88年前(1924年)に常温核融合は発見されていた 
Tuesday, August 7, 2012, 01:16 PM
晴 10時 浅草での空間線量は84ベクレル/立法メートル

常温核融合は一時話題になりニュースで取り上げられたことがありました。ビーカーの中で太陽と同じ水素からヘリウムが生まれ、それに伴う熱が発生する現象が発見されたからです。しかし追試験を世界中の科学者が行いましたが再現されずに、たんなる測定ミスか他の要因であるという結論で終わってしまいました。

誰もが核融合が簡単な実験室でできるなどとはおとぎ話だと思ったことでしょう。錬金術はオカルトであるに過ぎないのでしょう。

ところが常温核融合(元素転換)の発見は88年前に東京帝国大学・長岡半太郎教授により水銀から金を創り出すことに成功したという発表を行っています。

戦前も現在の日本も希少資源が国内で採れないために手近な素材を禁輸物質へ転換することを目標としていたのです。

原田武夫著「世界通貨戦争後の支配者たち」2011/1小学館では常温核融合の特許が1993年(平成5年)能登谷玲子氏(北大理学博士)により出願、登録(特開平6−317686)
されていることを明らかにしています。

エセ科学という類と信じ込まされてきた常温(低温)核融合とロスチャイルド、モスクワ大学物理学者フルムキン、そして綿々と核融合研究の流れを汲む能登谷玲子氏といった関係は陰謀論としてみなくてもとても興味深いです。著者が原田武夫というところが眉唾になってしまうのですけどもね。なんたって情報源はドイツのシュピーゲル紙であることを常々公言していますから。

参考:国際情勢の分析と予測:日本とロシアの常温核融合研究:北大理学部元助手の能登谷玲子とモスクワ大教授のフルムキン
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シリア情勢とオスプレイ配備はリンクしている 
Monday, August 6, 2012, 01:07 PM
雨 10時 浅草での空間線量は91ベクレル/立法メートル

昨日は更新できませんでしたが、午前中は117、夜間は93ベクレルでした。
減少傾向となりました。

茨城県筑波方面に行っていたのですが、気温33度雲一つ無いカンカン照りで陽射しは体力を奪います。
熱帯夜で睡眠不足が続いていたのも原因でしょう。良質な睡眠こそが体力の源泉であることがよくわかります。

読売新聞(別称:日刊CIA)では日本と中国での戦争の可能性を述べ始めています。尖閣諸島とオスプレイ配備での観測的記事ですがシリアの情勢とも密接に関係していると観なければなりません。

シリア、そしてイランをアメリカに抑えられれば中国は2000年から急増する石油輸入量の44%を占める中東産原油の蛇口を抑えられることになります。

http://www.pecj.or.jp/japanese/minireport/pdf/H21_2011/2011-017.pdf

そのために中国国内の原油採掘とシベリアとカザフスタンからのパイプライン、そして建設中のミャンマールートのパイプラインにより需要を賄っています。

またアンゴラ・スーダン等のアフリカ産油諸国からの輸入も輸入全体の21%も占めています。フィリピンとの領土問題はシーレーン確保のためです。

経済成長持続することは石油支配が絶対条件であることがわかります



副島隆彦先生が指摘しているように、鍵となる国家はカザフスタンとなるでしょう。中国もロシアとは友好関係を維持して行かなくてはなりません。エネルギー取引はカザフスタンでも行われていくでしょう。

そうはさせないぞと国際資本・石油メジャー



将棋で言えばオスプレイは桂馬のようなものでしょうか。現在の主戦場はシリアであり、中国の背後にはロシアという角が控えています。

しかしプーチンは遣り手ですね。欧米金融危機に乗じて、それまでのメドべージェフの親米政策を放棄して覇権を着実に狙っているのですから。

このような場合、日本はロシア・中国・アメリカから独立しているほうが良いです。そのためにも

本来ならオスプレイは日本が保有しなければならない飛行機


だったのでしょう。オスプレイや原発を俎上にあげるなら防衛と憲法改正を堂々と述べろと原爆記念日の今日は思うのです。

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常任理事国ではなくて良かった(欧米対中ロ代理戦争としてのシリア問題) 
Saturday, August 4, 2012, 02:56 PM
晴 11時 浅草での空間線量は117ベクレル/立法メートル

シリア政府が内戦状態に陥り、反政府勢力を掃討していることで国際的な非難が高まっています。国連安保理事会はシリア・アサド政権へ停戦を呼びかけています。

国連安保理事国は人道的な国なんだなあ


なんて思っている人はおめでたいとしか言えません。

国連安保理事会ではシリアへの経済制裁に中国とロシアが反対しています。

中国とロシアはアメリカの本音が十分なほど理解しているからです。それは

(米)シリアを制圧したら次は隣国イランだ!



シリアはイスラエルに隣接していますし、反イスラエル国家です。イスラエルとしてはシリア、イランは長年の宿敵です。そしてアメリカとしては原油埋蔵量世界3位/天然ガス埋蔵量世界2位であるイランを親米国家とすることはドルの価値を維持すること、つまり覇権国家であり続けるために必須であるのです。

子ブッシュがイラクを侵略したようにシリアへの軍事介入を行う可能性は十分高いでしょう。オバマはノーベル平和賞をもらった手前、国内経済も停滞しているために軍事介入には消極的です。

それでもアメリカはシリア、そしてイランを陥さなければなりません。これは地政学で必ずアメリカが覇権を維持するためには抑えなければならない国なのです。なぜか
露骨に米国の覇権を狙う中国を押え込むためには中国へ向かう石油を支配下にしなければならないからです。

太平洋戦争の発端となったABCD包囲網のようなものですね。America/British/China/Doutchが石油の禁輸(embargo:エンバーゴ)を行ったことで日本が石油を求めて軍事行動に移ったようなものです。

イラクへの派兵はアメリカ軍は後援部隊として派兵し、実行はフランス、ドイツに行わせました。しかし今回ヨーロッパは派兵できるような状況でしょうか、もちろんアメリカ単独で軍事行動を取り、中国、ロシアとの衝突をするということも考えられません。

ロシアのプーチン大統領が国家間でやっていることは

(露)ウチの石油・ガスを回すから反シリア制裁の陣営に入れ


と根回ししているのです。シベリアの天然ガスパイプラインを日本へ引くという話が起きては消えるのはシリア、イランを巡る駆け引きのネタとして出てくるのです。

アメリカは中国・ロシアの反対で膠着する安保理事会から離れて、欧米主導でシリアへの経済制裁を行うことを宣言しています。
安保理とははヤクザの親分衆が縄張りと分け前で円卓会議をしているようなものです。

ドスをちらつかせるかわりに、中国は地中海へ駆逐艦とフリゲート(護衛艦)を派遣してロシア、シリア、イランと合同軍事演習を行いました。軍事演習という名称であっても内実は兵器の移管・譲渡・販売であり、軍隊駐留の方便でしかありません。

シリアを発火点に欧米+イスラエルVS露中で一触即発の状況なのです



日本はオリンピックで国民を白痴にしており新聞メディアは何も報道していません。

政府中枢は馬鹿のふりしてタリラリラ〜ンと連日権力争いをしている方がまだましかもしれません。

参考:ロシア政治経済ジャーナル:(欧米vs中ロ代理戦争)シリア問題の行方
(欧米vs中ロ代理戦争)シリア問題の行方(つづき)
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8/3 10時 浅草での空間線量は135Bq/m^3  
Friday, August 3, 2012, 03:33 PM
晴 10時 浅草での空間線量は135ベクレル/立法メートル

塩麹(しおこうじ)は本当に便利な調味料です。
作り方は簡単。瓶に生麹と塩をだいたい同量入れてひたひたまで水を加えておけば良いのです。一週間もすればどろどろになります。

野菜に載せてレンジで蒸しても、肉、魚にいれても風味豊かで味わい深くなります。

この時期は漬け物やさっぱり大根おろしをよく食べますが、塩麹を一さじ入れると風味抜群です。

ひやむぎやそうめんが定番のように夏は夏の食べ方があると思います。
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宮沢賢治イーハトーブのモデルは浅草であった! 
Thursday, August 2, 2012, 08:38 PM
陽射しが強すぎて近所の本屋へ撤退していました。書籍が売れない時代ですが、どうしてどうして結構混み合っています。
雑誌コーナーは最近は料理や女性誌を必ず見ることにしています。お目当てはオレンジページとクロワッサン(笑)
若者二人も料理雑誌をめくりながら、二人で相談しています。しばらくして今晩はカツレツにしようと言いながら去っていきました。
私も発酵食特集というタイトルに釣られて読んでいるわけですが、料理男子多いね。
結局オレンジページの新聞広告につられて行ってみましたが、クロワッサンの方を買って帰りました。
「免疫力をアップする発酵食のすすめ。」
塩麹のレシピから八丁味噌、豆板醤などの活用が載っています。オレンジページもナンプラーや納豆などでのメニューもありますが、厚みでクロワッサン(マガジンハウス)の勝ち。

買って帰る雑誌を抱えて書棚を歩いていると、可愛らしい絵があったので思わず手にしました。ANIME KINEJUN(キネマ旬報社)です。「おおかみこどもの雨と雪」「グスコーブドリの伝記」の監督インタビュー特集です。

おおかみこどもは細田守というアニメ監督なのだそうです。宮沢賢治グスコードブリは杉井ギサブローという監督なのだそうです。どっちも知りませんでしたが、細田守は実力は認められながらも不遇な下積みが長かった監督なのです。店主と同い年ですね。
杉井ギサブローは前作の銀河鉄道の夜の前は日本昔話からルパン三世といったベテラン監督です。

奇しくも今年は同じテーマで描写の違うアニメが二つ!


ANIME KINEJUN(キネマ旬報社)の構成がすばらしく、読みふけってしまいました。

細田守のおおかみこどもは大自然と愛情、杉井ギサブローは宮沢賢治の自然観を原書の行間から一つ一つ丁寧につまみあげてアニメの情景としていることがわかります。

グスコードブリでは杉井ギサブローはイーハートーブ(劇中では田舎とは正反対の機械された都市と描写)のモデルは大正末期の浅草であると断言しておられます。

当時は日本発のエレベーターがあった凌雲閣に何度も宮沢賢治は登っているのだと杉井氏は指摘しています。そして猥雑な町並みに退廃的な空気を賢治は感じ取っていたであろうと本書で述べています。

グスコードブリは宮沢賢治が体験した岩手での飢饉が基になっています。原作を読めばファンタジーで包んであっても身売りや一家離散という疲弊した農村が透けて見えるのですが、杉井ギサブローは主人公の単純な仏教的な自己犠牲精神ではないと言い放っています。

アメニモマメズで知られる宮沢賢治は禁欲者のように学校では教えられるが、決してそのようなことはなく、愉快が大好きな洒落者であったと杉井は指摘しています。遠野物語で知られる岩手の憧憬と大正時代の大都会の狭間を楽しんでいたのだというのです。

しかし宮沢賢治の童話の奥に横たわるのは、自然に委ねろという賢治の深遠なメッセージがあるはずなのだと言っています。

原作は児童書として上梓されたために、身売りされた妹と再会するのですが不自然すぎるのでアニメでは割愛しているそうです。

「グスコードブリの伝記」と「おおかみこどもの雨と雪」は大人向け



であり、ぜひ観てみたいアニメであることは間違いなさそうです。
過去ブログ:Q:結局六城ラヂウムはどうありたいの?A:理想はワイルドでありたい
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簡単ダイエット 肩胛骨ストレッチ ゲッタマン体操 
Thursday, August 2, 2012, 11:32 AM
晴 10時 浅草での空間線量は134ベクレル/立法メートル

オリンピックは満腹なので普段見ないようなテレビが点いていました。
日本テレビの番組で肩胛骨ストレッチをやっていました。ここだけ興味を持ち早速やってみたら気持ちいいので紹介します。
http://www.ntv.co.jp/star/gettaman.html

翌日女性に聞いてみたら、肩胛骨と肩胛骨の間の筋肉は褐色脂肪細胞というらしく、別名ダイエット細胞というだそうです。ずいぶん前から知られているそうで、この部位を動かすと脂肪燃焼のスイッチが入るのだそうです。たしかにデブ芸人が肩の運動だけで痩せていました。


簡単にできるダイエット方法!


肩を動かすだけ!脂肪が燃えやすく痩せやすい身体に!


 銑い泙任梁料爐鬚修譴召10回ずつ、朝と夜に5分間行う

ゲッタマン体操


肩甲骨を真ん中によせる事を意識して腕を頭上から胸の辺りに下ろすだけ!
肩甲骨と肩甲骨の間の褐色脂肪細胞を刺激することで痩せる体質になる

頭の上で手のひらを合わせる
ゆっくりと手のひらを外側に向けながら少しずつ開いていく
ゆっくりと元の位置に戻す

ゲッタマン体操


40肩50肩に効果あり。衰えた肩関節周りの筋肉を鍛える

手のひらを水平にして前に出す
肩と肘は水平を意識して前方から後方へ動かす
同じように元に戻す

ゲッタマン体操


肩胛骨の可動域を拡げる運動で肩関節のストレッチをする

両手を前でクロスさせ親指(右手は左足、左手は右足)は脚の太ももの付け根に付ける
そのまま小指から頭上に上げる
腕を下ろすときは頭上で手のひらを返し、親指からできるだけ後ろ方向へそらしていく
(親指を後ろへ運ぶようにする)
同じように元に戻す

ゲッタマン体操


鎖骨周辺のストレッチ

両手を合わせた状態で頭上に手を持っていく
センターを保ちながら水平を意識して後ろ方向へ持っていく
同じように元に戻す


気持ちいいですね、オリンピックの水泳でも観ながらやってみてください
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8/1 10時 浅草での空間線量は135Bq/m^3  
Wednesday, August 1, 2012, 02:27 PM
晴 10時 浅草での空間線量は135ベクレル/立法メートル

8月になりました。昨日配達などで近所を外出しておりましたが、途中腰ベルト(パワー&スリムベルト)をTシャツの上から巻いたまま歩いていることに気付きました。
きっと胴巻きして歩いているアンちゃんのように観られてたんだろうなあ(笑)
体力が落ちるこの時期でも、蒸れますが体力仕事のときは腰に巻いて気合いを入れるのです。


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オリンピック放映は愚民化政策3Sの筆頭と改めて思う 
Tuesday, July 31, 2012, 08:15 PM
どのチャンネルを回してもオリンピックのハイライトシーンの繰り返しと一部種目だけの実況で私同様うんざりしている人がいるのではないでしょうか。

頭に来るのはNHK
なんせ高額な放映権をオリンピック委員会へ支払っているのです。そのお金は国民から徴集した金です。

少なくともNHKはBSでだけ中継すれば良いと思います。
こんなに四六時中垂れ流す必要はないと店主は考えます。

宗主国が植民地の現地人を手なずけるための手段では「3S愚民化政策」はよく知られるところです。

3SとはSports・Screen・Sex (もしくはSchool)で人民を熱狂させて反抗心を抑えるための手段の頭文字です。

大資本により乗っ取られ利権化したオリンピックなど消えてしまえ!



http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=206740
206740 米国による日本人愚民化政策「3R」「5D」「3S」
  船長 ( 28 埼玉 会社員 ) 09/05/17 AM11 【印刷用へ】

第二次世界大戦後、米国が日本を占領するための戦略として3S計画が挙げられますが、実は3Sの基盤となる3Rや5D計画があるようです。

下記は「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った(安倍芳裕著)」から引用します。

* * * * * * * * * * * * * * * * *

米国による日本占領政策は、基本原則である3Rと重点的施策5D、それに補助政策である3Sから成っています。

[3R=基本原則]
”讐:Revenge
改組:Reform
I活:Revive

[5D=重点的施策]
”霑解除:Disarmament
軍国主義の排除:Demilitarization
9業生産力の破壊:Deindustrialization
っ羶汗力の解体:Decentralization
ヌ閏膕宗Democratization

[3S=補助政策]
.好檗璽弔両励:Sports
▲札奪スの解放:Sex
1撚茲両励:Screen

愚民化政策である3Sは、大衆を娯楽に夢中にさせて政治に関心を向けさせないという効果と、日々の労働の辛さを緩和する鎮痛剤の役割を持っています。実にシンプルかつ効果的で、上手い政策であると思います。
(引用終わり)
* * * * * * * * * * * * * * * * *

3S以外にも3Rや5Dといった政策もあるようですが、これら全てに共通するのは、日本国民を私益追求に貪欲に向かわせ、国の外圧を捉えさせないようにしている点です。

例えば5Dの中の「武装解除」「軍国主義の排除」であれば、米国が日本を守ってくれることから、「日本の軍事については米国に依存すればいい」という傍観者意識を植え付けることになります。

その結果、日本国民は国に振りかかる外圧を捨象し、自分の私益追求以外は何も考えないようになっていきます(平和ボケとはまさにこのこと)。3R・5D・3S計画は、日本人を米国に依存させ、何も考えられない国民にする愚民化政策だったと言えますね。



金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った /安部芳裕著
の書評は中田安彦氏もご自分のブログで述べられています。
http://amesei.exblog.jp/8633601/
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真鍋昌平「闇金ウシジマくん」は社会人の裏教科書である 
Tuesday, July 31, 2012, 11:39 AM
晴 10時 浅草での空間線量は131ベクレル/立法メートル

昨夜は柔道と体操、卓球とテレビチャンネルをザッピングしていました。
体操などは人間離れしすぎていて、あんまり熱中できません。
MXテレビではドラマ「闇金ウシジマくん」をやっていました。

MXテレビを少し見直しました


原作の漫画は読んだことがあるので、まさかドラマ、しかもほとんど視聴者のいない隙間のテレビ局で放映されているとは知りませんでした。
なんたって古いヒーローアニメを夜の7時に流しているテレビ局ですから。

ドラマ「闇金ウシジマくん」も面白いです、ちょっと観ただけですけど。

原作の漫画はセンセーショナルな内容で評判になりました。ヤミ金融の回収を通して主人公のウシジマが、底辺層の屑っぷりと容赦なくしゃぶる屑の血も涙もないやりとりをこれでもかと描写しています。凶暴で刹那的な世界観です。

登場人物がすべて暴力か精神異常者ばかり


暖衣飽食の読者は想像も付かない世界を漫画で娯楽として楽しめるわけです。

ただ実際の話を下書きにしてあるために、荒唐無稽な世界ではないようです。
多重債務者、浮浪者の精神鑑定や知能検査を行ったところ、明らかに発達障害がみられたり精神異常者が大部分であったそうです。
パチンコ、パチスロ、出会い系サイト、ホスト狂い、消費癖すべて病気なのです。

漫画で登場する借金まみれの人物は案外近所にいるのかもしれません。
「なにわ金融道」につづく大人の必読漫画ですね。映画化されるのでぜひ観てみたいと思います。

なぜこのような漫画が必要なのだと思う方もいらっしゃるでしょう。

登場人物に近い人物は意外と身近に一人か二人いる



当方にも母親が鬱病で困っているというお電話を頂いた方がいらっしゃいました。被害妄想が激しいとか物忘れをした振りをして困らせるといった愚痴を延々と喋られるのです。
しかし同居していないのに母親の近所の会話を逐一聞いているなど話す内容が矛盾しております。
精神病はおまえだ!
商売を長くやっていると、予想もしない人格の人と会うことがあります。
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一番つまらないスポーツ JUDO (≠柔道) 
Monday, July 30, 2012, 10:25 AM
晴 10時 浅草での空間線量は127ベクレル/立法メートル

とうとう120を越えました。この数日何があったのでしょうか。
一昨日には東京都内の空調機のフィルターからウランや鉛210、セシウム137、ロジウム102といった自然界には存在しない元素が検出されたというニュースが流されていました。
http://www.tax-hoken.com/news_ad3Oodkrcc.html
浅草での空間線量のここ数日の急上昇はやはり福島の影響のようです。

閑話休題、昨晩はロンドンオリンピックの柔道ばかりテレビで放映されていました。
石井慧(北京100kg級金メダリスト)が4年前の優勝コメントで言っていたことは
「ポイントを重ねるクレバーでないと勝てない。今の柔道はJUDOなのだから」
ということでした。

柔道などは倒すか、押さえ込むの二つで勝敗を決めるスポーツなのに、有効とか効果と素人にはわからない動きで小さなポイントを重ねて勝つのがオリンピックのJUDO種目なのです。

いつから柔道は畳で舞うフィギュアスケートになったんだ!!


さっさとこのつまらない種目JUDOは廃止しろよと思います。オリンピック種目への採用と引き替えに換骨奪胎されて気味悪い社交ダンスのようになってしまったのですから。

三回戦で判定が覆されるという珍事がありましたが、主審・副審が揃って取り消すなんてことは前代未聞、つまりそれだけ欠陥だらけということ。
時間無制限、一本勝ち、重量制限無しの総当たりだったら観たいと思いますけどね。

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6/29 12時 浅草での空間線量は109Bq/m^3  
Sunday, July 29, 2012, 12:22 PM
晴 12時 浅草での空間線量は109ベクレル/立法メートル

なんと昨晩では30ベクレルも急上昇して109ベクレルを記録しています。

隅田川花火大会が行われていましたが、例年以上の人混みで隅田川を渡る橋は通行止め、主要道路は封鎖されてしまいました。

いつもなら徒歩で15分、自転車でも数分の道のりが、帰る人並みに呑まれて45分もかかってしまいました。おかげで昨日は麻から所用で外出したものの帰宅は午前様になってしまいました。

隅田川の両岸にはビルが建っているので、観る場所が限られるのです。音はすれど近所ではビルの隙間から僅かに見える程度です。

花火の影響でしょうか、空間線量が跳ね上がっています。3桁は過去最高です。
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もうMX-TVしか観る番組がなくなった(Golden Hourは時事問題の生放送) 
Friday, July 27, 2012, 10:00 PM


本日21時から1時間生放送で識者、海外出身のタレントを交えて議論する番組です。今日のお題は

「大麻にまつわる不都合な真実」

です。アメリカでは医療目的で大麻は解禁されつつあります。日本では昔から麻は有用な植物として大切にされていましたが、敗戦後GHQの指示で栽培は禁止されてしまいます。(全く吸引目的ではない種類であるにも関わらず!)

いまだに厚生労働省は大麻は依存、精神障害、身体破壊を引き起こしていると啓蒙していますが、アメリカでは医療目的での使用解禁が進められています。

Twitterで視聴者が参加できることもいいですね。MXテレビは東京都が出資するテレビ局なのですが、MXテレビは結構硬派な内容を流していて気に入りました。

夜の八時はFM J-Wave(産経系FM局、スカイツリーから発信)のOn the Edgeという番組があり、これも時事問題を取り上げて解説しています。副島隆彦先生が過去出たことがあります。


MX-TVのGoldenHour (Ustreamで視聴可能)とFM J-Wave On the Edge (radiko.jpで聴けます)の二つの番組はお勧めです。

NHKの討論やテレ朝のテレビタックルは視聴者を騙す意図が強そうで観ません。
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6/27 10時 浅草での空間線量は79Bq/m^3  
Friday, July 27, 2012, 10:38 AM
晴 10時 浅草での空間線量は79ベクレル/立法メートル
なんと80目前に急上昇しました。


今日も暑い一日です。女子サッカーにつづいて男子サッカーも予選第一戦を勝ちました。男子の対戦相手はスペインですが、スペインの10年国債の利回りは7.7%、2年物でさえ7%を上回りました。

オリンピックやってる場合じゃないだろ


国債利回りは4%を越えると償還は不可能(デフォルト)となりほとんど買い手はつかなくなります。ドラギECB(欧州中央銀行)総裁のリップサービスでかろうじてスペイン国債は持っている状況です。

そろそろ高校野球も始まります。

夏枯れの紙面を埋めるためにある高校野球


なにもこんな暑さの中身体を動かさなくてもいいでしょう。春が毎日新聞なら、秋にやればいいのにと思います。甲子園でやらずに涼しいドームでやればいいじゃないですか。
そんなこんなで私は馬鹿らしい高校野球が大嫌いです.さらに朝日新聞も毎日新聞も大嫌いです。
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6/26 10時 浅草での空間線量は68Bq/m^3  
Thursday, July 26, 2012, 12:01 PM
晴 10時 浅草での空間線量は68ベクレル/立法メートル

寝苦しい夜は吉村昭の「戦艦武蔵」「陸奥爆沈」「総員起シ」といった日本海軍の内幕を描いた本を読んでいます。

すべてに共通していることは防諜のためという理由に下っ端水兵らを見殺しにしていった隠蔽体質がテーマとなっています。

戦艦陸奥は山口県岩国沖の停泊場所にて謎の爆発を起こして、一度も戦闘することなく轟沈しました。

大砲の火薬の自然発火と言われていましたが、実は水兵の放火であることが本書では解き明かされています。水兵が艦内での自殺をする際に火薬庫で放火する例が過去にもあり、日露戦争で東郷平八郎が乗っていた旗艦・三笠でさえも火薬庫爆発で二度も火災を起こしているのです。

日本海軍は戦うことなく自滅していった



停泊中には自爆し、荒天では艦首が折れ、潜水艦はハッチの閉め忘れで沈没等々目を覆いたくなるような事例がたくさんあったのです。
戦艦大和と武蔵は有名です。大和は呉海軍工廠、武蔵は長崎の三菱重工で作られました。どちらも同じ設計図で作られたので兄弟船です。巨大戦艦武蔵は突貫工事で完成に2年、重油がないために温存されて激戦区に派遣されず、進水式から2年でサイパン沖で撃沈されてました。

当時の海軍省、参謀といった中枢は全くド素人集団であり、犬死を強要していたことがわかります。

別の見方をすれば、すべてがシステマチック(系統だった運用)になっていないのです。
大組織を動かすマネジメントがなっていないのです。上層部への報告こそが大切なこととなり、その結果は徴用兵を見捨てたり、自爆事故が頻発することになったのです。
レミングという大ネズミは断崖から海へ飛び込んで集団自殺をする不思議な習性があるといいます。
70年前の日本海軍は軍拡競争で艦隊だけは立派に揃いましたが、内実はレミングスそのものだったのです。

福島原発事故と軍艦爆沈事故は似たような物です


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6/25 10時 浅草での空間線量は62Bq/m^3  
Wednesday, July 25, 2012, 05:08 PM
晴 10時 浅草での空間線量は62ベクレル/立法メートル

今朝から頼んでもいない朝日新聞が投げ込まれます。五日間の試し読みキャンペーンなのだからと無理矢理置いていった物。活字がずいぶん大きくなりました。
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風呂に入れるとやっぱり気持ちいいなあ 
Tuesday, July 24, 2012, 02:21 PM
晴 10時 浅草での空間線量は62ベクレル/立法メートル

おかげさまで源珠(げんきだま)の玉手箱が追加生産中です。製品見本として私が使っているものが工場にサンプルとしていってしまったので、同じく製品見本1.6kgをしばらく使うことにします。
このサイズは家庭用ではなく、旅館や銭湯用で使うことを想定しています。200L以上300L用です。
家庭用は160〜180Lですから大きくて邪魔になります
それでもないよりはある方がずっといいので、私は意地で使います。

基本的に浴槽に入れっぱなしです。檜は水に強いので腐ることはありません。

この時期の水は、風呂の蓋を開けたときに臭いや刺激を感じることがありますが、源珠を漬けておくと軟らかくなります。この感覚は投入してすぐに実感できます。

暑いので水風呂です。

過去ブログ:
お風呂に入れると水垢が大量に出ました!
(初公開)風呂底いっぱいのラジウム鉱石!

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「憂さ晴らし」としてのメディア(雫石衝突事故とオスプレイ) 
Monday, July 23, 2012, 11:37 AM
晴のち曇 10時 浅草での空間線量は60ベクレル/立法メートル
昨日は67でしたが下降しています。また暑い日に戻ってしまいました。

朝からオスプレイが岩国に陸揚げされたとニュースが報じています。「飛行機だったら飛んでこいよ」と誰もが思っていることはどこも報道していません。
護岸で反対運動をしている風景が映され、40年前の安保反対運動が再燃しているとでもいいたそうな論調です。変なニュースです。別に新型軍用機が沖縄に配備されたところで誰も困るわけがない。

落ちやすい機体だから頭上に飛び交うのは怖い・・・

だったらヘルメットでもかぶって真上を観ながら歩けよと思います。東京大空襲ではヒューヒューと音を立てて落ちる焼夷弾は自分には向かってこないのだそうです。バラバラとB29から落とされて、音を立てずに落ちてくるのはこっちに真っ直ぐ向かっているのだそうです。焼夷弾の風切り音がなければ逃げろが合い言葉だったそうです。

無音で落ちてきたら全力で逃げるしかないですね。宝くじにあたる確率でしょうけども。

左翼運動のばからしさは「〜だから怖い、〜だから危険」という稚拙な理屈だからです。
こんな理由で反対運動に動員されている、もしくは自主的に参加している人たちはよほど暇なのかテレビの街頭インタビューによくある仕込みなのでしょうか。

日本は配備にこんなに反対していますよという政治的メッセージ



中国へ向けた三文芝居をアメリカと日本はいつまで続けるのでしょうか。
反米反核を訴えればインテリと思っている新聞の購買層(60歳以上)にはウケが良いので、とりあえずダラダラと反対を唱えているようにしか思えません。

ちょうど毎日読んでいるメルマガ「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」で佐藤守氏の書籍の紹介がありました。1971年の全日空機と自衛隊機の空中衝突事故です。当時は<追突>事故とされていたようです。
http://melma.com/backnumber_45206_5613176/

(転載はじめ)
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◆ BOOKREVIEW ◆ 書評 ◇ しょひょう ◇ブックレビュー ★
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 雫石衝突事件の真実は「自衛隊機に全日空機が追突した」、悪いのは全日空機だった。
全日空機より速度の遅い自衛隊機が、追突できる筈がなく報道は非科学的で杜撰

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佐藤守『自衛隊の犯罪 雫石事件の真相』(青林堂)
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 若い人には記憶すらないだろうが、評者(宮崎)はこの「事件」のことを鮮明に覚えている。第一報は「全日空機に自衛隊機がぶち当たって」、162人が犠牲になったという。 世の中、自衛隊が悪いというヒステリックな大合唱が起こった。
 真実は「自衛隊機に全日空機が追突した」のだ。
悪いのは全日空機だった。
そもそも全日空機より速度の遅い自衛隊機が、追突できる筈がなく、報道は非科学的で杜撰なものだった。
ところが、なぜ、こんな誤報がまかり通ったのだろう?
第一は全日空側の事情。全日空が悪いとなれば倒産は免れなかった。第二に「自衛機が悪い」と言った以上、マスコミはメンツにかけて訂正しなかった。第三は背後に政治が絡みつき、ようするに弁護者を持たない自衛隊が冤罪という貧乏くじを引かされる。
 後日、自衛艦「なだしお」に体当たりした釣船があった。しかし、これさえも自衛隊が悪いとされた。救急車にぶちあって救急車が悪いとは誰も言わないだろう?
 しかし東日本大地震で災害救助に出動した自衛隊には悪罵を投げかけるマスコミはなかった。問題はむしろ国防の本義から逸れて、いつまで自衛隊に現場の瓦礫処理までやらせるのか、ということだった。
 結論的に言えることは「航空自衛隊は情報戦に脆弱である」というポイントである。
 
(転載終り)
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東証にまで及ぶ企業統治の欠如、経営のチェックが働かない日本企業の構造問題「自壊する「日本型」 株式会社 オリンパス症候群(シンドローム)」(チームFACTA著 平凡社)を読む 
Saturday, July 21, 2012, 01:09 PM
一ヶ月前に学問道場に提出した書評ですが、ボツとなってしまったので、こちらに掲載しておきます。バブル崩壊の際、飛ばしは大蔵省(当時)と証券・信託会社の共同作業であったのです。事件発覚後の役員人事に三井住友が強くウッドフォードの就任に反対したことが、三井住友ファイナンシャルグループが不正会計の手助けをしたという事実をはからずも知れ渡ることになりました。新聞記者OBと大蔵官僚OBの備忘録としてお読み下さい。












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東証にまで及ぶ企業統治の欠如、経営のチェックが働かない日本企業の構造問題
「自壊する「日本型」 株式会社 オリンパス症候群(シンドローム)」(チームFACTA著 平凡社)を読む

六城雅敦です。本日は6月11日です。
本書は元日本経済新聞証券部記者の阿部重夫氏(雑誌FACTA編集発行人)と磯山友幸氏、松浦肇氏と元財務官僚高橋洋一氏による4人の共同執筆です。オリンパス事件の背景とそれに連なる歴史を当時の新聞記者と官僚がわかりやすく解説した一級の資料と思います。簡単に本書の内容を追ってみます。

1.言えない秘密(タンスの中の骸骨:Skeleton in the closet) 失われた20年の正体

遡ること20年前、本書では山一証券が破綻した頃の話から金融史の裏側の解説が始まります。失われた20年(lost 2 decades)の根源を著者はえぐり出しています。発端はFACTAに寄稿した山口義正氏の記事ですが、そのパンドラの箱の中身を著者(おそらく高橋洋一氏)が内部情報として詳細に語っています。
25年にわたり「飛ばし」を隠していたオリンパスの正体こそ世界からは日本の不振の謎の答えであったのです。損失隠しを「ウチ」のためだと3代(下山敏郎(しもやまとしろう)岸本正壽(きしもとまさとし)菊川剛(きくかわつよし))の社長らが株主の金を使って不始末を処理してきたのです。
なぜ日本を代表する企業のひとつオリンパスがこのような不正を続けることができたのでしょうか。それは日本独特の「ウチ」という概念があると著者(阿部重夫と思われる)はまず指摘しています。
犯罪行為であるにも関わらず「会社のため」という身勝手な美徳で化粧した「ウチ」を信じ込んでいる経営者、役員たちこそが日本の病巣であり、失われた時代がまだまだ続くこと冒頭で述べています。

2.角谷通達によるバブル崩壊から始まるオリンパス事件簿

1985年下山敏郎が社長の時代に、プラザ合意による急激な円高による営業利益の減少をうけて積極的な金融資産の運用(財テク)に走りました。5年後の1990年バブル崩壊により損失が膨れあがったために、一層ハイリスクハイリターンの金融商品へと邁進していきます。円高抑制のために日銀がとったドル買い(円を増刷)することでマネタリーベースが増えて、87〜88年頃に資産インフレを誘発しました。
その当時、もてはやされた金融商品が特定金銭信託(特金)とファンドトラスト(ファントラ)というものです。どちらも同じで証券会社が売れば特金と呼ばれ、信託会社が扱えばファントラと呼ばれたものです。本書では含み益を計上しなくて済む金融商品と説明しています。企業にとって含みの利益を計上して税金を払うことは避けたいことが本音なので広く企業に受け入れられます。この商品を開発したのが野村證券です。原理は単純で、価値が変動して解約しない限り利益が確定できないことを理由に税金の支払い義務がないこと。そして特金やファントラを担保にして銀行から融資を受ければ企業としては借り入れとなるために本業の利益を圧縮できるという理由だからでしょう。
しかし一方では一般投資家にとっては不透明きわまりなく、証券会社や信託会社の一任勘定(顧客が銘柄を指定することなく運用できる)であるために証券会社自身による価格の吊り上げも野放しで行われております。野村や山一といった証券会社は幹事として新規企業を上場させる役割もあり、集まる資金でいくらでも株価操作ができた無法時代です。当時姉が証券会社に勤めていたので鉄火場の場立ちの様子やNTT株の狂乱と新規公開株が急上昇する様子も毎晩聞いていました。まさに証券会社の「我が世の春」です。
好調な業績をあげる裏では証券会社の営業マンが絶対に負けることのない投資として損失補填をするという念書まで書いて強引な販売していたそうです。驚くことに日経新聞にも野村證券が7%の利回り保証で特金を発売した記事があるそうです。(当時のインフレは8%だった)
しかし株価が軟調になると一転して証券大手は増え続ける損失補填で大蔵省に助けを求めます。そして出された通達が角谷正彦証券局長の通達(当時、高橋洋一氏が原案を作成した)で損失補填は禁止され、一任勘定は名目上では投資顧問会社へ移管させられます。
損失補填は証券取引法違反ですが、明文化していない行為にはお咎めがないことを理由に証券会社は厚生労働省の年金福祉財団(現在の年金積立金管理運用独立行政法人)といった大口優良顧客に損失を肩代わりし、大蔵省も黙認していました。
特金やファントラの損失補填は読売新聞の記者であった清武英利氏(後に読売巨人軍球団代表)が政府関係団体を含む損失補填先の実態をスクープしています。清武英利氏により証券会社の運用損だけではなく、年金基金や公務員組合にも巨額の損失が隠されていることが世間に知れ渡りました。
92年頃住友系企業に勤めていた私は日経記者だった山口氏から住友信託がファントラの運用損で危機的状況であることを教えてもらったことがあります。太陽神戸と三井銀行が合併し、さくら銀行と名前を変えた頃でまさか住友系の信託会社がと半信半疑でしたが、当時、信託銀行も証券会社と同じく損失を抱え、顧客も損失を与えていたことが高橋洋一氏の記述でわかります。
同時に一兆円の預かり資産の半分5000億円もの含み損で身動きできない山一証券は損失補填ができないことを理由に顧客企業の簿外処理を山一の営業マンは請負いだしたという経緯があるのです。特金やファントラの損失をタックスヘイブンのペーパーカンパニーへ「飛ばす」手口は野村ではなく山一が始めたことなのです。

3.山一の飛ばしという幻のスクープ

日経新聞証券部で不自然な山一証券の財務諸表に注目していた著者の一人である阿部重夫氏が、ペーパー・カンパニーという舐めた社名(のペーパーカンパニー)の海外企業を使って6300億円もの巨額な損失を飛ばしている証拠を突き止めます。
ところが山一に泣きつかれた日経上層部は阿部の記事を黙殺してしまいます。20年後に山口義正氏がオリンパスを糾弾した記事と同じものがすでにFACTA発行人の阿部重夫氏の手で輪転機を回す手前まで用意されていたのです。
破綻直前の山一証券の「飛ばし」とオリンパスの「飛ばし」の違いは額の大小の差でしかありません。阿部重夫氏の場合は、同業他社と比べて稼ぎ頭セクターで稼がず、利益がでないはずのセクターで過剰な利益を計上しているというチグハグさから山一上層は何かを隠していると踏んでいます。
山一が破綻するほど巨額債務でほとんどの日本の代表的な企業、そして我々の掛け金を運用する厚生労働省の年金福祉財団(現在の年金積立金管理運用独立行政法人)でさえ苦しんでいたのです。そしてその傷跡はいまだ癒えていない状態、それが失われた20年であり現状でもあることを著者群は暴露しています。

ここで私は別の結論が見いだせます。
日本の大企業が資金運用で失敗しているのであれば、年金基金も大きく毀損している可能性が高いのです。財務省の傀儡である民主党野田政権が増税に異常なほどこだわっていることが証左です。消費税増税で年金基金を補填する目論見が裏では財務省主導で図られていると見ることが出来ます。

4.宮沢喜一首相の不良債権処理を先延ばしで葬った寺村信行こそA級戦犯者だ

金融機関の40兆円という不良債権処理が緊迫の懸案となっていた宮沢喜一首相当時、大蔵省銀行局長は寺村信行という男でした。経済にうとい大蔵大臣の羽田孜(はたつとむ)を籠絡(ろうらく)して寺村はあからさまに宮沢の公的資金投入案に反対しました。後に「寺村先送り行政」と言われ、決定的な不良債権処理の好機を逃します。ここでも大蔵省と銀行頭取らの責任問題をうやむやにするという「ウチ」という共通の倫理観が優先されます。
しかしすぐにツケが回ってきて日住金、拓銀、長銀、日債銀など大手が破綻することでひたすら先送りする寺村信行に批判が集まります。結局大蔵省は最後まで寺村を庇い続けるのですが、「巨額損失みんなで渡れば怖くない」という大蔵省の小役人により、たった6000億円で金融機関を救済する宮沢喜一の案を葬ったことが日本経済の先行きの分水嶺(ぶんすいれい)であったのだと、著者(阿部重夫と高橋洋一と思われる)が述懐しています。
同時に宮沢喜一首相が大蔵省銀行局に見切りを付けて、郵貯や簡保を株式投資へ回す経済対策を行いました。これはPKOと揶揄されましたが、いまではさらに状況は悪く、日銀自体でも株やETFを買い上げて価格維持をしなくてはならない状態です。
90年代から買い支えによる価格操作が公的に行われていることを冷静に見なくてはなりません。人工呼吸器と人工心肺装置でむりやり動かしている株式市場は既にゾンビとなっていると見て差し支えないと思えます。どうせ死に体なのだから1000億2000億程度の損失は永久に隠して体裁を繕ったところでどの企業も似たような物だという本音がオリンパス経営陣にあったのだと思われます。それは飛ばし先の企業名が山一の「ペーパー・カンパニー」と同じように「グローバル・カンパニー」という一瞥して実態もなく愛着も感じない社名から推し量れます。

5.エンロン破綻から綿々と連なる飛ばし請負人達

山一証券や長銀などの破綻が最初の10年とすれば、Lost Decade(失われた10年)の二巡目は2001年に起きたアメリカのエンロン(Enron Corp:エネルギー取引商社)のサドンデス(突然死)が発端となります。
エンロンもデリバティブに手を染め巨額損失はChewco(チューバッカのもじり)やJEDI(ジェダイ)といったスターウォーズの登場人物名のペーパーカンパニーに隠しています。翌年には通信会社ワールドコムも損失を隠すために38億円の架空利益による粉飾が発覚して破綻しています。どちらもオリンパスは手口を踏襲していることに注目です。
日本では同時期にクレディスイスが顧客企業の不正経理に関与していた疑いがあり、検査妨害・忌避や財務開示での不正行為で免許停止、信託銀行部門の業務停止処分がなされています。このクレディスイスの残党がBNPパリバ証券に移り、オリンパスを食い物にしていくだけではなく、野村出身であるBNPパリバ証券の債券部長は社外取締役に収まるほどの鉄面皮ぶりです。
またプリンストン債という飛ばしを目的とした詐欺商品を国内30社が購入していたことを筆者の阿部重夫は記者時代を追想しています。このような大企業の実態を記者として身近に見てきた筆者達はまだまだ「飛ばし」を請負う連中がエンロン以降も跋扈していると見ています。

(引用開始)
2008年のリーマン・ショック前後に、また巨額の不良債権が生じたはずだが、再びヤミからヤミへ、簿外へ沈める方向に行ってしまった。20年前にオリンパスで起きたのと同じような問題が、第二のロスト・ディケイドに起きた。90年代のロスト・ディケイドに「飛ばし」という商法違反を行った体制が、形状記憶合金のように戻ってきたといえる。
 オリンパスの問題は、たまたまラッキーなかたちで暴露されたともいえるが、誰もが薄々感じているように、リーマン・ショック以降の不良債権にフタをしている企業はほかにもたくさんある。これからはそこにメスを入れていかないと、オリンパスが単なる特異例で終わってしまいかねない。
(引用おわり)

6.小泉政権の規制緩和は不良債権の飛ばしの手段となった

小泉政権時代にアメリカを見習い不良債権の証券化という手法が導入されました。具体的にはSPC(特定目的会社)や任意組合、匿名組合といった監査の緩い事業体が認可されています。当時竹中平蔵(金融および経済財政政策担当)大臣の元で財務局理財部長として働いた高橋洋一氏は、このSPCが結局不良債権の流動化ではなく、隠れ債務に苦しむ企業にとって飛ばしのビーグル(乗り物)として使われたことを指摘しています。構造改革という美名のもとに従来の法人格を廃止して有限責任事業組合(LLP)といった新たな法人格を創り出しましたが、結局は銀行の都合の良いものに当初の目的から換骨奪胎されていったのです。

(転載はじめ)
 銀行のバランスシートから不良債権を消すため、フンづまりの「導管体」を優先するあまり、あの手この手のアメを用意しすぎたのではないか。投資家保護といいながら、ディスクロージャー(情報開示)はおざなりなものだったし、コーポレート・ガバナンスも特定資産総額の5%以上の優先出資証券をオリジネーターが保有するといった例が少なくなく、オリジネーターからの切り離しが不十分で、監査法人から「これで売却といえるのか」と疑問の声が上がったほどだった。
・・・中略・・・
たしかにSPCやLLPは、動脈硬化を起していた会社法制に風穴をあけた。でも、いわば鬼っ子的な存在だったから、霞ヶ関の権益争奪が絡んで折衷的な制度にとどまり、全体のガバナンスやディスクロージャー、さらには行政の監視などで整合性がとれていない。不動産ミニバブルの発生も、オリンパスの「飛ばし請負人」たちのような“悪の花園”も、パッチワークだった制度そのものの欠陥に咲いたあだ花ではなかったか。
案の定、リーマン・ショックで邯鄲(かんたん)の夢は破れた。ティモシー・ガイトナー米財務長官は、危機の本質は「シャドー・バンキングシステム」(影の銀行システム)で取り付け騒ぎが起きたことにあると言っている。これは財務省など規制当局の管轄街にあるヘッジファンド、MMF、ストラクチャード・ファイナンスなどの金融機関の「並行システム」がパニックに陥ったというのだ。
日本でもモルガン・スタンレーは三菱UFJ傘下に入り、ダヴィンチは債務超過、上場廃止となった。新生銀行も連続赤字で業務改善命令を受け、痛手からいまだに立ち直れない。その躓(つまず)きはSPCやLLPなどの道具を使って生まれた「シャドー・バンキングシステム」から発生していると言っていい。
 だから第二のロスト・ディケイドの日本復活が頓挫したことと、オリンパスの不正経理スキャンダルは、実は裏表の関係にあるんだ。
(転載終り)

7.偽りのコンプライアンスと監視不在の日本

オリンパス事件の裁判では被告側の弁明で「経営判断原則」が焦点になると思われます。オリンパスは今回の粉飾に関して企業存続と発展のためにやっていたことだから経営側の責任を問うなという答弁をしています。ここで旧経営陣の反論のキーワードは「経営判断原則」という言葉です。経営判断原則とは「将来、仮に損失を計上したとしても、十分に情報を収集して判断した経営方針なら取締役義務違反ではない」という米国型会社法の理念を日本では経営判断原則という概念で倣っています。
オリンパスはこの世界的な共通認識を悪用し、露骨に「M&Aは中核的戦略」として不正を隠した例であると指摘しています。ウッドフォード氏が取締役会で議題をM&Aに提出したとたん社長信任の議題へ変更し、役員全員が不信任に挙手するといった具合に経営陣全員が不正を隠すという意志に現れています。
でたらめなM&Aに対し、社外役員や会計士がチェックを行う体制はオリンパスにも名目上存在しますが、その社外役員や会計士らはゲートキーパーの役とはなっていないとウッドフォード氏は社長となってはじめて知るのです。
株式会社とは誰のものかというと、株主がオーナーであり取締役らは委託をうけた代理人であることが欧米では共通の認識です。本文中ではその一例として、株主総会では「マイカンパニー」ではなく「ユアカンパニー」と株主には説明するのです。
これは政治世界でも同様でエージェントのはずの人たちが我が物顔で振る舞う仕組みになっていると指摘しています。その代表例が国会議員であり、トップを首相とする行政機構であるはずが日本ではエージェントが主体(プリンシパル)のように振る舞う土壌があるからだと企業コンプライアンス専門の弁護士が指摘しています。

8.結局オリンパスは誰の所有物だったのか?

解任されたウッドフォード氏が株主の委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)を挑みますが早々にあきらめます。撤退の理由を説明した記者会見でメーンバンクの三井住友銀行がウッドフォード氏の復職を歓迎しないことであると述べています。
本書では三井住友銀行の持ち株会社である三井住友ファイナンシャルグループが不正会計に関与していたという疑惑もあるとした上で、現経営陣を温存したままいち早く「支援」を明言していることは不自然であると指摘しています。900億円もの融資先であるために不正を暴いたウッドフォード氏に協力を求めることが最善であるにも関わらず頑なに排除する三井住友銀行には「銀行の利益にならない何かがある」と本書では指摘しています。
前述したように山口義正氏も日経記者時代に「住友信託銀行がとてもあやしい」とにらんでいたようですが、まさか20年後にオリンパスと住友銀行本体までが不良債権で一心同体だったと知ることになるとは私も驚きです。
企業は誰のものか?少なくとも我が国では経営者の生殺与奪は銀行が持っているようです。

9.株価が上がらないのは日本市場では支配プレミアムがないため

結局日本の株式市場が低迷している理由に、オリンパスのような不祥事に対して銀行側の債権保全が優先されてしまい、銀行と経営者間の「ウチ」の論理でかたづけられるからであると説明しています。このように株主の企業統治は形骸化して、オリンパスの再建案も三井住友銀行系SMBC日興證券が主導して資本提携先を探しています。
株式には転売できる「物的証券」と配当を受け取る「利潤証券」、そして経営に関与できる「支配証券」という3要素があると教科書では示していますが、日本には支配証券としての価値は欠落していることを本書では述べています。

日本株は8〜9割が機関投資家により株式指数と連動するパッシブ(受け身)運用をしているだけで、個別企業を評価して株式売買を行うアクティブ(積極)運用は少数です。アクティブ運用は支配権を重視した投資ですが、買収防衛を名目に株式の持ち合いが横行している現状では支配プレミアムが見込まれないから割安のままなのだと本書で解説されています。M&Aに脅かされない環境下では経営者には外部からの圧力がなく、ガバナンス自体が意味をなさないのです。
いうまでもなく、根本の理由は銀行との持ち合いがあるために支配権を争奪すること自体が閉ざされているからです。日本の株式市場は株式の持つ支配権の流通という役目を無視したものであるのです。

10.株主を見殺しにする東京証券取引所

本書ではコンプライアンスを監視する東京証券取引所の実態もわかりやすく解説しているので転載します。
(転載はじめ)
オリンパスの上場維持を決めた東証は株式会社と自主規制法人に分かれていて、一応ルールを監督し、上場廃止の是非を判断するのは自主規制法人ということになっている。理事が5人いて、理事は財務省から天下りしている林和元事務次官、残り4人のうち2人は東証出身で、あとは弁護士の久保利英明さんと公認会計士協会の元会長の藤沼亜起さんという構成だ。分かる人には分かる。これはもう最初から3対2で動かない。天下りの元役人と取引所のプロパーの3人が多数となるよう、わざと選んでいる。
 これは、完全に財務省が握っている人事だ。安倍政権で天下りが問題になったとき、自主規制法人なのだから役人が行くのはおかしいという話になった。そんなに役人が行きたいのなら、金融庁でやればいい。すると、当時、財政精度等審議会会長であった東証快調の西室泰三氏が「これは民事の人事で、うちがお願いをした」と言って、塩崎恭久官房長官に要請してきた。(現東証社長の)斉藤惇氏は、規制業種は「1センチ動かそうとして2ミリしか動かない」からつらいと言っていたが、ほとんどあきらめ顔だね。最初からお上ありきが前提で、資本市場の総本山を財務省が握って離さないことは明らか。財務省が腹をくくって、オリンパスのような会社はアウトだと言わない限り、東証としては上場廃止の結論は出せないんだ。今回も勝栄二郎財務事務次官の意向を忖度(そんたく)したというよ。
(転載終り)
このように天下りでずぶずぶです。東証と大証の統合も自主規制法人が一つ減ってしまうために財務省は統合を反対していたというオチまで暴露しています。勝栄二郎以下財務官僚と天下り役人が証券市場を倒壊させた大罪人です。

11.感想:P.F.ドラッガーも指摘していた日本企業の問題

本書「オリンパス症候群」を読了したところ、ドラッガーを思い出しました。既に1981年(昭和56年)の時点で取締役会が機能していない日本企業へはドラッガーも警鐘を鳴らしています。
ドラッガーのキーワードに「モダン」(近代的合理主義)という単語があります。ドラッガーによるとモダン時代はジェームスワットによる蒸気機関で工業社会と同時にアダムスミスにより「国富論」が発表されたことで始まりました。ジェームスワットとアダムスミスはイギリス・グラスゴーの親友同士です。
モダンは第二次大戦で終焉し、戦後は「ポストモダン」の時代へと移ったとドラッガーは説明しています。さらにポストモダンとは「組織」の時代であると定義しています。組織が大切だからこそ経営者は責任とマネジメントを重視すべきと喝破しているのです。(組織とは家庭から国家体制まで含まれます)
「モダン」は副島隆彦先生もよく説明されます。西洋で一大転機となったモダン(近代的合理主義)を経験していないのが我が日本の実状であると。口汚く言えば今でも「土人国家ニッポン」です。社会制度のどこに「モダン」があるのか!という嘆きが副島隆彦の著書の根底にあるのです。
本書「オリンパス症候群」では日経新聞証券部の元記者達と元財務官僚の著者達が口々に日本の企業統治のどこに「モダン」があるのか!と読者に投げかけているように思えます。
ドラッガーは戦後にゼネラルモーターズ(GM)に経営コンサルタントとして招かれて企業組織を徹底的に調査しました。ポストモダンを見据えて膨大な調査結果を元に作成された分権の勧告はGM幹部を激怒させ、無視されました。皮肉なことにライバル社がドラッガーに注目して業績を上げていきます。はたして失った10年(lost decade)を繰り返す日本の硬直した社会に未来はあるのかと思わずにはいられません。(了)

参考:(20012/4/12)マイケルウッドフォード氏、山口義正氏の公開討論(ニコニコ動画)
オリンパス元社長ウッドフォードが全てを語る:マイケル・ウッドフォード×田原総一朗×山口義正 【現代ビジネス&ニコ生】
http://live.nicovideo.jp/watch/lv88994166

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ジャーナリズム(Journalism)の教本として読む「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(山口義正著 講談社) 
Saturday, July 21, 2012, 01:02 PM
2ヶ月前に学問道場に提出していた書評ですがボツと
なったのでこちらに掲載しておきます。

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本日は平成24年5月15日です。3月28日に発売された「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」を遅くなりましたが書評します。
本著は今年度の雑誌編集者が選ぶ第18回雑誌ジャーナリズム大賞を受賞しています。

著者の山口義正(やまぐち よしまさ)氏は日本公社債研究所(現:格付投資情報センター)のアナリスト、ブルーンバーグや日経新聞の記者を経て、現在は経済ジャーナリストとして独立しています。経済誌やビジネス誌での記事で名前を見かけるほか、テレビで株式市場の解説などテレビやインターネットメディアでも活躍の場を拡げられています。とはいえ記者クラブに属していない取材費など持ち出しの一匹のフリージャーナリストです。

その山口氏は昨年6月にオリンパス社の架空巨額買収の疑惑を雑誌FACTAで発表し、株式市場に激震を走らせました。その結果、菊川前社長を含め関係者7名が逮捕されました。巨額損失が露呈した結果、映像や医療機器の手堅い優良企業として知られていたオリンパス社は自己資本が毀損してしまい資本提携先を模索するまで凋落しました。買収企業の実態がない(ペーパーカンパニー)であるので実質は234億円もの債務超過状態となっていたことが山口氏の取材と報道で白日に晒されました。
それでもオリンパス社は未だ常識外れな買収企業ののれん代を有価証券報告書には計上し、財務諸表ではその他資産としてのれん代を貸借対照表に計上することで財務上は体裁を繕っています。

本書の内容は山口義正氏が趣味のカメラ仲間とのたわいのない会話からオリンパスの不透明な会計処理に半信半疑ながら興味を持ちます。やがて優良会社と信じられてきたオリンパス社の巨額経済犯罪をスクープする経緯を記したドキュメントです。FACTAで記事をお読みの方には新味はないでしょう。

しかし経済誌記者であった著者の経験から財務諸表の不自然な会計支出を読み解き、取材を進める過程はまるで推理探偵小説のようです。
さらにこの本の特筆は文中の至る所で経済ジャーナリストである著者がジャーナリズム(Journalism)を自問している点です。

■オリンパス巨額事件の概要
新聞記事では連日掲載されていたので改めてここで述べる必要はないので、おさらいとして産経ニュースから転載します。罪状は有価証券報告書の虚偽記載となります。逮捕者は旧会長、旧副社長、旧監査役と3社のコンサルタント社長ら4名の計7名です。

(産経ニュース 転載始め)
菊川前会長ら逮捕 指南役含む7人
2012.2.16 22:12
 オリンパスの損失隠し事件で、東京地検特捜部と警視庁捜査2課は16日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで、前会長の菊川剛容疑者(70)ら旧経営陣3人と、損失隠しの指南役とされる元証券会社取締役、中川昭夫容疑者(61)、コンサルタント会社社長の横尾宣政容疑者(57)ら計7人を逮捕。法人としてのオリンパスも立件した。粉飾額は約1100億円。特捜部などは海外当局とも連携し、巨額損失隠しの全容解明を進める。
 ほかに逮捕されたのはオリンパス前監査役の山田秀雄(67)▽前副社長の森久志(54)▽コンサル会社取締役、羽田拓(48)▽同元取締役、小野裕史(50)−の各容疑者。
 特捜部や警視庁の調べによると、菊川容疑者らは含み損を抱えた金融商品を海外の投資ファンドに移し替える「飛ばし」により、純資産額を約1100億円水増しし、平成20年3月期までの2年間、虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出した疑いが持たれている。菊川、山田、森の3容疑者は、これまでの特捜部の聴取にいずれも容疑を認めていた。
 同社は財テク失敗により、1990年代から金融商品の含み損が生じた。このため森、山田両容疑者は少なくとも平成10年ごろ、横尾、中川両容疑者らに相談し、英領ケイマン諸島にファンドを創設するなどして「飛ばし」のスキームを考案し実行。菊川容疑者を含む歴代社長は定期的に報告を受け、了承していたとされる。同社がファンドに飛ばした損失は15年の時点で1177億円。18〜20年に行われた国内外4社の買収で支払った計1348億円を還流させ、穴埋めに充てていた。損失穴埋めのために利用された助言会社への支払いについては取締役会が契約に関する決定を菊川容疑者に一任していた。

●有価証券報告書の虚偽記載
 上場企業は事業年度ごとに、財務諸表や経営状態などに関する重要事項を記載した有価証券報告書を国に提出する義務がある。虚偽記載を禁じた金融商品取引法の罰則は、平成18年の法改正で強化され、個人に対しては10年以下の懲役または1千万円以下の罰金が、法人には7億円以下の罰金が科される。
(転載終り)

上記の新聞記事で十分理解できたというのであれば、これから先をお読みいただく必要はありません。

■山口義正が暴いた上場企業に巣喰う野村證券OBとスキームにすがる経営者像

東証の開示基準に満たない資本や収益規模の会社を買収して「損失を『飛ばす』」スキームには証券や銀行のOB、今回の事件には野村證券OBが関わっています。一方、経営側は株主と社員を欺くために買収した子会社を新規事業としてまとめ、子会社(オリンパスビジネスクリエイツ)の配下に集約しています。このような黒字化することもなく掃きだめとなった新規事業部門を、会長である菊川剛(つよし)や財務担当副社長の森久志らは悪質なことに英国人マイケル・ウッドフォードを25人抜きで社長に抜擢し、膨らむ損失の処理をさせようとしました。
つまり菊川に忠誠を誓う役員に傷を負わさず、損失問題は英国人の新社長に責任を押しつければ良いと考えたのでしょう。まるで違法風俗店のオーナーがぺーぺーの若造を店長にして摘発の身代わりさせるように。
しかしこの目論見は「策士策に溺れる」の諺の通り、山口義正が投稿したFACTAの記事で瓦解していきます。

著者のその後の調査でオリンパスはどす黒い疑惑で有名な投資業社ジェイブリッジ(東証二部)からアルティス社の残り株式を買い上げて完全子会社としていることを知ります。
ウッドフォードの調査でも英国医療機器会社ジャイラスの買収には野村OB佐川肇、中川昭夫が設立した会社を通して株式が売買されています。ジェイブリッジの元社長は桝沢徹(ますざわとおる)という和光(現みずほ)証券のOBです。
ファクタ12月号ではオリンパスの社外取締役である林純一(野村OB)も横尾宣政と同じように自社で生成したファンドをオリンパスに買い取らせる手段でジャイラスの買収に噛んでいます。
このようにオリンパスは優良企業どころか、内、外から蛭が喰いつかれるように証券OB達(主に野村)が喰い付いていたのです。
このような輩が跋扈する背景には、20年もの償却期間が認められる「のれん代」で損失隠しを認めている現状もあります。

(P217 転載はじめ)
これでは日本の経済全体がオリンパスに再度粉飾決済を是認し、黙認したようなものだ。こうした判断に、巷間噂されているような政治サイドや中央省庁の意向が働いているとすれば、これは「官製粉飾決済」と言って差し支えない。
日本の経済社会が総ぐるみで過ちを隠し、見て見ぬふりとして口を閉ざすなら、「これはまるで・・・・・・」と思っていい。「まるで日本社会全体がオリンパスになったようなものではないか」と。そしてこれは、日本が守りたかった東京市場の質なのか、投資家なのか、オリンパスなのか、銀行や監査法人などの関係諸方面のメンツなのか、という問題をはらんでいる。
(転載おわり)

目に見える社会的影響はなかったように見えるものの、日経225銘柄指定の大企業が闇勢力の資金源になっていたということで日本経済全体の信用低下をますます招いたことや、ライブドア事件を上回る巨額損失の隠蔽でありながら上場維持という玉虫色の裁定を下した東京証券取引所の遵法精神まで海外から疑われている結果となったことです。
著者は今回の事件を「官製粉飾決済」事件とまで呼んで野放図な政府を糾弾しています。

著者も執筆時には事件規模の大きさに驚き、その影響を怖れていたのですが、予想に反して世間はおろか利害が関係する厚生年金基金や保険会社といった機関投資家でさえも平穏を保っているように見えます。
2月の菊川剛前社長ら関係者7名の逮捕ですべて終わったとして体裁を繕っている政府、経済界の態度が私はとてつもなく不気味で恐ろしく感じます。

■ 善人は悪であるという実業界の常識

本書を勧善懲悪(かんぜんちょうあく)のカタルシスを味わうだけで良いのかという読み方もあります。著者の山口氏もそのような一方的な世論形成に荷担してしまうのではと躊躇しているように思います。
日本を代表する株式指標、日経225に採用されているオリンパスには取材に訪れたことがあるでしょう。社長以下役員とも面識がある可能性は高いのです。またはテレビ番組のようにアメリカ市場を開拓した医療分野やデジタルカメラでの躍進の原動として菊川以下役員を持ち上げていた過去もあるかもしれません。(ニコニコ動画上にウッドフォード前社長と田原総一朗との公開インタビューで山口氏は以前に菊川と面談していることを明かしている。そして当時は親分肌で記者の面倒見がよいという印象があったと語っている)
今回のオリンパス事件は過去の資産運用で1100億円もの損失を出したことが原因にあります。菊川自身も子飼いの役員達と同じように、前社長の岸本正壽(きしもとまさとし)に忠誠を誓い、役員の道を歩いてきたのでしょう。
野村證券を通した資産運用を行ってきたのは菊川の1,2世代前の経営陣です。勇退した前経営陣を守るために嘘をつき重ねて来たという実状があると思います。
すなわち立場を譲る代りに損失処理という重みも担わされているのが、菊川剛ら役員であると言えます。
菊川剛や副社長の森久志らは果たすべき義理を理解しているからこそ野村OBらの金融詐欺師と共に暗黒面へ堕ちていったのです。(チームFACTA著「オリンパス症候群」では投資家を欺いても良心が痛まないのは「ウチ」という概念が日本企業に根強いからだと喝破しています。)
清濁併せ持つ者しか経営トップに慣れないことは経済記事畑を歩んできた著者は十二分にわかっていることです。悪い奴ほど有能、これがビジネス界のコンセンサスです。それが故にジャーナリストの立場で悩む姿が本書から浮かんできます。

正義感だけで取材を進めるのでしたら情報源さえあれば誰でもできるかもしれません。しかし上場企業経営者を取材し、企業組織による圧力や工作を知っているからこそ、文章で糧を得ている著者の用心深さは見習わなければなりません。

これからは本書を別の視点、すなわちプロのジャーナリストとして商業文章で生計を立てるための教科書として読み解いてみたいと思います。大事なジャーナリストの資質が彼の文章から読み取れるはずです。以下に気づいた事項を列挙します。

■ ジャーナリストに味方はいない(IR担当役員とグルの証券会社)

東証のブースを職場とする著者はオリンパス記事を掲載したファクタ8月号が発売されても下落局面でオリンパスを買い推奨するアナリストがいることを知ります。過去に企業買収に懐疑を抱いていたアナリストでさえ買い推奨をしていることに著者は驚きます。
アナリストと言っても、そもそも証券会社にとっては公募増資や社債発行の主幹事やシンジケートというおいしい役割があるために正しい投資判断という目的で用意された職種ではなく、証券市場を揺さぶるような事態においてもアナリストの判断は単なる営業ツールに堕している面があると指摘しています。財務担当と証券会社アナリストが連れだって内外の大口投資家を巡ることもあるのだそうです。

このようなお手盛りな証券業界は驚くに値しなくてもマーケットを監視する東京証券取引所の広報担当の返答は驚くべきものです。

(78ページ抜粋 転載はじめ)
後日、東証から得た公式なコメントは「開示基準を厳しくすると、ニュースリリースが多くなり過ぎてしまい、投資家は情報の取捨選択が難しくなってしまうため仕方がない」との内容だった。非公式には「こうした問題は一義的にオリンパスと、これに適正意見を与えている監査法人の問題と考えている」という内容だった。
(転載終り)

つまり上場企業の不正経理を監視し市場の信頼を維持するべき東京証券取引所はその役を為していないのです。証券アナリストでもある著者にとって証券取引所は職場であり、その職場での事なかれ主義な回答にたいする落胆ぶりは想像に難くありません。

証券会社のアナリストは真相の追求よりも株式の商いだけに注目するのは当然として、東証でさえ関心を寄せない状況に、孤軍奮闘する著者は追い詰められていきます。このまま事態が動かないと暴露記事を書いたジャーナリストとしてオリンパスから反撃を受けて徹底的に干されることになるからです。テレビ出演もやがて無くなってしまうでしょう。
(※山口義正氏は本書発売の4月に株式マーケット番組キャスターを降板させられています。)
オリンパスはファクタ8月号が発売された翌月には新聞各紙への広告の出稿を大幅に増やしています。全面広告から経済誌のウェブにまで広告を載せてメディアへの懐柔を謀っています。
テレビ番組では戦後の胃カメラ開発を題材としたNHKプロジェクトXのぱくりドラマ「光る壁画」(原作は吉川昭の有名小説)まで単独スポンサーで放映するといった手際の良さまで披露しています。オリンパスの宣伝部長という経歴がある菊川らしいメディア懐柔策と言えるでしょう。日経新聞との癒着は根深く、逮捕の2ヶ月前に行われた日経主催の世界経営者会議では菊川剛を講師として招集しています。


■ 不正企業を庇う経団連

公益通報者保護制度という法律が制定されていますが、この法律は経団連が密告社会を助成するという理由だけで反対し骨抜きにされています。経営トップの犯罪行為への抑止力になっていないことを著者は知ります。庇護対象は「労働者」であって退職者には適用されないなど全く摘要しにくい法制度であることを指摘しています。
こうしている間にも内部通報者の深町(仮名)には窃盗や業務上横領、守秘義務違反といった罪状で起訴される可能性があるのです。

最近でも読売巨人軍球団社長(清武 英利きよたけ ひでとし)がコンプライアンス違反として渡辺恒雄の人事介入や獲得予定選手への裏金を暴露したことで解雇されましたが、読売新聞社は清武氏を業務上横領、守秘義務違反、窃盗で起訴しています。その公判がまもなく行われます。
このように暴露する側は弱い立場であり、丸裸の状態で闘わなくてはなりません。朝日新聞が巨人軍の裏金をつついた程度で、その他のメディアはだんまりです。

■マスメディアの役割を放棄している大手新聞

著者が投稿したFACTAの記事はマイケルウッドフォード氏の解任騒動でFT紙や英国内で大々的に取り上げられます。そのような状況では大手新聞社も重い腰をあげるようになり、記者も著者に連絡を入れるようになります。
「情報交換」という要件ですが、交換する情報など先方から一介のフリーに寄越すこともなく、欲しい情報は「内部告発者」その者を教えろという態度に憤慨して、以降は接触してくる新聞記者とは会わなくなります。記者クラブのサラリーマン記者にとってフリーランスは手足程度にしか思っていないのでしょう。
しかも取材行為もジャーナリズム精神に基づいた行動ではなく、企業サイドへ売るための情報を求める姿に元新聞記者でもある著者はマスコミにも幻滅しています。オリンパス社の記者会見では明らかに菊川擁護と受け取れるような質問をする記者がいることが証左であると指摘しています。

■ジャーナリストはサムライの気概を持つ

オリンパスの会計処理の最大のキーワードは「のれん代」と呼ばれる買収企業の対価に上乗せされるブランド料です。アナリストの経歴からこれほど不透明で恣意的な項目はないと感じていたのでしょう。並の投資家であれば看過してしまう項目を突破口に、徐々に裏側に潜む経営陣の暗部をさらけ出していきます。
証券会社の調査担当や新聞社の経済記者など分析を稼業とする人々は多々いるにも関わらず、懐疑を示してもオリンパス社の計上する「のれん代」に言及した専門家はおりません。

ジャーナリストの最初の壁は商業誌の限界です。商業誌には広告という収入、証券会社には主幹事という美味しい役割があるために顧客のためなら多少なら目をつぶるためです。
またオリンパスの被災工場の取材記事を組合の労使協定でボツにされたりしました。このように「上の都合」が降りかかってくるのがジャーナリストという職業の辛いところです。

さらにフリージャーナリストと雇われ記者の大きな違いは明日も同じ日ではないことです。明日には東証アローズから市場解説を生中継でするキャスターという職もくびとなるかもしれない。
しかしジャーナリストとして大きなパンドラの箱であることがわかるにつれて引き返せない道であることを彼は文中に言外で吐露しているのです。

山口氏のジャーナリスト観とは葉隠の「武士道と云うは死ぬことと見付けたり」であると自覚しているのでしょう。しかし情報提供者の深町(仮名)には同じ辛い境遇を味わせたくないという板挟みに著者は苦しんでいます。

■情報提供者は徹底的に隠せ

冒頭から登場するオリンパス社員で情報提供者の深町(仮名)と著者(山口)の関係はカメラ同好の士であるだけではなく、文中に何度も登場させることで著者の心情の代弁者でもあるように見えます。そのために本書はノンフェクションでありながらも、主人公(山口)を中心とした経済小説を読むように理解しやすい文章です。

冒頭で断っているように深町(仮名)を特定されないように注意深く書かれています。そのため年齢や所属どころか性別でさえわかりません。
当初は居酒屋で気楽に会い撮影旅行をする同年代の友達であるような記述です(道中にカーステレオでHigh−Lowsをかけて盛り上がっている等)が、一方で自社の経営問題に強く嫌疑を抱いていることがわかります。また流出した取締役会の核心に迫る書類を一瞥して憤慨するなど、どうも年代的には上、事業部長や部長それも財務方面に近い立場であるように思えます。社員の代弁として問題が大きく報道されるにつれて立場や家族を抱えている心配の描写など心理描写が記述されています。メールでは著者を「キミ」と呼びかけています。

このように文中からは一貫した人物像は掴みきれません。なぜなら本文の流れに沿った「出来すぎた脇役像」だからです。

個人のように本文では扱っていますが、実際の内通者は複数かもしれないし冒頭導入部分の旅行相手は恋人なのかもしれません。著者が注意深く徹底して隠す深町(仮名)にも注目すると本書はどれだけ著者が情報源の秘匿に注意を払っているかがうかがい知れるでしょう。おそらく情報源を隠すために雑多な状況を挿入して攪乱させているのです。

■情報流出者は執拗に追いかけられることを肝に銘じる

月刊FACTAでオリンパスの巨額損失隠しが発表されて山口にも取材が殺到します。文中では「釣り針」と呼んでいる罠について説明があります。これは取材対象側が逆に内部情報を探す目的で流すガセや配布文章で判子の位置や文言を少しずつ変えて流す方法です。
また「たれこみ」として匿名で接触を試みるなどの至る所に釣り針が仕掛けられています。

情報源を知られることは全ての終りであるため、接触相手、たれ込みすべてを疑わなければなりません。情報交換を求める新聞記者でさえも企業側に立つものがいるようです。

■企業発表を額面通り受け取らない

なでしこジャパンによるワールドカップサッカー優勝の話題でもちきりの頃、オリンパス社は外人社長の登用でメディアは驚きと好意に満ちたニュースを流しています。まだヒラ取締役でもない英国法人子会社の社長が本社25人の役員を飛び越して社長就任というニュースに著者は疑問に感じています。その引っかかりと深町(仮名)からの内部情報が結びついたことで背後の悪事へと繋がっていきます。
きれい事の内容から腐臭を嗅ぎ取れるかが能力であることがわかります。

■ 日本のマスメディアは信用成らないことを繰り返し自覚する

反撃を警戒しつつ、オリンパスの巨額損失隠しという最大のスクープをどこで発表するかで著者は逡巡します。
広告を出稿していない出版社はないか、影響力や読者層、または企業圧力に負けない体力など考え抜くと、日本にはスクープを発表できる媒体はあまりないのです。
週刊東洋経済や朝日新聞のアエラへ掲載を打診したこともしたそうですが、何も返答はなかったようです。「山口義正(やまぐちよしまさ)」は無名のフリーライターではありません。過去にもエコノミストといった経済雑誌、日経新聞で署名記事を連載しているのです。ところがその著者の企画提案には全く返答も連絡もよこしていないのです。このようなマスメディアの冷淡さに著者と深町(仮名)は失望していきます。

■監督官庁はあてにならないと自覚すること(東証もその一味)

東京証券取引所の公式回答は前述しました。
公益通報者保護制度という法律もザルです。
監督官庁、私にはわかりませんが、この場合は検察庁特捜部、財務省、証券管理委員会あたりでしょうか。どうにせよ、今回の事件は著者には幸運にも海外での報道が加熱してくれたおかげで特捜や警視庁捜査二課、証券取引委員会が動いてくれたのであると思います。
消防車を呼ぶにはたき火程度ではなく大火事である必要があります。独力で記事を燃え上がらせた著者の力量が推し量れます。

■プロライターは自分のスタイルを持つ

雑誌FACTAの名物編集長、阿部重夫氏の文体も本書では紹介しています。手直しをうけた原稿には強烈な言葉のスパイスがちりばめられており、読者はえげつない言葉とそのリズムに酔いしれるのです。「笑わせちゃいけない」「悪いジョークだろう」「トドメはこれからだ」と挑発する文言は阿部節と業界ではささやかれているようです。
著者もオリンパスのCMコピーをもじったりして阿部節に近づけようとしていますが、同じモノ書きとして格の違いを思い知らされている文面は、そのまま学問道場の執筆者と副島隆彦先生との関係のように思えます。(副島隆彦の場合は「ソエジー節」として2ちゃんねるやアマゾンの書評欄だけですが)

私のような読者は熱さを感じる文章を望んでいます。山口氏の次の著書ではなんらかの節がついているか、意地悪くも楽しみになりました。

■ジャーナリストの領分で悩むこともある

ウッドフォード氏はオリンパス英国子会社を成長させ、雇用を増やした功績で英国ではナイトの称号を与えられた名士です。著者は騎士道を重んじるウッドフォード氏へ一方的に肩入れすることは、時々ジャーナリストの本分から外れているのではと自問しています。
ウッドフォードと海外投資銀行との接触を密にすると無用な「外資脅威論」を刺激するかも知れないと憂慮しています。このように、こちらに義があるからとはいえ、過剰な肩入れはジャーナリストという立場上できないことを述べています。

■ ジャーナリストの教科書として読むべし

本文中には昨年3月26日に雑誌のルポのために震災直後の福島を巡り工場の被災状況を取材している記述があります。なんと同月同日には副島隆彦先生と我々弟子は第一原発へ突撃撮影を敢行して、奇遇なことに著者と我々はほとんど同時に小名浜港で打ち上げられた漁船群を眺めていたのです。

副島先生も雑誌社に記者の同行を打診したところ様子見を決め込むところばかりで、結局同行取材する社はなく三日間にわたる学問道場の単独行となったわけです。著者も雑誌記者の名目で取材を続けていますが、正社員との労使合意で危険地帯への取材は拒絶されてしまい、とばっちりで非正規社員である著者の記事は核心の危険地帯での取材はボツとなってしまったのです。

最後に、本書は単なる「ワンマンであった菊川剛前社長がオリンパスを私物化して巨額な損失を野村證券OBらと共謀して飛ばした経済事件の顛末」として注目され、やがて忘れ去られていってしまうでしょう。しかしフリージャーナリスト一人による孤独な戦いの記録でもあり、ジャーナリストという職業の手引き書としては末永く読み継がれることを望まずにはいられません。(了)

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生身の人間ですから不調はあります 
Saturday, July 21, 2012, 12:55 PM
雨 12時 浅草での空間線量は69ベクレル/立法メートル

気温が30℃を越えるとめっきり疲れやすく、身体が鉛のように重いのです。階段を一階分上がり下がりするだけでもエレベーターを使いたいほどです。
店主も人並み以下の虚弱体質なのでお客様の気持ちはよくわかります。

昨日から肌寒いほど気温が下がりました。おかげでぐっすり眠れます。

眠れるときはできるだけ眠る


これに限ります。
おかげで今朝は快調です。水ばかり飲んで胃腸も疲れていたのでしょう。
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