社会主義が持続しない理由 (「資本論」では労働者も資本の一部である) 
Wednesday, November 11, 2015, 03:00 PM
11/11 晴 10時 浅草での空間線量は26ベクレル/立法メートル

『いま生きる資本論』(佐藤優 新潮社 2014/7)は昨年出版された本で、佐藤優氏の講義をまとめたものです。
それを副島隆彦先生が解説されています。
http://www.snsi.jp/

「1565」 佐藤優(さとうまさる)著『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014年)を基にして、カール・マルクスの『資本論』について語る(2) 2015年11月7日
「1564」 佐藤優(さとうまさる)著『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014年)を基にして、カール・マルクスの『資本論』について語る(1) 2015年10月30日


カール・マルクス『資本論(Das Kapital)』は1867年に第一巻が刊行されています。ちょうど明治維新(1868年)の一年前です。
これほど有名な本ですが、日本人でも特に左翼リベラルの人たちも読んでいない。経済学部でもあまり扱わないのではないのでしょうか。
マルクス「資本論」は社会主義者のバイブルのように崇められているにもかかわらずです。

私も読んだことはありません。

それを佐藤優氏と副島隆彦先生の解説を読むと、全然想像とは違います。佐藤優氏の言葉を使えば、資本家になる人が読むための本だということ。そして資本の動きに巻き込まれていく雇用者(会社員)、労働者は将来どうなるのかという未来を予想した書物なのです。

物質的に満たされれば人類は争うことなく幸福になれる by マルクス



この内容に触発されて社会主義(Socializm)運動が拡がり、1917年(大正6年)に貧乏人(労働者)により良い暮らしができるようにと、更に過激な共産主義(Communism)を掲げたソビエトがレーニンとトロツキーの革命により実現したことになっています。

ところがソビエトの理想主義はすぐ数年後には崩壊して、レーニンの粛清による監獄国家となります。つまり革命の理想はすぐに頓挫しています。

資本家(企業経営者)とその下で働く労働者では圧倒的多数が労働者ですから、数で競えば資本家が負けるに決まっています。
ところが、中小零細も合わせた経営者たちが、そこで雇用されている社員やパート、アルバイトを喰わせています。

ここで思い出されるのが、先日書いた「パレードの法則(二八の法則)」というやつです。
過去ログ:パレードの法則はVWグループでも現れていた

労働人口の20%が国民総生産の80%を稼ぎ出している

と仮定すると、20%の国民が自分以外の80%を喰わせていると言い換えてもいいかもしれません。20%が資本家とか経営者とか上級の会社員です。

それでは、資本家階層を追い出して、100%労働者層にしたらどうなったか?というのが共産主義という壮大な実験です。
それには搾取する資本家を追い出して労働者自身で生産すればよいではないかという無邪気な考え方です。

さて、工場や農場といった生産現場では労働者層が100人集まっても、結局は働く20人と何もしない80人に別れてしまいました。
ロシア人形マショトリーシカのように、いつまでも28の法則は追いかけてきて、結局はいつまでも生産高が上がらないという状況に陥ってしまったのです。

きれい事をいくら言って、働き蟻だけ集めても、全体の利益を生み出すのはたった1/5の働き蟻です。
こうして結局は資本家の勝利に終わるのです。

マルクスは資本(お金)が利益を生むシステムを解説しただけ



資本家の存在が良いか悪いかなどとは言ってはいないわけで、「資本論」では経営者は資本(お金)を設備や原料、そして雇用した労働者に変態(Metamorphosis)させていく過程を解説しただけなのです。

だから社会主義政権となって、労働者を助けろ、守れといったところで、助けるための生産性(つまり稼ぐ手段)がないわけです。

みんな俺は弱者だ、社会福祉を充実せよと口々に叫んだところで、それじゃあ稼ぐのは誰?と矛盾がすぐに吹き出てきます。

お金はたんまり経営者の懐にあるだろ!と労働者たちは言うでしょう。

副島先生は価値(value)には三つあると文中で解説されています。
1)販売価値(sale-value):店頭で売られている商品の値札のこと
2)使用価値(use-value):所有することや使用することで生まれる価値(例:女性の持つダイヤモンドやブランド品、仕事のトラックなど)
3)交換価値(exchange-value):仕入れて加工したり、小売することで生まれる価値(例:八百屋の野菜や料理店)

私が付け加えるならば、お金にも二種類あるということ。
1)消費価値:使ったら二度と自分の所には巡ってこないお金
2)再生産価値(原資):巡り巡って自分に戻ってくるお金

この2つの言葉は私がいま造った言葉ですが、ひょっとしたらすでに経済用語かもしれません。

つまり労働者が持つお金は消費価値しか持たないということ。
ところが資本家が持つお金は、巡り巡って戻ってくる性質のお金です。運が良ければ何倍にも何十倍何百倍になって帰ってくる。これをたぶん経済用語では「将来価格(価値)」と呼んでいると思います。

資本(Capital)とは鮭や鮎のようなお金のこと



これは経営者や私のような零細業者なら、肌身に感じるでしょう。
労働者階層というのは、一生このような感覚とは無縁です。

結局、物質的に満たされて労働者が生涯幸せに暮らせる未来は、資本家のお金を食い潰したことで来なくなってしまいました。というのがロシア革命の顛末です。

マルクスの資本論を正しく読んでいれば、そんな失敗には陥らなかったのになあと佐藤優氏と副島隆彦先生の解説を読んで感じます。

昨晩のNHKクローズアップ現代では、非正規職員(パート)を追っていました。

10年間品質管理?かなんかに携わっても解雇された、栄養管理士の資格があるが3年以上の雇用期間の壁があり勤務を続けられないという不安感などなど・・・つまらないので消しました。

雇用者の40%が正社員ではない世の中ですから、こんな事例は山のようにあるでしょう。

なんで自分で仕事を創り出そうとしないのか?というのが私の漠然とした思いなのです。専門技術があるのならば、自分で看板出して独立すればよいのにと思います。

これはサラリーマン時代からづっと感じていたことで、他人の指示の仕事は面白い面白くないという感情論ではなく、自分から行う仕事の方がずっと効率的で高付加価値であるということです。

働き蟻でも実際に働いて喰わせてくれるのが20%しかいません。80%は蟻の巣の女王蜂のまわりにうろうろいるだけなんだとか。

自分が20%の蟻だという自覚があるのならば、なんで(賃上げや雇用条件の)交渉をしないのだろうなあ・・・。
考えを伝えること(口で言うこと)はタダなのにさ。

私はサラリーマン時代に、上司と人事部相手に一人で給与の交渉をしたことがあります。
4年勤めてベアゼロ、新入社員の方が基本給が高かったのです。こんな馬鹿な話があるかと。

赤提灯に飲みに連れてかれて、丸め込まれそうになりました。このとき労働組合のない企業はダメだと思いました。もちろん人生の無駄ですから長居は無用です。

労働者は資本家にとっては資本の一部にすぎない



マルクスの資本論では、労働者も資本の変態(Metamorphosis)なのです。
それで、労働者から搾り取った(exploitation)労働から価値が生まれ、お金を得るのは資本家、経営者たちなのだとしています。

しかし、副島隆彦先生は、マルクスの『搾取(exploitation)』は合法であるということ、そしてこれは社会規範でもあることを日本では知られていないと言います。

そりゃコンビニ店長に時給1500円くれと言っても、いや1200円しか出せないと言われれば、それで働くしかない。(20代の私のように)
雇用者と被雇用者との合意が成立しているからです。
嫌々ながら安月給でも働きますというのが、人間社会の枠組みでは認められていることなのだと。

150年前から、雇用者と労働者の関係は変わらず、ずっとこのままであるということ。
それを搾取(exploitation)というのはおかしいのです。

本当の「搾取(exploitation)」とは国家による収奪(税)のことである


マルクスの偉いところは、企業家と労働者が搾取されるという関係ではなく、本当の搾取する悪は宗教であ、その筆頭のキリスト教団(イエズス会)を糾弾したことにあります。

公家か坊主のような集団により支配されている地域が国としてそびえ立っていることを、搾取の仕組みとして烈しく反対したのです。

過去ログ:文化の日だから哲学者を格付けしてみた
ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 適菜収著
変質したリベラリズムとパノプティコン化する国家

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坂本龍馬の話題二題 
Tuesday, November 10, 2015, 12:20 PM
11/10 雨 10時 浅草での空間線量は26ベクレル/立法メートル

東京に住んでいても品川に桂浜と同じ銅像があることを知らない人は多いでしょう。
京急立会川駅そばに小さな公園があり、そこに銅像があります。この側を通る狭い道が旧東海道で、小さな商店が並んでいます。そこに大砲が据えられたという地元ニュースです。
超下町っく天国な場所です。
龍馬が暗殺されても、妻のお龍さんは東海道の宿場の仲居さんとしてしばらく働いていたということです。つまりこの界隈は龍馬とお龍が生前に行き来していたということ。


いままで存在は知られていましたが行方不明となっていた千葉道場の薙刀の免状が出てきたというニュース。国へ帰る龍馬に千葉周作が持たせたという説があり、娘・佐那の婚約者のために形だけ揃えたという説もあります。剣術の達人と言われていますが、いまでは信憑性はありません。


過去ログ:坂本龍馬が北進一刀流の免許皆伝者なんて嘘っぱち
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鬼・怒鳴門さんのコレクション 
Monday, November 9, 2015, 04:12 PM
昨日、雨宿りで立ち寄ったところが、東京都北区中央図書館です。

おそらく明治時代の煉瓦の建物(兵舎だと思う)を残した、モダンな図書館です。

併設されているレストランの食事は誉めた物ではありませんが、公園内にあり、なかなか落ち着ける良い図書館でした。

入って初めて知ったのですが、ドナルドキーンの蔵書が常設展示されています。
当然、全著作も揃っています。

ドナルド・キーン氏が北区に住んでいたとは知りませんでした。
鬼怒鳴門とは日本での帰化名です。とても怒鳴るイメージはありませんけどね。

あと楽しみなのは、いまでも一角には遺品や原稿の展示はありますが、荒川区の日暮里図書館に吉村昭記念室ができることです。



過去ログ:ドナルド・キーン「百代の過客」は中学生のときに新聞で読みました
室町時代が日本のルネッサンスであった(ドラッガー・コレクション)
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IP電話のトラブルは複雑すぎて元IT屋でも発狂しそうだ 
Monday, November 9, 2015, 03:48 PM
11/9 曇 10時 浅草での空間線量は29ベクレル/立法メートル

なぜかウチの固定電話に携帯電話から050で始まる番号でかけると、「その番号はお使いになられていません」といったアナウンスが流れるそうです。当方の携帯では問題なくつながるのですが、原因が良くわかりません。

10年以上ADSL時代からIP電話となっているので、特に不都合は感じていなかったのですが、受けることができないとなれば問題です。
またこちらからかけた覚えのない先に、深夜の着信記録があるからと確認の電話がありました。その時は私は不在です。

そこで、softbankのWebから自分の登録情報の確認をしようとしても、カスタマーIDやらを用意せよとかいろいろあります。書類をひっくり返して大昔の申込書を取り出して入力するも、ID/パスワードが違うとにべもない。もうひとつログインIDというものも申込書にあるのですが、これをいれてもダメ。さらにはNTTのフレッツ光の契約情報もあり、何が何だかさっぱりわかりません。

自分の契約状況も利用状況もよくわからないまま5年ほど使っていたのです。
料金もNTTとsoftbankから別々なので、一体総額はいくらなのかも実はあまり把握してません。他にもプロバイダー料金やこのWebを維持する諸費用があります。個々の費用はなんとなく把握していますが、電話+ネットの料金はさっとはわかりません。

ケーブルテレビで電話やインターネットを使っていたらもっと複雑でしょうね。

つぎはぎだらけの竹に接ぎ木をしている現状



ですから、IP電話でトラブルが起きたら、自力で不具合箇所を見つけ出すことは不可能です。
まず申込時に受け取った確認内容を見直したのですが、上記のようにIDとかお客様番号とか不毛な文字ばかりで、さらにパスワードがいくつもあります。

もともと20年前はIT屋でしたが、書類の文言があまりにも不親切で頭がおかしくなりそうです。

トラブル状況を伝えたサポートセンターの人も頭をひねるばかりで、どうしようもない。
利用者側の思い違いなのか、機器の誤動作なのか、はたまた電話会社側のバグ(制御のミス)なのかも全くわかりません。

結局契約を確認するために、必要なIDなどを郵送してもらい、機器も交換となりました。

平屋の上に計画性無く建て増したツケです。そして電話会社(NTT・SoftBank)の書類も枚数が多いだけで、内容がとてもわかりにくいというかもう理解することをやめました。むかむかイライラするから。

ほんとうにもう嫌だ。

通話だけなら、電話機と銅線だけでいいのに、なんでこんなに機械(光ルーター+IP電話アダプター)を据え付けなくちゃならないのでしょうか。

NTTがすべての電話網をIP化すると言っているようですが、不通のトラブルは100倍千倍万倍になるでしょうね。
物理的な故障よりも、半導体内部での故障や制御プログラムのバグは目に見えないので、いっそうわからなくなります。

映画ターミネーターで、レジスタンス同士の通信手段はアマチュア無線でした。
2020年に全電話がIPになるかって?
そんなことはありえないでしょうし、技術屋さんの浅はかな考えです。

いまよりももっと多くの維持費がかかりますよ。


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チアシードはダイエット、糖尿病におすすめ(ある医師Kの食べ過ぎ現代人への警告) 
Sunday, November 8, 2015, 04:06 PM
11/8 雨 14時 浅草での空間線量は30ベクレル/立法メートル



新聞でスーパーフード(SF)と呼ばれる食品群があることを知りました。
なんか最近ココナッツオイル、ココナッツオイルと両親が言ってましたし、かつては胡麻油だ、オリーブオイルだと話題になっていましたね。

私の知り合いの医師も健康オタクで、自分でいろいろと試しています。また運動にも一家言あり毎日体幹トレーニングを起きたらすぐにするそうです。たしかに60代には見えません。筋肉ムキムキマッチョマンで頭髪はフサフサ黒々。

その医師も低糖食(炭水化物は極力減らす)をやってますが、同時に運動中でも低血糖に陥らないように、血糖値をコントロールする工夫も日々自身で研究しています。

私と同じく朝食抜き派なのですが、朝の運動後にはコップ一杯のヨーグルトにチアシードという胡麻みたいなものを混ぜて飲んでいるのだそうです。甘みが欲しいのであればドライフルーツを刻んでいれるといいそうです。

試してみましたが、お粥のようで味はいいです。

チアシードはコンニャクと同じ食物繊維(グルコマンナン)が多くて水を吸うとものすごく膨れます。だから直接食べることはやめたほうが無難です。

同じ効果でオートミールもお勧めだそうです。

どちらも食物繊維が豊富なので、食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれるのだそうです。
だから眠くならないし、膵臓への負担も低くなるのです。

とにかく身体を悪くするのは血液中の余分な糖分だ



膵臓への負担、皮下脂肪はおろか細胞にまで脂肪が溜まり、血管壁の硬化の原因となります。
さらには痴呆(認知症)も脳内の余分な糖分が細胞を劣化(メーナード現象)させるからだと、その医師は断言しています。

過去ログ:アミロイドβが悪いのではなく、アミロイドβオリゴマーの毒が認知症の原因

私もご飯は1/4合しか食べません。少なく感じるかも知れませんが、お粥にすると丼一杯になるので昔から私は周囲にお勧めしています。
糖分はなるべくオリゴ糖を使ってます。これはほとんど吸収されずに、腸内細菌の餌になるので、便秘の方は試してみてください。

よく考えれば、私もK医師の影響ではないですが、知らず知らずに日々の食事は3S(咀嚼、粗食、草食)に加えて、いろいろやってますね。(草食主義ではありません)

K医師から「チアシード」なるものを紹介されて、それは食物繊維の固まりで体調が良くなると勧められました。
昨年は白米よりもオートミールを勧められていたのですが、入手が下町のスーパーでは置いてあるとこが少なく、あっても毎日食べるには結構高いのです。

なんといっても「チアシード」は安いです。そして一日大さじ一杯を溶かして飲むだけと魅力的です。また何に混ぜて飲んでも良いです。
上野のアメ横の乾物屋では最近はよく目に付くそうですから、こんど買ってきます。

私のお薦めはアサイーというブルーベリーのような果実です。
これのジュースを一度だけ飲んだのですが、注ぐときに少しこぼしてしまい、布巾で拭いておきました。

その布巾はアサイーの紫色になったのですが、みるみる真っ黒になりました。
すなわちアサイーの果汁があっというまに酸化してしまったのです。つまり還元作用がものすごく強いと言うこと。
こりゃ値段相応のことはあると、濃いいポリフェノールの作用を目の当たりにしました。
食べ物の消化で発生する活性酸素の無害化にも相当な効果があるでしょう。ただ難点は高い(350〜450円/1000cc)ということと、開封したら酸化してしまうので早く飲んでしまう必要があります。

こういうスーパー食品(SF)を手に取る理由はいろいろあると思います。
きっかけはダイエットでも若返りでもいいでしょうが、摂取を毎日の習慣にするということが大事です。

習慣がつくと、どか食いや食べ過ぎがなくなります。また腹持ちが良いのでお腹が空かなくなりますし、甘い物が欲しくなることもありません。

チョコレートなどお菓子や清涼飲料・ペットボトル飲料の”中毒”からも脱出できるかも知れませんよ。
過去ログ:なぜこんなに引き籠もり精神病者が多いのか?ソフトドラッグ化する食品
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悲壮なことに日本人が「進歩的」と思っていることは既に時代遅れである 
Saturday, November 7, 2015, 12:17 PM
11/7 曇 10時 浅草での空間線量は33ベクレル/立法メートル

渋谷区で同性愛者同士の証明書を発行したことがニュースとなっていました。ラジオでも視聴者に賛否を聞いていますが、誰も本音を語るわけがない・・・
(私にマイクを向けられたら、キチガイの所行と大声でわめきますけど)

ルソーの自由平等主義はニーチェが指摘したように「呪縛」となっていったことがわかる象徴的な出来事だと捉えています。

NHKという反民族主義の放送局は、あいかわらずヨーロッパやアメリカでも次々と容認されているのだから、これは喜ばしい出来事だと報道しています。

イタリアを除く、ヨーロッパ諸国(英国も含む)は10年ほど前から雪崩式に同性でも相続権や社会保障が受けられる法令が施行されました。
アメリカでは合衆国憲法では制定されず、州法により規定しておりますが、同性婚を禁止している州がまだまだ大半です。

物議がある同性婚容認を、まるで民衆の勝利のように報道する側には不信感を抱きます。

イタリアやカトリックの強い国では議題にもならない



いつから日本はキリスト教プロテスタント国家になったのだ?

ちなみにアメリカではプロテスタント勢力は劣勢側で、政治中枢、特に最高裁判所ではカトリックの裁判官で占められています。

関連ログ:バチカンがユダヤ人を矢面にしてアメリカを支配しているという宣教師の主張

ドイツ、フランス、北欧諸国がプロテスタントですから、まあ同性婚や非婚(私生児)を認めるのはなんとなくわかります。

けれども、プロテスタント国家のドイツでも、いまはプロテスタントの人気は凋落しています。

つうかキリスト教自体の求心力もだいぶ低下しているんじゃないかな。観光地の古い教会には人が集まっているけど、ちょっと郊外の教会には日曜日でもガランとしてるもの。日本の神社みたいなものか。

落ち目のプロテスタンティズムを今頃日本が追随してどうする!?



これと同じ状況が130年前明治時代の幕開けと同時に「舶来信仰」が日本でも巻き起こりました。

舶来もの=西洋の新思想(プロテスタンティズムでも革命的なルターの自由主義)です。

明治の時代約40年間はそれで良かったのです。ところがそこから急激に民族主義的な反動とさらに過激な共産主義が湧き起こります。

なんたってルターの自由主義の根源は革命指向(破壊主義ともいう)ですから。

「既存社会をぶちこわせば、より良い社会が実現する!」これが楽天主義(オプティミズム:optimism)というもの。

偉大な数学者でもあるライプニッツの、「すべての事象は最善に辿り着く」という思考が根拠です。

これは科学的な根拠なのに、いつのまにかキリスト教では「人はやがて善に辿り着く」(性善説)に置き換えられてしまったのです。

キリスト教の胡散臭さはこういう偽善を垂れ流して民衆のコントロールをしていることです。

明治の40年間は国民をコントロールできましたが、やがて混沌としていったのは当然です。理想と現実は違うのだから。

日露戦争後に「ヨーロッパの300年を明治の40年で繰り返しただけ」と語ったのは、かの夏目漱石です。

つまり16世紀から19世紀あたりの西洋近代思想を日本は明治の45年間に体現したということ。

そしてまた西洋の300年を日本でも繰り返そうとしている



フランスのサルトル(実存主義:人は望むようになれるべきだ)やボーヴォワール(フェミニズム)といった急進的思想を、ありがたく下賜されたかのように平伏しているのが、今の日本であり、その走狗のNHKや朝日新聞をはじめとしたリベラル系メディアです。

繰り返しますが、日本がへへーと受入れた思想はたいてい時代遅れなのです。

近代思想(18世紀〜19世紀)あたりの思想はもう古いということを、日本の知識人は誰も言わない。
言っても右翼扱いされるから言わないのでしょうけど。

あ〜あ、日本にはしっかりした哲学がない



哲学者といっても、研究者という傍観的な立場の人はいるでしょう。

日本にもちゃんとした哲学者がいてもいいのですが、太平洋戦争以降は駆除(exterminate)されちゃいました。

欧米に崇高な思想があるという馬鹿丸出しはもういいかげんやめませんか?


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FaceBookのセキュリティ会社F-Secureの幹部社員が320名情報を晒して炎上 
Friday, November 6, 2015, 07:28 PM
11/6 晴 10時 浅草での空間線量は33ベクレル/立法メートル

よくわかりませんが、匿名サイト2チャンネルでは、反安倍総理を掲げる人物が、気に入らないFaceBook利用者のサイトで「いいね」を押した人物の詳細なプロフィールを320名Googleで晒したことが話題になっています。

どうして詳細な個人情報(居住所や勤務先、出身校などまで)を一挙に第三者が開陳することができたのでしょう。

ESETという製品で有名なセキュリティソフト会社の幹部だった



FaceBookの「いいね」を押したかどうかまで調べられるのは、操作履歴をとるセキュリティソフトか、スパイウェアしかありません。

ESETの開発会社(F-Secure)はFaceBookでもオンラインでマルウェア検知のサービスもやっているそうです。

ぞ〜っとする話ですね。

泥棒に上がらせて部屋を点検してもらうようなことです。

そしてFaceBookの個人情報を知られずに抜き取る作業をしていた



FaceBookには出身大学などまで入力させられますから、晒された個人情報がFaceBookの情報であることは間違いないのです。

FaceBook自体がCIAのものですから、まあアメリカに筒抜けなのはわかりますが、

過激左翼思想の日本人関係者が、反リベラルなHPの閲覧者を公開するという暴挙にでたのは、十分おどろくべきことです。

FaceBook怖い〜、セキュリティーソフトの裏に潜むキチガイ怖い〜〜

セキュリティーソフトはスパイソフトであったという衝撃



インターネットのFaceBookのような無料で利用できるサイトには軽々しくプロフィールを入力すべきではないでしょう。

タダほど危険なものはない。

もちろん、この事件はもっと追求されるべきですし、徐々にFaceBookとその裏側が知れ渡ることは良いことです。

FacebookやGoogle、Yahoo、楽天、Amazon・・・個人プロフィールが社内ではどのように扱われているか、大勢が知る機会になることでしょう。

あっSoftBankはすでに前科がありますからね(笑)

ネットに匿名性は結局ないということを自ら白状したようなもんで、工作員もずいぶん低脳になったもんです。一生監視下に置かれていくんだろうなあ。
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だから言わんこっちゃない(巷の節税対策なんてあてにならない) 
Thursday, November 5, 2015, 11:29 AM
11/5 晴 10時 浅草での空間線量は33ベクレル/立法メートル

顔を洗っていると、床が濡れていることに気づきました。洗面所の配管が腐食していてそこから漏水していたのです。
足元に仕舞っている新品のタオルをどかしてみると、無惨にも水がだだ漏れで合板はめくれてカビ臭がすごい。
買い置きのタオル類は汚水を吸って全滅でした。様子から見ると数ヶ月近く気づかなかったのです。

一階の駐車場の天井には漏水あとが何カ所かあり、この数年で劣化はひどくなりました。
築40年程度のマンションでこんなひどい有様です。
壁や床に埋められた当時の配管がどんどん腐食しているのです。修理屋の応急処置を待っていますが、洗面台は腐ってしまいもう使い物になりません。


また中国人がいるマンションは、廃油や生ゴミをそのまま流し台から流すので主管まで詰らせてトラブルになることもよく聞く話です。
当マンションにも中国人がいるのですが、ガキはお菓子を食べながら歩き、空き袋は廊下に当然ポイ捨て、親は所構わず痰を吐く。
マンションの玄関内で痰を吐くなんてどういう神経なんでしょ。
まだ管理人が掃除を毎日しているので、マシですが、管理が雑なところはスラム化していきます。だいたい玄関とゴミ捨て場をみれば判別します。

中国人が買っているマンションなんて私は怖くて買えませんね。
公共道徳なんて皆無な人たちですから、どうせ住民トラブルになることは目に見えている。

タワーマンションは中国人と相続税対策で広く買われているそうですが、やっぱり税務署はしっかり穴を塞ぎましたね。
過去からもいろいろな節税商品が現れては、すぐに抜け道はふさがれてきました。

よく知られたところでは、生命保険を用いた相続や経営者の貯財方法がありました。
また資産管理会社を設立して、その持ち株を相続させるといった方法もありました。

ただそれらもすぐに財務省の省令ひとつで、すぐに特例が廃止になったり、あとから何年も遡って追徴されます。
役所の課長クラスの判子一つで法律なんてすぐにひっくり返るのです。

節税対策を謳うものはすべて高値で売り抜けるための方便


と考えて間違いありません。

実際に有効であっても、それはすぐに税務署に道がふさがれる運命です。

また電車もないド田舎に安普請(やすぶしん)のアパートを家賃保障+相続対策として建てて、破産しかけている農家が多いですね。
農地としておいておけば、まだ売り先は農家だけどあるのに、上物を建てたら解体費用が発生するので、もうダメです。残るは借金だけという田舎者の話も珍しくありません。

上手い話には裏がある

マンション市況には少なからず影響はあるでしょう。
ちょうど築12年(一回目の修繕が必要になる時期)がものすごく売りに出されています。
そこに相続対策のタワーマンションも加われば、さあどうなるかな。

すでに地方のマンションはババ抜き状態のとこもあり、修繕費負担してくれたらタダで持ってってくれというとこも多いです。
もちろん

ただより高いものはない

http://archives.mag2.com/0000102800/


                   2015/11/4 No.3172
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   今日のNews
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●国税庁が全国の国税局に対し、タワーマンションを使った相続税対策への監視を
 強化するよう指示していたことが2日、分かった。相続税評価額を低く抑える
 手法として人気を集めていたが、行きすぎた節税策と判断されれば、今後は相続
 税が追徴課税される。
 マンションの相続税評価額(土地)は、敷地全体の評価額に、その部屋の持ち
 分割合をかけて算出する。高層マンションは部屋数が多いため、1戸あたりの
 持ち分が小さくなり、評価額を低く抑える効果がある。
 同じ広さなら高層階でも低層階でも評価額が変わらない。このため、より市場
 価格の高い高層階の物件を購入し、相続後に売却することで、現金を相続した
 場合などに比べ相続税を大幅に抑制できるとされる。
             日本経済新聞11月3日
●会社経営者のK氏は「タワマンは高層階でも低層階でも相続税の評価基準は同じ」
 という話を聞き、自宅とは別にタワマンの高層階の1室を3億円で購入します。
 相続税の資産評価額は5000万円。タワマンを買うだけで3億円の資産を5000万円
 として申告できるというわけです。
 マンション購入の2カ月後、K氏は亡くなり、遺族たちはK氏の死亡から4カ月後に
 相続税の申告をします。タワマンの評価額は予定通り5000万円。K氏の相続遺産
 は、このタワマンの他は預貯金、証券などの金融資産が3000万円で、K氏の法定
 相続人は妻と子供3人の計4人。しかし配偶者が遺産を相続する場合、1億6000万
 円までは相続税がかからないという特例を利用するため、妻がほとんどの遺産
 を相続し、K氏の遺族は相続税を支払わずに済みました。そして数カ月後、タワ
 マンを売却。売買手数料などで1000万ほど損しましたが、相続税に比べれば安
 いものです。
 ところがある日、国税がやってきてこう言う。「タワマンは節税対策で購入した
 のは明らかです。その場合、通常の路線価基準ではなく市場価格で申告しなさい。
 故にタワマンは5000万円ではなく3億円として申告し直しなさい。」
 遺族たちは、とりあえず3億円の申告に対する相続税約3000万円(プラス過小
 所得申告税450万円)を支払い、その後、国税不服審判所に不服申し立てをした
 が認められず、最高裁まで争ったものの課税額は変わらなかった…。
             産経新聞 6月23日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★日経記事は、下の産経が6月に書いた事実が、広く適用されるようになった
 ことを示したもの。

 都市伝説の様に流布した「タワマンは節税対策の柱」が実は誤っていたことが
 明示された。

 日本は他の国のように実質課税法定主義、即ち税金は法律によって定められる、
 ではない。

 各法の中に「詳細は施行規則で決める」等の但し書きが必ず付いており、その
 施行規則は役所が勝手に決めている。

 よって、役所が実情を変えたいと思ったらあっという間に官僚に都合の良いよう
 に法律が変わるのが日本のシステムの基本だ。

 相続税法にも「相続評価額が実勢と著しく異なる場合は時価に修正することが
 出来る」とちゃんと入っている。

 今回のニュースはこれを強化しようというもの。

 都心のタワーマンションの値段の高い高層階は、1)富裕層にとって節税対策
 になると言う理由と、2)2020年オリンピックまでは都心の不動産価格が
 上昇するから、それを当て込んで外国人が好んで買う、という理由によって、
 順調に値上がりしてきた。

 そして、2つの理由ともに投資目的ゆえに実際に居住されない部屋が多かった。

 居住されない部屋は、かなりの割合でAirBB等を通じて貸し出しに回され、問題
 が起きて不動産価値の減少に繋がりつつある。

 もともと、低層階は居住用、高層階は投資用と、オーナーの目的が異なる上に、
 修繕積立金が過少のタワマンが多く、大規模修繕や建て替え等の大きな変化の
 ある時には、決議に必要な5分の4の同意を取ることが不可能という問題がある
ため、早期で売却しないと損失が出る案件ではあった。

 これが、耐震偽装、施行偽装問題の発覚によって、物件そのものの状態に不安
 が持たれやすくなったうえに、今回の国税庁の方針変更が重なり、購入需要が
 減少する一方で、節税にならなきゃ保有しても意味無しだから売却が増える。


 今後の不動産市況が変わりそうだ。

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中国の方が上手だな(欧州での原発事業拡大に本腰の中国) 
Wednesday, November 4, 2015, 11:05 AM


過去ログ:三菱重工が苦境のアレバ(仏)の子会社支援へ

日本人からみれば、中国製原発を導入するなんて信じられないと思うかもしれません。
しかし発電所自体の仕組みはものすごく単純で、ヤカンを温めてその蒸気で羽根車を回すだけです。蒸気をつくるのは核分裂反応の熱を利用したボイラーであるぐらいです。

原発も天然ガスの火力発電所も粉塵が出ないのでとても清潔です。一方、石炭や木材チップや廃棄物を燃料にする発電所はも〜のすごく汚い。煤で真っ黒になります。防塵マスクは必需品。

だからウラン原料さえ調達できれば、あとは燃料棒にまで加工する技術で発電設備はできるのです。なんたってイランでさえ自国産発電所を作ろうとしているのですから。

中国核工業集団(CNNC)という中国原発企業がアレバ(AREVA)との提携を強化したという昨日の記事です。

アレバは中国の出資を受けてCNNCへウラン燃料に関わる技術支援を行っていくことになります。また中国広核集団(CGN)という中国企業は英国への原発納入第一号となる予定です。

中国は金の力を十分わきまえている



バラマくだけの日本外交にくらべて、グッドタイミングのピンポイントでマネーパワーをつかう中国はさすがとしか言いようがありません。

インドネシアの鉄道をひっくり返して中国製にしたりと、

弾の飛び交わない戦争は中国が一枚も二枚も上手です






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パレードの法則はVWグループでも現れていた 
Wednesday, November 4, 2015, 10:25 AM
11/4 晴 10時 浅草での空間線量は33ベクレル/立法メートル

パレードの法則というものをご存じでしょうか。
上位20%が80%を占めているという経済学者の発見ですが、もっとわかりやすく「二八の法則」とも言われています。
たとえば、スーパーや企業で常に売れているのは全商品の20%程度で、それが利益の大部分80%を占めていることや、社員で会社の利益に貢献しているのは20%であとは貢献していないということ。

趣味や学校で野球をしている総数のうち、20%がすばらしく上手く、あとは草野球レベルです。
その20%のうち上位3%程度がプロや社会人選手となり、小数点以下の割合でスーパーヒーロー、イチローや松井いまでは大谷あたりかな・・・が君臨しているということ。ゴルフでも同じでしょうね。

日本全体においても法人税を納税している企業は全法人の20%であとはすべて赤字。黒字でも健全と言えるのが7%程度だそうです。その3%程度が誰もが知っている日本企業の代表みたいなものか。

VWグループの排ガス不正事件で、同グループの高級車部門(ポルシェ/アウディ)にも嫌疑が向けられております。この二グループだけでVW全体の六割の利益を稼いでいるのだとか。

全販売台数のうちポルシェは2%アウディは18%とこちらはぴったり20%です。

ほかにも超高級車でイギリスではベントレー、フランスではブガッティ、イタリアではランボルギーニを要していますからさらにグループ利益はかさ上げされて、八割に近づくでしょう。

ちなみに代表車種ゴルフやポロといったVWブランドの利益率は2.8%で、アウディは9.2、ポルシェは15.5%にもなります。

車種ではもっとも玉が動いて儲かるのはSUVなんだそうで、VWではランボルギーニやベントレーにもSUVのラインナップを敷くと予想されて言います。

ベントレーのSUVってなんなんだよw



ランボルギーニはかつてチーターというドアのない軍用車みたいなのがありましたから、地を這うようなデザインが売りのランボルギーニでも、違和感はありません。
ベントレーのSUVといったらきっと威圧感満載でしょう。無駄にデカくなってひょっとしたら防弾機能までつけるかもしれません。
アラブの富豪かニューヨークの金融詐欺師の親分が好んで乗るんでしょうなあ。

趣味性の高い分野では合理性というものは一切入り込む余地がないことがよくわかります。
そしてぼったくりの値段でも売れるから、そりゃどのメーカーも目指すだろうなあ。
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文化の日だから哲学者を格付けしてみた 
Tuesday, November 3, 2015, 02:19 PM
11/3 晴 10時 浅草での空間線量は28ベクレル/立法メートル

先日の土曜日の日曜版に「読んだが(理解に)挫折した哲学者」というくだらないランキングが載っていました。記事自体はつまらないし読むだけ無駄なので斬り捨てます。

私も『哲学用語図鑑』(プレジデント社)を買っているので、それを参考にしながら、ここに載っている哲学者を

進歩的か理想論者という独断で区分けしてみました



私が偉大と思う進歩的な哲学者(科学者)

1位:フリードリッヒ・ニーチェ(独1844-1900)/アルトゥール・ショーペンハウアー(独1788-1860)
ショーペンハウアーは人間は存在すること(生きるということ)だけに意味を見いだすので、何世代人類が続いても絶対神に近づくことはない。
それを引き継いだニーチェは永劫回帰という輪廻転生に近い概念で、人間の価値はぐるぐると同じところを巡るだけと唱えた。


2位:ブレーズ・パスカル(仏1623-1662)
ご存じフランスの天才科学者、神は「無」をつくらないという概念を打ち崩した


3位:ルネ・デカルト(仏1596-1650)
物質と意識は別であり、主観と客観という二元論を提起した。その集大成が我々の知っている座標軸の概念です。


4位:アリストテレス(アテネBC384-322)
プラトンの弟子でありながら、現実世界に絶対的なひな形などは存在しないと、プラトン論を否定した。


5位:モンテニュー(仏1533-1592)
キリスト教による海外侵略を批判し反対した。


理想を唱えるカルト宗教家に近い哲学者

1位:ジャンジャック・ルソー(英1712-1778)/シャルルルイ・ド・モンテスキュー(仏1533-1592)
モンテスキューはキリスト教法皇と王族が支配する封建社会よりも、人民が正しいという思想運動を始め、それをルソーが引き継ぎ、共同体が正しい判断をする(という仮定ので、権力は人民にあるという)啓蒙思想を展開した。やがてイギリスでは名誉革命が、フランスでも革命が勃発した。とりあえず既存体制を壊せば少しは良くなるという全く楽天的な思想


2位:アダム・スミス(英1823-1790)/カール・マルクス(独1818-1883)
ユダヤ教的な信条”レッセフェール”(英語ではlet us free)という自由商業を唱えた。それに対してマルクスの資本論自体は、資本が富を産むメカニズムをわかりやすく説明した反ユダヤ主義の本に過ぎないが、工業社会による物質供給が行き渡れば<すべての人々(人類)>が一段と良い生活ができると無学な貧乏人を焚きつけたことが私は問題だと思います。


3位:ジャンポール・サルトル(仏1905-1980)/シモーヌド・ボーヴォワール(仏1908-1986)
いまでもフランスやヨーロッパに蔓延する怨念的な思想です。
ボーヴォワールは過激なジェンダーフリーを、サルトルは自分が願えば何でもなれる(が誰も何も行動しない)という中二病(青年誌にあるような夢想)を進歩的な考えのように押しつけて、いまだにバカが騙され続けています。


4位:ジグムント・フロイト(オーストリア1856-1939)
人の深層心理という誰も存在さえ証明していないことを、さもあるかのように主張したオカルト宗教を広めた。血液型占いと同じく有害無益な寝言。精神医学というキチガイがキチガイを診るデタラメ産業の創設者


5位:プラトン(アテネBC427-347)、ゲオルク・ヘーゲル(独1770-1831)
プラトンは絶対神が人間をつくり、善や美までも究極のひな形が存在すると考えた。これが中世1500年当たりまでヨーロッパを支配してきました。ヘーゲルもプラトン主義の延長として、人類は絶対精神にむけて進歩すると唱えました。

こうしてみると、プラトン主義は宗教思想と科学思想を同一化している弊害ばかりが目立つ欠陥思想だと思います。


過去ログ:ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒 適菜収著
そして再び「無」の探求が始まった
異端の数 ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (2)
異端の数 ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念(1)
「ゼロ」が怖いよ、怖いよ〜ひぃぃ (数論は神学論争なのである)
ローマ法皇は<邪教に支配されているのだ>と命がけで上奏したのがルター
変質したリベラリズムとパノプティコン化する国家
人類のアセンションはウィルスによってもたらされる
幕臣開国派にも幕府解体を目指す派閥と幕府存続で近代化を目指す派閥がいた


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ロイター(reuters)による「悪魔の辞典」金融版 
Monday, November 2, 2015, 02:13 PM
11/2 雨 10時 浅草での空間線量は25ベクレル/立法メートル

寒い寒い、昨日の快晴が嘘のような寒さです。

ロイター(reuters)のWebに面白いコラムが載っていたので、紹介します。

http://jp.reuters.com/article/2015/11/02/column-financial-devils-dictionary-idJPKCN0SR07J20151102
Column | 2015年 11月 2日 13:15 JST
コラム:現代版「悪魔の金融辞典」パート1


[16日 ロイターBREAKINGVIEWS] - 米国の作家アンブローズ・ビアスは、著書「悪魔の辞典」(1911年)の中で、政府から商業、人生全般に至るまで辛口な定義を示した。
ビアスは金融に関する知見も深く、例えば、「富」は「1人の手に握られる多くの人の蓄え」と定義してみせた。
ロイターBreakingviewsは世界金融危機が発生する以前の2007年、ビアスの「悪魔の辞典」に倣い、その金融版を発表した。だが危機後の現在において、もはやそれは適切でないように思える。そこで以下にその改訂版、金融危機後の「悪魔の金融辞典」を抜粋したパート1を紹介する。

<A>

Analyst :アナリスト。株を大いに宣伝する人。その目的は委託手数料を稼ぐこと。

Asset price bubble :資産価格バブル。米連邦準備理事会(FRB)の緩和策がもたらした最も顕著な結果。

Austerity :緊縮財政。「サド的財政主義」としても知られる。国家破綻を回避しようとするむなしい試み。

<B>

Bank :銀行。レバレッジの積み上げや、資産と負債のミスマッチで短期的利益と長期的損失を生む機関。

Bankrupt :破綻者。流動性を使い果たした人。近代経済学の知的状態でもある。

Behavioural finance :行動ファイナンス。資産価格バブルの原因が、ひどい金融政策の避けられない結果やウォール街の利害対立にあるというよりも、むしろ「根拠なき熱狂」にあるとの考えに基づく学問。Greenspanを参照。

Bernanke, Ben :ベン・バーナンキ。前FRB議長。住宅バブルの崩壊前にその発生を発見できず、2007年にサブプライムローン問題は「封じ込め」られたと主張した。リーマン・ショック後は、グリーンスパン元FRB議長のスーパーバブルを再び膨らませることに成功。FRB議長を退任後間もなくして、ヘッジファンド大手シタデルに職を得たが、市場に関する洞察力を買われてのことでは恐らくないだろう。Revolving doorを参照。

Black swan:ブラックスワン。ウォール街によくいる鳥。太い尾っぽ(ファットテール)で有名。

BRIC:ブリック。「Bloody Ridiculous Investment Concept(ひどくばかげた投資概念」(ファンドマネジャーのピーター・タスカ)の略。著しく発展する新興国市場のブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字から、ゴールドマン・サックスの元エコノミスト、ジム・オニールが考案した造語。

Business school:ビジネススクール。若者が大枚をはたいて罪の意識を取り除くネットワーク作りの場。

Buyback:買い戻し。1株当たり利益(EPS)を高めるため、借金して自社株買いをすること。最高経営責任者のストックオプションの価値を最大化する方法。

<C>

Capital controls:資本規制。グローバル・キャリートレードを回避しようとする無駄な試み。中国では、マカオのカジノや「偽装輸出」、オフショア人民元建ての借り入れ、スーツケースに現金を詰めて海外に運ぶという昔ながらの方法で資本規制は回避されている。

Capital flight:資本逃避。グローバル・キャリートレード最後の行動。現在、中国で進行中。

Career risk:キャリアリスク。ファンドマネジャーが、資産価格バブルへの加担を拒否したり、トラッキングエラーをほのめかす以上の行動によって、解雇されるのがほぼ必然であること。

Chief executive officer:最高経営責任者(CEO)。自分の利益のために自身が運営する会社によって生み出される、いかなる剰余価値も搾り取る経営者。

China dream:中国の夢。中国の国民全員に歯ブラシを売るという昔からの事業構想。最近までは株価押し上げに役立つ方法だった。今ではウォール街「最大の悪夢」となっている。

Chinese economic growth:中国経済成長。「不安定、不均衡、非協調、そして持続不可能」(2007年、当時の温家宝・中国首相)

Chinese GDP:中国の国内総生産(GDP)。「人為的な」数字(2007年、李克強・現首相)

Chinese public debt:中国の公的債務。地方政府系投資機関やアセットマネジメント会社、政策銀行などにおいて、大半がバランスシートには表れない、実際より大いに控え目に計上された中国の負債。

Chinese real estate:中国の不動産。同国2級都市の郊外に急造されたゴーストマンション群。中国の破綻した信用取引制度で担保とされている。

Client:クライアント。Muppetを参照。

Corporate governance:コーポレートガバナンス(企業統治)。経営陣が株主を代表して働いているという作り話を維持するよう意図された一連の規則。

<D>

Default:デフォルト。「債務者が債権者をだます完全な手口」(1933年、マックス・ヴィンクラー)。Greeceを参照。

Deflation:デフレーション。生産性向上と世界貿易の拡大で物価が緩やかに下落すること。FRBによる緩和策の結果である負債デフレーションと混同しないこと。

Derivatives:デリバティブ。投資会社バークシャー・ハザウェイを率いる米著名投資家ウォーレン・バフェットはかつて「金融の大量破壊兵器」と定義したが、自身も手を出さずにはいられなかった。

Dollar:ドル。FRBのバランスシート上で変身を遂げた価値のない代用貨幣。世界中に大混乱を引き起こしている低い米金利をもたらした国際金融制度の基軸。

Dot-com 2.0:ドットコム2.0。ITバブルの第2弾。

<E>

Earnings per share:1株当たり利益(EPS)。四半期ごとに発表される企業業績を計算する方法の1つだが、真の利益性についてはほとんど語らず、簡単に操作できる。役員報酬制度のターゲットとしてしばしば設定される。

Economist:エコノミスト。世界金融危機を予測できなかった人。大抵は普通の数学者で、金融の理解に乏しい。Bernanke, Benを参照。

Emerging markets:新興国市場。共通点がほとんどない比較的貧しい国々で、経済政策の失敗、広範囲に及ぶ汚職、法の支配の欠如という歴史を守っている。BRICを参照。

European Central Bank:欧州中央銀行(ECB)。支払い能力のないユーロ圏メンバーに無限に融資することで圏内団結をはかろうとする機関。

Euro zone:ユーロ圏。欧州の「永続的な」通貨統合。負債デフレーションや経済の硬化、国家破綻を引き起こすような破滅をもたらす凶器。

Evergreening:エバーグリーニング。損失計上を避け、ゾンビ企業を支援するために銀行の不良債権の処理を先延ばしにする慣行。1990年代初めに日本が発明したが、最近では中国やユーロ圏も採用している。


http://jp.reuters.com/article/2015/11/02/column-financial-devils-dictionary-part-idJPKCN0SR08920151102
Column | 2015年 11月 2日 13:15 JST
コラム:現代版「悪魔の金融辞典」パート2



[16日 ロイターBREAKINGVIEWS] - 米国の作家アンブローズ・ビアスは、著書「悪魔の辞典」(1911年)の中で、政府から商業、人生全般に至るまで辛口な定義を示した。
ビアスは金融に関する知見も深く、例えば、「富」は「1人の手に握られる多くの人の蓄え」と定義してみせた。
ロイターBreakingviewsは世界金融危機が発生する以前の2007年、ビアスの「悪魔の辞典」に倣い、その金融版を発表した。だが危機後の現在において、もはやそれは適切でないように思える。そこで以下にその改訂版、金融危機後の「悪魔の金融辞典」から抜粋したパート2を紹介する。

<F>

Financial innovation:金融革新。ウォール街が考え付いた、手数料を取ったり、リスクを隠したり、規制を逃れたりする新たな方法。

Flash Crash:フラッシュ・クラッシュ。超高速取引を行うトレーダーのせいで2010年5月に起きた米国株の瞬間暴落のこと。この件で当局は、思いもよらない身代わりを英ハウンズローで見つけた。

Forecast:予測。取引を増やそうとするブローカーや破綻を隠そうとする年金運用機関によってつくり出される、常に楽観的で、不正確な予想。

Fund management:資金運用。「スキルの錯覚」の上に成り立つ業界(ノーベル経済学賞受賞者ダニエル・カーネマン)。投資の世界で運とスキルが区別できるようになるには数十年を要するが、成功しているファンドマネジャーは自分のスキルを信じたいようだ。

<G>

Global carry trade:グローバル・キャリートレード。安いドルで世界の金融システムが氾濫すること。通常、米国の利上げで突然止まり、新興国市場の危機が訪れることになる。

Global financial crisis:世界金融危機。FRBが救済の手を差し伸べるまで、ウォール街の円滑な手数料集金マシンを停止の脅威にさらしたイベント。

Goldman Sachs:ゴールドマン・サックス。「人間の顔をした巨大な吸血イカ」(米ジャーナリストのマット・タイビ)。利害の対立を「扱う」ことを専門とするウォール街の企業。

Greece:ギリシャ。独立以降、時間の半分をデフォルトに費やしている国。ゴールドマン・サックスから、バランスシートに記載されない財政的アドバイスを受けた後、ユーロ圏への加盟資格を得た。

Greenspan put:グリーンスパン・プット。資産価格バブルの崩壊を防ごうとFRBが取った金融政策。さらに大きなバブルの原因にもなる。

<H>

Hot money:ホットマネー。グローバル・キャリートレードの資金として使われる短期債務。問題発生の前兆で逃げ出す。

<I>

Initial public offering:新規株式公開(IPO)。内部者にとっては、割高株を外部者に売る機会。ウォール街にとっては、法外な手数料を搾り取ったり、市場を操作したり、利を施す機会。

Interest:利子。遠い昔にわれわれの祖先が享受していた、貯金で得られる恩恵。

<K>

Keynesians:ケインジアン。「天の声を聴き、過去の学者の悪文から錯乱した考えを引き出している」(ジョン・メイナード・ケインズ)エコノミスト。

<L>

Lender of last resort:最後の貸し手。中央銀行の伝統的役割であり、市場のパニック時に資金を供給する。元々は質の高い担保に対し、処罰的な金利での貸し付けに限られていたが、最近では不良資産でも利子を補給して貸し出している。

Libor scandal:ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)スキャンダル。銀行幹部のボーナスを稼ぐため、トレーダーらが短期金利を不正に操作した事件。同じく銀行幹部のボーナスを稼ぐために、中央銀行が行う合法的な金利操作と混同しないように。

Liquidity:流動性。金融危機以降、FRBによって要望に応じて供給されるウォール街の酸素。

<M>

MBA:経営学修士号。倫理もビジネスセンスもない人のこと。Business schoolを参照。

Mergers and acquisitions:M&A(合併・買収)。報酬が自社の売り上げと時価総額に関係するCEOが行う。借り入れでまかなうM&Aは、1株当たり利益(EPS)を高めるための常套手段となっている。

Moral hazard:モラルハザード。FRBの政策で培われた「どう転んでも損はしない」というウォール街の考え方。

Muppet:マペット。操り人形。Clientを参照。

<O>

Off balance sheet:オフバランスシート。隠された真実。

<P>

Pension plan:年金制度。不十分な資金と非現実的なリターンを前提に運営されている、企業による支払われることのない約束。

People’s quantitative easing, or PQE:国民のための量的緩和(PQE)。財政支出のために紙幣を印刷すること。アフリカ中で長い間行われてきた。最近、英国で「進歩的な」政策として提案された。QEを参照。

Ponzi scheme:ねずみ講。米国から中国に至るまで、経済活動を持続させ、上がる一方の債務レベルを正当化するために、資産価格を上昇させ続ける必要のある現代資本主義の活動。

Profit:利益。現在は、米国最大の製造業となっている。

<Q>

QE:量的緩和。米国のデフレ対策と経済成長促進のため、FRBが新たに発行した紙幣で債券を購入したのが一例。実際には、資産価格バブルやコモディティーへの過剰投資、そして新興国市場の信用バブルを生み出す結果となっており、現在進行中の新興国バブル崩壊は世界的なデフレと世界経済成長の低下をもたらしている。

<R>

Retail investor:個人投資家。立派なマペットになれるほど裕福ではないため、高い手数料を支払っている、ウォール街の部外者。

Revolving door:回転ドア。元政府当局者がウォール街からもうかる仕事を提供され、「くら替え」すること(ルービン元米財務長官はシティグループ、グリーンスパン元FRB議長は米ヘッジファンドのポールソン&カンパニー、バーナンキ前FRB議長はシタデル)。日本では「天下り」として知られる。

<S>

Scapegoat:スケープゴート(身代わり)。自分の無責任さはさておき、 国民や政治家が世界金融危機の起きた責任をなすりつけられる相手や事柄。

Securities and Exchange Commission:証券取引委員会(SEC)。好景気のときは眠っているが、不況になったら小物まで起訴する米国の金融規制当局。

State-owned enterprise:国有企業。資金が政策に誤用され、残りは当局の懐に入れられる新興国市場の企業。

Swiss watches:スイス時計。新興国市場で汚職の通貨として使われる。

<T>

Too big to fail:大き過ぎてつぶせない。国家に救済されると分かっている巨大銀行は無責任に行動するという概念。実際のところ、銀行破綻は多くの小規模行がしのぎを削っているところで発生する可能性が高い。

<V>

Value investor:値ごろ株投資家。将来が過去と似たような状況になるというむなしい期待をもって株を購入する昔ながらの投資家。

Volatility:ボラティリティー。現代の金融理論で、市場の変動は、いわば資金が永久に失われる可能性という真のリスクに等しいという誤った考え方。

Volcker, Paul:ポール・ボルカー。ウォール街の異端者から崇拝される元FRB議長。

<W>

Wall Street economist:ウォール街のエコノミスト。「見ざる、聞かざる、言わざる」を原則とする、経済分析の仕事に応募した人。

Whale:クジラ。2012年にデリバティブで60億ドルを超える巨額損失を出した米銀行大手JPモルガン・チェース、ロンドン支店のトレーダー。同行のジェームズ・ダイモンCEOは当初、「空騒ぎ」と一蹴した。

<Y>

Yield curve:イールドカーブ(利回り曲線)。長期金利と短期金利の差。景気が低迷するたびにFRBはイールドカーブの傾斜がきつくなるよう(スティープ化)操作する。銀行を助けるだけでなく、否応なく次の危機につながるグローバル・キャリートレードを引き付ける。

<Z>

Zaitech:財テク。 金融工学を意味する日本語で、やり過ぎると企業のゾンビ化を招く。

ZIRP:ゼロ金利政策。長期間やり過ぎると国の経済全体がゾンビ化する。

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ハローウィンはこれからの新しい東京の祭である 
Monday, November 2, 2015, 04:35 AM
一昨日は地下鉄に乗って友人の夫婦と食事をしました。地下鉄にはコスチューム姿が大勢見受けられます。
緑色やオレンジ色、アフロヘアのカツラ姿、スーパーマリオにミニスカポリス、血みどろナースやアニメキャラクターと車内にもホームにもわんさかわんさか。

ひとりだったら恥ずかしいですが、多数がそうだったら逆に普通の姿のほうが気恥ずかしいくらいです。

大の大人が街中で理由もなく仮装しているなんて子供じみた行為だと当初は思っていました。ところが

ハローウィンはモノトーンな都心でこそ映える



誰だってヘンな格好して人目に晒されたくないと思うわけです。特に思春期あたりならそうでしょうし、会社勤めならスーツにネクタイはあたりまえ。もしくは支給の作業着でしょう。

他人と違う格好をして誉められるのはデザイナーや服飾関係などごく一部の職業です。
20年前に東京に転勤して、まず驚いたのは街行く人の服装が真っ黒であったことと、青山のブティック街では女性はみんなモデルさんのように見えました。

似合わないブラウンの安物スーツの自分が周囲から浮いているようでとても気恥ずかしくなりました。
バブル末期はけっこう明るい色が流行っていたのに、あっというまに黒一色です。

今でも霞ヶ関やオフィス街はダークスーツばかりで色覚が消えうせたかのような風景です。

そんなビル街に赤や緑など色とりどりが映えるのはとても新鮮に見えます。

小さな非日常性は大切なことである



年齢を重ねるごとに、変化を拒むのは誰でもあること。
もしくは没個性こそ自分のスタイルと思い込んでいるのかもしれません。
とくに人口密集度が高いと、他人との違いや奇抜さは、そのまま自身の評判になりますから、無意識な防衛意識が働くのでしょう。

ホテルのロビーで会った友人夫婦が私を見つけていった一言
「あれっ、六城ってこんな格好するの!?」

せっかくのレストランでの御呼ばれだから、ジャケットとタイにしようかと思いましたが、ちょっと尖がった姿(コンバットベレー帽にライダージャケットにブーツ)にしました。ご夫婦は見慣れたジーンズか綿パンと綿シャツで来るだろうと思っていたそうです。

娘さんはゾンビナース姿で渋谷に繰り出して行ってしまったらしく、友人夫婦と夜景を楽しみながら食事をしました。

ちなみに旦那のほうは、趣味がバレーダンスで、迷惑なことにたまに白いタイツ姿で踊る舞台姿を送りつけてきます。こっちのほうがよっぽどのホラーですね。

ファッションは他者へのエンターテイメントでもある



六本木を通る地下鉄日比谷線の終電で帰宅しましたが、にこやかなコスチューム姿で満員でした。
みんなニコニコ。

外国人の姿も多く見られます。

この日だけは停車するたびにホームを眺めることと、どんなのが乗り込んでくるかと飽きることがありません。
そして殺伐とした地下鉄車内が雰囲気が和んでいるのです。

こうしてみると、ハローウィンは悪い習慣ではないなと思いますし、この日だけは服装をちょっと変えてみるのも非日常です。
髪型や色を変えてみたり、カラーコンタクトを入れてみるとか小さな変化をつけるだけでも良いのではないでしょうか。

私の田舎はだんじり祭りですが、その週だけは高校生のときは教師たちが紫や金髪でした。パーマに茶髪解禁つうか、地元の怖い体育教師に弾け方が足りんとわけのわからない説教までされました。(普段は真面目な学校なのです)

一番真面目で学生服と寝巻きしか着ない奴が、パンチパーマで登校したらなぜか壇上で誉められてました。これが大阪の祭です。

ここ浅草でも三社祭の一週間前から、各地区でお囃子の練習が鳴り響き、親や子供も浮き足立ってます。

こうして見ていると、渋谷や六本木のハロウィンというお祭りは、もっと広範囲に刹那的な非日常を楽しむせっかくの機会なんだと思います。

くだらない海外の風習だと一蹴するのもわかりますが、大人でもう一回文化祭をやるという気軽な気持ちも大切だろうと思いました。
群集が無秩序に集まった喧騒のように思われるかもしれませんが、意外とおとなしいもんです。

羽目を外すのがハロウィンなのではなく、仮装姿で歩けるだけというのが日本のハロウィンの特徴ですね。これは立派な東京の祭りなのだと地下鉄車内で認識しました。
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三菱重工が苦境のアレバ(仏)の子会社支援へ 
Saturday, October 31, 2015, 05:21 PM
10/31 晴 10時 浅草での空間線量は20ベクレル/立法メートル

本日の経済面で三菱重工が苦境に立っているアレバ(AREVA)の子会社への出資を決めたという記事がありました。
安倍晋三首相がトルコへの原子炉建設を約束したのも、このアレバの原子炉です。

アトメア1(ATMEA1)という加圧水型(PWR)の中型原子炉とのこと。
電力需要にあわせて出力を絞ることができるので扱いやすいのが特徴なんだとか。

まあしかしなんですな。

原子力大国であるハズのフランス政府が脱原発路線になっちゃったもんだから、アレバも子会社を支えるだけの体力がなくなっちゃったわけですね。

共同開発相手の三菱も乗りかかった舟だから見棄てるわけにはいかないし、両者とも国策企業でもあるからファイナンスの最後のケツ持ちは国家ということになるでしょう。

原子力プラントは東芝+WH(ウェスティングハウス)、日立+GEといった米国陣の他、ロシアや中国なども世界で販売を展開する厳しい競争の状況であり、先進国では完成遅延や蒸気漏れなどの小規模な事故による巨額賠償訴訟が多くなされています。

日経産業新聞 2013/11/11
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO62265460X01C13A1000000/

■「原子力事業、商業的には成り立たない」

 運営者がトラブルや事故を起こした原発のメーカーに寛大な対応をすることは考えにくい。国民感情を考慮するなら、メーカーが外国企業の場合は特にそうだろう。サンオノフレのケースでいえば、運営者は巨額の賠償請求を突きつけたSCEであり、監督当局のNRCも同調している。三菱重工の責任追及には地元カリフォルニア州選出の上院議員も暗躍した。

 原発ビジネスはセールスからリスク管理に至るまで政治の関与がますます不可欠になりつつある。

 「いまの原子力は『国家事業』だ。つまり商業的には成り立たない」(10月10日付日本経済新聞朝刊「真相深層」)

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)のこの指摘は確かに的を射ている。日本政府や原発メーカーの経営者はどう解釈するだろうか。



このように商業的には絶対に成り立たない原子力事業なのですが、電力エネルギーの手綱をロシアに握らせてはならないという国家の思惑で東芝や三菱重工、日立は動かされているのです。(三菱重工と日立は発電事業では合併している)

ロックフェラー系がフランスの原子力を握れるのか!?



フランス企業ですからアレバはロスチャイルド系のように感じますし、三菱重工は立派なロックフェラー系企業の代表格です。それともヨーロッパの原子力産業はロックフェラー系で牛耳られているのでしょうか。

この記事を見て単純にそう感じました。

損得勘定ではなく、日本企業がフランスのアレバに金を出す背景はアメリカの要請だということです。

関連ログ:中国の方が上手だな(欧州での原発事業拡大に本腰の中国)

左にはアメリカの製薬会社ファイザーがアイルランドのアラガンという製薬会社を13兆円超で買収するという記事。TOBなので最終的には20兆円となると予測されています。

アラガンという企業は最近合併を繰り返して大きくなったアイルランドの医薬品会社なんだとか。
ファイザーがなんでアイルランドの企業を買収したのかというと、法人税が12.5%と低率なため、グローバル企業は好んでアイルランド企業と合併をしたがるのです。(米国は35%)

アイルランドへの本社移転で税金が1/3になるのならば、平気でするというのがグローバル企業というもんなんですね。
温泉がある国だから日本企業も何社かは籍を置いているみたいです。

参考:【10秒で読む日経】 2015/10/30
http://archives.mag2.com/0000102800/


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へぇ松田聖子のヒット曲は松本隆と松任谷由実の作だったのか 
Friday, October 30, 2015, 11:38 PM
NHKのSONGS「松本隆」を観ました。青春時代の代表曲だという方も多いでしょう。
画面のクレジットでは作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂とあるのでユーミンだとは今まで知りませんでした。
幼かった頃は甘ったるくてむずがゆい聖子ちゃんの曲は好きではなかったのですが、今では全然輝きを失っていない良い曲だと思います。

朝は小椋桂(おぐらけい)がNHKに出ていて、「愛燦々と」を歌っていました。「さらば青春」「シクラメンの香り」を朝から聞くとは思わなかった。こちらも沁みる曲ばかりです。

松本隆作の作曲ではユーミン以外に、松本隆最大のヒット曲「硝子の少年」は山下達郎の作曲です。こうして朝は小椋桂、夜は松本隆の曲を聴くことで、

音楽の世界は突出した能力のある人だけの世界


なんだなあと妙に感心しました。

いまさらギター弾いてロックスターになりたいわけではないので、素直に聴けますね。
時代を切り取って、求める形で表現できる人たちがポップカルチャーを築いたのだと素直に感心しました。
AKB商法で叩かれる秋元康も私は希有な能力を持つ人だと思っています。

AKBのヒット曲もよく聞けばちょうど私ぐらいの中年には懐かしいメロディーラインです。
安定のワンパターンとも言えますが、ちゃんと潜在的な需要を掴んで巧妙に作られているのでしょう。
昔は寄せ集めの素人ネエちゃんと思っていましたが、いまでは安心してAKBは聞くことができる。

駄作・駄文を寄せ集めてハーモニーをちゃんと完成させる我が師、副島隆彦先生も出版界の秋元康と言えるでしょう。ただ集まるメンバーが小粒すぎて申し訳ないっす・・・。

80年代前半の甘ったるい聖子ちゃんの曲を聴いていたら、逆に辛口な曲を聴きたくなりました。

そこでCDをかけた曲はこれ、浜田省吾「愛の世代の前に」
まだ都庁も建っていない頃の新宿かな。当時はこの歌と山下達郎のRideOnTimeに痺れました。


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自動居眠り誘導装置付自動車 
Friday, October 30, 2015, 11:45 AM
10/29 晴 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

モーターショーの目玉は自動運転機能なんだそうで、10年前でもすぐにでも搭載可能な状況だったと自動車会社に勤める友人が言ってました。

衝突防止機能は一社が搭載したら、すぐに他社も追随して発表したのは、どの自動車会社も製造者責任(PL法)で躊躇していたからなんだとか。

自動運転技術は旧運輸省時代から自動車業界あげて取り組んでいたことで、別にGoogleあたりが先鞭を付けたわけではない。

けどもなんとなくGoogleが先行しているようなイメージなのは、アメリカ国防省が後押ししているため、あちらは軍需企業が潤沢な資金とシリコンバレーの頭脳が集結しているからでしょう。

一方では、日本は事故の責任が企業に押しつけられる恐れから、いちおうやってますという姿勢を取る程度だったのだとか。
それでも高速道路や自動車専用道路の自動運転は10年前でも十分可能だったのだとか。

ハードウェアは出そろっていて、あとは人工知能(AI)の能力次第という段階なんでしょう。(しらんけど)

ただもし危険を回避できない状況に陥ったら、AIはどのような対応をするのかという疑問がネットで盛り上がっていました。

正面にも人、側面にも人が突然飛び出してきた状況では、さてAIはどのように反応するか?
つまりとっさにどちらにぶつけてもいいかという「殺人判断機能」を組み込まねばならないということ。

もしくは人にぶつける前に、自ら崖から落ちるとか、側の建物やガードレールにぶつける「自爆機能」を組み込まねばなりません。

そんな状況があるかって?

私が最近体験したことですが、銀座通りの車道を自転車で走っていたら、いきなり女性が目の前に仰向けに倒れてきたのです。心臓が止まりました。
避けるためには左の歩道へ身体を放り込むか、車道側に大きく避けるか、女性にそのまま乗り上げるしかありません。

スピードが駆け足程度だったので、前のめりな急ブレーキで車道側に転んだだけで済み、後続のクルマも止まってくれました。一歩間違えればこちらが轢かれているところ。

周りの人はオレが女性を轢いたようにみえたのかもしれませんが、おしりをさすりながら女性が起き上がって、高いハイヒールが突っかかったと私に謝ってくれたことで、周囲も納得されて事なきを得ました。

子供よりも、都心ではタクシーを拾うために車道へ急に飛び出すサラリーマンもよくいるので、注意が必要です。

自動運転だから安心しても、不意にガツンとブレーキがかかったら心臓に悪いだろうなあ。

モーターショーではベンツが運転席を後ろ向きにして移動中でも会議したり、パソコンでメール作業などができますと謳っていました。

会議や打合せは電車の中でヤるよ・・・



もしベンツの言うとおり後ろ向きで打合せしていて急ブレーキがかかったら全員鞭打ちになるでしょうね。

すばらしい技術のように思えますが、それでは高速インターネット時代に大々的に喧伝された「TV電話」はいまはどうなったでしょうか?

少なくとも私は使いません。Skypeは何年も起動してませんし、iPhoneでも使っている場面は一回だけ見ましたが、相手が嫌々なのがカメラを通して感じられました。眠いからと一方的に切られてお仕舞い。

モーターショーに合わせて、自動車評論家による自動運転の体験談がネットで読めます。

自動運転はひたすら眠くなる



座ってフロントウィンドーから眺めているだけだから、そりゃ眠くなるわ。自動車の評価もへったくれもあったもんじゃない。

ペダルとハンドルだけ操作できれば動く自動変速装置(AT)がほぼ標準となった今では、信じられないような事故も報道されています。
長距離トラックの運転手、認知症や精神障害者、テンカン、四肢障害者などにはAI搭載の自動車の法整備が進めばメリットはありそうです。

でも私がヨイヨイジジイになる30年後あたりに、操作不要なクルマに乗りたいかというと、まっぴらごめんです。
その頃には全車が自動運転になるので、タクシーという業種が消えて、自家用車の乗合いが普通になっている可能性も高い。

もっとも水素自動車のようにタイヤがついている発電装置として一家に一台となっている可能性もなきにしもあらず。

どのみち退屈な機械となる運命でしかないのでしょう。
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中国を叩くためにFOMCはいよいよ12月に利上げする 
Thursday, October 29, 2015, 06:18 PM
床屋政談です。

今朝の日経電子版から抜粋です
米連邦準備理事会(FRB)は28日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策を維持し、利上げを見送った。声明では、雇用環境が弱含んでいると認めたが「次回会合での利上げが適切か、進展を見極める」と初めて盛り込み、12月に利上げする可能性を示唆した。


あちらでは一年後の大統領選を控えているために選挙の半年間は大きな金融政策はできなくなります。そのためにもFRBは年内には利上げするだろうという予想があります。

たぶんそうするでしょう。

中国経済に鉄槌を加えることをどうやらホワイトハウスは決めたのでしょう。
そうしてロスチャイルドは中国軍によるアジアを紛争地帯に陥らせようと否が応でも進めさせていく。

なんか既視感があるなあ。
歴史は繰り返すといいますが、来年も状況は好転しないでしょう。

アメリカの金融引締めで中国や先進国から一斉にドルが戻っていくでしょう。
政府の要請でこれ以上は中国の横暴は許さないとアメリカ財務省が動き出したのかも知れません。

イエレンさんは景気浮揚策で利上げを今まで押しとどめていたのですが、アメリカ財務省の利上げ要求に抗しきれずに年内には利上げをするだろうということです。

来年は日本の景気も波乱な状況になります



再び中国発の世界金融危機が発生するかもしれません。もしそうなれば日本経済も影響は避けられません。

はたしてアメリカが覇権を固めるか、中国の抱きつき心中となるかは私にはわかりません。

すくなくとも言えることは、ドルの利上げは新興国には大打撃となります。そしてドルの利回りと連動する円も日銀は利上げとするでしょう。

そうなると日本国債の価格低下(利回り上昇)、国内銀行の財務悪化とゾンビ企業の倒産が相次ぐ自体となります。

総員、防御を固め、衝撃に備えよ


という状況がいよいよ迫ってきたと言えます。

浅草の夜は閑(しずか)です。
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小学生でも大学で習う高等数学が解ける時代なのです 
Thursday, October 29, 2015, 03:07 PM
10/28 曇 10時 浅草での空間線量は21ベクレル/立法メートル

あんまり数学の話題ばかり拾っていると、六城ラヂウムの存在意義である”健康”に関係ないとそっぽを向かれてしまいますね。

しかし私には我々日本人のひ弱な思想はいったいどこから来たのだろうという疑問があるのです。

副島隆彦先生がかつてより、サイエンスは西洋宗教の”魔術”として日本に入ってきて、それを”術”のみが受入れていったのだと解説されています。サイエンスは元々は修道士や哲学者が神の存在を知ることができる”秘術”であったのです。

江戸時代中期(8代将軍吉宗頃)から中国経由やオランダ商船から天文学(暦)、測量といった知識が日本にも紹介され始めました。

代数(方程式:当時は天元の術と言った)や微分積分も江戸後期となると日本の数学者達もどんどん貪欲に取り入れて武道とならぶ秘技・流派となっていくのです。

ところが明治4年には学制が発布されて、算塾の秘技であったアラビア数字での筆算が授業で取り入れられています。(それまで寺子屋レベルではそろばん計算ばかりだった)

キリスト教徒の秘術をなぜ術の部分だけ取込むことができたのかというと、すでに崇める対象があったからです。

江戸時代では敬う対象は大権現様(お天道様、家康のこと)であり、大政奉還後は天皇の神格化を強化しました。

これは山縣有朋(やまがたありとも)がキリスト教の布教を認める代わりに、神−キリストー精霊という三位一体論の神を天皇とすることを条件にしたことによります。

こうして明治では廃仏毀釈(はいぶつきしゃく:旧勢力配下であった寺社仏閣を打ち壊す運動)と廃城令が出されて徹底的に殿様と将軍家の象徴を破壊します。

イスラム過激派(タリバーンやISIL)が遺跡を爆破破壊していくのと同じ事です。

本来なら明治維新で日本人の大部分はキリスト教に帰依していくのが成り行き上必然だったのに、キリスト教の勢力はそれほど広がらなかったのは、徹底した切支丹禁教の名残があったことと、カトリックとプロテスタントの勢力を明治政府が上手く上手くあしらって切り抜けたからです。

明治政府による強引な天皇至上主義教育の賜物



NHK大河「花燃ゆ」でちょうど今は初代群馬県令の梶取素彦(かとりもとひこ)が公立学校設立に奔走している場面です。

江戸幕府への絶対的恭順を叩き込まれていた県民を明治政府に従わせるには、天皇を新たな神として信仰させる急務があったのです。また梶取自身も天皇崇拝者でありました。

一方、旧幕臣達や徳川家は天皇は京都にいるお飾り程度にしか感じていません。今でも内閣総理大臣の任命は天皇から形式的に勅令される風習となっていますが、徳川将軍の独裁下にある江戸時代では、庶民にとっては天皇はもっと軽く縁遠い存在だったと思います。

教育機関と兼ねていた寺社仏閣、寺子屋や藩校、町の私塾をすべて破壊してでも、政府管轄の教育制度を儲けた理由の側面には、緊迫であった思想統制があったのは疑いようがありません。

梶取素彦が就任する前には群馬にはまだ江戸幕府支持が多く、進駐した新政府軍にはゲリラ戦を仕掛ける村落があったそうです。今の伊勢崎あたりでは幕府兵の残党狩や協力者の惨殺が見せしめとして行われていたという記録があります。

思想(信仰)とは恐ろしいモンで、明治の教育体制が日本人の「玉」としての天皇家を奉ったからこそ、西洋秘術(サイエンス)は「術」というエッセンスだけを抜き取ることができたのです。

ただしこれが狂信の悲劇へと突き進んでいったことは言うまでもありません。

だから歴史とは善悪二元論に陥ってはいけないものだと思います。

ちなみに私は天皇制の維持は宗教・思想の防波堤として絶対必要だと思っています。

話を戻して、すごく柔らかい数学の本を紹介しておきます。

「とんでもなく面白い 仕事に役立つ数学」 西成活裕 日経BP 2012年

いわばこの本は数学のキモである成り立ちの背景や過程なんぞすっとばして、生産現場や商品開発ですぐに役立つ「技(術)」として高校生あたりでみんな悩んだ数学を再認識してもらおうという趣旨の本です。

数式の成り立ちが掴めたら、設計で使えるという公式がこれとあるだけで、なるべく数式記号が本文中にはないように工夫されています。社会人大学の講義内容がそのまま本にしたようなものなので、パラパラと読めます。

なんでも物事を最適化(最小化)する、いわゆる「無駄取り」は直感や経験だけではなしえません。

そこで事象のモデル化や単純化で三角関数、微分方程式、フーリエ解析といった技術が役立つという内容です。

私は20代前半はずーっと微分方程式、フーリエ解析、そして行列式に苦しめられてきました。とくに社会人では”非線形”という直線グラフでは表せられない事象や挙動を表示するエンジニアリング・プログラマーでした。

当時コンピュータはあっても、自分で使うためには自分でプログラムを組み込まねばなりませんでした。ワープロと表計算ソフトはありましたけど。

いわば自動車に乗りたければ、エンジンから自分で造らないといつまでも走りまわることができない状況です。
しかし中学程度の数学は自作できても、大学レベルの高等数学をコンピュータで誰でも手軽に使えることは、まず夢の世界だったのです。

まして分数の足し算かけ算といった分数表記は、当時のコンピュータではできません。
例えば 1/2+1/3=0.833333・・・となり、5/6の近似値しか得られません。この近似値の誤差が非線形では大きな影響となります。だからコンピュータの結果を常に電卓で概算して常に検証しないといけませんでした。

時代は進んでめんどくさい計算はすべてコンピュータがやります



今は違います。数千円で分数はおろか、行列や統計も答え一発ででる電卓が電気店の店頭に吊り下げられていますし、一万円もだせば大学や大学院レベルの数式もささっと解いてグラフまで描いてくれるコンピュータが販売されています。

えーっと両辺を積分して、この値を代入して、この値を求めてからxの値を・・・などとやる必要はまったくない。

「とんでもなく面白い 仕事に役立つ数学」でも具体的な計算はコンピュータでとなっています。

式さえ入力できれば、あとはコンピュータが何度でもやってくれます。(私にとっては涙がでるような話です)

そんなことよりも、三角関数はゆらゆら揺れているイメージ、急激に増えていく指数関数のイメージ、増減を決定する固有値のイメージ、ぐるっと回転する虚数の世界のイメージなどをしっかり身につけておくことが大事なのだと西成活裕氏(東大教授)は訴えています。

それさえあれば、理屈や解法は後回しにしても、あとはコンピュータが解いてくれるのです。

いままで何でこのような式が波になったり、振り子の式になるのだとうと思っていましたが、イメージすることがこの本の御蔭でできるようになりました。

海外の数学の授業では電卓必須のところが珍しくありません。そしていまや数学教育にコンピュータが猛烈に普及しています。
そこでは、画面のロボットを動かしたりするのに、子供たちが行列や複素数を自在に使って遊んでいるのです。

技術だけは驚くべき速さで世界中に伝播していきます。
いまではフーリエ変換を知らなくてもデジタル化された音楽をスマートフォンで誰もが楽しんでいます。

江戸末期黒船が来た頃、ヨーロッパではすでに蒸気機関車が走り、大西洋間の電信網までありました。
大正8年にはアメリカでもラジオ局が設立されると、日本も6年後にはラジオ放送が始まり、その25年後にはテレビ放送も始まりました。

蒸気機関から鉄道へ、電信から放送へと、応用(application)例はあっという間に世界に広がるのが近代社会の特徴です。

NHK朝のドラマ「あさが来た」は明治期の女性実業家・広岡浅子のお話で、そろばん好きの少女時代が描かれていました。
商家の帳簿管理は男尊女卑で、そろばんは一部の人が用いる技術でした。
それを浅子は打ち崩して、嫁ぎ先で活躍していくというお話です。日本女子大の創立者ですが、計算力の必要性を訴えたかったのではないかな。

なぜか現代においても、数学は頭のええやつだけがやっとけばいい、特殊な能力を持つ人たちの娯楽のように思われています。
一方で海外では、身近な遊び相手としてどんどん子供たちに微分方程式とか複素数が与えられているのです。

これではこれからの日本人は勝負になりません。

幕末−明治にかけて必死に術を学んだ日本人たちはいったいどこにいったのでしょう。
その根源は、いまでも旧態依然の教育にあると私は考えています。

もっともそのように考えている富裕層は子女をさっさと脱出させてますけどね。

過去ログ:夏目漱石「門」の主人公宗助の頭脳は幾何が占めていた
福沢諭吉が唱えた啓蒙思想とは数学知識の普及のことである
物理学・数学は1600年代に急激に発展したというグラフ
そして再び「無」の探求が始まった
異端の数 ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (2)
情報の非対称性がより固定化された(マイナンバー制度はモラルハザードを引き起こす)
異端の数 ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念(1)
「ゼロ」が怖いよ、怖いよ〜ひぃぃ (数論は神学論争なのである)
「数学×思考=ざっくりと いかにして問題をとくか」竹内薫 丸善出版
そろばんは加算・引き算だけではなく、割算も二乗根も三乗根もでるのか!
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中流のドイツ人はシリア難民が来られるならWillkommen(歓迎)である 
Tuesday, October 27, 2015, 02:35 PM
10/27 晴 10時 浅草での空間線量は28ベクレル/立法メートル

昨晩はドイツの友人が来日して東京モーターショーの関係者として入れるから遊びに来いとのこと。でも断りました。モーターショーなんて20年近く観に行ったことはないし、興味ないしね。

そしたら浅草まで遊びに来てくれたので、ビール片手にいろいろ雑談をしてました。

シリア難民は大変な問題になってるだろうと水を向けると、涼しげな顔で「ああ、そうだねー」と一言。

意外と深い問題とは感じてないようで、「シリア人はやっぱりよく見かけるの?」と訊ねると、フランクフルトやハイデルベルグといった都市部やルール工業地帯にもすでに多くのシリア人はいるが、行き先のないシリア難民は駐独米軍キャンプ地跡などの元兵舎にいれられるんだとか。

そして企業にはドイツ政府から難民の雇用の要請があり、言葉ができなくても、宗教問わず、必ず割当人数以上を雇わねばならないのだそうです。

もちろん雑用や掃除、単純作業しかできませんが、できることを探して仕事を与えねばならないのだそうです。

同い年ですが、帰国したら彼の部署が雇う10名程度のシリア難民の面接を彼がするのだとか。

驚いたことに、それが当然という風にさらっと答えてます。つまり一般的なドイツ人のメンタリティーは難民がいくら押し寄せても、どうにかしてでも仕事を創り出してあげるし、それは俺たちはできると考えているのです。

・・・びっくりしました。

EUの盟主としてメルケルさんが暴走しているわけではなさそうです。あきらかにメルケルの難民政策にたいしては中流階層に属している友人は賛成しているのです。

「仕事が奪われるって?僕らの代わりにはならないよ」と平然としています。

そしてコピー取りや床掃除、ちょっとしたお使いでもいいので仕事を与えるのがドイツ国民の責務のように感じていることが口調から察しました。

もっと感心したのは、日本に来日した理由が、来年インターナショナル高校を卒業する娘さんが日本支社で面接を受けるのだとか。それで父親も受入れてくれる同僚らに挨拶をするために来日したのです。

ドイツの大企業では人事部がまとめて採用などはしない!



「えっ?まだ高校生じゃないの?娘さんは」

「ああ、進学前に働きたいと言ってるし、勉強よりも会社で働きたいと言ってるから・・・」

「それで父親の勤めている会社で働くって言ってるの?」

「うん、それで親子面接となったわけ。子供だけど、なんかできる仕事はあるはずだよ。」

彼の父も同じ会社ですから、親子三代同じ企業となるわけです。
彼も高校卒業と同時にドイツの大企業に勤めて、日本に来たわけです。(そして結婚した)
ドイツじゃ面接する側、日本じゃ面接されるがわと大笑いしてます。

それって超縁故採用だろ!?



ハンディーキャップがあろうと、言葉ができなかろうと、歳が幼かろうと社会にはなんらかの仕事があるというのです。
この仕事はこの給料だと互いが納得したら、すぐに働くことになるだけなのです。

もっとも数年はアシスタントという下働きは誰でも積み重ねなければならないのは、どこも一緒だということ。

そしてシリア人だろうがパレスチナ人だろうが、関係ないのです。

すでに人種、肌の色、国籍がベルリンの壁の崩壊とEU設立と同時にごちゃごちゃです。
あちらで一度だけ彼の職場の人たちと会ったことがありますが、サッカー選手のようなアフリカ系、いかにもフランス人的な長髪パーマのひょっろっとした眼鏡、体格が似ているギリシャ人、色黒でお調子者なポルトガル人、サッカーでムキになるスペイン人、ソフィーマルソーみたいなマダム風の秘書、丸顔童顔の中国人、目が目立つギョロ目のインド人・・・

国境がなくなったのだからこうなるのは必然のこと。大陸(コンチネンタル)の同胞なのだからというわけです。
おどけてルーマニアなどからもきれいで細い女性がたくさん来ので良いこっちゃとのことです。

そして何よりも彼のような一般的な中流ドイツ人は

難民でも高卒中卒でも、企業は仕事を提供する義務がある



このように考えているのです。

VW(フォルクスワーゲン)の事件は、ドイツ国内ではそれほど大騒ぎではないようです。
そしてシリア難民も中流ドイツ人にはどうやらそれほど軋轢を生じているわけではないことを知りました。

国民性という一言では済まない話です。

キリスト教の楽天主義が根底にあるからなのだろうか?



リベラリズムってのはすごいものだな・・・

そして相応の負担はしかたがないと「ドイツ帝国」国民は思っているのだろうか。私にはちょっとついて行けませんわ。
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夏目漱石「門」の主人公宗助の頭脳は幾何が占めていた 
Monday, October 26, 2015, 04:29 PM
明治の文豪達、特に夏目漱石は数学が芸術の基であると考えていたようです。

文芸も絵画も音楽もすべては幾何学に基づいていたという考えは、西洋の知識人達、美術家、作曲家には普通であったでしょうし、開国以降雪崩れ込んできた西洋文化の根本は西洋数学にあると、明治の知識人たちは新鮮に捉えたのです。

朝日新聞に連載されている「門」でも弟小六の学費工面で悩む宗助の心情が冒頭で吐露されています。

(前略)
髪の毛の中に包んである彼の脳は、その煩わしさに堪えなかった。昔は数学が好(すき)で、随分込み入った幾何(きか)の問題を、頭の中で明瞭(めいりょう)な図にして見るだけの根気があった事を憶い出すと、時日の割には非常に烈(はげ)しく来たこの変化が自分にも恐ろしく映った。
(後略)


問題解決の手段として「幾何」が有効である



このように漱石は捉えていたのです。そして文芸論を東京大学の講師時代に上梓していますが、それは代数(方程式)による小説の分析です。

明治中頃から末あたりまでは、役人の登用条件としては、数学の能力が必須だったのでしょう。

いまの公務員試験とは全然違いますね。今の公務員試験は雑学のように思えます。
社会科の試験のようです。(どっかの国の首都名をあげよとかそんなのばっかり)

それならばクイズ王でも名前を変えてやっておけよといいたい。

数学を軽んじていると、集合論も軽んじることになり、やがては法律さえも軽んじていくでしょう。
じっさいに日本の憲法解釈なんて、憲法自体もそうですが、どうにでもなるような代物になりさがっています。

明治頃は実力次第で役人に登用されていたようで、それは数学的素養だったのでしょう。
そんな面を「門」から推し量ることができます。

過去ログ:
漱石は「こころ」で贖罪を問い、「それから」では罪という概念を嫌った
スピリチュアリズムとは無自覚な土人宗教です
室町時代が日本のルネッサンスであった(ドラッガー・コレクション)
夏目漱石の宗教観とインターネット空間が無法地帯であること
「それから」に学ぶ「喰うために働くということは悪徳である」ということ
100年前から女の方がずっと上手(うわて)です(夏目漱石「三四郎」から読む)
勝海舟はフリーメイソン・・・だったらどうだって?
フランス文学(という政治批評)が幕末・明治の知識層に多大な影響を与えた
理系とか理工学部とか理学と工学をいっしょくたにする愚かさ



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