として毎年5000万円程度を受取ることができます。

三共生興が存続するかぎり、この財団(実態は三共生興の経営陣)も大株主として存続します。

三共生興にとっては寄付金扱い、そして財団としても寄付として受領というスキーム。
自社株買いをして、都度寄付扱いに財団に渡せば、合法的に市場から株を回収することができるし、利益も圧縮することができる。

しかし、これは経営者の私物化にすぎません。9億円分の資産を180万円で自分たちのものにしたのですから。これからもずっと続けるでしょう。

既存株主は配当や償却によって得られる利益を損し、また投資信託として販売する機関投資家は購入者にどのように説明するのでしょうか。
もしこのスキームが日本で合法とされたら、日本企業は株式会社という仕組みをないがしろにする国家だと世界は見るでしょう。

買収されるのが嫌なら上場なぞするな



安定した業績と隠れた資産(土地)を持つ企業は割安だと見られているのでしょう。

しかし日本は法律も税制でも劣り、自分には東証市場に魅力を感じません。

一般株主をこれほどバカにした行為はないです。(株価も上がらず、配当も寄越さない)

このスキームが認められたら、海外投資家は日本の株式市場を見放すのではないでしょうか。
そうなれば東京市場は崩壊します。

(以下「10秒で読む日経」から転載)

        2021/5/20 No.4415
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  10秒で読む日経!
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   今日のNews
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●社会貢献活動のための財団を設立し、自社株を割り当てる企業が増えている。
株の配当を財団の活動資金に充てるためだが、1株あたり1円など、足元の株価より
低い価格で譲る企業が目立つ。「物言う株主」などに対抗するための新たな安定
株主作りとの見方も浮上。投資家は企業統治改革に逆行しかねないと、懸念を
持ち始めている。
 日本経済新聞 2021年5月19日
●東京証券取引所の株式分布状況調査では、企業が保有する自社株の比率は
2019年度末には4.04%だった。前の年度から0.43ポイント上がり、集計を始めた
1999年度以降で最高水準だ。資本効率重視の流れが強まり自社株買いが増えている。
 日本経済新聞 2020年7月9日 
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   佐々木の視点・考え方
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★日本企業の経営者が再び怪しい動きをし始めています。

経営者の役割は、株主から出資した資金を、社会のためになる有益かつ有利に運用し
得た利益を株主に全額返すことです。取締役とは、経営者がこうした行動をとって
いるかを取り締まる仕事をする人の事です。

金庫株(=自社株)とは、その会社が事業で得た利益で、株式市場に出回る自社株を
時価で購入した株の事です。他の株とは異なり、配当を貰う権利や、株主総会とかで
議決を行使する権利が無くなります。

金庫株が出来る行為である自社株買いは、企業の利益を税金を支払って配当を貰う
よりも、税金負担が無いし、市場流通株数が減るので一株利益が増えるので、
より株主の利益が得られるという理由で、投資家は好んできました。

そして、金庫株は消却(発行済み株から除外する)という手続きがされる
という暗黙の前提があります。

しかし、消却される前段階の金庫株には、端株の整理をしたり、役員報酬として
現金の代わりに株で支払ったり、株式支払いのM&Aをしたときに被買収企業の
株主に買収代金として支払うという役目も果たせるため、金庫株状態でそのままに
しておくことも慣習として認められています。

記事のように、金庫株をタダ同然で財団に譲渡することは、企業の利益を特定の
ごく一部の相手に偏って支払う行為です。

配当を支払う代わりに、その資金を千円で株を買い、その株を1円で1人の人に
譲渡することを正しいと思う人はいないでしょう。

国税庁が、こうした行為に譲渡税を課さないのは職務怠慢です。

殆どの上場企業が自社株買いをしており、金庫株が多く発生している米国では、
消却する株数が多く、日本とは異なります。そして、金庫株の多くは、個人投資家が
株を定期的に購入する定期買い付けシステムや、配当での自動株再投資プログラムで
継続的に時価で購入するときに提供する株式として使われています。



        2021/5/21 No.4416
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  10秒で読む日経!
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   今日のNews
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●東証1部上場のアパレル会社、三共生興の6月総会が市場の注目を集めている。
同社は14日、環境保護に取り組む財団を新設し、自社株180万株を割り当てる議案を
提出すると発表した。対価は1株あたり1円。財団側は19日終値換算で9億円弱相当の
株式を、180万円で購入できることになる。
財団の代表理事は三共興社長が兼務し、株割り当て後は財団が3%の株主となる。
このため一部の投資家からアクティビストに対抗するための安定株主作りでは
ないかとの懸念がある。三共興は19日、日本経済新聞に「財団の議決権は評議員や
理事の意見を集約して行使するため、恣意的な行使が避けられる」と説明。
 日本経済新聞 2021年5月20日 
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   佐々木の視点・考え方
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★昨日のニュースはやはり、税務上の問題がありそうです。
今日採りあげたのは、昨日のニュースの具体的な行動内容です。

一株約500円で買った金庫株180万株を一株1円で社長と同じ人が代表の財団に
売却します。会社は9億円で買った株を180万円で売りますから9億円の損失です。

この場合、売った会社と買った財団はどんな税務処理をするでしょうか。

昨日のメルマガを書いた後、国税庁に電話質問しました。

答えは2つです。

株を売った会社は、時価より遥かに安価で株式を売ったのだから、
売却は寄付行為になります。寄付金控除額を超える差額については、
損金・経費とはなりません。会社の財産は減って、税金は減りません。

株を買った財団は、多額の利益を得たことになるので、9億円の受贈益を
得たことになります。この受贈益がどう課税されるかは、財団がこの株式を
どのように活用するかで変わります。

つまり、税務上の視点では、この会社は株主の財産である株式を、
特定の相手に寄付し、他の既存株主に多大な損失を与えたことになります。
英語で株式はエクイティと言い、平等という意味です。

今後、同社の株主、特に多数株保有の機関投資家株主は大きな責任を持ちます。

来る株主総会での特別決議で賛成することは、プルルーデントマンルール
(投資家として運用関係者が遵守すべき行動基準、行動規範)違反になりますから、
年金契約者や投信購入者の利益となる運用をしなかったと咎められます。



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政府が政策として民間企業に介入する真の目的 
Thursday, May 20, 2021, 10:24 PM
続けて「ハゲタカ供廖平浸蛙痢2007 講談社)を読みました。
債務超過に陥った化粧品事業も手がける老舗繊維企業「鈴紡」と通信とコンピューターの雄である老舗電器企業「曙電機」の再建に奔走する投資ファンドと銀行出身の再建屋の奮闘の話です。

その出資者として登場するアメリカの投資ファンドと、資金を融通するアメリカ投資銀行

さらに政府系金融機関をバックにする産業再生機構と業界再編で我田引水を目論む経済トップの連合体

誰も正しいことを疑わない同床異夢の物語



もちろん小説ですから、主人公が最後に奇策で逆転する。

でも日本企業がアメリカ資本に蹂躙されるというプロパガンダで、政府系金融をバックにした事業再生案が政治家たちの”民意”によって救済という結着になることも現実はあるでしょう。

無敵な国際金融に対抗して、国民は溜飲を下げ内閣支持率もあがる。
日本産業を支えた老舗企業、大企業はそれだけ中枢とも密接につながり、持ちつ持たれつの関係があり、資本の論理では片づかないのです。

この小説では銀行、老舗企業、政治家というトライアングルが描かれていましたが、政府系ファンドは企業買収に水を差す存在として顔を出すのみです。

政府系ファンドは何のためにあるの?それは省庁利益のためです



別に買収に勝っても負けても、元手は我々の税金であり天下り先の確保が第一でしかない。

政府系ファンドの名目は重要産業の買収防衛ですが、ほんとうの目的は省庁権益と天下り先の確保です。

だから小説でも雑魚キャラ(脇役)なんです。そもそも破綻しかけた企業を立ち直らせようという目的はない。

『ハゲタカ』という希有な小説は、経済新聞や経済ニュースの読み方を教えてくれるようなものです。


写真は福岡県大牟田の化学工場です。
渋沢栄一が官営の炭鉱を払い下げてもらった三井三池炭鉱が発祥です。

ここら一帯には明治の煉瓦造りの建物が点在しており、いたるところに歴史遺産として登録されています。
自分には重厚長大こそ国是としていた”遺産”としか見えません。

愛読するメールマガジン「10秒で読む日経」には政府の経済支援の本質をずばり指摘しています。

(貼付けはじめ)
        2021/5/19 No.4414
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  10秒で読む日経!
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   今日のNews
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●政府が6月にも決定する成長戦略の骨子案が分かった。先端的な半導体や蓄電池の
国内生産拡大に向けて集中投資を促す方針を明記した。「経済安全保障の確保」
を掲げ、製造技術の開発支援に充てる予算を積み増し、企業の工場新設を後押しする。
米国の有力メーカーを誘致し、日米連合でサプライチェーンの強化をめざす。
 日本経済新聞 2021年5月19日 
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   佐々木の視点・考え方
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★このニュースに対するWEB版記事コメントには「スピード感と投資額ともに
日本は腰が引けている。」というのがありました。同感です。

私はこの政府の政策は失敗すると考えています。

日本の産業支援は特徴があります。
資金支援を、個別企業にはしないことです。

税金を私企業に渡すと、えこひいきや利益誘導と批判されるので、多くはいくつかの
企業が集まる共同体を設立させ、その共同体に対して資金が支払われます。

省庁のタテマエは、えこひいきをせず、公平にするための共同体支払いですが、
本音は、天下り先を確保することです。

受け皿の共同体では、利害の異なる各業界社が違った思惑を主張するため、
音頭を取る人物が必要です。それで監督官庁から天下りした人に長をさせます。

監督官庁も天下り人も、事業の事は分かりませんので、各社の思惑を統一して
困難に向かわせることは出来ません。
結論が出るまでにかなり時間がかかります。

結局、産業への支援金はどぶに捨てたと同じ事になります。
経産省をはじめ、各官庁の産業支援の歴史を顧みると失敗ばかりです。

いいえ、各省にとっては失敗ではなく、成功の歴史です。

省にとって最も大切なのは天下り先を増やすことであり、
これを達成した人が偉くなれるのです。

こうした役所の掟を知ると、なぜコロナ禍が収まらないかが分かります。

(貼付け終り)


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いまさら『ハゲタカ』(真山仁著)を読んで感じたこと 
Tuesday, May 18, 2021, 07:07 PM
 15年前に評判となり、NHKでドラマ化もされた『ハゲタカ』を読みました。
選挙参謀の痛快な暗躍を描いた『当確士』がとても面白かったから、この作者の作品をもっと読んでみたいと思ったからです。

破綻した企業の再生の舞台裏の話で、アメリカの投資ファンド、アメリカの投資銀行、邦銀、経営者らの話です。

読了した感想は

全く内容が古びていない・・・



いまでも金余りで投資先を求める巨額マネーで同様の抗争が続いていると実感します。

バブル時(30年以上前!)で財テクやゴルフ場経営といった門外漢の事業に手を出して瀕死の企業や拡大路線で首が回らなくなった企業たちを次々に買い上げて再生に獅子奮迅する人らの話。

と一言で片付けたら対して魅力的ではないのですが、この小説の魅力はとても具体的で実感があることです。

たとえば買収工作でも主人公の鷲津政彦は、ハゲタカと唾棄されるほどのイメージを世論に与えないために、チームには必ずPR会社を入れています。

新聞やTVニュースへリリースを出したり、ライバルや反対勢力への牽制でゴシップを流すといった戦略をとります。

また消費者に近い産業では企業イメージやブランドを毀損しないために細心の注意を払います。

財テクによる巨額損失を「とばし」で隠匿する経営陣らとの攻防はジャーナリズム大賞輝いた山口義正著「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(2012 講談社)が詳しい
野村證券ごときでは”飛ばし”きれなかったので、急遽生け贄とされたのがマイケル・ウッドフォードというお雇い外国人。姑息な手段で地位に固執する経営者たちをあぶり出したのは語り継がれるでしょう。

銀行内部での国会議員がらみでの不良融資はご存じ金字塔となった「半沢直樹」シリーズでしょう。

そして大きくブランドイメージを毀損したといえるのは、大塚家具の創業者と実娘との間で勃発した議決権の取合い(プロキシーファイト)によるTOBでしょう。

特に大塚家具は今はどうなったのか。ヤマダ電機に吸収され大塚久美子氏は放逐されました。
「ハゲタカ」を読んだ後では、これは当然の成り行きだと感じます。

企業買収は”世論”を味方に付けなければ失敗に終わる



資本の過多で優劣を付けるのが資本主義の本質ですが、日本においてはそこに経営者のしがらみや政府(議員)の意向、大蔵省や経産省の思惑など複雑に絡み合い、入札や株主総会で決まることはありません。

たとえ勝者となっても、いくらでも足元を掬われるし、法の抜け道が日本では存在します。

そして一番難敵なのは、国民(国家)の敵というレッテルを貼られると企業買収は必ず失敗する。

そのためにも創業家や乱脈経営者を放逐することができないもどかしさなどなど、真山仁の小説にはちりばめられています。

日経新聞は裏読みをしなければならない



新聞の裏側は、ニュースリリースという発信者側からの情報と敵対勢力や政治家勢力による印象工作が混在していると言うことが、ハゲタカを読んで実感します。

なんで経済記者があんなに尊大な態度をとるのか、ちょっと理解できます。

実業界とはヤクザな世界です。
ハゲタカ兇鯀畭読んでいます。

過去ログ:
「のれん代」はダイナマイトにつながった導火線である
闇勢力に蚕食(さんしょく)された株式市場自体が既にゾンビなのだ
「儲かってまっせ」「さっぱりですわ」 経営者とは真逆を言うもの
東証にまで及ぶ企業統治の欠如、経営のチェックが働かない日本企業の構造問題「自壊する「日本型」 株式会社 オリンパス症候群(シンドローム)」(チームFACTA著 平凡社)を読む
ジャーナリズム(Journalism)の教本として読む「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(山口義正著 講談社)
自壊する「日本型」株式会社・・・今だ癒えないバブルの傷
5/25 10時 浅草での空間線量は28Bq/m^3
オリンパスを追い詰めた一匹の男<山口義正>
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国内航空券は直接LLCで買うのが正しい(比較サイトで買ってはならない) 
Tuesday, May 11, 2021, 12:09 AM
ちょっと遠くまで行く用事ができました。

新幹線よりも飛行機の方がよさそうです。でも国内便の飛行機に乗った唯一の経験はサラリーマン時代でANAかJASぐらいしか選択肢がないころです。ネットも無かった。

チケットの手配は会社がやってくれたので自分で買ったことなどありません。
(同じビルに同居していた旅行代理店が新幹線も飛行機もすべて請負っていた)

ですからどうやったら飛行機のチケットって買えるのか知りませんでした。

ネットで格安航空券と入力すると、いくつものサイトが出てきます。

たしかにクリックしてみると、出発日の各社の比較ができて、便をクリックするだけでチケットの購入ができる。


こういうサイトで航空券を買うものなのか・・・

なんとなくTVCMで聞き覚えがあるチケットサイトでポチッと目的の便をクリックしました。

必要な情報を入力して、クレジットカードを入力すれば予約完了のメールとバーコードが届きました。

簡単で、しかもお得な価格で行けることに満足しました・・・

航空券比較サイトで買うと実は損している



クレジットカードを入力して、チケットサイトに表示された領収書12600円

その後航空会社から送付された航空チケットの金額10800円

あれっ?なんかの間違いじゃないの?

差額が1800円。つまりチケットサイトから買うと手数料名目で加算されていたのです。

安さが取り柄のLLCなのに、代行手数料という全く無駄なお金を支払っていたです。この手数料は注文時にのみ表示されるので気付かなかった・・・

ちょくせつLLC(この場合はスカイマーク)のサイトで購入すれば10800円です。

航空比較サイトで買うとキャンセル料金も二重となる



LLC(スカイマーク)で直接チケットを買って、それをキャンセルしたくなったらキャンセル料(2500円)が必要です。

これはいいのですが、エアトリというサイトが悪質なのは、このサイト(エアトリという旅行代理店)がキャンセルを代行するのでさらにエアトリの代行費用2500円が加算されます。

つまりLLCで安く行けるのに、わざわざ航空券比較サイトで買ったがために、高い手数料を払い、キャンセルもそうそうできないという

比較サイトはなんのためにあるのかわからない状況に陥る



はっきりいえば、詐欺サイトに近い

だってちゃんと航空会社(この場合はスカイマーク)にも同様のチケット購入画面があり、日付を入れれば価格は一目瞭然です。クリックすれば簡単に購入できます。
問い合せも航空会社の窓口にアクセスすればよい。(キャンセルも簡単で、すぐにLLCから直接返金される)

ところが旅行代理店(この場合はエアトリ)を通すと、旅行代理店からの注文確認メール、航空会社からの確定メールがそれぞれ来るので受付番号が紛らわしい。
(実はスカイマークのサイトで便を確認しようとして入力番号を取り間違え、搭乗者と確認されなかったので一瞬パニックになりました)

結局自動応答のメールを送りつけるだけで、代行手数料を1800円も請求するような仕組み

格安航空券サイトは私のような素人を騙すためにある



クレジットカードとスマホかネット端末があれば誰でも航空会社から直接購入できるこの時代に、無駄なお金を払う必要などありません。

もちろん帰りの便はLLCから直接買います。

新幹線の半額以下、沖縄でも8千円でお釣りがくるのには驚いた


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『論語と算盤』は渋沢栄一による論語解釈のひとつ 
Sunday, May 9, 2021, 04:49 PM
にぎわう飛鳥山公園の渋沢栄一邸の写真です。

帰ってきたらNHK教育で澁澤栄一の論語と算盤の解説をしていました。100分de名著はお気に入りの番組です。

澁澤榮一の雅号は青淵(せいえん)
どうも旧字体の澁澤榮一を渋沢栄一と新字体で表記するのは失礼な気がするので、旧字にします。

澁澤榮一が唱えた「合本主義」は資本主義の古語かと思っていました。

守谷淳(もりやあつし)氏の解説では合本主義とは「公益を追求するために資本(ヒトモノカネ)を集めること」なのだそうです。知らなかった。

論語は澁澤榮一が幼いときから学び、生涯の義とした朱子の思想体系です。

ただし朱子は為政者(権力者)向けに説く道徳のつもりであり、商人向けに書いた物ではない。

だから澁澤榮一は修己安人(自分を修め他人をあんじる)を座右の銘とし、日本人向けには「士魂商才」(侍の気高い心を商人も持て)に言い換えたのです。

なにを青臭い理想を語っているんだと感じるでしょう。

しかし守谷淳氏によると、アメリカの経営者によるビジネスラウンドテーブル(日本の経団連に相当)では澁澤榮一の思想が関心を集めているのだとか。

つまり資本主義とは富による権力の奪取ではなく、元来の目的は社会基盤(インフラ)という公益の追求と、それに伴い人々を適材適所に導かねばならないという澁澤の考えに深く共鳴しているのだそうです。

論語は江戸幕府を300年も支えた思想です。

それを澁澤榮一は深く追求し、あらたな解釈をもって新時代の日本を築いたと言えるでしょう。

番組では三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎とは資本家としての(財閥による独占を主張する)意見は生涯あわなかったそうです。
もっとも彌太郎は榮一よりも早く死んだので、彌太郎のゴールは同じだったのかもしれませんが。

澁澤榮一も論語に多彩な解釈を加えた哲学者であったのです。

守谷淳氏によると欧米では澁澤は経済人(Economist,Banker)ではなく、思想家として見るべきだという意見があるそうです。ピーター・ドラッガーも同意見です。

ちょうど新聞に中国新疆ウイグル自治区で発見された鄭玄(じょうげん)の論語解釈を取り入れた「論語」が紹介されていました。

つまり2021年になっても、2500年前の朱子の道徳は新たな解説が生まれているのです。

論語、侮り難し(あなどりがたし)


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天気も良いので渋沢栄一の墓にでも行ってみた 
Saturday, May 8, 2021, 06:23 PM
自転車がすこぶる快調になったので、都内をサイクリングしてみました。

浅草から山手線では反対側の渋谷方面を抜けて、変わる街並とオリンピックの準備の様子を覗いてこようかと思い立ったから。

皇居はあいかわらずジョギングをしている人たちが多いです。ほんとゾロゾロ。

国会議事堂、永田町を通り、表参道、青山をブラブラ。

南青山あたりになるとオシャレです。でもほとんど閉店してるけど。
それにしても外車が多い。クラッシックカーが目の前に現れたかと思えば、古いシトロエンが駐車してました。絵になるわ。そんなこんなフリーマーケットを冷やかしで覗きたりしながら渋谷に到着。

宮下公園はショッピングセンターとなっていました。

数年前までは高架沿いにあった区立公園だったのです。買物で歩き疲れたときの休憩場所でもあり、社会抗議のデモでは集合解散にうってつけの場所だったわけです。
宮下公園と言えば幟や横断幕が林立して、ゾロゾロと歩き始める場所というイメージです。

繁華街は廃れているという報道がありますが、若い男女は相変わらず多く楽しそうに歩いています。

ここからNHKを通り代々木公園に向かいました。公園内はたくさんの人たちが芝生でくつろいでいました。バラが見事です。


新しくなった原宿駅を見て、そろそろ帰路につきます。

途中、新国立競技場も通りました。いつになったらこの工事囲いを外すんだろう。あと2ヶ月しかないのに。


まあ五輪施設とその周辺は盛り上がりませんなあ。有明もいまだ造成中の団地群みたいで、人気もなくて裏寂しい。

東大を経て、谷中墓地で渋沢栄一の墓をながめてから帰りました。

徳川慶喜の墓のすぐ近くです。

栄一の墓の両隣にも立派なお墓が並んでいます。石碑を読むとどうやら孫たちが立てた物らしい。

左側が尾高千代さんで、右は伊藤兼子さんのお墓です。
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最新の自転車にはオイル交換が必要です 
Friday, May 7, 2021, 02:50 PM
世界中で、特にヨーロッパでは自転車が人気です。
50万円もする最新の電動自転車に乗せてもらったことがありますが、こりゃ体力がなくても坂道スイスイだし、向かい風でも追い風を受けているように走れる。
思ったよりも軽いし、いいねえ
でも対価にウン十万円を払うかというと御免です。

バッテリー交換代やメンテナンス費用を考えると、運用コストはほとんど小型のオートバイと変わりません。(維持には平均年3万円と言われています)

自分の自転車は電動自転車ではありませんが、連休中なのにどこにも行けないので、オイル交換をします。

自転車にオイル交換?と思われるかもしれませんが、最近の高級自転車はディスクブレーキで、これも定期的な交換が必要です。

電動自転車はクランクが付く部分と後の車輪にギア(歯車)が使われています。ここはクルマやオートバイと同じようにギアオイルが入っています。


電動ではないですが、内装変速式の自転車なので「5000kmないし一年毎にオイル交換」と購入時に渡された説明書には記載されています。

注油ではなく、ミッションオイル交換にブレーキオイル交換・・・オートバイみたいです。

だからか、普通のオヤジがやっているような自転車店ではやってくれません。

最新の自転車が並んでいるような専門店だけしか応対してくれません。いったいメーカーはどうするのでしょう。

答えは売りっぱなし。5年ぐらいで買い換えてくれれば業界はみなハッピーとでも思っているのでしょう。

仕方がないので自分でメーカーが公開しているマニュアルを見ながら作業をします。

後の車輪を外して、ギアを引っ張り抜いて、洗浄後ギアオイルを十分塗布して終了。

専用工具は必要ですし、油の処理は大変だし、手は油まみれになります。

自分は機械いじりが好きなので苦にはなりませんが、綺麗なご家庭でやれば怒られるだろうなあ。

電動自転車を持ち込んでも、修理を断わる自転車屋は珍しくありません。
電動や内装変速機式自転車をお持ちならば、油圧ディスクとミッションギアのの整備ができる自転車店をお勧めします。

と言ったものの、対応する自転車店はほんの一握りです。



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ナイロンバッグのリペア 
Tuesday, May 4, 2021, 05:47 PM

20年以上使っているナイロン製バッグを修理します。
革のベルト通しが朽ちていて、もうその役目を果たしません。

手元にあった革の切れ端で補修します。
ケガいて穴を開けておきます。

革包丁でザクザクと切ります。

まっこんな感じでいいか

そのまえにカシメ(リベット)を剥がさねばなりません。
慎重にニッパーで外しましたが、やっぱり生地が傷みました。

丈夫な布をあてて接着しておきます。
同じカシメ(リベット)は近所の浅草橋のクラフトショップで買ってきました。
20個入りで170円

購入時の状態に戻りました。
これは自転車のサドルの後にぶら下げて使うバッグです。
大きな袋が丸めて入れてあり、自転車を鉄道に載せる際に使います。
自転車用のバッグは陽にさらされ雨に濡れるので、どうしても傷みが早い
このような補修をして長く使い続けると、より愛着が湧きます。
あと20年は使います。

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評論文の見本のような記事(良い文章の参考) 
Saturday, May 1, 2021, 10:34 AM
昨日の新聞記事です。
米中対立に対する各論壇誌の書評です。

論評の見本のような良い文章だと感心します



内容はさておき、まず最初に重要な前提が冒頭にあります(中央公論)

・国内総生産(GDP)の米中逆転は確定的
・中国は不安定な過渡期を平和的にやり過ごすことに重点

まずこの前置きから、中国の実態と実像へと続き、結びで我が国はどうあるべきかという問題提起で終わります。

最初の一段が導入部となり2段目3段目とすんなり頭に入ります。

すっと頭に入る構成となっていることが大切



日本は消費税をはじめ増税政策に加え経済活動の自粛という愚策の連発で自殺行為を繰り返す一方、中国国内の経済は着実な景気回復を果たしています。
いえ、本当です。

如実に感じるのは中国では日本の経済力など、もうあてにしていないということ。
それは中国側の取引企業の対応ががらっと変わったと感じるから。

もちろんコロナ禍で貿易自体が麻痺状態という理由もあるのですが、それ以上に日本側の購買力が落ちているということ。
中国国内では経済は好調なので健全なインフレが続いた結果です。感覚では10年で価格は2倍です。
悪気はなくても日本は落ちぶれた国、経済面では過去の国と見ているのかもしれない。

中国人の感情はすでに日本と対等です。
見下されていることに気づかぬは日本人だけという惨めさ

中国の現体制は国民に受容れられている


新型コロナに対する強権的な対応を「愛と進歩の象徴」として支持されている(世界)
驚きませんか?中国国内では強権で閉塞感が漂っているかと云えば、全く逆。
中国共産党への信頼と支持は高まっているし、またそれ共産党首脳の自信へとなっています。

世界の冷徹な勢力争いの最中、正義感に囚われすぎると道を誤る(クライテリオン)
香港やウィグル人への人権問題をメディアは煽りますが、その一面だけで世界情勢を判断するのは誤るという指摘です。

中国の覇権は支配ではなく依存させる形態である



中国覇権下に入りたくないならば中国経済に対する脆弱性を最小限にし、目先の利益にこだわらず、覚悟を持って安全保障に取り組め(Voice)

以上、書いてあることは至極当然です。でもとても説得力がある書き方です。



過去ログ
要旨がはっきりした文章の見本例
デモクラシーの反対語は? 独裁!×ブー
これが副島隆彦による”血みどろの原稿”だ! 2
他人が読みやすい文章とは、ひたすら客観の姿勢を貫くこと
ブログは恥を書くための文書修業のツールです
文章力アップするネタの見つけ方を伝授 NHK教育 テストの花道
後で恥を書く「重ね言葉」を知らずに使っている人が多すぎ!!
文章表現のおもしろさ・難しさを教えてくれるテレビ番組「プレバト」


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実在とは、実証とは、言語とは・・・現代数学者の功績を読む 
Friday, April 30, 2021, 11:50 AM
20世紀論争史 現代思想の源泉 高橋昌一郎著 光文社新書 2021


 「フォンノイマンの哲学」とほぼ同時に刊行された高橋昌一郎氏の新書を続けて読んでいます。
この本もなるべく噛み砕いて現代思想の開拓者たちの功績が紹介されています。

論理学者たちにより再定義された30もの言葉を高橋昌一郎氏が解説しています。

時間、直感、言語、実証、論理、数学、理性、対象、実在、認識、知性、機械、本質、反抗、科学、方法、権威、ET、宇宙、生命、増殖、進化、意思、習得、公平、正義、未来、責任、危機

目次だけでもコピーしてみます





一気に書評したいのですが、一息で理解するのは無理です。

余談ですが、後半の話が尻切れで、斬新な終わり方だと驚いた。これは読者に考えろということか!この書き手はすげえなと思っていたら、単に落丁でした。ページが揃っているかをちゃんと確認したものと後日交換してもらいました。新書での落丁は初めての経験です。

他の参考書をめくりながら読み続けます。
たとえばこんな本
続哲学用語図鑑 田中正人著 プレジデント社 2017年

中身はこんな感じ



興味をもった人物はウィットゲンシュタイン(Ludwing Wittegenstein 1889-1951)とゲーデル(Kurt Go:del 1906-1978)です。
この二人によってそれまでの科学的という概念が大きく展開していったといえます。

1913年に発表された『プリンキア・マティマティカ』という大著が数学の真理として当時は捉えられてました。
つまり社会事象から論理まで総じて数学的に記述できるという考え方。(完全性)

たとえばウィーン学派とか大数学者ヒルベルトの系列の数学者たちです。

ところが本当に天才というのはわれわれの使う自然言語や数学記号では表現できないというイライラを抱えてました。ゲーテルは1930年に数論上での不完全性(Incompleteness theorem)を発表します。

たとえば犯罪を法律で罰するのはあたりまえでしょう。でも法律自体がなければそれは犯罪でもなく、倫理(Moral)の問題になる。
今だと、マスクをしないで出歩くのは法律違反か?大勢で集まることへの罰則は適当か?といったこと。
法律が制定できないならば倫理を厳密に言葉で定義できるかというお話
すなわち、うやむやな言葉の堂々巡りになっていくことを、この二人の数学者が指摘したわけです。

突き詰めていくと、人間とは理性とはという根源にまでいってしまうし、1920〜1930あたりで現代哲学は大きく展開して言ったわけです。

この本は読了していないのでまた書評します。
じっくり読むのに値する良本です。

過去ログ
演繹法、帰納法、形而上学は頭を使うための基礎素養である
文化の日だから哲学者を格付けしてみた

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