Tuesday, May 11, 2021, 12:09 AM
ちょっと遠くまで行く用事ができました。
新幹線よりも飛行機の方がよさそうです。でも国内便の飛行機に乗った唯一の経験はサラリーマン時代でANAかJASぐらいしか選択肢がないころです。ネットも無かった。
チケットの手配は会社がやってくれたので自分で買ったことなどありません。
(同じビルに同居していた旅行代理店が新幹線も飛行機もすべて請負っていた)
ですからどうやったら飛行機のチケットって買えるのか知りませんでした。
ネットで格安航空券と入力すると、いくつものサイトが出てきます。
たしかにクリックしてみると、出発日の各社の比較ができて、便をクリックするだけでチケットの購入ができる。
こういうサイトで航空券を買うものなのか・・・
なんとなくTVCMで聞き覚えがあるチケットサイトでポチッと目的の便をクリックしました。
必要な情報を入力して、クレジットカードを入力すれば予約完了のメールとバーコードが届きました。
簡単で、しかもお得な価格で行けることに満足しました・・・
航空券比較サイトで買うと実は損している
クレジットカードを入力して、チケットサイトに表示された領収書12600円
その後航空会社から送付された航空チケットの金額10800円
あれっ?なんかの間違いじゃないの?
差額が1800円。つまりチケットサイトから買うと手数料名目で加算されていたのです。
安さが取り柄のLLCなのに、代行手数料という全く無駄なお金を支払っていたです。この手数料は注文時にのみ表示されるので気付かなかった・・・
ちょくせつLLC(この場合はスカイマーク)のサイトで購入すれば10800円です。
航空比較サイトで買うとキャンセル料金も二重となる
LLC(スカイマーク)で直接チケットを買って、それをキャンセルしたくなったらキャンセル料(2500円)が必要です。
これはいいのですが、エアトリというサイトが悪質なのは、このサイト(エアトリという旅行代理店)がキャンセルを代行するのでさらにエアトリの代行費用2500円が加算されます。
つまりLLCで安く行けるのに、わざわざ航空券比較サイトで買ったがために、高い手数料を払い、キャンセルもそうそうできないという
比較サイトはなんのためにあるのかわからない状況に陥る
はっきりいえば、詐欺サイトに近い
だってちゃんと航空会社(この場合はスカイマーク)にも同様のチケット購入画面があり、日付を入れれば価格は一目瞭然です。クリックすれば簡単に購入できます。
問い合せも航空会社の窓口にアクセスすればよい。(キャンセルも簡単で、すぐにLLCから直接返金される)
ところが旅行代理店(この場合はエアトリ)を通すと、旅行代理店からの注文確認メール、航空会社からの確定メールがそれぞれ来るので受付番号が紛らわしい。
(実はスカイマークのサイトで便を確認しようとして入力番号を取り間違え、搭乗者と確認されなかったので一瞬パニックになりました)
結局自動応答のメールを送りつけるだけで、代行手数料を1800円も請求するような仕組み
格安航空券サイトは私のような素人を騙すためにある
クレジットカードとスマホかネット端末があれば誰でも航空会社から直接購入できるこの時代に、無駄なお金を払う必要などありません。
もちろん帰りの便はLLCから直接買います。
新幹線の半額以下、沖縄でも8千円でお釣りがくるのには驚いた
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Sunday, May 9, 2021, 04:49 PM
にぎわう飛鳥山公園の渋沢栄一邸の写真です。
帰ってきたらNHK教育で澁澤栄一の論語と算盤の解説をしていました。100分de名著はお気に入りの番組です。
澁澤榮一の雅号は青淵(せいえん)
どうも旧字体の澁澤榮一を渋沢栄一と新字体で表記するのは失礼な気がするので、旧字にします。
澁澤榮一が唱えた「合本主義」は資本主義の古語かと思っていました。
守谷淳(もりやあつし)氏の解説では合本主義とは「公益を追求するために資本(ヒトモノカネ)を集めること」なのだそうです。知らなかった。
論語は澁澤榮一が幼いときから学び、生涯の義とした朱子の思想体系です。
ただし朱子は為政者(権力者)向けに説く道徳のつもりであり、商人向けに書いた物ではない。
だから澁澤榮一は修己安人(自分を修め他人をあんじる)を座右の銘とし、日本人向けには「士魂商才」(侍の気高い心を商人も持て)に言い換えたのです。
なにを青臭い理想を語っているんだと感じるでしょう。
しかし守谷淳氏によると、アメリカの経営者によるビジネスラウンドテーブル(日本の経団連に相当)では澁澤榮一の思想が関心を集めているのだとか。
つまり資本主義とは富による権力の奪取ではなく、元来の目的は社会基盤(インフラ)という公益の追求と、それに伴い人々を適材適所に導かねばならないという澁澤の考えに深く共鳴しているのだそうです。
論語は江戸幕府を300年も支えた思想です。
それを澁澤榮一は深く追求し、あらたな解釈をもって新時代の日本を築いたと言えるでしょう。
番組では三菱財閥の創始者・岩崎彌太郎とは資本家としての(財閥による独占を主張する)意見は生涯あわなかったそうです。
もっとも彌太郎は榮一よりも早く死んだので、彌太郎のゴールは同じだったのかもしれませんが。
澁澤榮一も論語に多彩な解釈を加えた哲学者であったのです。
守谷淳氏によると欧米では澁澤は経済人(Economist,Banker)ではなく、思想家として見るべきだという意見があるそうです。ピーター・ドラッガーも同意見です。
ちょうど新聞に中国新疆ウイグル自治区で発見された鄭玄(じょうげん)の論語解釈を取り入れた「論語」が紹介されていました。
つまり2021年になっても、2500年前の朱子の道徳は新たな解説が生まれているのです。
論語、侮り難し(あなどりがたし)
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Saturday, May 8, 2021, 06:23 PM
自転車がすこぶる快調になったので、都内をサイクリングしてみました。
浅草から山手線では反対側の渋谷方面を抜けて、変わる街並とオリンピックの準備の様子を覗いてこようかと思い立ったから。
皇居はあいかわらずジョギングをしている人たちが多いです。ほんとゾロゾロ。
国会議事堂、永田町を通り、表参道、青山をブラブラ。
南青山あたりになるとオシャレです。でもほとんど閉店してるけど。
それにしても外車が多い。クラッシックカーが目の前に現れたかと思えば、古いシトロエンが駐車してました。絵になるわ。そんなこんなフリーマーケットを冷やかしで覗きたりしながら渋谷に到着。
宮下公園はショッピングセンターとなっていました。
数年前までは高架沿いにあった区立公園だったのです。買物で歩き疲れたときの休憩場所でもあり、社会抗議のデモでは集合解散にうってつけの場所だったわけです。
宮下公園と言えば幟や横断幕が林立して、ゾロゾロと歩き始める場所というイメージです。
繁華街は廃れているという報道がありますが、若い男女は相変わらず多く楽しそうに歩いています。
ここからNHKを通り代々木公園に向かいました。公園内はたくさんの人たちが芝生でくつろいでいました。バラが見事です。
新しくなった原宿駅を見て、そろそろ帰路につきます。
途中、新国立競技場も通りました。いつになったらこの工事囲いを外すんだろう。あと2ヶ月しかないのに。
まあ五輪施設とその周辺は盛り上がりませんなあ。有明もいまだ造成中の団地群みたいで、人気もなくて裏寂しい。
東大を経て、谷中墓地で渋沢栄一の墓をながめてから帰りました。
徳川慶喜の墓のすぐ近くです。
栄一の墓の両隣にも立派なお墓が並んでいます。石碑を読むとどうやら孫たちが立てた物らしい。
左側が尾高千代さんで、右は伊藤兼子さんのお墓です。
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Friday, May 7, 2021, 02:50 PM
世界中で、特にヨーロッパでは自転車が人気です。
50万円もする最新の電動自転車に乗せてもらったことがありますが、こりゃ体力がなくても坂道スイスイだし、向かい風でも追い風を受けているように走れる。
思ったよりも軽いし、いいねえ
でも対価にウン十万円を払うかというと御免です。
バッテリー交換代やメンテナンス費用を考えると、運用コストはほとんど小型のオートバイと変わりません。(維持には平均年3万円と言われています)
自分の自転車は電動自転車ではありませんが、連休中なのにどこにも行けないので、オイル交換をします。
自転車にオイル交換?と思われるかもしれませんが、最近の高級自転車はディスクブレーキで、これも定期的な交換が必要です。
電動自転車はクランクが付く部分と後の車輪にギア(歯車)が使われています。ここはクルマやオートバイと同じようにギアオイルが入っています。
電動ではないですが、内装変速式の自転車なので「5000kmないし一年毎にオイル交換」と購入時に渡された説明書には記載されています。
注油ではなく、ミッションオイル交換にブレーキオイル交換・・・オートバイみたいです。
だからか、普通のオヤジがやっているような自転車店ではやってくれません。
最新の自転車が並んでいるような専門店だけしか応対してくれません。いったいメーカーはどうするのでしょう。
答えは売りっぱなし。5年ぐらいで買い換えてくれれば業界はみなハッピーとでも思っているのでしょう。
仕方がないので自分でメーカーが公開しているマニュアルを見ながら作業をします。
後の車輪を外して、ギアを引っ張り抜いて、洗浄後ギアオイルを十分塗布して終了。
専用工具は必要ですし、油の処理は大変だし、手は油まみれになります。
自分は機械いじりが好きなので苦にはなりませんが、綺麗なご家庭でやれば怒られるだろうなあ。
電動自転車を持ち込んでも、修理を断わる自転車屋は珍しくありません。
電動や内装変速機式自転車をお持ちならば、油圧ディスクとミッションギアのの整備ができる自転車店をお勧めします。
と言ったものの、対応する自転車店はほんの一握りです。
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Tuesday, May 4, 2021, 05:47 PM
20年以上使っているナイロン製バッグを修理します。
革のベルト通しが朽ちていて、もうその役目を果たしません。
手元にあった革の切れ端で補修します。
ケガいて穴を開けておきます。
革包丁でザクザクと切ります。
まっこんな感じでいいか
そのまえにカシメ(リベット)を剥がさねばなりません。
慎重にニッパーで外しましたが、やっぱり生地が傷みました。
丈夫な布をあてて接着しておきます。
同じカシメ(リベット)は近所の浅草橋のクラフトショップで買ってきました。
20個入りで170円
購入時の状態に戻りました。
これは自転車のサドルの後にぶら下げて使うバッグです。
大きな袋が丸めて入れてあり、自転車を鉄道に載せる際に使います。
自転車用のバッグは陽にさらされ雨に濡れるので、どうしても傷みが早い
このような補修をして長く使い続けると、より愛着が湧きます。
あと20年は使います。
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Saturday, May 1, 2021, 10:34 AM
昨日の新聞記事です。
米中対立に対する各論壇誌の書評です。
論評の見本のような良い文章だと感心します
内容はさておき、まず最初に重要な前提が冒頭にあります(中央公論)
・国内総生産(GDP)の米中逆転は確定的
・中国は不安定な過渡期を平和的にやり過ごすことに重点
まずこの前置きから、中国の実態と実像へと続き、結びで我が国はどうあるべきかという問題提起で終わります。
最初の一段が導入部となり2段目3段目とすんなり頭に入ります。
すっと頭に入る構成となっていることが大切
日本は消費税をはじめ増税政策に加え経済活動の自粛という愚策の連発で自殺行為を繰り返す一方、中国国内の経済は着実な景気回復を果たしています。
いえ、本当です。
如実に感じるのは中国では日本の経済力など、もうあてにしていないということ。
それは中国側の取引企業の対応ががらっと変わったと感じるから。
もちろんコロナ禍で貿易自体が麻痺状態という理由もあるのですが、それ以上に日本側の購買力が落ちているということ。
中国国内では経済は好調なので健全なインフレが続いた結果です。感覚では10年で価格は2倍です。
悪気はなくても日本は落ちぶれた国、経済面では過去の国と見ているのかもしれない。
中国人の感情はすでに日本と対等です。
見下されていることに気づかぬは日本人だけという惨めさ
中国の現体制は国民に受容れられている
新型コロナに対する強権的な対応を「愛と進歩の象徴」として支持されている(世界)
驚きませんか?中国国内では強権で閉塞感が漂っているかと云えば、全く逆。
中国共産党への信頼と支持は高まっているし、またそれ共産党首脳の自信へとなっています。
世界の冷徹な勢力争いの最中、正義感に囚われすぎると道を誤る(クライテリオン)
香港やウィグル人への人権問題をメディアは煽りますが、その一面だけで世界情勢を判断するのは誤るという指摘です。
中国の覇権は支配ではなく依存させる形態である
中国覇権下に入りたくないならば中国経済に対する脆弱性を最小限にし、目先の利益にこだわらず、覚悟を持って安全保障に取り組め(Voice)
以上、書いてあることは至極当然です。でもとても説得力がある書き方です。
過去ログ
要旨がはっきりした文章の見本例
デモクラシーの反対語は? 独裁!×ブー
これが副島隆彦による”血みどろの原稿”だ! 2
他人が読みやすい文章とは、ひたすら客観の姿勢を貫くこと
ブログは恥を書くための文書修業のツールです
文章力アップするネタの見つけ方を伝授 NHK教育 テストの花道
後で恥を書く「重ね言葉」を知らずに使っている人が多すぎ!!
文章表現のおもしろさ・難しさを教えてくれるテレビ番組「プレバト」
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Friday, April 30, 2021, 11:50 AM
20世紀論争史 現代思想の源泉 高橋昌一郎著 光文社新書 2021
「フォンノイマンの哲学」とほぼ同時に刊行された高橋昌一郎氏の新書を続けて読んでいます。
この本もなるべく噛み砕いて現代思想の開拓者たちの功績が紹介されています。
論理学者たちにより再定義された30もの言葉を高橋昌一郎氏が解説しています。
時間、直感、言語、実証、論理、数学、理性、対象、実在、認識、知性、機械、本質、反抗、科学、方法、権威、ET、宇宙、生命、増殖、進化、意思、習得、公平、正義、未来、責任、危機
目次だけでもコピーしてみます
一気に書評したいのですが、一息で理解するのは無理です。
余談ですが、後半の話が尻切れで、斬新な終わり方だと驚いた。これは読者に考えろということか!この書き手はすげえなと思っていたら、単に落丁でした。ページが揃っているかをちゃんと確認したものと後日交換してもらいました。新書での落丁は初めての経験です。
他の参考書をめくりながら読み続けます。
たとえばこんな本
続哲学用語図鑑 田中正人著 プレジデント社 2017年
中身はこんな感じ
興味をもった人物はウィットゲンシュタイン(Ludwing Wittegenstein 1889-1951)とゲーデル(Kurt Go:del 1906-1978)です。
この二人によってそれまでの科学的という概念が大きく展開していったといえます。
1913年に発表された『プリンキア・マティマティカ』という大著が数学の真理として当時は捉えられてました。
つまり社会事象から論理まで総じて数学的に記述できるという考え方。(完全性)
たとえばウィーン学派とか大数学者ヒルベルトの系列の数学者たちです。
ところが本当に天才というのはわれわれの使う自然言語や数学記号では表現できないというイライラを抱えてました。ゲーテルは1930年に数論上での不完全性(Incompleteness theorem)を発表します。
たとえば犯罪を法律で罰するのはあたりまえでしょう。でも法律自体がなければそれは犯罪でもなく、倫理(Moral)の問題になる。
今だと、マスクをしないで出歩くのは法律違反か?大勢で集まることへの罰則は適当か?といったこと。
法律が制定できないならば倫理を厳密に言葉で定義できるかというお話
すなわち、うやむやな言葉の堂々巡りになっていくことを、この二人の数学者が指摘したわけです。
突き詰めていくと、人間とは理性とはという根源にまでいってしまうし、1920〜1930あたりで現代哲学は大きく展開して言ったわけです。
この本は読了していないのでまた書評します。
じっくり読むのに値する良本です。
過去ログ
演繹法、帰納法、形而上学は頭を使うための基礎素養である
文化の日だから哲学者を格付けしてみた
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Sunday, April 25, 2021, 04:29 PM
仕事で帰る途中にかつてから寄ってみたかった新潟の油田(新津油田金津鉱場跡)を訪れてみました。
新潟市中心部から外れた五泉市の近くに、原油を汲み上げていた施設が残っています。
(ジオラマによるかつての最盛期の街並)
この地域は石油が湧出るところで、燃える水、燃える土は物珍しさから将軍家にも献上されていたのだとか。
でも灯りとして使うにはそのままでは煤と臭いがすごかったのだとか。
加熱して軽質な油が分離できるようになると利用価値が高まり、需要がうまれた。
手堀、手汲みで船樽で運ばれていた新潟産石油も1890年代以降は産業革命で需要が急増し、機械での採掘と鉄道輸送へとなります。
パンフレットによると、この地の庄屋であった中野貫一(1846-1928)と息子の忠太郎(1862-1939)が大正4年(1915)に興した中野鉱業は戦時中に帝国石油へ統合され、戦後は再び中野家の経営となります。
なんと1996年、25年前まで操業されていました。
日本は産油国だったんだという事実には驚きます(いまもいくつかの油田が細々操業中)
24基の組み上げポンプと設備はそのまま残っています。
(汲上げた原油を貯めるのは木桶だぜ・・・)
石油のくみ上げポンプといっても、そこらの鉄材で組んだような簡単なもの。
細い筒を上下させるだけの機構で、しかもそれを動かす動力は山の中腹の粗末な小屋からワイヤーを通して、遠くから引っ張るだけ。
動力は小さなモーターがひとつだけで、この新津油田の油井ポンプをぜんぶ動かしていました。
こんな小さな動力でちょろちょろと原油を集めて、小さなバーナーで水を分離していた。
それを煉瓦で覆ったタンクに貯めて出荷していたそうです。
こんな簡素な設備で一日何バーレル(142リッター)穫れたでしょうかね。
電気が地方では普及していない昭和初期までは灯油としての需要はこんなもんで良かったのでしょうね。
(貯蔵タンクといっても、こんな小さなもの)
石油の資料館には各年代の掘削パイプが展示されており、興味深く見ました。
昔は上総掘り(かずさぼり)といって弾み車で竹竿に地面に刺して掘っていたそうです。
50mぐらい掘れば石油がにじみ出てきた。
現在ではドリルパイプという先端にビットという切削具を付けて回転させて掘る方法が主流です。最低でも1000mから3000mも掘るから。
まあでもオタクですよね。石油掘削施設が遺っていると聞いてわざわざ行くのは。
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Monday, April 19, 2021, 11:18 PM
丸善で平積みされていた「フォン・ノイマンの哲学」(高橋昌一郎 講談社現代新書 2021)が目に止まったので読みました。
とても驚いた。
ノイマンの登場でアメリカの国力が一変したと言う現実
一研究者にすぎないのに、米国大統領直々に連絡があるぐらいです。
フォン・ノイマン(1903-1957)は第一次大戦前のハンガリー王国で生まれ、数学の天才として知られていました。
ベルリン大学とスイス連邦工科大学とブタベスト大学院をみっつ掛け持ちで学び卒業しています。
大数学者ヒルベルトの招集でゲッチンゲン大学、そしてベルリン大学を経て、アメリカのプリンストン高等研究所の設立で招聘されました。
風雲を告げる欧州から多くの超一流研究者を破格の待遇で呼んだ
アインシュタインもプリンストン高等研究所に招聘されたひとりです。
新興国家であったアメリカは金と最大の権限を財団経由で与え、世界中から一流、それも超一流の研究者を1930年頃から掻き集めていたのです。それはいまでも続いています。
中国が国家戦略として世界中から研究者を掻き集めていると批難する人がいますが、なにをいわんや。
金も出さず、脳力(能力)ある者に権限さえも渡さない国で立ち枯れするよりは、人間というリソースが無駄にならない。
『我が国を科学立国に』と寝言で言うしかない二流国家はせいぜいマスメディアに頭脳流出だと吠えるぐらいしかない。
歴史が示すように、強国とは世界から一流の頭脳を集めて「研究者の楽園」を創れる国なのです。中国にも大挙して行くのもしかりなのです。
ちなみにノイマンはハンガリー人ですからアンチヒトラーで、やがて狂信的とも言えるアメリカ愛国主義となりました。
キューブリック『博士の異常な愛情』のストレンジラブ博士のモデル
ヒルベルト数学の旗手であり、現代物理学(量子力学)、応用数学で多大な貢献をし、そして原爆製造のキーとなる爆縮を数式化してシミュレーションの道筋をつくりました。
今我々が使っているコンピュータの原型(モデル)を作り上げたのもノイマンです。
大統領・陸海軍が絶大な信頼を置き、満遍なく完璧にこなした超人
本書を読んで、ほんとうにこんな人物がいるのかと半信半疑になったくらいです。
1957年(昭和32年)に52歳という若さで亡くなりましたが、一流科学者の10人前の仕事を1人で片付けたのですから、まさに太く短くという生き様です。
ノイマンがあともう少し生きていれば、今の社会はもっと違っていたかもしれません。
少なくともアメリカは、彼の悪魔的な能力をもって、より強固なパワー(軍事力、支配力)を持っていたでしょう。
高橋昌一郎氏の他の著作を読んで、もういちどノイマンという超人的数学者を考察したいと思います。
過去ログ:コンピュータ技術者の夢は『生命体の創造』である
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Sunday, April 11, 2021, 09:47 PM
とある地方都市にいました。
東京と大阪のコロナ感染状況はまるっきり他人事です。
朝は通勤の渋滞があり、ショッピングセンターは盛況です。飲食店はそこそこ。
公園ではベビーカー連れの親子や子供たちがスケボーやバスケットボールで遊んでいます。
憩える場所が整備されているので一日優雅に過ごせます
体を動かしたければスポーツセンター、本を探そうと思えば大型書店もいくつかあります。
ここ新潟という場所は案外良い場所です。
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Friday, April 2, 2021, 08:10 AM
昨日は映画館から帰ってからはずっとエヴァンゲリオンの解説サイトを眺めていました。
いろいろなSF映画のオマージュ(敬意:hommage)が含まれていたり、聞き慣れない物理学用語を転用したような名称を復習しました。
劇中で使われるフィールド(field)という言葉はいわゆる”バリア”(barrier)と同じなんでしょう。
これは影響を及ぼす範囲や領域としての「場」という純粋な物理学用語
ところが途中で「結界」という言葉も出てくる
これは神秘主義の宗教用語であり、自と他を分割する境界です。
どちらも同じ意味なのに使い分けられているのは何でだろうと思いました。
その先には「マイナス宇宙」という空間が拡がっている。(そこではマイナスエネルギーが使われる)
まあ、スタートレック(邦題:宇宙大作戦)で宇宙船が光速を越えるために”ワープ”という概念が使われ、やがてSFアニメでは常套になっていったのですから、新たな概念がいくら出てこようと、それこそがSFそのものです。
このアニメは劇中ではなんの解説もないので、語呂だけで想像しなくてはならない。
すべての事象には”対称性”があるという前提を受容れるしかない
マイナス宇宙ってなんでしょう。マイナスのエネルギーってなんでしょう。
わからないけども、現在の空間があるのならば、その逆(裏側)の空間だってある。
少なくとも数学的にはあります。
1,2,3・・・と数字を右に並べた数直線を書く
右に伸びるならば、左にも伸ばしてもいいのではないかと誰かが気づく
これがマイナス領域
数直線が水平ならば、垂直方向に伸ばしても良いのではないかととある数学者が気づく
これが虚数領域
こうやって概念が拡張されていったのが物理学(数学)の歴史です
反物質はすでに地球上で存在が確認されている
自分の世代では反物質(antimatter)とか反重力(antigravity)という用語はSF小説でしかお目にかかったことがない
でも100年後には小学校でも習うようになるのかもしれません。
検索キーワード:反物質:
ノーベル物理学賞をペンローズは受賞していなかったのか・・・
反物質は地球上でもすでに存在していた
真空は素粒子で満ちている
検索キーワード:暗黒物質:
量子でコンピュータ性能が一億倍となったらそれは宇宙(Universe)という
宇宙は膨張していない!(エントロピーという学問のでたらめ)
真空は素粒子で満ちている
そして再び「無」の探求が始まった
Newtonの法則で銀河系の全質量までわかる!(数学の力)
「引力」ではない!「押しつけられる力」なのである(暗黒物質の正体)
まだまだ未知の物質だらけ (既知の物質は全体の4%)
ダークマター(エーテル)説をあざ笑っていた科学者出てこい!
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Thursday, April 1, 2021, 05:30 PM
今日一日は映画が安いのでエヴァンゲリオンを観てきました。
といっても自分はアニメといえば宇宙戦艦ヤマトと最初のガンダムぐらいしか知らない。
ちょうど映画でマトリックスが人気だった頃、このエヴァンゲリオンも深夜に放映されていたのを横目で眺めていたぐらいです。
ただテレビ放映の最終回には驚いた。
鉛筆書きのコンテと殴り書きした台詞で終わったから。
テレビ版では謎の美少女綾波レイが母のクローンだということで伏線は回収されたような気になりましたが、それでもエヴァという宇宙人的なロボットが何であるのか、はたまた敵は結局は何なのか、攻撃する目的はなんなのかはさっぱりわかりません。
地球環境の浄化をし、仕上げに魂を浄化するとのこと。それが最終目標・・・と言われてもねえ(追記:世紀末は必ずあるという終末論がベースなのだから、このアニメファンが「信者」と呼ばれるのは当然です)
劇場版は2007年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 」2009年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」2012年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」となり今回が最終話となります。
この前三部作はテレビでも「シン〜」にあわせて放映されていたので予習として観た方もいるでしょう。
それでも自分には80%は何であるのかはわからない。台詞の意味もさっぱりです。
160分近くの大作なのでトイレは必ず行きましょう。自分は我慢できませんでした。
結局わかったようなわかんないようなフワフワした感覚で映画館を後にしました。
SF映画のようでSF映画でもない
壊滅後の電車の操作場で生きのびる人々の生活から始まり、主人公シンジが成長し、宇部のローカル鉄道(と工場群)が背景で終わります。
テクノポップと民謡をあわせて聴かせるような現代芸術の映画
このように表現するしか他に言い表せません
人型ロボットの闘い合いは生死で結着が付くのではなく、魂の対話のような場面が後半では続きます。
親子の和解で主人公は自分を取り戻すことで物語は終わる
自分はこの映画を先鋭的なスピリチュアリズムとして観ています
高度文明で侵略された地球と現在の日本の風景(農村であり工業地帯)が同時にある
親子が和解したパラレルワールド(?)での出来事の後に、
160分近い長編なのでテレビでは放映されないでしょう。
断言できることは映画館で観るしかできないアニメだということぐらいです。
自分には難易度が高すぎでした
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Monday, March 29, 2021, 02:53 PM
自分は緊縮財政と増税は日本経済の衰退と市場の縮小という結果しか生み出さないと考えています。
ただでさえ景気の後退(depression)下において緊縮と増税をしたことは後世の禍根を残すでしょう。
消費税10%で売上が減少しギリギリで回っていたのに、コロナ禍で浅草の地域経済は息も絶え絶えです。
日曜日でありながら開いている店が少なく、人通りもない。
NHKで信用組合と浅草の飲食店の実態に迫ったドキュメンタリーをやっていましたが、肌感覚でも実感します。
有名な雷おこしでさえ、融資返済のために土地家屋で精算するという選択にまで追い込まれています。
東京五輪での外国人観光客の需要も雲散霧消となり、建ったが運営されていないゴーストホテルばかりです。
そこで注目されているのがMMT(現代貨幣理論)。
政府は国債を発行して、それを中央銀行に渡して企業と雇用者に配れば良いという考え。
現実に欧米日+中国はどこも同時に財政緩和という名目で中央銀行がジャブジャブとお金を供給しています。
MMTが良いか悪いかという議論ではなく、
現実にMMTが実践されている時代にいるということ
そしてMMT理論の通りに通貨価値の下落も、インフレの兆候も全くありません。米中を除いて金利はゼロに貼り付いたまま。
FRBはお金の供給を2023年まで続けると発表しています。
そのとたんアメリカダウは史上最高値を付けました。
同時に金価格も原油も上昇を続けています。銀や銅も値上がりが顕著です。
安全資産の代表である金と株価はほんらいシーソーのようにバランスをするのが今までのセオリーでしたが、すでに崩れています。
世界のGDPの3倍もの通貨(2京4000兆円)が供給されたために、極端な金余りとなって土地や貴金属、株式、美術品などに流れ込んでいます。
平成から30年間も経済成長がない日本においても都市部に限れば値下がりは一度もない。
シャッター通りとなった商店街と所得が一向に伸びない状況下でも土地や金といった資産にはどんどんお金が流入している。
資産家はブクブクと膨れまくって、無資産層は不況で苦しむという状況。
MMTの現実は結局資産の高騰と高止まりという結果しか生まなかった。国民の消費意欲はずっと減退したまま。
でも低金利政策と大規模な財政出動を常態化したら、もう止めることができない。
MMTの怖さは、ゴールが見えた瞬間に世界の金融市場が暴落することです。だからFRBは3年は続けると断言したのです。
ということは金も土地も株式も3年間はずっと上昇するということ。
どこかの市場が一つ崩れればあっという間に崩壊する薄氷の状態
中国共産党は国内の景気浮揚策として新幹線や土地開発、国防費に国家予算を注ぎ込んでいます。
政府債務はずっと膨れたままですが、中国経済は悪くはなっていない。中国の中央銀行自体が共産党と一体だからです。
むしろMMT理論の先進モデルとも言えるのではないでしょうか。
米中対立ばかりが強調されていますが、世界経済では一蓮托生です。
元とドルはペッグされていますが、このバランスが崩れれば、金融市場は大混乱となるでしょう。
つまり刷り散らかした双方の貨幣価値が暴落するということ。
でも、アメリカも中国も財政出動は止めることはもうできません。
イーロンマスクが仮想通貨に言及しているのは、将来のドルの目減りを予見しているからです。
まっ、現金(ドル)をたくさん抱えている悩みなんでしょうが、俺には関係のない話。
この書評の下の「自転車お宝ラーメン紀行」(石田ゆうすけ著 産業編集センター)の方が気になりますね。
日本中をブラブラと1人自転車で巡っているだけで本になるなんて羨ましいかぎり。
石田ゆうすけの著作は結構人気があるそうです。月刊誌サイクルスポーツ(八重洲出版)でも連載中です。
過去ログ:
日本で税金を徴収するのはインフレを抑制する目的でしかない
正しい眼鏡をかけろ(スティファニー・ケルトンのMMT論)
G20のキーマンは米国でも中国でもロシアでもなく、あの国なのだ
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Sunday, March 28, 2021, 12:51 PM
愛国心、英語ではPatriot(パトリオット)。パトリオットの語源はラテン語で祖国Patria、父方の家系、はたまた父Paterなんだとか。
もともとは尊敬し、讃えるという意味合いが強い言葉です。
ただし、人種が多様な欧米では、この言葉、Patriot(愛国者)は出身国への愛慕を指すのか、今居住する国を指すのかで、意味合いが違う。そのためわざわざ自ら愛国者ですと言うのはリスキー以外の何物でもないそうな。
ただし前トランプ大統領が「アメリカ国民ならば愛国者たれ」と演説でずいぶん濫用したそうで、すなわち愛国者ならトランプ支持というレトリック(rhetoric)なのです。
香港自治にも愛国者しか立候補させないという中国共産党の習近平はもっと露骨です。
両者の言う愛国精神は独裁主義(despotism)を隠す方便に過ぎない
対立軸を単純化し、日本でも非国民呼ばわりをする幼稚な批判と同じ事。
ほんとうの愛国心とは決して分断を誘発するのではなく、立場・思想が異なる人々たちを纏めることなのです。
愛国心を為政者が強要し、煽る国家って言うのは、それだけ内部分裂を抱えている証左です。
中国の場合は共産党を毛の先からつま先の爪まで信じることが愛国心であり、習近平への服従こそがその行為だということ。
称賛と野党への誹謗中傷を繰り返すネット右翼は自民党の陰の広報部隊とも言われています。
一番愛国者から遠い存在です。
真の愛国者は、かえって国の悪口を言うものですからね 魯迅
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Wednesday, March 24, 2021, 11:30 AM
国民のためとか、人にやさしい社会だとか言った空念仏が選挙の度にあっちこっちで繰り返されています。
弱者を守れと掛け声は響いても、その弱者とは誰なのかは人それぞれです。
むしろその弱者側が大きな障壁であり、省庁の利権や政治家の基盤であることが大半です。
読売新聞のスポーツ欄にセーリング競技を応援する日本セーリング連盟の広告が掲載されていました。
なかなか見事なポスターだと思います。
日本セーリング連盟も公益財団法人で、配下に都道府県別に支部がある。
各競技の公式戦は日本ではトップ組織の公益財団法人や公益社団法人による主催という名目で行われます。
オリンピック種目ならば潤沢な資金が与えられ、文部科学省の外局であるスポーツ庁が国内スポーツを盛り立てているのかというと実態は全く逆。
『金は出さんが口は出す』というだけの存在
選手の育成・強化をする組織ではなく、お国と行政に「どうかスポーツをさせてください」とお伺いをたてるためにあるだけ。
ヨットであれば港湾を管理する国土交通省、海上保安庁、農林水産庁・漁協、地元有力者(議員)、消防庁、警察などに使用の根回しをしなければならない。
それらをすべて手弁当で行ってやっとおおっぴらにレースや競技ができる。つまり黒子の立場。もうひとつ言えば使えない小役人の天下り先(掃き溜め)でもある。
強化予算を獲得するほどのロビー活動ができる競技団体は陸上や水泳など花形種目の一部だけ。
ヨットが盛んなニュージーランドの人が驚いていました。同じ島国なのになぜ国民が自由にヨットを帆走させてはならないのだ?とね。
海は公共の場であって、いちいち誰かに許可がいるということが理解できないと憤慨していました。
同じく、自転車レースが盛んなイタリアの人が、日本でレースを開催するのに警察、役所にたらい回しにされるだけだとね。
イタリアでは市長の一声で道路は閉鎖され、警察はレース運営を手伝うそうです。
ヨーロッパではローカル線では自転車も一緒に持ち込めますし、自転車王国台湾も自転車は電車バスにそのまま乗せてもいい。
公共物やインフラは国民のものだという共通認識がある
かたや日本でこのような理不尽な対応に甘んじているのかと立腹していました。
町おこしにもなり、経済の活性化にもなると良いことずくめなのにと嘆いています。
『遊び』という語彙しかない貧相な日本語
英語の動詞ではPlay以外にもHang OutやGo Outという口語があり、形容詞ではfunやenjoyが使われます。
名詞ではレクリエーション(Recreation)、レジャー(Leisure)やハイキング(Hiking)、娯楽という意味が強ければアミューズメント(amusement)があります。
どれも仕事・勉強の疲れを、休養や楽しみで回復することの意味があります。
このように『遊び・娯楽』は『働くこと』と同等かそれ以上に重視されるのが西洋社会です。
一方日本では『遊び』は子どもが行うことで、『娯楽』は暇つぶしであるかのように擦り込まれています。
だから日本でスポーツ競技の大会を開こうにも、政治家も役人も無関心。
むしろ働いている人たちに配慮しつつ、嫌々協力しているという態度の方が有権者や市民には良い感情を持たれるのが現実。
ヨットでは漁師に迷惑がかかり、自転車はトラックやタクシーの運転手に迷惑がかかり、警察に迷惑がかかり、小役人たちに迷惑がかかり、市長や市会議員の評価が下がるというのがその理由。
自分は日本人という土人にスポーツやレクリエーションといった高尚な理念を理解するのは無理だとあきらめています。
島国なのにヨット人口なんて数千人もいないのですから、ヨット連盟の広告がますます儚く見えてしまいます。
海にヨットを浮かべるだけでも、古臭い法律を楯に許認可はすべて霞ヶ関と行政が握っているのです。
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Monday, March 22, 2021, 03:32 PM
趣味の仲間と連れだって群馬の中之条から草津方面を旅してきました。四方山だらけの場所です。
天気があいにくでしたが、雨具を着込むほどではありません。
土建王国の異名をとるだけあって、道路だけはよく整備されています。でもちょっと外れれば未舗装の林道があります。
オートバイや自転車の愛好者には”オフロード天国”でもある。
2年前にも1人で行っているのですが、今回の目的は八ツ場(やんば)ダムがどうなっているかを観てみたかったから。
ダム完成前でずいぶん高いところに道や橋が架けられていると思っていましたが、水が湛えられると普通の橋であり、普通の高架道路です。
JR吾妻線は駅も線路も高台に移っていて、貧相な駅舎はどこもきれいで立派。
そしてやたら観光向けの箱物が建っている。すべて公共の名の元に作られたのでしょう。
でも有名な温泉場はどこも駐車場はいっぱいでにぎわっています。
群馬県が実施しているGoTOキャンペーンが今月いっぱいで終了するので、東京都の緊急事態解除を受けて一斉に客が戻ってきたと宿の主人が言ってました。
そりゃ1人5000円補助してくれるなら、ちょっとお高めの宿に泊まろうという気になるわなあ。
それでも電車はがら空きで、車が大半。
オートバイや自転車はもう少し暖かくならないと来ないとの宿の方の弁
うん、確かにまだ残雪があった
過去ログ:
土建王国ぐんまの奥地を旅する
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Friday, March 19, 2021, 07:26 PM
ドキュメンタリー作家小森はるか氏をある方から薦められたので、観に行きました。
JR東中野の駅前の小シアターで上映されているとのこと。
震災10年目で朝日新聞にも小森氏が取り上げられています。
東京芸大を卒業後に津波被害が大きかった陸前高田市に移住して丹念に記録されてます。
Webで確認すると小さな映画館で当日はトークショウもあるとのこと。
上映時間にあわせて映画館に着きました。
入口で作品名を告げると、満席だということ。それでもスクリーン一番前の席ならひとつ空いているとのことで、そこに座りました。
いやー、まさか、こんなに人気がある方とは存じませんでした。客層は学生街だから若者ばかりかと思いきや、年配者や女性など多様です。
上映が終わると、階上のカフェでトークショウがあるとのこと。
トークショウの開演待ちの行列ができていました。
今日観たドキュメンタリーは5,6年前の陸前高田市です。
土埃が舞う中、空には巨大なベルトコンベアが被い、大型ダンプが行き交う場所。
商店街であり、住宅地であった場所はいまではアスファルトも剥がされた更地となっています。
そこに土砂が運ばれて台形の高台へ造成されてゆく。
そこで生まれ育った人が埋められる自宅跡に思いを馳せる。
次のシーンでは集落の1/3が亡くなり、その喪失感をしみじみと語る老齢の元消防団副団長
最後のシーンではやがて埋め立てられる土地だけども潤いを与えたいと、流された土地に花を植えた主婦の方々と、手伝う金沢の学生たちの話
自分たちの土地への愛着が伝わります。
自分も東北(宮城)育ちですが、ほんと地域の団結って強かったと思うなあ。いまでは昭和的なレトロを感じさせます。東北ってそんな雰囲気を今でも保っているのだなというのが正直な感想。
自分の小学校の先生はいまでも東北に毎年ボランティア活動で訪れているそうです。
若くもない人が単身で行ったところで、何の役に立つのかと思っていました。でもね、このドキュメンタリーを観て考えを改めました。
一緒に花を植える、祭に参加するだけでも立派な行為なんだね
話をしながら一緒に体を動かすだけでも、”賑やかし”も何もない原っぱとなった場所では貴重な一時なんだと気づきました。
ただ、撮影が手持カメラなので手ぶれがひどく、スクリーンを見つめていると気持ち悪くなって、頭痛でトークショーまでは居られませんでした。
東京芸大卒の映画監督サンダー澤田氏も過去評してます。
過去ログ:
土建王国ぐんまの奥地を旅する
映画「ひかりのたび」
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Sunday, March 14, 2021, 05:24 PM
和歌山が生んだ孤高の天才科学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)
その思想背景には同年代の鈴木大拙(すずきだいせつ)がいた。
南方は粘菌研究で、鈴木は仏教学者として禅の解釈を欧米に発信しました。
生物学と宗教が深く関わっていたことを解説した「熊楠」(安藤礼治 河出書房新社)の書評(尾崎真理子・早稲田大教授)です。抜粋します。
紀州に残る洋書群からは近代思潮の脈絡をさかのぼり、熊楠を「粘菌」に向かわせたのは古生物学者コープの進化論、「曼荼羅」はプラヴァツキーの神智学、「潜在意識」はマイヤーズの心霊学−3氏の著作を重要な源泉だと特定する。
つまり熊楠は、<近代が可能にした新たな「科学」を利用しながら、中世以降の信仰原理(曼荼羅)を読み替え、そのことによって心・物・人間・自然・神という理念を再編成したのである>。
「霊性の自覚」はこれからの時代の大切なキーワードだと思う
なぜそんな風に感じるのかというと、大科学者たちの伝記を読めば読むほどスピリチュアルを感じるからです。かのニュートンでさえ降霊術に嵌っていたのですから。
自然を愛でることと科学的視点は一体だと説いたのは、和歌山の数学者・岡潔です。
過去ログ:南方熊楠邸を訪れる
私の地元の天才「岡潔」のドラマ
岡潔(おかきよし)をご存じでしょうか
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Sunday, March 14, 2021, 04:07 PM
六城ラヂウムは菊池雄星選手を応援しています。もちろん大谷翔平選手だって常に注目し、今年は2人とも大活躍するものと確信しています。
今日の読売新聞の書評欄にその菊池選手が登場。
スポーツ欄じゃないのに現役大リーガーを”登板”させるなんて、なんとも粋なことをするものだ。
ナニナニ、雄星クンはどんな本を読んでいるのだろう・・・それよりも
その内容構成のしっかりした文章に驚いた
これは見事な文です。
初っぱなは大リーガーの日常に触れ、そして自分へと誘導して読者の好奇心を誘います。
そして読書好きになった経緯を含めた自己紹介。
主題は
インターネットやSNS時代だからこそ、子どもたちは本を読んで欲しい。
現代は短く、即効性があるように見える言葉が広がりがちです。
野球で言えば、「これをやれば、球が速くなる」「これだけ飲めば、体が大きくなる」など、
「魔法」のような言葉が語られ、つい飛びつきたくなります。
でも、そんな魔法はありません。
本を読み、ここに書いてあることは本当かなと思う癖をつけるだけで情報との向き合い方が変わります。
みごとな文章。う〜んと唸りました。
本を読めというだけじゃない。ちゃんと体験を踏まえてかみ砕いて効用を説いている。
締めとして、不安を覚えている人たち(つまり新聞の読者たち)に向けても読書をお勧めしている。故郷の人々を思う優しさが滲んできます。
みごとな名文!小さな子どもでも理解できる文章は雄星クンしか書けないよ。ほんとうに。
深夜特急(沢木耕太郎)、上杉鷹山(童門冬二)はボクも熱中して読みました。
愛読書が同じでますます雄星クンのファンになりました。
過去ログ:沢木耕太郎を読みたい!東北新幹線の社内誌エッセイ
スパイだったヘミングウェー(デマゴークとしての裏の顔)
ロバート・キャパを私は赦(ゆる)します。
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Friday, March 12, 2021, 10:17 AM
今日の新聞広告があまりにもカッコイイので載せます。
アメリカズカップのセイルヨット(sailyacht)です。
今の最新セイルヨットは水上を時速60km以上で”飛んで”いきます。
写真のような水中翼船(Hydrofoil)が今ではヨットレースの主流。
自分は人生で2回水中翼船に乗ったことがあります。
幼いときに広島の宮島で乗った三角形の大きな翼がある船(貫通型水中翼船)
そして10年ほど前に熱海から伊豆大島に渡る際に乗ったジェットフォイル
今では現存している貫通型水中翼船はありませんが、水中翼が水面下にある(全没型)のジェットフォイルは日本各地で見かけます。
旧来の貫通型水中翼船はガッツンガッツンとピッチングがスゴイのですが、全没型は一旦浮かぶとジェットエンジン音だけでほとんど揺れなくなります。
ジェットフォイルが日本国内に登場したのは昭和60年頃。元々はボーイング社が米海軍向けに作った魚雷艇だったと記憶しています。
翼と言っても畳程度の大きさしかないのに、それで船体を浮かすのですからすごいなあと関心しました。
翼は油圧で自動的に制御されているため大幅に乗り心地がいい。
かつて昭和40年代に全盛だった水中翼船では、船酔いでもうこりごりという人が多かった。
水中翼船という概念は昔からあったのですが軽量高強度な素材と制御技術の発展で、いまでは十分にこなれた(枯れた)技術となりました。
アメリカズカップのヨットは船体にカーボンファイバーで、エンジンに相当するセイルはと高強度高分子素材でできています。
すごく高価な素材なのでしょうが、太平洋戦争の頃はジュラルミン、ベトナム戦争の頃はチタン合金、イラク戦争の頃はカーボンと続々と新素材が誕生してきました。
いまではこれらの素材は眼鏡やゴルフクラブ、スポーツ用品などで気軽に使われています。
話を船に戻します。
船というのは当然”水に浮かべる”ことが一番重要な要素であって、潜水艦だって浮力(排水量)を決めてから設計が始まる。
もし歩く程度の速度で良いのならキャラメルの箱を大きくしただけでいい。
積荷(用途)とか常用速度を考慮していくにしたがい船首や船体の形がだんだん決まってゆく。揺れにくく一番経済的な形といった諸条件を満たすために試行錯誤されて現代の船が出来上っています。
ところが船であって船ではない乗り物ができちゃった
現在の水中翼船は船体が水に浮かぶことは真っ先に挙げられる条件じゃない。動きだせば翼が自重を支えてくれるから。
そして波を跨いで進むから、波の影響を考慮する必要もない。
セイル形状、水の抵抗と揚力、運動性能といった諸条件は飛行機の設計とあんまり変わらない。
船は速度が上がると海面を滑走するようになり、ちょっとした外乱でも転覆する危険が高まります。競艇がその代表。
また水の抵抗も速度の二乗で大きくなるので大馬力エンジンが必要でしたし、頑丈な船体が必要でした。
いまヨット競技ではカーボン素材はあたりまえ、海外では水中翼ヨットもすごい勢いで普及しています。
水中翼ヨットが普及すると、旧来のヨットとは操船技術も大きく変わります。
速度域も時速10〜20kmから30km〜80kmと数倍高速になりました。
セイルに受ける風を推進力にするために、身体が大きく頑強な体力が必要で、海面と風向きを常に注意する必要がありました。
ところが水中翼ヨットは船体のバランスは翼が担いますし、波が多少荒れていても関係ない。操船もモーターボートに近い。
スポーツとして体力勝負から、戦略(strategy)と戦術(tactics)が一層重視されるようになった。
特にヨット競技はテニスやサッカーと同じように、相手の邪魔をして自分を優位にする競技です。
小さなイノベーション(革新)が大きな転換であったとやがて気づくだろう
見逃しがちな小さなイノベーションが既存の戦略をすべてひっくり返してしまう
大規模・大量・広範囲といった昭和平成までの勝ちパターンなんて、あと数十年もすれば「ああ、無駄で馬鹿なことをしていた時代だったんだな」と思うことになるでしょう。
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